リプレイ『求めるは大根の地』と『聖カンスの祝祭』で使用した、モンスター(ゴブリン、インプ)をプレイヤー・キャラクター(PC)として作成するルールを紹介します。
これは、ソード・ワールドRPGのシステムを用いたルールです。ソード・ワールドRPGの基本ルールブックか完全版か、いずれかが必要です。
なお、掲載するにあたって、先に行ったセッションの結果をもとに、若干の修正を行っています。上の2つのリプレイと食い違う個所があることを、ご了承ください。
プレイヤーは、ゴブリン、インプ、ダークエルフの3種の内から、キャラクターの種族を選びます。
種族を選んだら、キャラクターの能力値を決定します。
各種族の修正を用いて副能力値を決め、能力値を求めてください。
ダークエルフについては、ソード・ワールドRPG完全版の『モンスター副能力値決定表』を参照してください。
項目 | ゴブリン | インプ |
A | 1d | 2d |
B | 2d+3 | 2d |
C | 1d | 2d |
D | 1d | 1d+4 |
E | 2d | 1d÷2 |
F | 1d+2 | 1d÷2 |
G | 2d+3 | 1d+6 |
H | 1d+2 | 1d+4 |
補足)
端数は切り上げです。
ゴブリン、インプ、ダークエルフは暗視能力を持っています。
インプは飛行能力を持っています。ただし、必要筋力が筋力を上回る武器や盾、必要筋力に関わらず鎧を装備している場合、空を飛ぶことは不可能です。
参考までに、ゴブリンとインプの能力値の平均を、下に挙げておきます。
項目 | ゴブリン | インプ |
器用度 | 13.5 | 14 |
敏捷度 | 13.5 | 14 |
知力 | 7 | 14.5 |
筋力 | 12.5 | 4 |
生命力 | 15.5 | 11.5 |
精神力 | 15.5 | 17 |
なお、レムリア大陸のゴブリンの寿命の限界は30歳で、冒険適齢期は10〜25歳です。レムリア大陸のインプの寿命の限界は15歳で、冒険適齢期は3〜12歳です。
妖魔は、初期段階で3000点の経験点を持ちます。初期保有技能はありません。
習得できるのは、レンジャー技能、ファイター技能、ダークプリースト技能、シャーマン技能、ソーサラー技能です。
セージ技能は、ダークエルフのみ習得可能です。
シーフ技能は、人間かグラスランナーから学べば、習得できます。
プリースト技能は習得できません。
シャーマン技能とソーサラー技能の習得には、変則ルールがあります。
シャーマン技能を得るためには、知力が10以上である必要があります。
ソーサラー技能を得るためには、知力が14以上である必要があります。
また、ファイター技能にも若干の変則ルールがあります。
ファイター技能を習得した妖魔は、素手や体の部位を利用した攻撃の打撃力が、自分の筋力と同じ数値になります(4-1. 戦闘-攻撃ロールに使う数値参照)。
各技能の習得・上昇に必要な経験点は、ソード・ワールドRPGの『技能別経験点表』を参照してください。
なお、経験点を使用して能力値を1点上昇させる場合、生命力・精神力には2500点、それ以外の能力には5000点の経験点が必要です。
ゴブリンとインプは、自らの体の部位を武器にして、戦闘を行うことができます。たとえば、爪で引っ掻いたり、牙で噛みついたりする攻撃です。もちろん、武器を用いて戦うこともできます。
各部位によって、攻撃力、打撃力、クリティカル値に修正があります。それは、下の表のとおりです。
攻撃方法 | 攻撃力修正 | 打撃力修正 | クリティカル値 |
素手 | ±0 | ±0 | 12 |
牙 | ±0 | +5 | 11* |
爪 | +1 | ±0 | 11* |
尻尾** | ±0 | +5 | 12 |
*印=金属鎧に対しては+1されます。
**印=インプのみの攻撃方法で、尻尾には毒性値10の麻痺の毒(1時間持続)があります。
補足)
ダークエルフは、牙、爪、尻尾の攻撃はできません。素手か、武器を用いた攻撃のみ可能です。
ファイター技能を1レベルでも習得していれば、自分の筋力と同じ数値を基準に、打撃力の修正を行えます。
ファイター技能を習得していなければ、打撃力0を基準に修正を行います。
例1)
ファイター技能を習得している筋力12のゴブリンが、牙によって攻撃を行うときの打撃力は、基準値12+打撃力修正5で、17となります。
例2)
ファイター技能を習得していない筋力12のゴブリンが、牙によって攻撃を行うときの打撃力は、基準値0+打撃力修正5で、5となります。
ファイター技能・レンジャー技能による攻撃力の修正、及び追加ダメージの修正は、ソード・ワールドRPGの処理に準じます。
なお、武器を用いて攻撃する場合は、ファイター技能を習得していても、打撃力修正の基準値を自分の筋力の値にすることはできません。ソード・ワールドRPGの基本ルールか選択ルールに基づいて、修正を行います。
ゴブリンとインプは、防具を身につけていなくても、ある程度の防御力を持っています。
ゴブリンの防御力は13、インプの防御力は7です。また、インプは体が小さいので、回避力修正に+1のボーナスがあります。
まとめると、下の表のようになります。
種族 | 回避力修正 | 防御力 |
ゴブリン | ±0 | 13 |
インプ | +1 | 7 |
ダークエルフ | ±0 | 0 |
インプの回避力修正+1のボーナスは、ファイター技能による回避力修正に加えることができます。ファイター技能を習得しなくても、回避の判定に+1のボーナスを受けます。
また、ゴブリンやインプが鎧を装備した場合、その鎧の防御力を、ゴブリンやインプの元々の防御力に加えることができます。
しかし、ゴブリンやインプの体型にあつらえた鎧は、ほとんど存在しないと思います。身につけられるのは、せいぜい、ボロ布(必要筋力1)程度でしょう。
例)
ゴブリンが必要筋力1のボロ布(防御力1)を腰に巻いた場合、彼の防御力は、13+1で14となります。
ダークエルフは、普通のエルフの冒険者のように、ソード・ワールドRPGで用意されている鎧を装備できます。
なお、インプが空を飛ぶためには、鎧を身に着けていてはなりません。たとえ、必要筋力1のボロ布でもです。盾は、筋力を上回らなければ、持っていてかまいません。
ダメージ減少、及びファイター技能による回避力の修正は、ソード・ワールドRPGの処理に準じます。
盾による回避力・攻撃力の修正、鎧による回避力・防御力の修正は、ソード・ワールドRPGの基本ルールか選択ルールに基づいて行います。
以下に挙げるのは、基本的なルールです。GMの好みよって、まったく無視して、一存で決めてもらってかまわない個所です。
GMが判断に迷うとき、考えるのがじゃまくさいとき、参考になれば良いと思います。
ただし、プレイヤーは一存で決めてはなりません。必ずGMの言うことに従ってください。
妖魔は、金銭を持ちません。しかし、初期段階で2d×50ガメル分の価値のアイテムを持っています。
たとえば、2dの出目が7だった場合、その妖魔は、350ガメル以内の価格で初期保有アイテムを決定できます。350ガメルの武器を1つ持つのでもいいですし、50ガメルの武器や道具を7つ持つのでもかまいません。
それらのアイテムは、人間や亜人から奪ったか、どこかで拾ったかしたものです。
なお、上の例で、所持したアイテムの価値の総計が280ガメルだったとしても、余った70ガメルを金銭として保有できるわけではありません。
今後、欲しいアイテムがある場合、奪うか拾うかするイベントが必要となります。基本的に、人間のように、町で買い物ができるわけではありません。
ただし、GMが「妖魔が人間の町で買い物するのを見てみたい」と考えた場合、その限りではありません。