▽ 王子処刑か!? | ▽ 黒い鷲と白い鯨 | ▽ スラムに潜む冒険者 |
【GM】 どの辺ぶらぶらしてる?
【ヨッヘン】 そうやなー、町の広場の中を、こう――
【GM】 広場? 広場にいてたらさ、お城の兵隊が何人かワラワラって来て、広場の掲示版に紙を貼って帰ってくのが見える。
【セフィーロ】 何が書いてあるん?
【ヨッヘン】 見に行く。
【GM】 「他人の指輪を使って、不法侵入しようとしていた2人が捕まった」って書いてあって――
【リーディス】 「ぷっ」て笑う。
【GM】 「公開処刑は3日後。その内1人が隣の国の王子と名乗ったため」――
【リーディス】 おおー。それは見に行かな。
【GM】 「今からアルファンに真偽のほどを確かめに行くので、真実なら全面戦争に突入か!?」って書かれてる。
【ヨッヘン】 『か!?』て。
【リーディス】 それ、お城のやつやんな? べつにフォーカスとかじゃないよね。何や、ここ。
【セフィーロ】 たぶん新聞屋に勤めとった人が誇張して。「このほうが盛り上がるし」とか言うて。
【GM】 広場にいた人は、みんな「あー、3日後か〜。この広場でやるんや」って。
「戦争か〜」「処刑見な」とか。
【リーディス】 楽しみやな。
【GM】 ギロチンらしいで。
【リーディス】 おお、一発やな。
【GM】 うん、一発、一発。
【セフィーロ】 これは大変や。
【リーディス】 3日後か。
【GM】 3日後の正午。
【リーディス】 間抜けやの〜。
【セフィーロ】 すごい迂闊やな。だから「連れて行け」言ったのにな?
【ヨッヘン】 うん。
【GM】 あ、ちなみに騎士のほうは、もう殺されたらしい。
【ヨッヘン】 ジャック?
【GM】 うん。捕まったときに抵抗したので1人は殺した、って書いてある。
【リーディス】 さて、どうしよう?
【セフィーロ】 まあ、とりあえずレジスタンスに行ってみないと。
【ヨッヘン】 4時になったかな?
【GM】 うん。
【セフィーロ】 その後は、広場は何も動きはなし?
【GM】 動きは特になし。城の警備が厳しくなったっぽいなー、ぐらい。衛兵が1人増えたな〜、ぐらい。
【リーディス】 1人かよ!
【セフィーロ】 びみょ〜。
【GM】 あと、処刑見物の場所取りするお爺さんがいたり、逃げ出す人がいたりな。「この国は戦争になる。ヤバイ」とか。
【リーディス】 えらいことになったなぁ。
【ヨッヘン】 じゃあ、酒場に行こか。
【GM】 もう開いてるよ。何人か客いるけど。
【ヨッヘン】 じゃ、「黒チーズをください」って言う。
【GM】 「黒チーズ?」
【リーディス】 と――
【セフィーロ】 きゅうりの漬物。
【GM】 「少々お待ちください」ってマスターが奥に行って、品物持って来て、「コーヒーもいかがですか?」
【リーディス】 「いただきます」
【セフィーロ】 「お願いします」
【GM】 「じゃあ、こちらへ」って。
【リーディス】 チーズも気になるから、ちょっと食べてみる。
【GM】 食べる? めっちゃまずい。
【リーディス】 泣く?
【GM】 泣くねぇ。
【リーディス】 じゃあ、泣いた。「あああああ〜」って泣いた。
【GM】 きゅうりも漬かり過ぎてて、匂いがもうやばい。
とりあえずマスターは下に案内してくれるけど。
「この下がレジスタンスの本部になってるんですけど、武器は私に預けて行ってくださいね」って言われる。
【リーディス】 うん、いいよ。
【セフィーロ】 「いいよ。大事になー」
【ヨッヘン】 ノーム入りのダガーだけは、帽子の中に隠しとく。
【GM】 うん、そんなんはべつに見ないから、気にしない。それで、降りて行ったら入口のとこに1人見張りみたいな感じの人がいて、「見慣れない顔ですね」って言われる。
【リーディス】 「見慣れないでしょ」
【セフィーロ】 これから見慣れてください」
【GM】 「は? どなたですか?」
【セフィーロ】 「キミこそ誰ですか?」
【GM】 レジスタンスの人ですけど。
【セフィーロ】 「じゃあ、そのレジスタンスに会いに来た人です」
【GM】 「何の用で来たんですか? 連絡されてないですよね、こちらに。怪しい人は入れられないんですけど」
【セフィーロ】 「怪しくない」って言う。
【GM】 怪しい!
【セフィーロ】 「ちょっと他言無用の話やから、もっと偉い人に会わせて」って。
【GM】 「誰に会うんですか?」
【ヨッヘン】 「シリウスさん」
【GM】 「シリウスさん? そんな偉い人にいきなりはちょっと」
【ヨッヘン】 「なら、ケインさん」
【GM】 「ケインさん? 誰ですか?」
【ヨッヘン】 「ハーフエルフのケインさん」
【GM】 「ハーフエルフはいますけど、リックさんですよ」
【ヨッヘン】 「あと、ナツコさんは?」
【GM】 「メンバーに、今、女性はいませんが」
【ヨッヘン】 偽者か。
【セフィーロ】 「今日、捕まった人たちのことで話が」
【GM】 「ああ、お城で?」
【ヨッヘン】 「あれ、処刑されたら、全面戦争『か!?』やで」
【GM】 「らしいッスよねぇ」
【ヨッヘン】 「あんたら戦争回避する組織だからあれはまずいでしょ」
【GM】 「でも、ああなってしまったものは、もう……。もしかして、あの2人の知り合いですか?」
【ヨッヘン】 「まあね」
【GM】 「なら話は別ですね。ちょっと、とりあえず中に入ってもらえます?」
【リーディス】 入る〜。
【GM】 じゃあ、しゃあないからシリウスさんのとこに通してくれるけど。みんな不審そうに見てるけどね。
【セフィーロ】 それは気にしない。シリウスさんには会えたんやな?
【GM】 うん。
【セフィーロ】 ほな、詳しい事情を説明する。包み隠さず全てを。
【GM】 どっから全部?
【セフィーロ】 護衛の依頼を受けたとこから。ヨヒムさんの話から。
【GM】 「ヨヒムから『もしアルファンが使者を送ってくるなら協力して欲しい』という話があって、『じゃあそういうことが正式に決まったら、連絡して』までは言ったけど、王子が来るとかそんな話は聞いてない」って言われる。
【リーディス】 あれ?
【セフィーロ】 ヨヒムさんいうのは、実在の人?
【GM】 「ああ、従兄弟です」
【セフィーロ】 「アルファンの穴掘りしてんの?」
【GM】 「確かそうだったはず」
【ヨッヘン】 その話はいつしたん?
【GM】 話というか、手紙のやりとりやけど。
【ヨッヘン】 直接、顔は合わせてないんやな?
【GM】 うん。
【リーディス】 連絡が途中で途絶えた。
【セフィーロ】 レジスタンスの邪魔をする人って心当たりある?
【GM】 「ああ、それはね、好戦派の中でも急進的な左翼がいるからね。彼らが」
【リーディス】 そいつら怪しいね。
【セフィーロ】 「じつはこうこうこういうわけで、あんたらに会うために、王子と護衛の騎士が来てね、評議会に入れると……」
【GM】 「入れるわけないじゃないか! あれは本人じゃないと。何を考えてるんだ」
【セフィーロ】 「そういう人なんや。藁にもすがる思いで来たわけ。まあ、そう責めんといてくれ」
【リーディス】 責めてないけど、笑ってる。
【GM】 でもここに指輪があったのだけは真実らしい。
【ヨッヘン】 その指輪はどこへ?
【GM】 「盗まれてしまったんだがね」
【セフィーロ】 「――と、まあこういう事態になったわけでやね、どう考えても好戦派が怪しかったりするわけで。ちなみにそこのリーダーが、『ケイン』という名前でハーフエルフやったりとかいうことはない?」
【GM】 「名前は知らないけども、ハーフエルフ。参謀に女がいるのも知ってる」
【ヨッヘン】 ははん。
【リーディス】 まんまや。
【セフィーロ】 「ビンゴ! それ。正解!」
【GM】 「ていうかキミの国は何してるんだ!?」
【リーディス】 ハッピーな国やねん。
【セフィーロ】 「俺らも護衛を頼まれただけやからね、裏取りとかしてないわけよ」
【GM】 「はあ。一回帰ったら、ガチンって言っといたほうがいいと思うけど」
【リーディス】 そうやね。
【セフィーロ】 「でも、戦争が起きてからじゃ、遅い」
【GM】 「そうだなぁ。一回帰ってる時間もないしな」
【セフィーロ】 「戦争が起きたら、キミらも困るでしょ?」
【GM】 「うん、立場的にも」
【セフィーロ】 「ここはまあ、何とかして戦争を回避せんと。」
【GM】 「とりあえず、その王子を助け出すのが先決かな」
【ヨッヘン】 3日しかないからね。
【セフィーロ】 ここで助け出したら、王子に恩が売れるで。
【リーディス】 それは心に秘めときな。
【GM】 「でも王子を助け出したところで、向こうの国が悪いことをしたっていうのには、変わりがないんだよなぁ」
【リーディス】 確かにねぇ。
【GM】 「しかも助け出したりしたら、ますます悪いことになりそうな気がする」
【リーディス】 ホンマや。見なかったことに。
【セフィーロ】 「そこをどうにかするのが、キミらの仕事じゃないのか」
【GM】 「いやいやいやいや」
【リーディス】 なすり合いを始めたで。
【GM】 「とりあえず、真犯人を見つけて『こいつらに騙されました』っていう証拠を持っていけばいいんじゃないだろうか」
【ヨッヘン】 ホンマに?
【セフィーロ】 「それで戦争回避できそう?」
【GM】 あと、指輪やけど、この指輪偽造できないようになってるらしくって、王子が受け取った指輪自体は本物だと思われる。「こっから盗まれたものかはわからないけど、本物なのは確かだ」
【セフィーロ】 「3人ほど欠席しとったらしいから」
【GM】 ちなみにここにあったのは、リオっていう人の指輪。
【セフィーロ】 「なんでそんなん持ってんの?」
【GM】 その人も、一時期ここに所属してた。ノイブルクからこのソロンに抜け出してきて、ついこの間まで活動してた。でも指輪と彼女がさらわれてしまって。
【リーディス】 彼女ごと?
【GM】 彼女ごと。
「だから、その可能性はあるのはそれかも知れない」
【セフィーロ】 「そのリオと女参謀は同一人物じゃないやろね?」
【GM】 リオはオレンジの髪の女の人。女参謀は黒髪やった。あと、リオに戦闘系の技能はない。「とりあえず、こちらが協力してあげられるのはそのぐらいかなぁ。あとは、宿貸してあげとかね。」
【リーディス】 レジスタンスはリオ探してんの?
【GM】 「うん。リオはたぶんその敵対組織に捕まえられてると思うけど、そっから先はまだ洗えてない」
【ヨッヘン】 対抗組織のアジトはどこなん?
【GM】 「知らん」
【セフィーロ】 探れよ。
【リーディス】 「使えねーなー」って。
【セフィーロ】 名前は?
【GM】 『
【リーディス】 どれくらいの勢力かもわからん?
【GM】 こっちよりでかい。向こうは国の権力者とかも何人かいるから資金面とか充実してる。
【セフィーロ】 それでよく今まで戦争起こさずに済んだね。理由がなかったんやな。
【GM】 たぶんね。
【ヨッヘン】 今頃、万歳三唱してるやろ。
【セフィーロ】 「やっと大義名分ができた」 飛んで火に入る……やな。困ったこっちゃ。
【リーディス】 アルファン、やられたな〜。
【ヨッヘン】 思いつきで変なことするからや。
【セフィーロ】 せっかく、穴掘り頑張ってんのに。
【ヨッヘン】 おとなしく穴掘っとくだけにしとけば、よかったのに。
【リーディス】 私もう愛国心ゼロやから。
【セフィーロ】 俺はアルファンの人間ちゃうし。まあ、乗りかかった船だから協力するけど。
【ヨッヘン】 俺は「レムリア大陸の平和を守るのは自分や」と、思い込んでるから。
【セフィーロ】 頑張れるとこまで頑張る。後は野となれ山となれ。
【リーディス】 アカンやん!
【セフィーロ】 いやいや、結果が出るまでは、できることを頑張る所存です。善処します。
【ヨッヘン】 ところで指輪見て持ち主はわかんの?
【GM】 ああ、なんか魔法みたいな文字が書いてあんねんけど、いちばん最後のとこに持ち主の名前が書いてあって、見分ける人がいる。
【ヨッヘン】 で、簡単に見分けられたんやな。あの王子は。レッグは。
【セフィーロ】 ていうか、今まで来たことない人やから、すぐわかる。
【GM】 そう。でも、結婚とかしたらその相手にも与えられるから一応名前は必要。顔パスだけじゃ、新しい所有者が増えた時に分からないから。
【ヨッヘン】 所有者増えるんや。
【GM】 そ。増える。子供生まれたら増えるし。
【ヨッヘン】 誰が増やしてんの、この指輪?
【GM】 評議会のトップが作らせてる。まず、指輪を与える本人を評議会まで連れてきて、害がないってわかったら、作ってくれる。
【ヨッヘン】 ふーん。
【セフィーロ】 さて、どうしてくれよっか。
【GM】 ちなみに世間一般では、リオをさらったのはレジスタンスだと思われてるらしくって、ノイブルクの偉い貴族はレジスタンスを敵対視してる。
【セフィーロ】 それがじつは黒鷲団がさらった、ってことが――
【GM】 わかれば、ノイブルクの勢力がこっち側に来て形成が逆転するかも。
【ヨッヘン】 スポーツ新聞が大々的に書いてくれるやろから。
【リーディス】 スポーツ記事じゃなくて、あれはお城の掲示板やろ。なんか間違ってる。
【GM】 「リオは生きていた!!?」
【セフィーロ】 「さらったのは黒鷲団」――
【GM】 【セフィーロ】 ――「か!?」
【ヨッヘン】 こっちの組織の名前は何なん?
【GM】 こっち? 『白くじら』
【ヨッヘン】 じゃあ、リオを助けに行こか。この人がいろいろ言うてくれたら、黒鷲団が全部悪いことになるやろ、きっと。で、王子も「善良な王子が騙された」ってことになるやろ、きっと。
【セフィーロ】 黒鷲団でわかるこというたら、それぐらいのもん?
【GM】 それぐらいやね。
【ヨッヘン】 じゃ、またシーフがギルドで大活躍や。
【リーディス】 うん。シーフギルドへ行きます。
【GM】 「また来たね」
【リーディス】 「やっほー。聞きたいことがあってさ」
【GM】 「また、あるの? 今度は何だい」
【ヨッヘン】 黒鷲団のアジト。
【GM】 「アジトか〜。ちょっとそれは、こっちでも把握してない。メンバーの家をアジト代わりに使ってるらしくて、どの家が使われてるかとかは――ま、だいたい全部使われてるんだが」
【リーディス】 持ち回り。「今日はおたくで」とか。
【GM】 「そんな感じ。どの家がメインで使われてるとかは把握してない」
【リーディス】 1箇所でもわかれば。
【GM】 だったら、貴族の家5件。レストラン1件。新興宗教のちっちゃい教会。あと、スラム街の民家の地下。
「把握してるのはこれだけだが、まだ他にもあるかも知れないよ」
【リーディス】 OK、OK。情報料100フィス置いておこう。
【ヨッヘン】 合計で8個ある。1個ずつ潰して行こか。
【GM】 ちなみに貴族の家の場所はわかってないらしいけど、レストラン・教会・スラムの場所はわかってる。
【ヨッヘン】 この3つに絞って張り込むかね。
【リーディス】 どっから行く? レストランは見た目に分かるんかな?
【ヨッヘン】 看板に、黒い鷲の看板が立ってるとか。
【GM】 そんなん立ってない。普通の海鮮料理屋。
【ヨッヘン】 高級レストランっぽい?
【GM】 うん、ちょっと高そう。
【セフィーロ】 お得なセットとかはないん?
【GM】 ディナーセットとかちょっと安そうやけど、普通に食べたほうが安いな、他の店で。
【リーディス】 張り込んでみる?
【ヨッヘン】 ケインかナツコが入って行くとこを目撃できれば、最高なんやけどな。でも……どうやろ。
【リーディス】 あと3日しかない。
【ヨッヘン】 実質2日やね。もう夕方やろ。カウントダウンが始まってるで。
【セフィーロ】 大ピンチ。
【GM】 3日目の昼までは間に合う。
【リーディス】 そんなギリギリか。「そのギロチン、ストーップ!」や。
【GM】 「あー、しまった〜。もう落としちゃったよ〜」って。
【ヨッヘン】 そこで〈フォーリング・コントロール〉や、リーディスが。ふわ〜。
【GM】 でも、ゆっくり首切れてくねん。
【ヨッヘン】 そうなんか?!
【リーディス】 痛ぁ〜。王子もゆっくりになったらイヤやな。「ああ〜」とかって、一緒に。
【ヨッヘン】 最低やな。
【リーディス】 皆さんにゆっくり見ていただけるだけやで。
【ヨッヘン】 スロー再生。
【GM】 スローモーションでお楽しみください。
【セフィーロ】 楽しめへん。
【リーディス】 ショックが2倍って感じやな。
【セフィーロ】 ところで、レジスタンスのほうにはシーフおらへんの?
【GM】 「あー、2人いるよ」
【セフィーロ】 「貸して」
【GM】 1レベルでよければ。
【セフィーロ】 ないよりマシ。ちなみに、このアジト候補さえも白くじら団は知らんかったん?
【GM】 なんか、家をいろいろ使ってたのは知ってる。
【セフィーロ】 レストランや神殿やスラム街の地下とか。
【GM】 「いや、知らんな」
【セフィーロ】 知っとけよ! 「キミらも大概のん気なグループやね」
【GM】 「そうですかねぇ」 南のほうやから、みんなおっとりしてるねん。
【ヨッヘン】 どんな言い訳や。
【リーディス】 戦争始まってもこの調子やで、きっと。
【セフィーロ】 ちょっとこめかみ押さえとくわ。
「とりあえず、シーフ2人借りていい?」
【GM】 「うん、いいよ」
【ヨッヘン】 じゃあ、張り込みしてもらうかね?
【セフィーロ】 ちなみに顔は知ってんの? ケインとナツコ、もしくは向こうの黒鷲団のメンバー。
【GM】 んーっとね、シリウスは「1人知ってる」って。でも、「ハーフエルフや女じゃない」って言われる。普通の隊員の1人を知ってるって。
【セフィーロ】 なんで知っとん?
【GM】 昔、こっちこっちに入ってた人が、寝返って行った。
【ヨッヘン】 じゃあ、この人がシュウさんの連絡を盗んだか何かした――
【GM】 「いや、ヨヒムと連絡を取るよりもっと前に抜けてったから、そいつじゃないよ」
【リーディス】 いちおう、顔を聞いとこう。
【GM】 男の人で、黒いツンツンの髪の人。
【セフィーロ】 似顔絵描いて。
【GM】 描いてくれた。
【セフィーロ】 回りに見せて、「似てる?」って。
【GM】 いや、「シリウス隊長、絵、ヘタですなぁ」とか言われてる。
【ヨッヘン】 威厳が……。
【セフィーロ】 「誰か、うまい人!」言うて。
【GM】 じゃあ、シーフ君が描いてくれるけど。隊長よりかはマシにできた。
【セフィーロ】 「この絵ならわかる?」
【GM】 「あー、隊長より似てますわ」
【リーディス】 その表現も微妙や。『シリウスより』というのは。
【セフィーロ】 「これで本人とわかりそう?」
【GM】 みんなが「いや、ここにほくろがあったはず」とか、いろいろ描き込んで、よく分からなくなってきた。
【リーディス】 アカンやん。落書きもされた、髭とか描いて。
【ヨッヘン】 この人は何してた人なん?
【GM】 その人は大工さん。サムって名前やから。
【セフィーロ】 年の頃は?
【GM】 25〜26。
【セフィーロ】 背丈は?
【GM】 背丈は、まあちょっとでかいかな。
【セフィーロ】 これでまあ、なんとかわかるやろ。
【ヨッヘン】 あ、そうだリーディス。ケインとナツコの似顔絵、描けるかね? 借りたシーフが張り込みするんなら、顔知ってたほうがいいやろ思ってんけど。
【リーディス】 じゃあ似顔絵描くね。(ころっ)おおー、大丈夫や。うまく描けた。シーフ君、覚えてよ。
【ヨッヘン】 で、どこを張り込んでもらお、彼らには。ていうか、俺らがどこを張り込むかやな。当たりそうなとこ。
【リーディス】 どこやろ。全部、怪しい気がする。
【ヨッヘン】 この情報だけじゃな。ダイスで決めよう。(ころっ)おお、スラム街の地下と出た。
【リーディス】 スラム街〜。
【ヨッヘン】 では、シーフA、Bには、それぞれレストランと教会を見張ってもらおう。そしてリーディスは、スラム街の家の前のアパートに入り込むと。
【GM】 民家には住人が出入りしてるけど。
【ヨッヘン】 あ、住んでんのか。
【GM】 うん。いちおう住んでる。
【ヨッヘン】 でも、この人らも黒鷲団に関係ある人なんやな。
【GM】 うん、そこが使われてるのは確かやから、団員なのは確か。家族の誰かがね。
【ヨッヘン】 いざとなったら、全員とっ捕まえて――
【GM】 ――ってこともできる。
【ヨッヘン】 これはまあ、最後の手段ということで。
【GM】 見た感じ、夫婦と子供が1人いるみたい。
【セフィーロ】 ほう。
【ヨッヘン】 このうち2人はたぶん団員ではないんやろけど、いざとなったら巻き添えを食ってもらおう。
【セフィーロ】 じつは子供が団員かも知れん。
【GM】 子供は10歳ぐらい。だから、夫婦もそれなりの歳ね。
【ヨッヘン】 ん。じゃあ、見張っとこうや。
【セフィーロ】 【リーディス】 うん。
【GM】 じゃあ、そのうち電気が消えて、寝たかな? とりあえず電気が消えた後は、出入りはない。動きはなくなった。
【ヨッヘン】 地下らしいから。地下トンネルとかやったら、イヤやな。出入り口はここだけやったら、ええねんけどな。
【リーディス】 う〜ん。地下はすぐわかるとこにある? 地下の入口。
【GM】 えっ、今どこに見てるんやっけ? 外から見てるんやんな?
【ヨッヘン】 外、外。
【GM】 じゃあ、わかんない。
【ヨッヘン】 忍び込む?
【リーディス】 うん。使われてるかどうかは見たいやん。
【ヨッヘン】 じゃあ、忍び込もう。まず、庭に――
【GM】 庭、ないし。通りそのまま家に面してる。
【ヨッヘン】 建物に入らなアカンねんな、中を探ろう思ったら。
【GM】 ってか、扉なんかないからカーテンをふぁ〜って開けたらもう入れるねんけどね。
【ヨッヘン】 ほな、カーテンしゃーって開ける。
【GM】 真っ暗です。とりあえず、キミにはどこで誰が寝てるかぐらいはわかる。
【ヨッヘン】 「サンドマンがあそこに3つぐらいいる」って言う。
この家の中を探るぞ。
【GM】 でも夜やから真っ暗やで。
【セフィーロ】 聞き耳立ててみたら? 寝息以外に何か音が聞こえるとか。
【GM】 いや、ネズミが走り回る音とか、そんぐらい。
【セフィーロ】 じゃあ、使われてないんかな、今日は。地下を探してみよう。明かりつけたら、寝てる人たち起きてまうかな。
【ヨッヘン】 ぐっすり眠っとったらわからんで。今、何時?
【GM】 えっ、まだ11時とか12時とか。
【ヨッヘン】 ほな、深夜2時まで待つ?
【リーディス】 その時間なら、トイレに起きてきそうや。どうせなら明け方になるまで待つとか。
【ヨッヘン】 朝まで待つ? 朝になったら、家の人出かけるかも知れへん。全員じゃなくても団員の奴が。 待つか?
【セフィーロ】 そやね。