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§遠雷:第14話§

偽りの女領主

著:林田ジュン
▽ 黒髪の戦士 ▽ パティとノエル ▽ 2週間前の真実

黒髪の戦士

【GM】 声の主は階段を下りてきますな。
【ヨッヘン】 みんな階段の出口の両サイドの陰に隠れて、出てきたら一斉に襲い掛かろう。あ、でも、できたら、俺がボウを発射してから行って欲しいからさ――。

 あくまでもレゴラス風に弓矢で大活躍したいらしいヨッヘンのプレイヤー。ちなみにプレイ当時、ロードオブザリングの第3章公開直後でした。

【セフィーロ】 俺らが行動遅らすんか?
【ヨッヘン】 そう。
【セフィーロ】 ま、いいけどね。
【GM】 ではついに声の主が下りて来たよ。黒いコートを着た若い黒髪の男で、剣は抜き身で持ってる。
 で、兵士倒れてるんやんな。
【ヨッヘン】 てゆうか、姿が見えた瞬間にもう――。
【GM】 ――撃つ?
【ヨッヘン】 撃って、セフィーロたちが突撃!
【GM】 いいよ。じゃあ、1ラウンドあげるわ。
【ヨッヘン】 俺の立ち位置はどうしよう。階段の死角になってて、射線が通るとこ。弓を撃つポーズはこうやからね(映画のレゴラスのポーズ)。
【リーディス】 そんなんどうでもええやん。
【ヨッヘン】 (ころっ)10。
【リーディス】 あ、どうでもええ目が出た。
【GM】 (ころっ)そんなん回避した。
【リーディス】 (ころっ)10!
【GM】 (ころっ)避けたよ。
【ヨッヘン】 (ころっ)11。ゼノの殴り。
【GM】 (ころっ)あ、避けた。
【セフィーロ】 (ころっ)16。
【リーディス】 おー、真打や。いけたやろ。
【GM】 (ころっ)避けた。
【リーディス】 えぇー!?
【セフィーロ】 なんやとー!?
【ヨッヘン】 手ぇ挙げる? 降参?
【リーディス】 いや、頑張る。
【セフィーロ】 これって不意討ちじゃないん?
【GM】 不意打ちやけど、こっちの目がよかったの。
【リーディス】 次のラウンドか……。殴る(ころっ)15。
【GM】 (ころっ)避けたよ。
【セフィーロ】 (ころっ)いや〜、14や。
【GM】 (ころっ)あ、14は……避けたわ。
【ヨッヘン】 俺か。もう弓は発射できないかね?
【GM】 うん、もう乱戦やろ。
【ヨッヘン】 じゃあ、しゃあないな。〈ストーン・ブラスト〉いくで。(ころっ)こりゃすごいぞ、16。
【GM】 は〜い、(ころっ)あ、くらってる。
【ヨッヘン】 ダメージは13。
【GM】 ん。 (ころっ)じゃあ、ゼノに攻撃。13。
【ヨッヘン】 (ころっ)9と言って避ける。
【GM】 ん、避けてない。(ころっ)ダメージ13ね。
【ヨッヘン】 防御、薄っ! ゼノ、死ぬかも。(ころっ)5点止め。残り11。
【GM】 次のラウンドやで。
【リーディス】 どうしよう。こいつ、なんかすごいやん。全然当たってないんやけどさ。〈エンチャウント・ウェポン〉にしよう、セフィーロに。(ころっ)
【セフィーロ】 問題は当たるかどうかやな。
【リーディス】 当ててー。
【セフィーロ】 (ころっ)ダメやなぁ、14。
【GM】 (ころっ)あ、はずれ。
【リーディス】 なんだよぉ。ブ〜。
【ヨッヘン】 ブ〜。じゃあ、〈ストーン・ブラスト〉いくでぇ。(ころっ)おお、15。
【GM】 (ころっ)当たってる。
【ヨッヘン】 20レーティング、クリティカルあり。(ころっ)なんだよ〜、10発。3発ぐらいしか通ってへんかも。次はゼノか。 (ころっ)12。
【GM】 (ころっ)そんなん、はずれ。
 じゃあ、いきまーす。(ころっ)リーディス、避けてな〜。14で避けられる。
【リーディス】 (ころっ)んーっと、12。
【GM】 (ころっ)あ、よかった、クリティカルしそうになった。18って言う。
【ヨッヘン】 18?! 素で?
【GM】 うん。
【リーディス】 (ころっ)7。……残り6点になった。
【セフィーロ】 にゃあ〜。
【リーディス】 殴っても当たらへんかな。当たっても大したことないし。下がろ。
【GM】 あ、言い忘れてたけど、べつにこの人も仲間を呼んだりはしない。
【ヨッヘン】 敵じゃなかったりして。んなことないか。
【リーディス】 それは痛いな。
【セフィーロ】 じゃ、普通に斬りかかるから正体はそっちのほうで探ってください。
【リーディス】 斬りたいらしい。当ててよ。
【セフィーロ】 (ころっ)ダメや、また14や。
【GM】 うん、ダメや。
【リーディス】 ブ〜。
【セフィーロ】 にゃ〜。
【ヨッヘン】 「味方?」って聞く。
【GM】 えっ?
【ヨッヘン】 「パティ・パトリシアの部下ですか?」って聞く。
【GM】 「部下ではないが、パティ・パトリシアには手を出させない」
【ヨッヘン】 「なんで?」って聞く。
「あの人が、この町の人を狂わせてるんじゃないかね」
【GM】 「彼女が必要だから」
【リーディス】 『彼女が必要だから』??
【ヨッヘン】 見た感じ、どう? 邪悪に笑ってる?
【GM】 まあ、いい奴には見えない。
【ヨッヘン】 ん、じゃあ、〈ストーン・ブラスト〉。これでもう打ち止めやで。
【リーディス】 やることなくなったらブーイング隊に入っておいで。
【ヨッヘン】 セフィーロが当ててくれりゃ、こんなに精神点使わなくてすんだのに。
【セフィーロ】 こいつが避けなかったらいいねん。
【ヨッヘン】 (ころっ)17と言って〈ストーン・ブラスト〉。
【GM】 (ころっ)魔法はけっこう効くねんよ。効いた。
【リーディス】 こっからやろ。ノーム・パワーで。
【ヨッヘン】 (ころっ)最後の〈ストーン・ブラスト〉は、6の4の11発。そろそろセフィーロがざっくりいってくれ。
【リーディス】 セフィーロ、当ててないやんか。
【ヨッヘン】 じゃ、ゼノ、下がります。
【GM】 はーい。
 じゃあ、もうセフィーロ狙うしかないんやんな。(ころっ)18。
【セフィーロ】 (ころっ)当たった。
【GM】 (ころっ)回ってない、よかった。18。
【セフィーロ】 (ころっ)10点止め。
【ヨッヘン】 んー、セフィーロが前にいたほうがええな。
【セフィーロ】 まだ残り生命点2桁あるから大丈夫。
 じゃ、リーディスの番。
【リーディス】 何もしない。防御。頑張れ、セフィーロ☆
【セフィーロ】 にゅ〜。
【GM】 (ころっ)13以上で当たる。
【セフィーロ】 (ころっ)14。
【ヨッヘン】 やっと当たった。
【セフィーロ】 (ころっ)15点。
【GM】 (ころっ)あ、じゃあ倒れたよ。生死判定は成功。
【ヨッヘン】 こいつ起こして事情聴取する? 応急手当しようと思ったら、30分かかるけどな。
【セフィーロ】 〈キュアー・ウーンズ〉かけてもいいぞ。
【ヨッヘン】 俺らにかけてよ、それやったら。
【リーディス】 そうそう。
【セフィーロ】 じゃ、今のうちに〈キュアー・ウーンズ〉を3人にかけます。
【ヨッヘン】 じゃあ、倒れた奴をロープで縛る。
【GM】 ロープで縛っただけ?
【リーディス】 猿轡もするよ。
【ヨッヘン】 で、応急手当。
【GM】 ん、じゃ、起きた。
【リーディス】 どんな感じ?
【GM】 睨んでるけど。
【ヨッヘン】 話、聞けるかな。
【セフィーロ】 厳しいな。
【ヨッヘン】 毛布、誰か持ってへん?
【リーディス】 あるけど。
【セフィーロ】 何するん?
【ヨッヘン】 ばさーって2人でかぶって、「さあ、吐け」。
【GM】 いいけど何がしたいのん?
【ヨッヘン】 外に音が漏れへんやん、毛布かぶらしたら。
【GM】 ああ、まあな。
【ヨッヘン】 で、情報をセフィーロが聞くとか、ヨッヘンが聞くとか、リーディスが聞くとか、ゼノが聞くとか。
【リーディス】 順番に毛布入って。
【ヨッヘン】 順番に行く?
【セフィーロ】 みんなでかぶって聞いたらええんちゃうの。アカンの?
【ヨッヘン】 誰か階段見張っとかないと。
【リーディス】 ゼノがやればいいやん。
【ヨッヘン】 じゃあ、ゼノに頼んで、俺らは毛布の中に入る。毛布をかぶらしたら、猿轡を取って、話を聞くさ。
【セフィーロ】 「目的は何だ」
【GM】 「目的は、アルファンを潰す事だ」
【セフィーロ】 「どこの手の者だ?」
【GM】 「それは言えない」
【ヨッヘン】 「言わないと殺すぞ」
【GM】 「ならば殺せばいい」
【ヨッヘン】 「じゃあ、言わへんと生かす」

パティとノエル

【GM】 えっ、べつにいいよ?
【ヨッヘン】 くそ〜。
【リーディス】 「パティも同じ考えなの?」
【GM】 「そんなこと、貴様らに話す義理はないが。パティは同胞だ」ってさ。
【セフィーロ】 「じゃあ、パティに聞いてみるわ」
【ヨッヘン】 「あと、キミの仲間は何人いるのかね?」
【GM】 そんなん言わへん。「仲間の情報を売る気はない」って。
【ヨッヘン】 口が堅いぞ、情報源になりそうにないな。しゃあないな、猿轡はめてほっとくか。
【リーディス】 うん、毛布かぶしたまんま、どっか隅っこのほうに。
【ヨッヘン】 セフィーロ、気絶させたって。ゴンって殴って。
【セフィーロ】 じゃ、ゴンって殴る。
【GM】 気絶した。
【セフィーロ】 じゃあ、階段を登っていってみる?
【リーディス】 うん。
【GM】 階段の途中には肖像画が2枚掛かってるよ。ノエルとパティの肖像画みたい。
【ヨッヘン】 見分けつくの?
【GM】 えっとね、一見しただけじゃわかんないけど、パティのほうには右目の下にホクロがある。ノエルはない。
【ヨッヘン】 『右目の下にホクロ』 他には? ソーサラー・スタッフをこうやって手に持ってるとか。パティが。
【GM】 いや、それはないけど、ノエルの方にシルファスの聖印がかかってる。
【リーディス】 ふ〜ん。
【ヨッヘン】 双子の顔だけ覚えとこ。よっしゃ、登っていくか。
【GM】 登ると、2階には部屋が1個だけある。ちょっと廊下があってから、扉。
【リーディス】 聞き耳。(ころっ)16。
【GM】 リーディスは、音はしないけど、気配を感じた。
【セフィーロ】 おっ。
【ヨッヘン】 待ち伏せかな? 何人おる?
【GM】 わからへん、そんなこと。
【ヨッヘン】 どうする?
【セフィーロ】 扉の横に立って開けてみたらいいんちゃうん?
【GM】 鍵かかってるけど。
【リーディス】 鍵開け (ころっ)9。
【GM】 開いた。
【リーディス】 「開いたー」
【GM】 ピン!
【ヨッヘン】 みんな、廊下の壁に張りつとき。中から撃たれてもいいように、射線をはずせ。
【リーディス】 突撃。
【セフィーロ】 入った。中には?
【GM】 中には明かりがついてて、女の人がいるよ。杖を持ってて、振り返った。
【セフィーロ】 魔法使う人や。
【リーディス】 いや〜。
【ヨッヘン】 そんだけ?
【GM】 うん、そんだけ。
【ヨッヘン】 杖を取り上げてくれ、セフィーロ。ダッシュや、タックルや。
【GM】 近付こうとすると、彼女は杖を構えるけど。
【セフィーロ】 接敵する。顔は見えてんの?
【GM】 隠してないから見えてるよ。顔は、さっきの肖像画の女だね。
【ヨッヘン】 どっちや。ホクロは?
【GM】 ホクロはないよ。
【ヨッヘン】 ノエルじゃないか。
【リーディス】 わからんけど。
【ヨッヘン】 パティがホクロ消してるとか? でも、俺はノエルと読んだ。
「ノエル!」って叫ぶ。
【GM】 それには応えてくれないけど――。
【ヨッヘン】 ぼ〜っとしてる?
【GM】 いや、ぼ〜っとはしてない。ちょっと困ってるっぽい。「どうしよう」って感じ。
【セフィーロ】 そうなん?
【リーディス】 どうしよう。
【GM】 さっき下りて来た男を捜してるっぽいけど、来ないから「どうしよう」って顔してる。
【セフィーロ】 「奴なら下で寝てるぞ」
【GM】 「殺したんですか?」
【セフィーロ】 「いや、生きてる」
【GM】 「出て行ってください」
【リーディス】 えぇー? せっかく来たのに。
【ヨッヘン】 「ここに来るまでに、どれだけ苦労したと思ってるんですかッ」
【GM】 知らんし。
【リーディス】 逆ギレや。
【ヨッヘン】 とりあえず、魔法使われたくないんやけど。
【セフィーロ】 詠唱し出す前に斬りかかったらええねん。
【ヨッヘン】 斬るの? タックルで押さえつけたほうがいいと思うがね。敵か味方か、まだ分からないし。
【リーディス】 うん。あんま攻勢的な感じではなさそう。
【ヨッヘン】 転倒させたりすれば魔法使われへんからさ。そのあり余るファイター技能でさ。
【セフィーロ】 余ってないけど。 (ころっ)うわー、無理。
【GM】 はい、無理。
【セフィーロ】 接敵して終わりや。
【リーディス】 こけてるで。
【ヨッヘン】 えぇ〜? じゃ、弓矢構えて「動くな」って言うけど。いちおう。
【GM】 こっちも杖構えて「動かないでください」って言う。
【ヨッヘン】 睨み合いや。
【GM】 睨み合ってたら、キミ、この子の服の胸のところにシルファスの聖印が見える。
【ヨッヘン】 やっぱりノエルじゃないか? なら、「あいつはシルファスの聖印を持っている」って言う。
【セフィーロ】 ほう。同胞やん。
【リーディス】 何してるんやろ?
【セフィーロ】 じゃ、やっぱり、目的を話さんとアカンわ。
【ヨッヘン】 そやな。じゃあ、このまま、睨み合ったまま――。
【GM】 ――うん、こうやって杖持ったまま。
【ヨッヘン】 「かくかくしかじか」と、説明するさ。
【GM】 「……帰ってください」
【リーディス】 「なんでやね〜ん」
【ヨッヘン】 「あの人(リーディス)、キレるよ?」って言う。
【リーディス】 キレてもな〜。今、精神点ないからしょぼいで。
【ヨッヘン】 それは隠しとかな! しょぼいことは。いかにも〈メテオ・ストライク〉使えそうな感じで、「宙空を彷徨う宇宙の子よ」とか何とか言うとったらええねん。
【リーディス】 キレながら。
【GM】 「帰らないなら、容赦はしません」ってさ。
【リーディス】 だってぇ――。
【セフィーロ】 そんなん言われてもな。
【ヨッヘン】 「あんた、アルファンをめちゃめちゃにしたい人?」って聞く。
【GM】 ちょっと戸惑ってから、頷く。
【ヨッヘン】 「えぇ〜? 頷くなよ!」って思う。
【リーディス】 「なんで?」
【GM】 「それが私の意思だからです」
【リーディス】 なんか、騙されてるとかじゃないの?
【ヨッヘン】 「パティはどうしたのかね? 今年はパティが統治する番らしいが」
【GM】 「私がパティです」
【ヨッヘン】 あれ? 何やろ。何があったんや。
「でも、キミ、ホクロないし聖印持ってるじゃないか」
【GM】 「私はパティです」
【ヨッヘン】 「いや、だからホクロは……」
【GM】 「パティです」
【ヨッヘン】 何かおかしいよね。
【リーディス】 うん。
【ヨッヘン】 乗り移られてるか、頭がおかしくなったか――。
【セフィーロ】 ――何かの事情か。
【ヨッヘン】 「パティをどうした?」って聞く。
【GM】 「ですから、パティは私です」
【ヨッヘン】 「キミはノエルだ」
【GM】 「違います」
【ヨッヘン】 どうしよ。できれば、傷つけるのは避けたいな。何か事情がありそうや。
【セフィーロ】 なんとか説得したい。
【リーディス】 本気になられたら、こっちがやばそうな気がする。
【セフィーロ】 「じゃあ、あの井戸に投げ込んでる薬は何なんだ?」
【GM】 「それは話せませんので」
【セフィーロ】 「罪もない人々を……」
【リーディス】 「アルファンが気に入らないんなら、あんたが直接王都に乗り込んだらいいやんか。なんで、町の人を巻き込んでまで。シルファスのくせに!」
【GM】 そう言われると、ちょっと困ってる。
【リーディス】 1年ごとに治めてたんやろ。その前は何もなかったんやろ?
【GM】 なかったね。
【ヨッヘン】 2週間前かららしいからな。
【GM】 ノエルの時代は何もなかったね。
【セフィーロ】 「何がキミをそうさせたんだ?」
【GM】 黙ってしまう。
【ヨッヘン】 何があったんやろ? パティと何かあったんかな。
【セフィーロ】 パティがどうにかなったのかも知れんで。
【ヨッヘン】 「話してごらんなさい」やな。
【リーディス】 ヨッヘンが言うと怪し〜。
【ヨッヘン】 「もしかしたら、助けになってやれるかも知れませんよ」
【GM】 『もしかしたら』?
【ヨッヘン】 そら、話の内容によるよ。
【リーディス】 行動が行動やからな、この人らの。
【セフィーロ】 我々で協力できることやったら、協力するよ。同じシルファスの名の下に。
【リーディス】 さっきの桶使って水流すのはイヤやで。
【GM】 「……少佐はもういないですか?」って言う。
【ヨッヘン】 『少佐』? もしかして、あの黒マントの奴か?
【GM】 うん。そうそうそう。
【ヨッヘン】 「あいつは今、縛って、毛布で包んでいる」
【リーディス】 丁重に扱ってるで〜。
【GM】 名前は『シュナイダー少佐』って言うらしい。
【ヨッヘン】 裏切り者リストに載ってる奴やな。
【GM】 「扉、閉めていいですか?」って聞く。
【リーディス】 なんで〜?

2週間前の真実

【ヨッヘン】 じゃあ、ゼノが閉める。俺は弓は構えたままやで。
【GM】 じゃあ、扉閉めて、杖置いて――。
【ヨッヘン】 じゃ、俺も下ろす。
【GM】 じつは自分はノエルだ、って言う。
【ヨッヘン】 やろね。「わかっていたさ」
【GM】 「年末に私とパティが統治を交換する祭りがあって、パティが静養地のほうから戻ってくる事になっていました。それでここで待ってたのですが、彼女は来ず、シュナイダーとあと2人、見たことない人が来て、言うことを聞いてパティのふりをしなければパティの命はない、と言われました」
【ヨッヘン】 そういうことか。
【セフィーロ】 【リーディス】 なるほどね〜。
【GM】 パティが実際どうなってるかは知らないし教えてくれなかったんやけど、どうしようもないからパティのふりをしてるみたい。
 それで、井戸から何かを流してたのは知ってたけど、それが何かは知らないらしい。
【リーディス】 ふーん。その2人って何なんやろな?
【GM】 エルフと、学者風の人。学者は『ギリアム』って呼ばれてた。
【ヨッヘン】 あー、ギリアムか。びっくりした。シュウかと思った。
【セフィーロ】 そんなんやったら最悪や。
【リーディス】 何もかも崩壊やで。
【ヨッヘン】 もう1人のエルフの名前は?
【GM】 名前は聞いてない。
【ヨッヘン】 神父じゃないよな、エルフやから。じゃ、『リーゼ』かな。肌の色は?
【GM】 「白かったと思います」
【ヨッヘン】 じゃあ、ダークエルフではないな。
【リーディス】 色白のダークエルフかもな。
【ヨッヘン】 そんなん言われたら、なんでもありやん。
【セフィーロ】 耳が尖ってる人間とか。
【ヨッヘン】 その2人って、この館に今いてるん?
【GM】 「ギリアム先生が、この屋敷の中のどこかにいると思います」
【セフィーロ】 あー、あそこ、鍵かけてた部屋や。
【リーディス】 あそこか。
【セフィーロ】 その可能性大や。
【GM】 エルフの人は、最初の日以外見たことないって。
【リーディス】 あの薬の正体は知ってんの?
【GM】 「えっ、薬って何ですか?」
 この人は、ここに閉じ込められて、パティのふりをさせられてただけやから。
【リーディス】 なるほどね。
【ヨッヘン】 なんでパティ本人やったらアカンかったんやろ? わざわざノエルに演技させて。
【セフィーロ】 パティが言うこと聞かんかったんちゃう?
【ヨッヘン】 あ、性格もあったんやったな、確か。
【セフィーロ】 そうそう。
【リーディス】 パティのほうが、活発。
【GM】 ノエルのほうがおとなしい。
【ヨッヘン】 さあ、どうしたものか。ちょっと帽子を持ち上げて、ぼりぼりぼりって掻いて、またすぐかぶり直す。帽子の中は見せない。
【リーディス】 なんで?
【GM】 ハゲ。
【ヨッヘン】 秘密。
【リーディス】 そうなんや。
【セフィーロ】 とりあえず、そこまでわかったら、もう後は――。
【ヨッヘン】 パティを助ける。
【GM】 ノエルは、パティが帰ってくるまではパティのふりをしておく、って言ってる。
【セフィーロ】 俺らは一度宿営地に帰らないとな。シュウに報告や。シュナイダー少佐も引っ張って行ってシュウに引き渡そう。ギリアム先生も捕まえたほうがいいんじゃない?
【リーディス】 行きたいけどさ、大丈夫かな。
【ヨッヘン】 外から「出て来いオラ〜」ガンガンガン! ってやる以外、俺には何も出来ないぞ。精神力ない。
【リーディス】 私も残り4。
【ヨッヘン】 〈スリープ・クラウド〉いける?
【リーディス】 うん、いける。いけるけどそれしか無理やで。
【GM】 かわいそうやから教えてあげよう。ギリアム先生はソーサラー、とノエルが言ってますがね。
「たぶん、パティより強いです。パティは〈ライトニング〉が撃てました」
【ヨッヘン】 じゃあ、ソーサラー5と読んだ。
【セフィーロ】 万全を期して行かないと。
【リーディス】 ギリアムはずっとあの部屋に篭もってるん?
【GM】 出てきたの見たことないね。食事のときにたまに見るぐらいで。
【ヨッヘン】 じゃあ、食事にちょっと毒入れて――アカンのか、冒険者がそれをやったら。
【GM】 うん、アカンね。
【ヨッヘン】 ちくしょ〜。
【GM】 どうするかね?
【ヨッヘン】 俺らがこのまま戻ったら、明日来るまでの間にさすがにギリアムも異変に気づくやろ。今宵のうちに何とかしないと。
【セフィーロ】 何とかしよう。何とかしたい。
【GM】 じゃあ〈トランスファー・メンタルパワー〉をノエルがかけてくれるから、欲しい人、もらって。彼女の精神力22ね。
【リーディス】 10もらう。
【ヨッヘン】 俺は9もらうから、残り12やな。「とりあえず、ギリアムを何とかしてきます」
【GM】 「お願いします。できればパティも連れ戻してください」
【ヨッヘン】 もちろん、そうするための第一歩やで。じゃあ、どっか隠れといて。
【GM】 うん、じゃあ、はい。
【ヨッヘン】 こそっと行こう、いちおう。
【GM】 メイドしか通らへんわ。
【ヨッヘン】 メイド、俺らの事気にも止めないやろ?
【GM】 うん。
【ヨッヘン】 ではギリアム先生の扉の前。
 いつもどおり、〈スリープ・クラウド〉からの戦闘やな。達成値上げて。
【セフィーロ】 〈サイレンス〉は?
【ヨッヘン】 準備しとこう。〈ミュート〉やな。個人相手はね。
 で、タックルをして欲しいねんけど。とりあえず、動きを封じさえすれば、魔術師は無力化できる。
【セフィーロ】 うん、ええよ。頑張る。
【ヨッヘン】 敏捷度順にいけばええな。リーディス、セフィーロ、ヨッヘン。
【GM】 どうぞ。不意討ちやね、ほんなら。
【ヨッヘン】 不意討ちにならへんと思うねんけど。鍵かかってるやろ?
【GM】 うん、鍵かかってる。
【ヨッヘン】 ゼノが開けるけどさ。
【セフィーロ】 こそ〜っと開けて。
【GM】 気づかれへんかったら、不意討ちになる。
【ヨッヘン】 なるほど。こそっとやる。じゃあ、まず鍵開けからな。(ころっ)8。
【GM】 開いたよ。しょぼい鍵。
【セフィーロ】 そ〜っと開けて。
【GM】 こそ〜っと開けるの振って。シーフと器用度でいい。
【ヨッヘン】 (ころっ)へぼかった、11。
【GM】 (ころっ)こっちもへぼかった。気づいてない。
【リーディス】 おおー。
【GM】 おっちゃんが、なんか薬品を混ぜたりして、茶色い液体をいっぱい作ってる。
【リーディス】 〈スリープ・クラウド〉かける〜。倍がけで、(ころっ)15。
【GM】 (ころっ)あっ、寝たよ。このジジイ!
【リーディス】 おー、すごい。
【ヨッヘン】 〈ミュート〉をキャンセル。縛ってしまお。
【セフィーロ】 武装解除や、武装解除じゃ〜。
【ヨッヘン】 さっ、何を持ってる? メイジ・リング?
【GM】 メイジ・リング? いや、杖が置いてある。
【ヨッヘン】 何かない? 魔晶石は?
【GM】 ない、そんなん。
【ヨッヘン】 おっちゃんを逆さにして振ってみる。何か出て来ない?
【セフィーロ】 ポケットから3フィスぐらい出てくる。
【GM】 あ、出てくるかも。
【リーディス】 切ないな。
【ヨッヘン】 あとは埃がパラパラパラ。
 じゃ、シュナイダー少佐と共に、持って帰ろっか。キャンプに。
【セフィーロ】 そうやね。
【ヨッヘン】 ノエルもキャンプに連れて行こか。安全のために。
【GM】 いや、ノエルはここにいるって言ってる。もしエルフが帰ってきたら、困るし。
【リーディス】 そうか。
【ヨッヘン】 「くれぐれも気をつけて。少佐と学者がいなくなったことは、キミは知らないから」
【GM】 もうあの薬作る人いないから、もう井戸に薬が撒かれる事はなくなるね。
【ヨッヘン】 じゃ、キャンプに戻ろっか。「疲れた〜」言いながら。
【GM】 じゃあ、帰った。シュウがいるよ。
【ヨッヘン】 事情を説明する。突き出す。
「こいつらが、リストに載っていた『シュナイダー少佐』と『ギリアム先生』です」
【GM】 「ほう、これで一気に減ったな」
【リーディス】 減ったよ〜。
【セフィーロ】 でも、まだおるで〜。
【リーディス】 あと何人?
【ヨッヘン】 『パティ・パトリシア』も消えて、あと3人。『リーゼ』『ルクソール将軍』『トリス神父』……このリーゼがたぶんエルフで、〈バルキリー・ジャベリン〉とか使ってくんねん。
【リーディス】 雌かも知れへん。
【GM】 〈ヒーリング〉! ど〜ん!
【ヨッヘン】 まあ、いいや。とりあえず寝ようや。
【GM】 「寝てる間にその薬を調べておきますよ」

÷÷ つづく ÷÷
©2010 Jun Hayashida
第15話『満月は冷たく笑う』は、近日掲載!
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ひと言ありましたら
 
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