≪REV / EXIT / FWD≫

§Orbit〜終焉を抱くもの〜§

クライマックスフェイズ−2

著:真柴悠

―試練―

【GM】 ここから、一人ずつシーン取ります。
【ティガー】 おっ。
【GM】 間違った選択をした場合は帰ってこられないと思って下さい(笑)
【ペルゼン】 え?
【ティガー】 “帰ってこられない”ってのが気になるで。
【GM】 皆さんがそれぞれの空間に取り込まれていく間際に、カーバッシュが忠告する。
「心を強く持て。奴は曖昧な言葉を嫌う」
【ペルゼン】 んー?
【GM】 では、ティアナから行きましょう。

―力と心―

【GM】 暗闇に覆われた場所に立っています。
 目の前に、黒い剣を持った創造主アストラが現れる。
【ティアナ】 ほう。
【GM】 「汝は何のために戦う? 主を持たず、本当の姿を封じたまま、なにゆえ世を彷徨う?」
【ティアナ】 「私の主は私です。何故生きるかは、私が決める事です」
【GM】 「……」
【ティアナ】 「私は、誰の干渉も受けません」
【GM】 では、そこで景色がホワイトアウトします。

―大切なもの―

【GM】 次はレイクですね。
【レイク】 はい。
【GM】 ティアナと同じ情景です。しかし、あなたの目の前に現れたのは、やはり黒い剣を持った女王様。その隣には、リアーネが立っている。
「汝はなにを守る? 忠義を誓った主君と、一人の女。汝が守るべきは誰か?」
【レイク】 「欲張りかもしれないけど、命を懸けて両方守ります」
【GM】 「……それで良いのか?」
【レイク】 「はい」
【ティガー】 「よく聞こえなかった。もう一度」(笑)
【ティアナ】 ループや(笑)
【GM】 「どちらかは選べぬのだな?」
【レイク】 「はい」
【GM】 女王様が口を開く。「私は多くの者に守られていますが、彼女には、貴方しかいないのです」
 女王様とリアーネが背を向け、闇の彼方へ去っていった。あなたはそこに取り残された。

―永劫の慟哭―

【GM】 ペルゼンさんです。一面の暗闇。あなたの目の前には、立ち尽くす金髪の少年と、その目の前で、少年の弟と思われる幼子が武装した一般人に殺されている情景が映る。
【ペルゼン】 うん。
【GM】 突っ立ってる少年には、カーバッシュの面影がありますね。
【ペルゼン】 おお。
【ティガー】 過去に入ってしまった。
【GM】 「汝は許せるか? 多くの命を奪い、血の海を渡り歩いてきた我が主と、その哀しき運命を」
【ペルゼン】 「……その憎しみが、中佐が考えて生まれたものなんだったら、それは認める」
【GM】 では、そこで情景がかき消えた。

―希望の行方―

【GM】 では、最後はティガーですね。
【ティガー】 おっ、来たかね。
【GM】 闇の中に、あなたがこれまで知り合った大勢の人の姿が流れて、最後にファンリーが現れて消える。
【ティガー】 カバンタもいたのかね?
【GM】 いたねぇ。カラフルなゴブリンとか。
【ティガー】 ゴブレンジャー。あいつらもか!(笑)
【GM】 そこに黒い剣が現れる。「この世界は、存在する価値があるか?」
【ティガー】 この世界いうのは、今来とる世界か?
【GM】 うん。
【ティガー】 「勿論だ」
【GM】 「汝は守るべきを知り、戦う相手を知っている。我を持ち、正しき道を示せ」剣が、あなたに近付く。
【ティガー】 ん〜……でも、マクドナルド(マドナガルの剣)とか、師匠の剣があるし。「いらないよ」
【GM】 では、そこでシーンを切ります。

―託された意志―

【GM】 えーとね、再び現実世界へ戻ってきました。帰ってこれたのは、ティアナ、ペルゼン、そしてティガー。
【レイク】 やっぱりなぁー。
【GM】 騎士なら拒めないという気持ちも分かるけど、二股ってのはなぁ。まだ女王様を選ぶ方が格好よかったかも。
【レイク】 迷ったんですよ。最後の最後まで。
【GM】 周りの忠告は無視やったけどな。一人、廃人になってる奴がおるで。
【ティガー】 ああ、一応体はあんのや。
【GM】 レイクのシャードが石ころになってます。
【ティガー】 リアーネは、どうしてるかね?
【GM】 君らと同時に起きたみたい。カーバッシュと一緒になって、冷たい感じでレイクを見下ろしてる(笑)
【ティガー】 あーあ。
【レイク】 あう〜……
【GM】 魔剣からしてみれば、有り得へん選択をしたからな。
【ティアナ】 カーソルが1個で、リアーネか女王様の片方しか選べんかったんや(笑)
【GM】 そうそう(笑) 別にどっちを選んでも帰って来れたんやけど。
【レイク】 片方を見捨ててもですか?
【GM】 ダーインスレイヴが必要としたのは強固な意志であって、どちらかを選ぶこともまた勇気が必要なことだと説きたかった訳です。要するに「俺の質問から逃げやがったな!」と解釈した(笑)
【ティアナ】 なるほど(笑)
【GM】 では。カーバッシュがティガーに、酒でも渡すような感じで穏やかに剣を差し出す。「貴公ならば本懐。刺せ」
【ティガー】 どうしよっかなぁ。刺したら消えるんやろ?
【GM】 消されると大変な人もおるけど。
【ペルゼン】 そうなんやけど。
【ティガー】 でもなぁ。この人が生きとる限り、大変やん。
【GM】 9レベルのクエスターが4人がかりで倒しにかかって来ない限りは、誰かに剣を奪われるなんてヘマはしませんよ(笑)
【ティガー】 自分の世界に連れて帰ってやりたいんやけど、帰り方が分からんからな。
「ほんまにいいのか?」
【GM】 「二言はない」
【ティガー】 その剣を壊したらどうなんの?
【GM】 「不可能だ。様々な次元の物質から造られているらしい。然るべき知識と技術を持ったアルフでなければ破壊することは出来ん」
【ティガー】 別の世界へ持ってった場合は?
【GM】 第二のリアーネが誕生するでしょうね。解放を求めて。
【ティガー】 そうか。
【ペルゼン】 ……ちょっと割り込もうかな。「中佐殿」
【GM】 「口の悪い軍曹か」
【ペルゼン】 「そんな簡単に死を選ばないでください」
【GM】 「ダーインスレイヴがなければ、そいつらに負けた時点で……いや、おそらくガキの頃に死んでいた」
【ペルゼン】 「生きていれば、何とかなりますよ」
【GM】 「……俺は他の生き方を知らん」
【ペルゼン】 「憎しみばかりじゃない筈です。生きていれば、いい事もありますよ」俺も、酒があったら幸せやし(笑)
【ティガー】 どうしたろっかなー。カーバッシュはもう死ぬ気やんな?
【GM】 うん。
【ティガー】 「死ぬんやったら、その魂は俺がもらう。うちの騎士にしたる」
【GM】 拒む。「俺だけが逃げる訳にはいかん」
【ティガー】 あ、逃げへんのや。ほんなら返すよ。「その言葉が聞きたかった」
【GM】 受け取る。「もっと早く、貴公と出会えていればよかった」
【ティガー】 満足した。
【GM】 では、シーンを切りますが。そこに転がってる廃人は、どうすんの?
【ティガー】 廃人は、エンディングで帝国軍がなんとかしてくれるんちゃうか?
【GM】 レイクは敵兵です。まあ、脳みそからデータを取るくらいは挑戦するかもしれんけど。
【廃人レイク】 ひぃ〜(笑)
【ティアナ】 《ガイア・ユピノス》は?
【ティガー】 ゴメンな〜。自分に使ったのだよ。
【GM】 戦闘中やったからな。
【ティガー】 カエル男の呪文は、もう使われへんの?
【GM】 MP残ってたら、挑戦することは可能やで。あの詠唱と共に。
【ペルゼン】 あの詠唱が必要ですねえ(笑) あのカエル、蘇生できたよね?
【ティガー】 うん。
【廃人レイク】 お願いしますぅ〜。
【GM】 剣に吸い込まれそうになってるレイクの魂とコンタクトしてみ。
【ペルゼン】 レイクに「この世に未練はありますか?」(笑)
【廃人レイク】 「もちろん!!!」
【GM】 堂々と二股こいて死んだうえに、まだ未練あるらしいで。
【ティアナ】 じゃあ、「いいえ」か「No」で(笑)
【ティガー】 「よく聞こえなかったが、もう一度」とかな(笑)
【ペルゼン】 「何だって? 耳が遠くなったようだ」(笑)
【廃人レイク】 「僕に償う機会を与えてください」
【ペルゼン】 ……じゃあ、みんなもう一回耳を塞げ。「中佐も塞いでください」(笑)
【GM】 「何故だ」
【ペルゼン】 「お願いしますよ!」
【GM】 じゃあ、ティアナが中佐の背後から塞いだ。
【ペルゼン】 じゃあ、もう一回唱える。
【ティアナ】 どうぞ。
【ティガー】 ちゃんとティアナが録音しとるからな。「準備オッケーですよ」
【ペルゼン】 ……え、言わなあかんの?
【GM】 聞きたい(笑)
【ペルゼン】 「一生あなたの奴隷です!」
【GM】 ぺかー! カエル男が、後光と共に現れる。
「なんだよ、もう! 最初に用事済ませとけよな!」
【ペルゼン】 「あのさあ、こいつを生き返らせてくんねえかな」
【GM】 「なんでこんな奴なんだよ。てゆうか廃人じゃん!」二度目なので機嫌が悪い。
【ペルゼン】 「ちょっと蘇生を……」
【GM】 「ああっ!?」
【ペルゼン】 「お願いしますわ」
【GM】 「もっと頭を低くしな」
【ペルゼン】 「くっそー! レイク!!」(笑)
【ティガー】 “反感”が“憎悪”に変わっていく瞬間やで(笑)
【ペルゼン】 「レイクに〔レイズ〕をお願いします」
【GM】 「……レイクとレイズって似てるよな」
【ペルゼン】 ほんまや。似てるな。
【GM】 「ぷっ。オマエ、ギャグ分かってんじゃん! いーよいーよ! 俺様に任せとけ!」
【ペルゼン】 ええっ、そんなんで喜ぶんや(笑)

 脳内ヘボジャッジの結果、“廃人”レイクは『死亡』でなく『戦闘不能』として処理、〔レイズ〕での復活を可能としましたが……甘かったかなぁ(笑)

【GM】 っちゅーわけで、〔レイズ〕かかったよ。シャードも元に戻る。
【ペルゼン】 あ、戻るんや。
【GM】 シャードは、レイクが誰とデキようが、誰を泣かそうが、レイクが自分の役に立ちさえすれば、他はどーでもいい。
【レイク】 あうー(笑)
【GM】 そして、冷めた眼差しのリアーネが。
【レイク】 「リアーネ、ごめんね」
【GM】 「裏切られるのには、慣れてるわ」
【レイク】 裏切っ……(笑)
【GM】 「……女王様の所へ帰るんでしょ?」
【ティガー】 泣いてるでぇ。怒ってるでー。睨んでるでー!(笑)
【ペルゼン】 フォロー入れへんでー(笑)
【GM】 手強いで。
【レイク】 「挽回する機会が欲しいんだ。僕と一緒に来てほしい」
【GM】 「女王様の方が大切なんでしょう? 私はあなたを養うことはできないもの」
【レイク】 「それは、僕が僕である経緯にすぎない。これからは、他にも機会があると思う。それをリアーネと一緒に見て行きたい」
【GM】 「彼女は、どうするの?」 うわ、三つ股やった(笑)
【ペルゼン】 ああ、ソーマか(笑)
【レイク】 「リアーネ、僕は君と一緒にいたいんだ」
【GM】 「どうして?」
【レイク】 「僕の中で、リアーネの存在が一番大きいんだ」
【GM】 「もし今度同じ質問をされたら、迷わず答えられるの?」
【レイク】 「リアーネが一番大事だよ」
【GM】 「分かったわ」リアーネに笑顔が戻った。
 よかったな。復縁したで。
【レイク】 復縁って言うな。
【ティガー】 ティアナが舌打ちしとるで。
【GM】 もっと泥沼が見たかったんや。視聴率を上げなあかんからな。
【ティアナ】 「録画しました」
【ペルゼン】 証拠を押さえられた。
【GM】 ブラックボックスや。
【ティアナ】 戦いの記録やで(笑)
【GM】 では、シーン終わっていいですか?
【ティガー】 あ、犬。中佐に聞くで。
【ペルゼン】 すっかり忘れてた。
【GM】 「さあ? どこかで見たような気はするが」
【ティガー】 どのへん?
【GM】 覚えてない。とくに記憶に残る出来事ではなかった模様。
【ティガー】 覚えてないのか。
【GM】 では、そのへんでシーンを切りますね。

÷÷ つづく ÷÷
©2005 Haruka Mashiba
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