≪REV / EXIT / FWD≫

§失翼の魔術師:第8話§

温泉都市サザン

著:林田ジュン イラスト:りょこ 地図:もよ
▽ 1 ▽ 2 ▽ 3

【GM】 「では始めよう。前回から一週間ほどたったある日のこと」
【ヴェルナー】 「ちょっと待ってよ。あんな状況で終わったのに一週間もたっちゃっていいの?」
【GM】 「うん。あの後みんなでユリアを探したんだけど、結局見つからなかったんだ」
【シュトルム】 「それじゃあちょっといい? ラヴァーズさんに嫌われてるかどうか言ってくれ(笑)」
【GM】 「それなら酒場に行って直接聞いてみたら?」
【シュトルム】 「行こう。ドキドキするなぁ(笑)」
【GM】 「酒場にはAパーティーと、シリウスとリゲル以外のBパーティー、それにロードがいるよ」
【シュトルム】 「じゃあ早速ラヴァーズさんの所に行っていい?」
【GM】 「行くんだね? そうしたらAパーティーはなんか険悪な雰囲気で話し合ってるよ」
【アンリ】 「え? 仲間割れしてるような感じなの?」
【シュトルム】 「ちょっと様子を見てみよう」
【ヴェルナー】 「喧嘩してるの? なに言ってるか聞きたいな。単語くらいは開き取れるよね?」
【GM】 「うん。チャリオットとフール、それからジャスティスが『依頼を達成することが冒険者の仕事だ』とか言ってるけど?」
【シュトルム】 「ふぅん。それでラヴァーズさんは?」
【GM】 「彼女とジャッジメントは黙って聞いているよ」
【シュトルム】 「じゃあハーミットは?」
【GM】 「ハーミットは『そんな依頼続ける必要はない』って」
【ヴェルナー】 「喧嘩の原因はハーミットなのかな」
【シュトルム】 「わからん。ラヴァーズさんに聞いてみよう。『どうしたんですか?』」
【GM】 「『それがさぁ。この前フールが依頼主エルフ(ナヴィのこと)について調べに盗賊ギルドに行ったのよ』」
【シュトルム】 「そういえば行ってたなぁ」
【GM】 「『そこであのエルフが隣の国の過激派だってわかったからこれ以上協力してもいいのかなって話になって…』」
【ヴェルナー】 「それでハーミットがやめようって言ってるわけだね」
【GM】 「うん。それでチャリオットたち3人は依頼は絶対やり遂げるべきだと」
【シュトルム】 「『ラヴァーズさんはどう思ってるんですか?』ってこっそり聞いてみよう」
【GM】 「『私? 私は、依頼だからやらなきゃいけないとは思うんだけど、でももしそのせいでこの国がどうにかなったら悲しいし』」
【シュトルム】 「『じゃ、じゃあラヴァーズさん! 今まで俺達がユリア捜ししてたこと隠してたの許してくれますか?』(笑)」
【GM】 「『別にいいわよ?』(笑)」
【シュトルム】 「あー、うれしい。これだけが心配だったんだ(笑)」
【アンリ】 「単にそれどころじゃないだけって気もするんだけど(笑)」
【ヴェルナー】 「うん(笑)」
【シュトルム】 「なんか俺達ってシナリオ始まるたびにラヴァーズさんに会いに行くなぁ(笑)」
【アンリ】 「始まりはいつも。つて感じやね(笑)」
【ヴェルナー】 「これやらないと始まらないって感じ(笑)」
【シュトルム】 「気になって仕方がない」
【ヴェルナー】 「すごいね。恋だよ」
【GM】 「恋だね。で、どうする?」
【シュトルム】 「ハーミットにも開いてみよう。『どうして依頼を断ろうと思うんだ?』」
【GM】 「『俺はクートラを信じている。だから戦争が起こるのはいっこうにかまわん。だが、俺はこの国で生まれ育った。ほかの国が渡びるなら大歓迎だが、この国は…好きだから』」
【シュトルム】 「なるほどな」
【GM】 「『だからあのエルフは殺してやる』」
【アンリ】 「え? そこまで言ってんの? あらまー…」
【GM】 「うん。それで残りの3人はこの国よりも依頼を重視してる」
【アンリ】 「『でもこの仕事をやったら戦争になるかも知れないんだよ? そしたら冒険どころじゃなくなるよ? いいの?』」
【GM】 「『そうしたら海を渡ってほかの国にでも行くわよ』とフールが答える」
【ヴェルナー】 「そうだよなー。この人たち強いからそれでもやっていけるよなぁ」

 君たちももう十分強いんだよ。わかってる?

【GM】 「それからしばらく話し合ってるけど、しばらくしたらラヴァーズがやってきて、『うちのパーティー分裂寸前だしあれからユリアの手掛かりもないじゃない? だからジャッジメントと相談したんだけど、息抜きに温泉に行こうと思うの。あなたたちもどう?』」

 一同爆笑。

【ヴェルナー】 「温泉かぁ(笑)」
【GM】 「『うん。そうしたらうちのパーティーの仲間割れもなおるかも知れないし。休憩が必要だと思うの』」
【アンリ】 「あーねぇ、中世の温泉って確かみんな混浴だと思うの。この世界もそう?」
【シュトルム】 「『ラヴァーズさん! ぜひ行かせてください(笑)』っていうか俺達も行っていいのか?」
【GM】 「いいみたいだよ。ジャッジメントもBパーティー誘いに行ってるし」
【ヴェルナー】 「みんなで行くんだ」
【GM】 「だってAパーティーはBパーティーに協力してもらってるから君たちより仲がいいんだよ」
【シュトルム】 「俺達も行きたい」
【アンリ】 「行きたいよー」
【シュトルム】 「『いいですか? ラヴァーズさん』」
【GM】 「『いいわよ、もちろん』」
【シュトルム】 「やったー」
【GM】 「でもフールとチャリオット、ジャスティスの3人はゼーエンブルクに残るって言ってるけどね」
【シュトルム】 「そうか。仕事を優先するのか」
【ヴェルナー】 「えー、行かないの?」
【アンリ】 「一緒に行ったほうが楽しいのに」
【GM】 「Bパーティーのほうも残りの二人がこの街で仕事してるから自分達だけ行くのも悪いなって言ってる」
【アンリ】 「『それじゃあその仕事が終わってから追いかけておいでよ』」
【GM】 「あとね、ロードがその話聞いてて『俺も行くぞ』って勝手に割り込んでくる(笑)」
【シュトルム】 「あ、ロード(笑)」
【アンリ】 「入ってくるな(笑)」
【GM】 「『女! 温泉! 酒!(笑)』」
【シュトルム】 「『コンパ!(笑)』」
【GM】 「『そう、それそれ!(笑)』」
【アンリ】 「でもコンパっぽいよね。これだけ集まると」
【シュトルム】 「ロードに言っとく。『ラヴァーズさんに手を出しちゃ駄目だぞ(笑)』」
【GM】 「『えー? かわいいじゃん、彼女。けちけちすんなよ』」
【シュトルム】 「あーっ! ロード絶交!」

 一同爆笑。

【GM】 「ちなみにロードはフールとベガにも目をつけてるらしい(笑)」
【ヴェルナー】 「さすがロードや(笑)」
【アンリ】 「フールたち3人も誘おうよ」
【ヴェルナー】 「でも誘っても来るかどうかわかんないよ」
【アンリ】 「だけどみんなで行ったはうが楽しいもん。『ねぇ、ちょっと息抜きしようよ』」
【GM】 「誘うんだね? そしたらフールが『そうねぇ、ちょっと相談してくる』って言って3人で何か話し合ってるよ」
【アンリ】 「『行こうよー』」
【GM】 「うん。しばらくしてフールとチャリオットが戻ってきて、行ってもいいって。でもジャスティスはこの街に残るそうだよ。『Bパーティーの2人は俺の指揮で動いてもらってるんだ。だから俺まで行くわけにはいかない』」
【アンリ】 「『じゃあそっちの仕事が終わったらあとからおいでよ』」
【シュトルム】 「でも仕事ってユリア捜しだと思うぞ」
【ヴェルナー】 「じゃあ終わらないよ」
【シュトルム】 「いいけど。フールさんが来るならロードの目がそっちに向くかも知れないから」

 一同爆笑。

【GM】 「お前は(笑)」
【アンリ】 「結局それか(笑)」
【GM】 「それでは温泉にいきますか。Bパーティーの4人もフールが何か言ったら来るってさ」
【ヴェルナー】 「行こう行こう(嬉)」
【GM】 「それから旅費は全部で200フィスだから払ってね」
【一同】 「はーい」
【GM】 「日程は3泊4日だよ」
【シュトルム】 「車中泊含む?」
【GM】 「それは含まない。目的地は温泉都市サザン。ここからなら1日で着くよ」

【シュトルム】 「そこ、温泉饅頭とか売ってる?」
【ヴェルナー】 「温泉たまご!」
【アンリ】 「炭酸せんべい!」
【GM】 「売ってるかもね」
【シュトルム】 「買って帰ろっかなー」
【GM】 「ちなみにみんな武器はどうする? 持っていくの?」
【アンリ】 「もちろん」
【シュトルム】 「やっぱり、持ってくだろうな」
【ヴェルナー】 「冒険者だもんね」
【GM】 「おっけー。じゃあ出発は次の日の朝ってことでいいね?」
【シュトルム】 「いいよ。それで俺連なにで行くんだ? 馬車?」
【GM】 「うん。では何事もなくその日の3時頃にサザンの街に着く。結構きれいな街だね。街で目に付くのはトランプのジョーカーのカードを持った男の銅像。けっこういたるところに立っている」
【アンリ】 「そんな変なもの立てないでよ(笑)」
【GM】 「でもそういう街なんだよ」
【シュトルム】 「一体なんなのかおみやげ屋さんの人にでも聞いてみよう。『すみませーん』」
【GM】 「『いらっしゃいませ』」
【シュトルム】 「『ちょっといいですか? あの銅像について聞きたいんだけど』」
【GM】 「『あれですか? あれは100年ほど前にこの街で活躍した…』しまった、名前考えてねぇや(笑)」
【シュトルム】 「おいおいおい(笑)」
【GM】 「『…ブラックタイガーという…』」
【ヴェルナー】 「えび?(笑)」
【GM】 「違う(笑)。『ブラックタイガーという暗殺者がいたんですよ。でも彼は悪者しか襲わなかったので街の人気者だったそうですよ』」
【シュトルム】 「おお。かっこいいじゃないか」

【GM】 「『それで彼は殺した相手の所にジョーカーのカードを投げていくもんだから当時はそんな遊びが流行ったらしいですよ』」
【アンリ】 「そんなの流行らせないでよ(笑)」
【シュトルム】 「『それじゃああの銅像はブラックタイガーって人なんだな?』」
【GM】 「『そうですよ。ところでブラックタイガーのキーホルダー、1個5フィスなんですけどどうですか?(笑)』」
【アンリ】 「そんなのあるの?(笑)」
【シュトルム】 「1個買っておこう(笑)」
【ヴェルナー】 「またわけ分からんもの買って(笑)」
【アンリ】 「じゃあ、ブラックタイガーが使ってたジョーカーのカードとかも売ってるの?」
【GM】 「(いいところに目をつけたな)もちろん売ってるよ。レプリカだけどね。『1枚1フィスですよ』」
【シュトルム】 「『5枚ください(笑)』」
【ヴェルナー】 「僕はいらないぞ(笑)」
【GM】 「カードはかなり精密にできてるよ」
【シュトルム】 「ふぅん。そうだ、ラヴァーズさんとこの5枚で遊ぶか(笑)」
【ヴェルナー】 「何して?(笑)」
【GM(ラヴァーズ)】 「『何よ、そんなもの買ったの?』」
【アンリ】 「そんなもの、とか言われてるし(笑)」
【シュトルム】 「『冷たいこと言わずに、1枚あげますから(笑)』」
【GM】 「『いらない』」
【シュトルム】 「ぐはぁ(笑)」
【GM(ロード)】 「『なんだ? トランプするんだったら俺が持ってきてるから貸してやるよ?』」
【ヴェルナー】 「さすがロードや。用意がいいなぁ」
【GM】 「そうだね(笑)。それで、君たちはまず宿屋に行くんだけど、結構大きくてきれいなところだよ」
【シュトルム】 「何ていう宿屋?」
【GM】 「……海辺のザリガニ亭」
【シュトルム】 「また名前考えてなかったやろ(笑)」
【アンリ】 「GM知ってる? ザリガニって海に棲まないんだよ(笑)」
【シュトルム】 「矛盾してますな(笑)」
【GM】 「うるさいわ(笑)。じゃあ今から宿の見取り図を書くから好きな部屋をとってくれ。好きなNPCと同室にしていいけど、1部屋2人までしか泊まれないからね」
【シュトルム】 「部屋割りかぁ。なんか修学流行みたいで楽しいな」
【GM】 「ちなみに同室にするのは性別同じキャラ同士にしてね」
【シュトルム】 「(残念そうに)…わかってるよ」
【ヴェルナー】 「せっかくだからほかのパーティーの人と一緒にしたほうがいいよな」
【シュトルム】 「あ、いいな、それ。賛成。GM、俺はロードと一緒にするぞ」
【アンリ】 「(シュトルムのプレイヤーを見ながら)あたし、ラヴァーズさんと同じ部屋♥」
【シュトルム】 「……(怒)」
【アンリ】 「ふふん。シュトルム怒ってる♥(笑)」
【ヴェルナー(ムーン)】 「私はどうしようかな」
【アンリ】 「ねぇ。3階は女の子みんなでかたまっちゃおうよ♪」
【シュトルム】 「3階? じゃあサウスにジャンピングブーツ借りてラヴァーズさんの部屋、窓から覗こう(笑)」
【GM】 「いやらしいなぁ(笑)」
【シュトルム】 「嘘だよ(笑)。ラヴァーズさんの下の部屋で我慢する」
【ヴェルナー(ムーン)】 「誰がいいかなぁ」
【シュトルム】 「ムーン一人でいいやん」
【ヴェルナー(ムーン)】 「なんでさ(怒)。あ、この子にしよう。アンタレス」
【アンリ】 「じゃあフールとベガが一緒で、3階は女の子で占拠。男は入れないよん(笑)」
【ヴェルナー】 「僕はどうしよう。ペテルギウス…は顔が好みじゃないな(笑)」
【GM】 「うわ。顔で選んでるよ、この男(笑)」
【ヴェルナー】 「えへ(笑)」
【シュトルム】 「嫌だなあ、男のくせに(笑)」
【ヴェルナー】 「チャリオットも恐そうだもんな」
【シュトルム】 「そうか? チャリオット、いい人そうやん」
【ヴェルナー】 「ええ? でもなんかこの人、死体の山の上で勝ち誇ってそうなイメージがあるんだよぅ(笑)」
【シュトルム】 「一体何を想像してるんや(笑)」
【ヴェルナー】 「じゃあハーミットにしようかな」
【シュトルム】 「またやっかいそうな奴選んだな(笑)」
【ヴェルナー】 「でもいろいろ論議ができそうじゃないか。あ、でもやっぱりやめとく。ジャッジメントにする」
【シュトルム】 「ハーミットもおもしろそうだぞ? やめるの?」
【ヴェルナー】 「それならハーミットはサウスに譲るよ(笑)。僕はジャッジメントと…どこの部屋にしよう」
【シュトルム】 「トイレの前なんてどうだ? やばくなってもすぐに行けるぞ(笑)」
【ヴェルナー】 「僕も今ちょっと同じこと考えてた(笑)」
【シュトルム】 「じゃあ決まりだ(笑)」
【アンリ(サウス)】 「で、俺がハーミットと一緒なのか? ダークエルフなんか嫌だ、とか言いそう」
【GM】 「うん。サウスいいの? シルファス神宮がダークエルフと同じ部屋で」
【アンリ(サウス)】 「……ま、いっか」
【GM】 「はッ!」
【シュトルム】 「結局そんな奴か(笑)」
【GM】 「残ったNPCはこっちで勝手に決めるね」
【シュトルム】 「いいよ。あ、チャリオット1人なのか。かわいそうなことしたな」
【アンリ】 「さぁ、ラヴァーズさんと何話そうかな♪」
【ヴェルナー】 「僕、ジャッジメントと何喋るんだろ(笑)」
【GM】 「では晩ご飯まで自由に行動していいよ。何かやりたいことがあったら言ってね」
【アンリ】 「お風呂!」
【GM】 「どうぞ」
【シュトルム】 「俺はロードと酒場に行こう」
【GM】 「酒場にはほとんどみんな集まってくつろいでるよ」
【ヴェルナー】 「じゃあ僕も酒場に行く」
【シュトルム】 「何かおもしろそうな話してないかなぁ?」
【アンリ】 「みんないるんだったらあたしもお風呂出たら行こうっと。『いいお湯だったわ〜』って羽根からしずくポタポタたらしながら(笑)」
【シュトルム】 「迷惑な奴。羽根、ぎゅって絞ってやろう(笑)」
【アンリ】 「やだよう(笑)」
【ヴェルナー】 「じゃばー…(笑)」
【GM】 「君たちがそんなことをして騒いでいると、ロードの所にBパーティーがトランプを借りに来るよ」
【シュトルム】 「『あ、一緒に…』」
【GM(ペテルギウス)】 「『悪い。フールさんとチャリオットさんが入ってくれたから、人数足りてるんだ』」
【ヴェルナー】 「ちぇっ」
【シュトルム】 「ラヴァーズさんは何してるんだ?」
【GM】 「ラヴァーズは特に何もしてないよ。暇そうにしてる」
【シュトルム】 「それなら一緒にいよう」
【ヴェルナー】 「こうもりが2羽並んでるんだ。いい感じ、って言うかかわいい(笑)」
【アンリ】 「一緒に天上からぶら下がってるの?」
【ヴェルナー】 「2人で何話してるんだろ」
【シュトルム】 「ほんまや。『あそこの虫、うまそうですね』」
【GM(ラヴァーズ)】 「『もっと大きいのが食べたいわ(笑)』」
【シュトルム】 「成立してるよ、会話が(笑)」
【ヴェルナー】 「嫌だ(笑)。じゃあ僕はジャッジメントと親交を深めよう」
【GM】 「(ジャッジメントのイラストを見て)この人、無口そうなキャラやなぁ」
【ヴェルナー】 「ほんまや、無口そうな顔してる。あんまり喋ってくれなさそうだよ。『喋ろうよぅ』」
【GM(ジャッジメント)】 「『何を?』
【アンリ】 「嫌だー(笑)。会話が成り立ってないよ(笑)」
【シュトルム】 「楽しくなさそうやな(笑)」
【ヴェルナー】 「う…うーん。同じ部屋なのにどうしよう(笑)」
【GM(ジャッジメント)】 「『じゃあ仲良くしよう(笑)』」
【ヴェルナー】 「『仲良くしよっかぁ(笑)。トランプする? ロード、トランプ貸して』」
【GM(ロード)】 「『いま貸出中だぜ』」
【シュトルム】 「ジョーカー5枚でよければ貸してやるよ(笑)」
【ヴェルナー】 「いらねーよ(笑)」
【アンリ(サウス)】 「俺もハーミットと何か喋っておいたほうがいいか?」
【GM】 「ハーミットは1人で酒を飲んでるよ」
【アンリ(サウス)】 「こんな時間から? 『体に良くないぞ』」
【GM(ハーミット)】 「『うるさい』」
【アンリ(サウス)】 「あ、しまった。よけいなことを言ってしまったみたいだぞ(笑)」
【シュトルム】 「なんかみんな雰囲気悪いな(笑)」
【GM】 「悪いのはハーミットだけ。ジャッジメントは無口なの(笑)。じゃあ他に何もすることないなら晩ご飯にするけどいい?」
【アンリ】 「うん。ご飯」
【シュトルム】 「それなら俺はそろそろ人間型に戻ってるな」
【GM】 「今晩のメニューは川魚のフライとジャガイモのサラダ、白パンにスープ。スープはコーンスープときのこスープがあるけどどっちがいい?」
【ヴェルナー】 「僕とムーンはコーンスープ!」
【アンリ】 「あたしもコーン。サウスはきのこね」
【シュトルム】 「コーンがいい」
【GM】 「おっけー。コーンスープはおいしいけど、きのこスープはまったりしててしつこかった(笑)」
【シュトルム】 「しつこかったらあかんやん(笑)」
【アンリ(サウス)】 「……しくしく」
【シュトルム】 「それできのこは実はワライダケやねん。…笑え!(笑)」

【アンリ(サウス)】 「うへへへへ(爆笑)。ところでおいしくないのってきのこがまずいわけ?」
【GM】 「そうじゃなくてスープがまずい。煮込みすぎた感じだね」
【アンリ(サウス)】 「それならまだいいかも。『きのこは森の味だ…』とか言って遠く見てそう」

 一同爆笑。

【シュトルム】 「あぶねー(笑)」
【GM】 「イっちゃってますな(笑)」
【ヴェルナー】 「でも味が出てていいよな(笑)」
【シュトルム】 「ところで晩ご飯は何事もなく終わるのか?」
【GM】 「ならばすぐに分かることだから教えてあげよう。Bパーティーの顔色が悪い…って言うか深刻そうな顔をしてるね」
【ヴェルナー】 「それは4人とも?」
【GM】 「そうだね」
【アンリ】 「近くに行って開いてみる。『どうしたの?』」
【GM】 「『い、いや、なんでもないよ』」
【アンリ】 「『だって顔色悪いよ?』」
【GM】 「『そ、そんなことないよ。気にしないでくれ』」
【シュトルム】 「『本当のこと言えよ』」
【GM】 「『本当に何もないよ』」
【アンリ】 「『言わないと…(脅)』」
【GM】 「『(墟くさく)い、いやぁ、実はさっきポーカーでフールさんたちに大負けしてさぁ』」
【シュトルム】 「嘘だよなぁ、絶対。こういうことされるとチャーム使いたくなるけどこんなところで精神点使うのも阿呆らしいからやめた」
【GM】 「じゃあもう晩ご飯終わっていい? 他に変わったことはないし」
【シュトルム】 「ああ、おいしかった」
【GM】 「では1日日の夜です」
【アンリ】 「まくら投げしたいけど2人部屋だもんね、2人でやってもつまんない」
【シュトルム】 「参加するぞ!」
【アンリ】 「来るな(笑)」
【シュトルム】 「ひどい。ラヴァーズさんと少し話させてくれよ。『ラヴァーズさぁん』」
【GM】 「『なぁに?』」
【シュトルム】 「『明日デートしませんか?』」
【ヴェルナー】 「こいつは(笑)」
【GM】 「『そうねぇ。考えとくわ』」
【シュトルム】 「『そんなこと言わずに、明日の朝10時に酒場で待ってます』」
【GM】 「『わかったわ』」
【シュトルム】 「やったー」
【GM】 「ところでみんな、明日の朝まででやりたいことがある人は何時頃何するか今のうちに言っといて。ずっと起きてるとかいうのでもいいよ」
【アンリ】 「今は何時なの?」
【GM】 「えっとねぇ、9時頃」
【アンリ】 「あたし、夜中にもう一度お風呂はいりたいな。12時頃」
【シュトルム】 「俺は明日のデートに備えてすぐに寝るぞ(笑)」
【ヴェルナー】 「僕もムーンも寝ると思う」
【アンリ(サウス)】 「寝る前に同室のハーミットと喋りたい」
【GM】 「いいよ。話がある人はご自由に」
【ヴェルナー】 「じゃあ僕はジャッジメントと親交を深めよう」
【GM】 「彼は黙々と自分のベッドを作ってるよ(笑)」
【ヴェルナー】 「『じ…じゃあ僕のもやっといて(笑)』」
【シュトルム】 「何やそれ(笑)」
【GM】 「『ああ、分かったよ』」
【ヴェルナー】 「うーん。何か軽く流されてしまうんだよな」
【シュトルム】 「そんなこと言わずにもっと強気で行くんだ」
【ヴェルナー】 「それじゃあ『何で冒険者になろうと思ったんですか?』」
【シュトルム】 「基本的な質問したな(笑)」
【GM】 「『君こそ何で?』」
【ヴェルナー】 「『いやぁ、あらためてそう間かれると困るんだよなぁ(笑)』」
【GM】 「『うん。僕も困るんだ(笑)』」
【アンリ】 「何か冷めた会話(笑)」
【ヴェルナー】 「でもちょっと打ち解けた気がする」
【シュトルム】 「そうか?」
【アンリ(サウス)】 「よし、俺もがんばるぞ。ねぇGM、ハーミットは今何してる?」
【GM】 「部屋にいるよ」
【アンリ(サウス)】 「きっと二人で黙ってるんだろうな〜。空気が重そう」
【ヴェルナー】 「シルファスとダークエルフだもんなぁ」
【アンリ(サウス)】 「(小声で)『あの〜、飲みに行きませんか…?」
【GM】 「『…行ってやってもいいぞ』」
【アンリ(サウス)】 「わーい、よかった」
【ヴェルナー】 「でもなんか偉そうだぞ(笑)」
【アンリ(サウス)】 「それでもいい、一緒に行って聞きたいことがあるから。『あの依頼を断りたい理由は本当にゼーエンブルクが目茶苦茶になったら嫌だということだけなのか?』」
【GM】 「『そうだ。何か文句でもあるのか』」
【アンリ(サウス)】 「本当にそれだけなのか。『祖国を愛しているんだな』」
【GM】 「『気持ち悪いこと言うな』って殴られる(笑)。それで先に部屋に戻ってしまった」
【シュトルム】 「嫌われてるよ(笑)」
【ヴェルナー(ムーン)】 「私はアンタレスと一緒なのか。どうしよう?」
【シュトルム】 「血を吸うとか(笑)」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『あなたの血、おいしそうね♥』って言って近づいてみよう(笑)」
【GM】 「それは『やめてよ!』って逃げるぞ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『冗談だよ』あ、ちょっと本物のムーンっぽいかも知れない(笑)」
【シュトルム】 「『冗談だよ。でもあとでね』とか言いそう(笑)」
【アンリ】 「そんなことよりさっき深刻そうにしてた理由を聞き出さなきゃ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「あ、そうだ。忘れてた。『何があったの?』」
【GM】 「『だ、だからさっき言ったじゃない。フールにポーカーで負けてお金減っちゃったって』」
【アンリ】 「嘘ついてるよね、やっぱり」
【GM】 「『そ…そんなことよりあたしおいしいお酒持ってきたの。飲まない?』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『じゃあ飲む!』」
【アンリ】 「ムーンってお酒強そうだよね」
【GM】 「でもアンタレスもドワーフだから強いよ」
【シュトルム】 「2人とも強そう。朝まで飲んでたりして(笑)」
【GM】 「ありえるな(笑)。じゃあもうみんな寝るってことでいいね? アンリが12時に風呂入るだけだね」
【アンリ】 「うん」
【GM】 「では君がお風呂に行く途中、1階でロードとすれ達うよ」
【シュトルム】 「何ィ? ロード?」
【アンリ】 「『どこに行くの?』」
【GM】 「『ちょっと酒場に。夜は誰もいないだろ? こっそり酒をいただいてくるのさ』」
【アンリ】 「『盗むの? ちゃんとお金払いなさいよ』」
【GM】 「『大丈夫だって。2、3本くらい減ってたってバレやしねぇって』とか言って行っちゃった(笑)」
【シュトルム】 「ロード、やるなぁ(笑)」
【GM】 「ちなみにアンリ、どのくらい風呂に入ってる?」
【アンリ】 「1時間くらい」
【GM】 「了解。じゃあその頃のシュトルム。技能ないから平目で危険感知してみて」
【シュトルム】 「え?(コロコロ)4」
【GM】 「じゃあ分からないな」
【シュトルム】 「そんなぁ(爆笑)」
【ヴェルナー】 「気になるよー(笑)」
【GM】 「大丈夫。今から教えてあげよう(笑)」
【シュトルム】 「マジ?」
【GM】 「酔っ払ったロードが寝てる君をベッドから突き落として口に無理矢理酒ビンを突っ込んでくる。『おらぁ! 俺の酒が飲めねぇのか!』(笑)」
【シュトルム】 「ひー(笑)」
【アンリ】 「迷惑な(笑)」
【シュトルム】 「うるさくて寝れない。スリープかけてやる」
【アンリ】 「それ、誰が解除するのよ」
【シュトルム】 「え? あ! やめとこ、これ永眠するんや(爆笑)」
【GM】 「それでアンリは風呂から出たらすぐ寝るの?」
【アンリ】 「あたしねぇ、のぼせたからベランダで15分くらい風にあたってから寝る」
【GM】 「ほい。じゃあしばらくたって…サウス。これは危険感知でいいのかな」
【アンリ(サウス)】 「(コロコロ)お〜〜〜?(爆笑)(←1ゾロ)」
【GM】 「(それなら部屋の窓が開けられた音は気づかないな)じゃあね、君がいい気持ちで寝てるとすぐそばでガターンって大きな音がするんだよ」
【アンリ(サウス)】 「すぐそばって俺の部屋で? それはすぐ飛び起きるぞ」
【GM】 「起きるとね、窓が開いてて、ドアの前でハーミットが腕から血を流している。誰かに襲われたような感じだ。それでドアも開いてて、そこにはベガがコップ持って立っているんだけど」
【アンリ(サウス)】 「それでハーミットは倒れてるのか?」
【GM】 「それは大丈夫。腕を押さえてうずくまってるだけ。そのうち大騒ぎになるから他の部屋の人も来てもいいよ」
【ヴェルナー】 「もちろん行くよ」
【アンリ】 「ところで今は何時頃?」
【GM】 「午前4時」
【アンリ】 「明け方か」
【GM】 「あと、これはすぐ気づくんだけどハーミットの足下にジョーカーのカードが落ちてる」
【シュトルム】 「…バレた(笑)」
【アンリ】 「ねぇシュトルム。さっき買ったカード減ってないか調べたほうがいいよ」
【ヴェルナー】 「もし本当に滅ってたら冗談じゃすまなくなるね(笑)」
【GM】 「減ってないよ。しかもさっき買ったカードと絵柄が違う」
【アンリ】 「違うって微妙に違うの?」
【GM】 「いや、全然違うね」
【シュトルム】 「じゃあブラックタイガーじゃないんだ。って言うか本物もう死んでるよな。100年前だろ?」
【GM】 「うん。本物は80年くらい前に死んだってこの街の観光ガイドに書いてある(笑)」
【アンリ】 「ハーミットに開いていい? 『襲った奴ってエルフだった?』」
【GM】 「そこまで確認する余裕なかったそうだ。いきなり襲われて避けようとしたけど、なぜかすぐ後ろのドアの所にベガが立っていて、そっちにも気をとられてしまったから回避が遅れたらしいよ」
【シュトルム】 「ベガのせいにするな(笑)」
【アンリ】 「それで襲われたのはハーミットなのね? ベガが襲われたんじゃないよね?」
【GM】 「うん。襲われたのはハーミット。ベガは偶然居合わせた感じだね」
【シュトルム】 「『襲った相手は男? それとも女?』」
【GM】 「『男だと思うぞ。体格からしてあんな女はいないだろう』」
【アンリ】 「ごついのか。じゃあエルフでもないね。あの種族って男でも細いもん」
【ヴェルナー】 「『そいつは窓から入ってきたの?』」
【GM】 「『そうとしか考えられん』」
【アンリ】 「窓の外のぞいてみる。何か見える?」
【GM】 「変わったものは特にないよ」
【シュトルム】 「専門的に調べた方がいいぞ。レンジャーで」
【アンリ】 「そうだね。(コロコロ)8しかないや」
【ヴェルナー(ムーン)】 「私も振ってみよう。(コロコロ)おお、13」
【GM】 「それでも何もないよ」
【アンリ】 「ロープを使ってきたんじゃないの?」
【GM】 「そうかも知れないけど何も残ってない」
【アンリ】 「窓からってことは窓は壊されてるの?」
【GM】 「壊れてない。普通に外から開けたんじゃないか?」
【シュトルム】 「この時代に窓に鍵なんかついてなさそうだもんな」
【ヴェルナー】 「むぅ」

÷÷ つづく ÷÷
©2004 Jun Hayashida
Illustration ©2004 Ryoko
Map ©2004 Moyo
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