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§時の彼方に眠る夢:第6話§

ミドルフェイズ05

著:笹本ユーリ

■■ミドルフェイズ05■■

【ルーア】 では洞窟に向かいましょう。
【GM】 じゃあそろそろあたりも暗くなり始めた頃、キミ達はひとつの洞窟の前にたどり着きます。
洞窟の入り口には、神聖な場所を示す飾りのようなものがかけられてるね。あの、神社とかにあるしめ縄みたいな奴な(笑)。
ただ、あまりにも辺鄙な場所にあるので人気は全くない。
【ルーア】 まわり見て、足跡とかは?
【GM】 ・・・アリアンって足跡感知あるんやっけ? まぁいいや、じゃあ調べる人は[感知]で振ってみてちょ。
【ルーア】 10!
【フィーヌ】 15
【リット】 11や。
【シヴァ】 僕は13
【GM】 じゃあフィーヌが分かった。最近出入りしたような足跡はいくつかあるよ。
【シヴァ】 種類も? 足のサイズとか。
【GM】 サイズは・・・2種類あるように思える。
【ルーア】 大きいのとちっちゃいの?
【GM】 いや、小さいのはない。両方とも大人の男のサイズで、ひとつは少し大きめかな〜って感じ。
【フィーヌ】 普通に歩いてたっぽい? 足引きずってるとか。
【GM】 それもないね。普通っぽいよ。で、大きめのサイズの方は入っていく足跡と出て行く足跡がひとつずつしかないけど、普通のサイズの方は何度も出入りした跡が残ってるね。
【ルーア】 何度も出入りしたのがエイクじゃないかなぁ? 大きいのは・・・インドラさん?
【リット】 ま、入って見ようや。そしたら全て分かるって。
【ルーア】 うん。ランタンに火をつけま〜す。
【シヴァ】 よろしく〜。
【ルーア】 中は一列で行きますか? それとも二列?
【GM】 幅はあるから二列になれるよ? あと、中は光る苔が生えてて、うっすら青い光に満ちている。
【ルーア】 じゃああたしとリットが先頭で行きますね。
【GM】 うい。中に入ると、正面と左右に道が分かれてる。
【リット】 足跡は?
【GM】 洞窟の中は岩やから足跡は残ってないねん。
【フィーヌ】 右から行ってみようよ。
【GM】 (地図を見ながら)右ってどっちや? ・・・ああ、こっちか?
【一同】 ・・・・・・。
【リット】 なぁ、今、箸を持つ動作しなかったか・・・?
【GM】 気のせいやろ?(笑)
【ルーア】 もしかして左右分かんないとか言いますか?
【GM】 分かる時もあるからいいねん。で、右に行くと少ししてちょっと広い空間に出ますよ?
【シヴァ】 そこで行き止まり?
【GM】 行き止まりっぽいね。
【シヴァ】 何か落ちてたりする?
【リット】 エイクがいるとか。
【GM】 エイクはいないけど、戦闘が行われた形跡がある。
【ルーア】 それはどういう戦いか分かります? 大勢いたかとか・・・。
【GM】 じゃあ[知力]で振ってプリーズ。
【ルーア】 14です。
【GM】 なら、モンスターと戦ったあとだと分かった。ちなみに死骸も残ってますよ。ギルマン系の敵やね。まだそんなに古くないよ。
【ルーア】 それ、死体のドロップ品は・・・?!
【GM】 残ってないね。倒した奴が持って行ったんちゃうかな。
【リット】 まだそんなに古くないって言うのは、二週間以内?
【GM】 うん。ていうか、もっと新しい。一週間以内かな。
【リット】 ふうん。殺害方法は?
【GM】 剣かな。魔法の形跡は残ってないよ。焦げた跡とかね。
【ルーア】 そっかぁ。じゃあ今度は左に行ってみます。
【GM】 はいよ。こっちもしばらく行くとちょっと広い空間に出て行き止まりになるねんけど、片隅に杖みたいなものが落ちてるのが見える。
【ルーア】 杖?
【GM】 魔術師が持ってるような杖で、かなり古いものに思える。
【リット】 どれくらい古い? 
【GM】 分かるんかな、そんなん。まぁいいや、500年以上は昔っぽいよ。
【ルーア】 「ひょっとしてこれ、賢者クラークの杖なんじゃないですか?」
【リット】 かもな。杖に名前書いてへん?
【GM】 書くか!! 小学生じゃあるまいし(笑)。
【リット】 ・・・で、どうするよ、これ? 使えるん?
【GM】 いや、いたるところに錆が浮き出てたりして使えそうもない。マニアに売ったら高いかもな。
【シヴァ】 何のマニアや(笑)。
【GM】 クラークマニア。
【シヴァ】 そんなんおるんかいな(笑)。
【フィーヌ】 一応拾っていくわ。
【ルーア】 じゃあ次はまっすぐ行きます。
【GM】 ほい。まっすぐ進むと少し下り坂になってて、しばらく行くとかなり広い空間に出る。ここは水が浸水してるで。湧き水が地表にあふれ出してきたって感じな。水深は70センチくらい。
【リット】 ここも行き止まり?
【GM】 いや、ここは奥に続く道が見える。
【リット】 水の中進むのは何か出てきそうで嫌やな。俺、飛べる?
【GM】 ちょっときついかなぁ。羽ばたくには天井低いねん。天井まで3メートルくらい。
【フィーヌ】 私は[フライト]できる?
【GM】 それやったらできそうやで。
【ルーア】 私は普通に渡ります。銃だけ濡れないように気をつけて。
【リット】 俺は木材を拾ってきていかだを作りたい。
【GM】 落ちてません。
【シヴァ】 そんなんせんでも普通に渡れるやろ?
【リット】 渡れるけどさ・・・。じゃあ渡る。
【GM】 [フライト]のフィーヌ以外は水に入った? じゃあ・・・
【リット】 ほら出た!(笑)
【GM】 いかだ作ってても来たもん、どっちみち(笑)。出てきたのは体長1メートルほどの魚。
【ルーア】 でか!!
【リット】 とりあえずエネミー識別をしてみるで〜。分からんかったらおいしさだけ教えてな? 5や(笑)。
【GM】 そうなん? じゃあおいしくない。
【リット】 不味いらしい。っていうか分からんかったんか、俺(笑)。
【シヴァ】 じゃあ僕もやるわ。あ、6や(笑)。
【GM】 あ、6なら大丈夫やで。アーチャーフィッシュっていう魚モンスターで、牛とか人間を水に落としてその肉をついばむらしい。というわけでついばまれて下さい。
【シヴァ】 嫌です!
【GM】 ちなみに4体おるから。
【ルーア】 食べられるのは嫌なので迎え撃ちましょう。
【フィーヌ】 やっちまいな〜。
【リット】 行動値は7やで。
【ルーア】 4です。
【シヴァ】 僕は6や。
【フィーヌ】 私8もある。一番早い〜。いえい。
【GM】 魚は3なのでそっちからどうぞ。ちなみに魚は全部同じエンゲージにいるから。
【フィーヌ】 魚Aに・・・
【リット】 [フライト]をかけてエラ呼吸できんようにする(笑)。
【フィーヌ】 するか!(笑) 普通に[ファイアボルト]。
「焼き魚にして差し上げますわ」・・・当たって()の20点。
【GM】 何ィ?! すごいな。おいしく焼きあがりました(笑)。
【フィーヌ】 やった! じゃあ高笑いしとく(笑)。
【リット】 一匹減ったんやんな? 俺はじゃあ魚Bを槍で突く。命中判定は14!
【GM】 避けられません。
【リット】 ダメージは19発。
【GM】 ・・・今度はいい感じに刺身が出来上がった。何この魚、弱?!(笑)
【シヴァ】 攻撃するで。10や。
【GM】 それは避けた。
【フィーヌ】 「何やってんのよ?!」(笑)
【シヴァ】 「ちょっと足が滑ってん」(笑)
【ルーア】 あたしは・・・8です。
【GM】 それも避けた。魚頑張るやん。
【リット】 最初は調子よかったのにな(笑)。
【ルーア】 ふーんだ(笑)。
【GM】 じゃあ魚の反撃。対象はダイスで決めるわ・・・って、ごめん、フィーヌに二匹とも行きます。焼き魚の恨み(笑)。
【フィーヌ】 何ー?!(笑) 回避は11と9!
【GM】 なら9の方だけ当たりやね。ダメージは7点ダメージ。
【フィーヌ】 3点通った。まだ大丈夫。怒ってるで、「私、倒したのに! サボってた二人(シヴァとルーア)のせいだからね!」(笑)
【シヴァ】 「フィーヌが容姿端麗で目立つから狙われたんやって」(笑)
【GM】 じゃあ2ラウンド目いきま〜す。
【フィーヌ】 何もしない。防御。「あとはあんた達で倒しなさいよね〜」
【リット】 魚Cを槍で攻撃、12〜。
【GM】 当たり。
【リット】 ダメージは18発。
【GM】 すぱーん。真っ二つ。
【シヴァ】 Dに攻撃。11は?
【GM】 当たったよ。
【シヴァ】 ダメージは12や。
【GM】 まだ生きてる。
【ルーア】 あたし? 命中判定にフェイト1点使って・・・
【GM】 こんな所で使うんか?!(笑)
【ルーア】 あたしが仕留める!! みたいな(笑)。むやみに高い目が出た。15(笑)。
【GM】 もちろん当たったよ〜。
【ルーア】 攻撃にはさすがにフェイト使いません(笑)。ダメージ14点。
【GM】 はい、死んだよ〜。4匹揃ってぷか〜って浮いてますな。
【ルーア】 よ〜し、ドロップ品漁る♪
【シヴァ】 すごい嬉しそうやな(笑)。
【フィーヌ】 私は見てるわ。死骸漁ると服が汚れそうやから(笑)。

ドロップ品:魚の肉、魚の鱗をゲット。

【ルーア】 わーい、肉と鱗だ〜!
【リット】 「おめでとう」って生暖かく見守るわ(笑)。
【ルーア】 ひどい(笑)。鱗は売ったらお金になりますよう。
【シヴァ】 「(生暖かく)よかったね」
【ルーア】 ひぃ〜ん(笑)。

■■■

【ルーア】 じゃあ先に進みましょう。
【GM】 おっけい。このエリアを出たらまた道が登りになってて、水から出れました。そのまま進むと、少し広い空間に出る。ここも奥に道は続いてるね。
あと、ここの場所は何だか生活感がある。毛布が置いてあったり、着替えが落ちてたりと、最近人が使った形跡がある。
【リット】 毛布に手を触れてみる。「まだ温かい・・・!」
【GM】 それはない!(笑)
【ルーア】 その着替えは男物? 女物?
【GM】 男物やで。
【ルーア】 ふぅん。他に何か残ってない? 本とか地図とか。
【GM】 そんなのは置いてないねぇ。
【フィーヌ】 ごく最近? ホコリが積もってるとかは?
【GM】 そんなことにはなってないよ。
【ルーア】 なんでしょうねぇ。とりあえず先に進んでみる。
【GM】 うい。しばらく行くと左右に道が分かれてる。
【リット】 右行くで〜。
【GM】 なら、右に進んでいくと、リットには見覚えのある少年がいます。夢の中で出てきたアイツな。
【リット】 あ! 「キミやっぱ水竜やろ? 水竜」
【GM】 ちょっと待て、まだ説明終わってないから(笑)。その少年は体が半透明で、実体がない感じがするねん。
【リット】 幽霊や。
【GM】 少年はキミ達を見て言う。
「前の人みたいにアオを殺しにきたの? アオは殺さないで」
【リット】 「だからキミ水竜なんやろ?」
【GM】 答えない。寂しそうな顔をして、フッと消えた。
【リット】 あああ〜っ!!
【フィーヌ】 「今のって知り合い?」
【リット】 「俺の夢の中に出てきた奴」
【ルーア】 とりあえず先に進みましょう。
【GM】 進む? じゃあ道なりに歩いていくと、壁が自然の岩から人工の壁に変わって、その壁に水竜と賢者のレリーフが彫られてる。まぁ、かなり古いもんやから苔むしててよく見えないけどな。
【リット】 水竜と賢者? それって時を止めてる場面か?
【GM】 そう見えないこともないねぇ。
【ルーア】 苔をはがしてみるけど、何か他に出てくる?
【GM】 苔をはがしたら、文字が出てくる。賢者をたたえる文章と、「この奥にある水晶は彼の奇跡の賜物だ」みたいな内容の文章。
【ルーア】 水晶?
【リット】 その文章の作者名とか書いてないのん?
【GM】 ないよ。
【リット】 作者名:クラーク とかやったらおもろかったのに(笑)。
【シヴァ】 自作自演?(笑)
【ルーア】 奥にある水晶が気になる。先に行きます〜。
【GM】 先に行く? すると、まっすぐの道が結構長く続いて、ようやく奥の部屋が見えてくる。部屋からは淡い青い光が漏れてますな。
で、部屋のすぐ前まで来ると、またさっきの少年が出てくる。
【リット】 あ、また出た。「なぁ、キミさぁ、水竜? やっぱり」
【GM】 今度は答えようか?(笑) 「違うよ」
【リット】 違うのか。「じゃあ、誰?」
【GM】 「キミこそ何しに来たの?」
【リット】 じゃあ今までのあらすじを全部話す。「このままじゃ水竜が危ないんやろ? 封印が解けて、水竜の力が弱まって悪魔が出てくるらしいから。だから来てん」
【GM】 「そう。それならいいよ。それから、ひとつお願いがあるんだ。僕のことは殺してね?」
【リット】 「キミは一体誰なん?」
【GM】 「さぁ? 僕には名前がないから分からない」
【リット】 花か? 「普段何してんの?」
【GM】 「僕? ずっと寝てたよ」
【フィーヌ】 「寝てて・・・起こされた?」
【GM】 「うん、つい、この間」
【リット】 この間・・・ってことは花が折れた時かな?
【シヴァ】 少年の正体は悪魔ちゃうん?
【リット】 「・・・悪魔?」
【GM】 「悪魔って何? キミ達の言葉はよく分からない。僕が知ってる名前はアオだけだから」
【シヴァ】 アオが水竜やで、きっと。「この奥に、キミの本体がいるわけやね」
【GM】 「うん。もう一人の僕がいる」
【シヴァ】 「それを殺せばいいわけやね?」
【GM】 「うん。お願い」
そう言って少年はまた消えていく。寂しそうな微笑を残して。
【ルーア】 では、ついに奥の部屋に入ります。
【GM】 なら、ここでシーンを切りまーす。

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©2005 Yu-ri Sasamoto
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