≪REV / EXIT / FWD≫

§輪廻の聖者:最終話§

聖者覚醒

著:龍神裕義 地図:もよ
▽ 聖者の秘密の事 ▽ 最後の迷宮の事 ▽ 裏混沌封印の事

聖者の秘密の事

【GM】 あ、さて、さて、さてさてさてさて最終回ですが、始めよか。
【ジャニオス】 ほんで? 空間の歪みから出てきたふたりの人物というのは?
【GM】 ひとりはアスリアで別れた、みんなも知ってるレクターさんです。「やあ、久しぶりやね」ってな挨拶を交わしまして、もうひとりというのが──。
【エリオ】 ──俺らの知らんレクターか。
【GM】 どーゆーこっちゃ。そのひとは、エリオには見覚えがある顔だちのお方ですよ。
【ハニィ】 ライバルのなんとかっていう騎士か。
【ジャニオス】 名前、忘れられてる。
【GM】 そんな名前も忘れられたキャラじゃない。一見するとね、エリオが仕えていたセフェリア王国の国王陛下によく似た感じです。
【ハニィ】 ああ、あの若い王様か。
【GM】 が、陛下が短髪なのに対して、目の前の人物は長髪です。エリオたちが旅立ってから伸ばしたにしても、「ここまで伸びんぞ」っていうぐらいの髪の長さやね。陛下が襟裾を刈りあげたような感じやったのに対して、このひとの髪は腰のあたりまである。
【ハニィ】 国王の兄弟なん?
【ユーリ】 双子とか。
【エリオ】 名乗られい。
【GM】 えーっとですね、その人物は──あ、ゴメンゴメン、名前は言われへん。「国王に縁のある者」とだけ教えてくれます。
【エリオ】 レクターはそいつことを知ってんの?
【GM】 まあ、最近知り合った関係で、どういう人物なのか詳しくは知らんけどね。
 レクターさんはエリオたちが旅立ってから、アスリアの神殿でみんなのことを気にかけて過ごしてたわけやけど、そこへこのひとがやって来て、いろいろあって、このひとの〈テレポート〉の魔法で連れて来てもらったんやね。
【ジャニオス】 かなり高位の魔術師やな。
【エリオ】 しかし、レクターもそんな怪しげな人物をよう信じたな。名前も名乗らんと「国王に縁がある」とか言う奴、疑わしさ爆発してると思うねんけど。
【ユーリ】 変な魔法で信じさせられたんや。
【エリオ】 まさか、魔神が変身してるんとちゃうやろな。そのレクター、本物か?
【GM】 さあ。「さあ」言うても、今回のレクターさんにはプレイヤーがついてるから、その時点で本物であることを保証してるようなもんやけど。
【レクター】 とにかくそのひとは、レクターさんが信用するに足る人物で、このキャンペーンの事件のことをよく知ってるわけね。
【GM】 ま、そういうこと。そんでそのひとは、今回の混沌に関する事件の、彼が把握している情報を話してくれる。
【ジャニオス】 聞いたろ、聞いたろ。
【GM】 太古の昔、それは神々の戦争の頃、この地に裏混沌の世界──例の牛魔人バリドスなんかが住む異界ね──に通ずる、時空の穴ができてしまった。その時空の穴が、いまから皆さんが挑む地下迷宮の奥にあるんです。
【ハニィ】 そこは、普段は封印されてるんやな?
【GM】 うん。裏混沌の流出を防ぐためにね。しかし、例え封印してたとしても、厳密に言うと裏混沌の流出は避けられない。水分が布をしみ通るように、裏混沌は、わずかににじみ出てきてしまうものやからね。逆に言うと、裏混沌の世界には、表混沌がにじみ出ている。
【エリオ】 徐々に交わっていくわけやな。
【GM】 そして最後には、正の表混沌と負の裏混沌は完全に交じり合い、プラスマイナス0となって『無』になる。
【ハニィ】 世界が滅びるんや。
【GM】 そう。賢者たちの間では、これはどんな力をもってしても食い止めることはできない、とされています。つまり世界は、表も裏もゆっくりと『無』に向かっているということ。放っておいても、やがては滅び去る運命にあるんやね。
【ユーリ】 む〜……。
【GM】 ただ、それは今日明日の話じゃない。ずっとずっと先のこと。ところが最近、時空の穴の封印がほぐれてしまう事件が起きた。それが、22年前に終結したクラリオン大戦。
 そして、この戦争を終わらせた勇者シュカこそ、何あろう、裏混沌の使い手だったのだ。
【ジャニオス】 じゃあ、勇者は悪者か。
【GM】 そうじゃない。レムリア大陸には、裏混沌を扱える能力を持った一族がいた、というだけのこと。善か悪かは、その人しだい。勇者シュカは、その一族の生き残りです。
【ユーリ】 じゃあ、他にもその一族の生き残りはいるんかな?
【GM】 「……いますよ」と長髪の男性は答える。
【ハニィ】 どこに〜?
【GM】 その問いかけには、ニッコリ笑うだけで答えてくれない。
 で、勇者の役割は、この灰色の世界の光と闇の力の均衡を保つこと。クラリオン大戦では、いわゆる『闇の世界』の住人である妖魔たちが大挙して押しかけて来たため、闇の力が強くなってしまった。
【ジャニオス】 この世界のバランスが崩れたわけや。
【GM】 その崩れたバランスを取り戻させるのは、生半可な力ではとうてい無理。そこで表混沌の世界では強大な力となる裏混沌を扱える者の中からひとり、選ばれた者が勇者として働くわけやね。
【エリオ】 22年前は、それがシュカやったんやな。
【GM】 ところが、勇者が一度に大量の裏混沌を扱うと、表混沌との境界──封印がゆるまってしまう。そこで、裏混沌を封じることができる聖者が必要となるわけです。
【ハニィ】 つまり、勇者と聖者は組になってるわけやな。
【GM】 まあね。だからレムリア暦前、旧魔法帝国の〈ザンナール〉の暴走を食い止めた勇者シフィルの20年後に、聖者セルマが現れ、今また、クラリオン大戦を終結させた勇者シュカの22年後に──。
【ジャニオス】 ──リーナスが現れたんやな。
【GM】 そのとおり。
【ユーリ】 で、牛は何をしようとしてるん? あと、レイクも。
【GM】 表混沌の世界に現れたバリドスたちは、裏混沌をこちらの世界に解き放つため、セルマの封印を解こうと企んでたんです。
【エリオ】 ちょっと待って。正と負の関係の裏混沌と表混沌が混じり合ったら、『無』になるんやろ? バリドスらの目的は、この世界を『無』にすることなん?
【GM】 長髪の男性は悲しそうな顔をして、「それは、ファナティック・ミーアの遺志によるものかも知れません」と答える。
「あの恐ろしいデーモン族ですら、彼らより強力な裏混沌の使い手には、臣従するものです」
【ジャニオス】 なんや、そいつは。そいつが黒幕か。
【GM】 「直接、関わっていることはありませんよ。彼女はすでに石となって砕け、この世に存在していませんからね」と、長髪の男性は辛そうに言う。
「世界の終わりこそが、すべての者を悲しみから解放することだ、と信じつづけたミーアの残留思念は、いまも彼女のかけらから発せられています。
 世界の終わりを望む彼女の思いが、裏混沌の世界からバリドスたちを呼び寄せ、『無』への行動をとらせているのでしょう」
【ユーリ】 レイクはどうなん?
【GM】 「レイクは……彼は、自分の秘密に気づいてしまったのです。そして、彼の狙いはこの私です」
【エリオ】 狙われてるのに、こんなとこうろついててええんか?
【GM】 「彼は、まだ私に勝てません。私を凌ぐ力を手にするまで、私の前には姿を現さないでしょう。彼はとても頭がいい」
【ユーリ】 なんかムカつく……。
【エリオ】 んじゃ、そっちから倒しに行けばいいのに。
【GM】 「私は、あまりこの世界の事象に関与してはいけないんですよ。こうやって、皆さんとお話するのも、本来、好ましいことではないんです」
【ジャニオス】 こいつはお手伝いしてくれへんのか。
【エリオ】 ってことは、リーナスの救助と裏混沌の解放の阻止は、けっきょく俺らにかかってくるわけやな。
【GM】 イエス。もし、その任務に失敗したら、世界は『無』に帰すよ。ことの重大さを認識してね。
【ジャニオス】 ん、これは重大や。
【エリオ】 この使命を果たせば、また一歩、勇者シュカに近づくわけやな。功績的には。では、使命を果たすために、ド○3機を要求する。
【ジャニオス】 おお〜、ジェット・ストリームやな〜。
【GM】 ○ムはあげられないけど、戦力アップのために、長髪の男性よりマジック・アイテムを贈呈しよう。

 ハニィとレクターはプラス3のプレートメイルを、ジャニオスは[精神力抵抗]にプラス3のボーナスがつく指輪を、エリオはプラス2のボーナスに加えて精神力にもダメージを与える魔剣『ゼーレツェアシュラーゲン』を、ユーリはスケープ・ドールをもらった。

【GM】 では、長髪の男性はテレポートして去っていきました。
【ジャニオス】 じゃあ、洞窟に入りますか。照明がいるわけやな〜。
【エリオ】 ライト・メイス・ライトを使えばええがな。
【ジャニオス】 そんなん、できへん! 精神力が減る! たいまつとランタン! 火の出る槍で、つけてやろ。
【GM】 隊列を決めといてね。
【ジャニオス】 この洞窟は、ふたり並べるのかね?
【GM】 幅はかなり広いよ。ふたり並んで、剣を振るうことができる。ちなみに洞窟と言うても、人工的なものやからね。
【エリオ】 じゃ、先頭は俺とユーリで、真ん中がジャニオス。しんがりをハニィとレクターに固めてもらおう。たいまつは俺、ランタンはハニィが持つ。
【ジャニオス】 こんな感じで進む〜。
【GM】 どんどん洞窟を進んで行きます。すると──。
【エリオ】 ──リーナスと再会した。
【GM】 「やあ、皆さん!」って、なんでやねん。十字路に差しかかったんやがな。
【ジャニオス】 十字路かね。今日は何の法則でいく?
【エリオ】 右手の法則。右に曲がるぞ。
【GM】 右に曲がって進んで行くと、その先に扉があるよ。その前には、人の倍の大きさの金属製の像が立っています。
【ユーリ】 ゴーレムかな。石投げてみる。
【GM】 コツーンと当たったけど、反応はない。
【ジャニオス】 でも、まちがいなくゴーレムやからな。10メートルまで近づくと、動きだすようにセットされてるにちがいない。とりあえず、10.5メ−トルまで近づいて、セージ技能で材質を見極める〜。(ころっ)。
【GM】 いわゆる、ミスリル銀というやつですな。
【エリオ】 ミスリル・ゴーレムか。これはやっかいやな。
【レクター】 ここは後回しにして、他の場所に行く?
【ハニィ】 それがいい!
【エリオ】 見てみ、あのゴーレム。めっちゃ寂しそうやで。
【ジャニオス】 「あれ? あと0.5メートルで動けたのに〜」やな。
【エリオ】 じゃあ、リーナスのメダルを掲げて、0.5メートルだけ近づいてやる。
【GM】 0.5メートルだけ? ゴーレムは反応しない。けど、エリオが手にしたメダルが、輝きだすよ。
【エリオ】 さらに近づく。
【GM】 すると、ゴーレムはわきに退いたよ。
【ハニィ】 やった〜!
【ユーリ】 扉の罠チェック。(ころっ)。
【GM】 罠はない。鍵もかかってないよ。
【エリオ】 じゃ、中に入る。
【GM】 すると、中は部屋です。その床の中央には、魔法陣が描かれてるね。ジャニオスには、これが転移の魔法陣だとわかります。
【レクター】 転移してしまうと、帰ってこれないかも知れないし、先にこの階を調べてしまわない?
【ジャニオス】 じゃあ、十字路のあらゆる方向へ向かうで〜。

 洞窟の入口以外は、すべてミスリル・ゴーレムの守る扉であった。ただし、入口から見て正面にあたる扉だけ開け放たれ、守護するゴーレムも残骸と化していた。
 扉の向こうはいずれも部屋になっており、床には転移の魔法陣が描かれてあった。

最後の迷宮の事

【ハニィ】 なんで、正面のとこだけ壊されてるんやろ。
【エリオ】 バリドスが通ったんやろ。あっちはメダルを持ってないし、破壊して強引に通ったんちゃう。
【ユーリ】 じゃあ、バリドスを追いかけるんなら、正面の魔法陣で転移すればいいんやな。
【エリオ】 よし、正面の魔方陣に乗るぞ。
【GM】 すると、少し部屋の様子が変わったように見える。ま、瞬間移動した、ってことやね(Aの部屋)。正面に扉があるよ。
【ユーリ】 じゃあ、[罠発見]する。どうせないやろけど。
【GM】 ユーリが扉に近寄った瞬間、その扉は自動的に開いた。
【ジャニオス】 自動ドアか! やるな。じゃあ、部屋から出よう。
【GM】 出ると、通路が続いている。どうやら、人工的な建物のようやね。で、通路はやがて十字路になるよ。
【ジャニオス】 今日は左手の法則で行くらしんで、左に〜。
【GM】 左折するのね。かなり長い直線を進んだところで、通路は右に折れています。道なりに右折して先に進むと、行き止まりに突き当たった。
【ジャニオス】 行き止まりの壁を調べる。やれ、ユーリ。
【GM】 しかし、ここもユーリが手を触れた時点で、自動的に開く。奥は部屋(E)のようやね。中に像が立っているのが見える。
【ジャニオス】 エレファ〜ントやな。踏み潰される〜。
【ユーリ】 違うと思う。
【レクター】 とりあえず、中に入ろう。
【エリオ】 そしてその像をよく見てみる。
【GM】 まあ、普通の女性像なんですが、そのひとは、両手でスモールシールド大のカードを掲げてるんですわ。そのカードには、下位古代語の文字で『3』と刻まれてあります。取り外せそうやね。材質はミスリル銀です。
【ジャニオス】 じゃ、もらって帰ろう。
【エリオ】 ミスリル・シールドを手に入れたわけや。
【GM】 把手も何もないけどね。
【ユーリ】 『3』ってことは、『2』と『1』があるかも知れへんな。探してみようよ。
【ジャニオス】 んじゃ、あっちゃこっちゃ探索する〜。

 冒険者たちは部屋(G)に来た。

【GM】 そこには、さっきと同じデザインの女性像があります。ただし、掲げられた両手には何も持たされていません。それから、像の下には、魔法陣が描かれてるよ。
【ジャニオス】 じゃあ、さっきのカードをその像に持たせてみる。
【GM】 そうすると、魔法陣が光りだす。
【ジャニオス】 カードをはずしてみる。
【GM】 はずせない。
【ジャニオス】 何を〜!?
【エリオ】 あーあ、ミスリル・シールドなくなった。
【ユーリ】 あーあ。
【GM】 いや、だからシールドとして使うには、あまりにも不適切やと思うけど。

 その後、冒険者たちは部屋(D)で『2』と刻まれたカードを、部屋(C)で『1』のカードを入手した。
 そして、部屋(B)に入ると……。

【GM】 ふっふっふ。部屋の中にはですね──。
【エリオ】 ──エリオがいます。
【GM】 「やあ」って、何でやねん。
【ジャニオス】 先回りしてたんか!
【ユーリ】 先回りして、部屋の中でカレーを食ってたんや。
【エリオ】 するとその部屋は、カレーのにおいがプンプンしてるわけやな。
【レクター】 なぜカレーなの……??
【ジャニオス】 カレーはうまいからな。
【GM】 何を言うてまんねん、まったく。部屋の中には、なんと、バリドスがいるんです。
【ハニィ】 なにい!?
【エリオ】 バリドスがカレー食ってたんか! 「ん〜、このビーフ・カレーうまい〜」って。
【ハニィ】 それって、共食いやんか。
【GM】 共食いって、牛扱いすんな、っちゅうねん。
【レクター】 だから、なんでカレーなの!?
【ジャニオス】 カレーはうまいからな。
【GM】 ええーい、緊迫感も何もあらへんやんか!
【ジャニオス】 で、牛はここで何をしとんや?
【ユーリ】 牛、元気?
【レクター】 ヘロヘロなら助かるんだけど。
【GM】 すこぶる元気です。「おまえたち、部屋の前でなにゴチャゴチャしてるんだモー!!」と怒ってるよ。
【ハニィ】 ここにいるのは牛だけ?
【GM】 牛だけやね。その背後には、いままで見てきたのと似たデザインの、女性像があるよ。床には魔法陣ね。そして牛はいきりたって、襲いかかってくる! 「うがー!」
【エリオ】 情けない。言葉まで失ったか。ここで何をしてるんかぐらい、言うてくれたってええのに。知らん仲でもあるまいし。それに、もう、これでお別れやのに。
【GM】 わからんで? やられるのはキミらのほうかも知れん。
【エリオ】 どのみちお別れやないか(笑)。

 バリドスとの戦いが始まった。過去、あれだけ強かったバリドスも、レベルが上がり、強力な武器で身を固めた冒険者たちの前では、もはや雑魚に等しかった。
 4ラウンド目、エリオのクリティカルの前に、仇敵バリドスは倒れた。

【ユーリ】 弱〜。昔、めっちゃ強かったのに。〈テレポート〉したり、〈ファイアボール〉撃ったり、なんかやらしいこといっぱいしてきた気がするんやけど。
【GM】 だって、魔法使う間もなくやられたもん。
【ハニィ】 バリドスはビーフステーキになりました。
【ユーリ】 ステーキ、ステーキ。
【エリオ】 勝手に食べとれ。
【レクター】 お腹壊すよ〜。
【エリオ】 さて、ここにも女神像と魔法陣があったんやな。
【ジャニオス】 じゃあ、ここの女神像に1番のカードを持たせてみる〜。
【GM】 すると、魔法陣が光りはじめたよ。
【ハニィ】 じゃあ、別の部屋に行こう。

 冒険者たちは、部屋(F)で女神像と魔法陣を発見し、2番のカードを持たせた。すると、例によって魔法陣が輝きを放ちだした。
 そして、パーティは部屋(H)にやって来た。

【GM】 そこは、支柱がいくつも立っている、かなり広い部屋です。床中央には大きな魔法陣が描かれている。正面奥には祭壇があって、その上にはリーナスらしき人影が横たえられてるよ。その祭壇の前には、何やら呪文を詠唱している怪しい黒いローブの男がいる。
【ハニィ】 もしかして、ラスボスか!?
【GM】 黒い影は呪文の詠唱を中断し、ゆっくり立ち上がると、キミたちのほうを振り向いた。
【ユーリ】 それ、誰? 見たことないひと?
【エリオ】 というか、人間か?
【GM】 う〜ん……いまは人間に見えるね。もちろん、面識はない。
【ジャニオス】 さ、何か言うてくれ。
【GM】 じゃあ、「貴様たちだな。我らの邪魔をしようとしていた者たちは」と言って、ニヤリと笑う。
【エリオ】 「そのとおりだ」と言って、ニヤリと笑い返す。
【GM】 「では、ここで死ぬがよい」
【エリオ】 「おまえが死ね〜」
【ハニィ】 ガキのケンカや。
【ジャニオス】 ぜんぜん緊迫感なしや。
【ユーリ】 そいつ、ひょっとしてラスボスちゃうな!?
【GM】 緊迫感をなくしてんのは、そっちやろ〜。
【レクター】 とりあえず、リーナスさんを返してもらおうか。
【GM】 「残念ながら、この男を返すわけにはいかん」
【エリオ】 そのリーナス、どうせまた幻影か何かやろ?
【GM】 「本物だも〜ん!」
【ジャニオス】 保証がついたな。
【レクター】 まあ、リーナスさんを返してくれへんと言うのなら、力ずくで奪い返すしかないね。それにしても、何の儀式か知らないけど、呪文の詠唱を中断していいんだろうか? ふつう、こんな大事な場面だったら、手下のひとりやふたりに守らせてそうだけど。
【エリオ】 バリドスは離れた場所にいたもんな。そこで何をしてたんか知らんけど。
【ユーリ】 こいつ、ホンマにラスボスかぁ?
【ハニィ】 どうもここまですんなり来すぎたもんな。
【エリオ】 まあ、いい。とりあえず、あいつをやっつけてみよう。
【ジャニオス】 リーナスが本物か偽物かは、後で調べるとして。
【レクター】 そうそう。敵がおるんやから、そんな悠長なことはしてられへん。
【ハニィ】 じゃあ、バトル・アックスで攻撃する。(ころっ)当たり、19点。
【GM】 まあ、そこそこのダメージ。
【ユーリ】 うちは傍観してる。もしラスボスじゃなかったら、魔法使うともったないし。
【エリオ】 攻撃。(ころっ)当たり、肉体に19点、精神には14点。
【レクター】 攻撃、(ころっ)ヒット、17点。
【GM】 では、黒ローブの男は〈フォース・イクスプロージョン〉! ハニィ、エリオ、レクターそれぞれに14点のダメージね。
【ジャニオス】 その様子を見ておく〜。
【ハニィ】 あたしとエリオ、レクターに〈キュアー・ウーンズ〉。(ころっ)エリオとレクターは完全に治ったよ。あたしの分は1ゾロで回復なし。
【ユーリ】 これがボス戦やと、何もしないまま終わってまうから、〈シェイド〉でもぶつけとこ。(ころっ)抵抗された。13点ね。
【エリオ】 魔剣を振るうぜ。(ころっ)当たって、肉体に18点、精神に16点。
【レクター】 (ころっ)当たった。16点ダメージ。
【GM】 じゃあ、もう1回〈フォース・イクスプロージョン〉。エリオだけが抵抗して、ダメージは10点。ハニィとレクターには14点ね。
【ハニィ】 うわ〜、死にかけや〜!
【ジャニオス】 しゃあないな、そろそろ攻撃しよか。〈ライトニング〉〜。
【エリオ】 俺らに当てるなよ。
【ジャニオス】 だーいじょうぶ、ちゃんと隙間を通すから。(ころっ)かかったみたい。ダメージは15点。
【ハニィ】 また、魔法をくらった3人に〈キュアー・ウーンズ〉。(ころっ)今度はだいじょうぶ、エリオとレクターは完全回復、あたしも12点回復した。
【ユーリ】 〈バルキリー・ジャベリン〉でも撃っとくわ。(ころっ)通った、あっ、クリティカル!
【エリオ】 あんまり回さんといてや。俺がおいしいとこ持ってくから。
【ユーリ】 うん、ひと回りで終わってあげたよ。ダメージは23点。
【GM】 黒ローブの男はその攻撃で、口から血をぶはぁ〜っと吐く。
【エリオ】 ありゃりゃ。
【GM】 しかし、ご安心を。血を吐き出した男は、「お、おのれ〜」と言いながら、身体を変化させていく。黒ローブを破りながらボコボコと膨れあがり、前より巨体になったよ。ぶっとい尻尾も生えたし、腕も4本になったしね。
「ふっふっふ。私に真の姿を現ささせるとは、なかなかやるではないか」と、まるでライオンのようになった顔を歪ませて、男は笑う。
【ハニィ】 ライオンになったんか。
【エリオ】 忍法『獅子変化』!
【GM】 ガオーっ。
【ジャニオス】 前より強くなったんやな。
【エリオ】 これでラスボス認定かな?
【ハニィ】 変身したしな。
【GM】 新たなラウンドから戦闘を再開させるんで、ハニィからどうぞ。

裏混沌封印の事

【ハニィ】 じゃあ、バトル・アックスで攻撃するね。(ころっ)あっ、クリティカルした!
【ジャニオス】 一撃で落とされるときが来たな。
【GM】 そんなバカな(笑)。
【ハニィ】 ダメージは25点です。
【GM】 はい、次の方どうぞ。
【ジャニオス】 なんとか耐えきったようや。
【ユーリ】 また〈バルキリー・ジャベリン〉。あ、へぼいわ。抵抗されて、17点。
【エリオ】 攻撃、たーっ! (ころっ)ヒット、肉体18点、精神18点。
【GM】 む〜、精神へのダメージがけっこうきついな……。
【レクター】 メイスで攻撃、(ころっ)当たった、16点のダメージ。
【GM】 変身後、こっちは遅くなってるんで、ジャニオスの行動ね。
【ユーリ】 あ、遅くなってるんや。
【エリオ】 なんせ、着ぐるみやからな。前が見にくいんやろ。
【GM】 なんで着ぐるみやねん!
【ジャニオス】 〈ライトニング〉〜。(ころっ)抵抗された。ダメージは13点ということで。
【GM】 エリオに左腕2本の攻撃が、レクターに右腕2本の攻撃が行くよ。エリオには1発当たり、ダメージは8点ね。
【エリオ】 8点も来たんか!?
【ジャニオス】 強いな。
【ユーリ】 強いね。
【GM】 『強いね』って、こいつを何やと思ってんねん! レクターにも1発当たりで、ダメージは同じく8点。
【レクター】 痛いな〜。
【ハニィ】 レクターとエリオを回復させるわ。(ころっ)ふたりとも全快。
【GM】 なんか、いくらダメージ与えても、すぐ回復しよるなぁ。
【ユーリ】 もう1回〈バルキリー・ジャベリン〉ね。あっ、1ゾロ。
【エリオ】 剣を振るう。戦士にはこれしかできん。(ころっ)当たり、肉体的には18点、精神的には……へぼいな、14点。
【レクター】 攻撃、(ころっ)当たりでダメージ14点。やっぱ、普通の武器だからつらいなぁ。〈ファイア・ウェポン〉が欲しいな。
【ジャニオス】 いや、敵に〈ライトニング〉をかけます〜。
【GM】 なんてアマノジャクな奴や(笑)。
【ジャニオス】 とうっ! (ころっ)レジストされた〜、ダメージ12点〜。
【ユーリ】 それ、絶対レベルで止められてる。ダメじゃん。
【エリオ】 〈ライトニング〉なんかより、〈ファイア・ウェポン〉のほうがよっぽど有効的やのにな。バカ魔術師の見本やな。
【ジャニオス】 ちきしょうめ〜。裏成功してたんやけどな〜。
【GM】 何をわけのわからんこと言うてるねん。じゃあね、〈フォース・イクスプロージョン〉がいくよ。エリオ、ハニィ、レクターの3人が範囲ね。エリオには21点、ハニィとレクターには19点のダメージね。
【エリオ】 おお〜、俺、死にかけや〜。英語で言うと、シニカケヤー。
【ジャニオス】 なまってるだけやないか。
【ハニィ】 あたしらもけっこうヤバイな。回復させるよ、(ころっ)全員全快ね。でも、もう精神力がないわん。次から魔晶石を使わんと……。
【ユーリ】 〈バルキリー・ジャベリン〉(ころっ)抵抗された、17点ダメージ。む〜。
【エリオ】 まあ、そういうのが蓄積されていって、ドラゴンも倒せたわけやから。俺の攻撃。(ころっ)当たり、肉体20点、精神16点のダメージ。
【レクター】 攻撃、(ころっ)当たるんだけどな〜、ダメージが悪いのよ。17点。
【ハニィ】 やっぱ、魔法の武器じゃないと、ダメージそんなに行かへんで。
【エリオ】 そうやな。さ、ジャニオス。さっきの〈ライトニング〉で、己の無力さを思い知ったやろ。今度は意義ある魔法を唱えてくれ。
【ジャニオス】 そうやな〜……〈エネルギーボルト〉で!
【レクター】 腹立つ〜!
【ジャニオス】 (ころっ)ほら、かかった!
【エリオ】 アホやん。今回こそ〈ライトニング〉にしとけば、打撃力高いほうでダメージ決められてたのに。
【ジャニオス】 そんなこと期待したらアカン。ダメージは13点で。
【GM】 ガイーン。話にならんわ。
【ユーリ】 アカンやん!
【エリオ】 話にならんらしいぞ、ジャニオスの無力さは(笑)。
【ジャニオス】 なんてことを〜。
【レクター】 〈ファイア・ウェポン〉かけてよ〜!
【GM】 そんなジャニオスには、暗黒魔法〈クリップル〉をかけてあげよう。──これは効いた。腕の自由が奪われたよ。もう魔法は使えない。
【エリオ】 ついに役立たずになってしまったか。こうなったら、ただのオブジェやな。
【ジャニオス】 へろへろ〜ん。
【ハニィ】 〈リムーブ・カース〉で治してあげよか? ええーっと、そうすると2Dで13以上の出目が必要なんやな。
【GM】 六面体ふたつで、どうやって13以上の数字を出すねん(笑)。ま、6ゾロなら自動成功やけど。
【ハニィ】 ごめんなさい、無理です。バトル・アックスで攻撃、(ころっ)1ゾロ。こけたよ〜。
【ユーリ】 ジャベリン行くよ〜。(ころっ)抵抗された。ダメージも弾かれた。
【ハニィ】 エリオ、もうとどめ刺してしまい。
【エリオ】 しゃあないな、また30%の力でいくか。攻撃、(ころっ)クリティカル・ヒット2連発で、肉体に35点のダメージ。ちなみに精神には16点。あはあはあは。
【ユーリ】 これで終わりやろ?
【GM】 いや、まだ死んでない。
【ユーリ】 ヴぁ〜。
【レクター】 私も攻撃。(ころっ)だめだぁ、当たってもダメージ12点。
【ジャニオス】 僕は腕が動かないので、足をバタバタさせとく。
【エリオ】 無駄なことしとらんと、「セフェリア王国に栄光あれー!!」って叫んで、体当たりでもせんかぃな。
【ジャニオス】 そんなキャラ違う〜。手が動かんのやから、安静に。
【GM】 じゃあ、安静にしてるひとに〈スティール・ライフ〉。ジャニオスから生命力を3点奪って、こっちはその分回復。
【ハニィ】 攻撃、(ころっ)クリティカル・ヒット! 27点!
【ユーリ】 そろそろ精神力がやばくなってきた……〈ウィル・オー・ウィスプ〉。(ころっ)抵抗された。ガイーン。
【エリオ】 今日は10%の力でいこう。(ころっ)ヒット、肉体的に20点──。
【GM】 ──精神的にはいらへんよ。ちょうどやられちゃった。獅子頭はいちおう倒れました。
【エリオ】 「いちおう」ね。じゃ、獅子頭の首をはねておこう。人間がライオンみたいな顔になるはずがないからな。中身がどうなってんのか、確かめてみよう。
【GM】 すると、ライオン顔の下には、小さいライオンの顔が!
【ユーリ】 ロシアの人形やんか。
【エリオ】 中から頭にタオルを巻いたレイクが出てきたりしてな。「ついに見つかりましたね」
【ユーリ】 そんなんやったら、切り刻んだるねん。
【レクター】 あの……それって、嘘ですよね?
【GM】 冗談ですよ(笑)。小さいライオンも、レイクもいません。
【ユーリ】 じゃあ、リーナスを助けに行くよ。幻影じゃない? 本物?
【GM】 本物です。意識を失ってるけどね。
【ハニィ】 起こそう。ぺちぺちやってみる。
【GM】 起きません。
【エリオ】 目をクリっと開けてみる。
【GM】 白目をむいてる。
【エリオ】 瞳にライトをあててみる。
【GM】 瞳孔は開ききったままです(笑)。
【エリオ】 じゃあ、みんなのほうを振り向いて、黙って首を振る。
【ユーリ】 それを見て泣き出す。
【レクター】 あの……途中から嘘ですよね?(笑)
【GM】 嘘ですよ。ちゃんと生きてる。
【レクター】 〈トランスファー・メンタルパワー〉で気つけします。(ころっ)成功。
【GM】 それでは、起きました。しばらくボーっとしてたけど、次第に意識がはっきりしてきたようです。リーナスさんはボソっとつぶやいた。「夢を見ていました。とても長い夢でした。悲しみのあまり石となった赤いリボンの女性……なぜか、ひどく懐かしい気がする……」
【ユーリ】 知るかーッ!!
【エリオ】 おまえが寝てる間、俺らがどんなけ苦労したと思うてんねん!(笑)
【GM】 そして、リーナスさんはエリオからメダルと水晶を受け取り、裏混沌の再封印の儀式を始めます。その前に、まだ皆さんにやってもらいことがあるそうです。
【レクター】 何でございましょう。
【GM】 裏混沌を再封印するための力の封印を、解いてきて欲しいとのこと。つまり、リーナスさんの聖者としての力を解放しなければならない、ってことね。
【ユーリ】 その封印はどこにあるの?
【ハニィ】 あのカードの女神像とちがうの。
【GM】 そのとおり。女神像にカードを持たせて魔法陣が光れば、封印が解けたことになります。いま解放してるのは、6つのうちの3つだそうです。

 そこで冒険者たちは、部屋(K) (L) (M)で残りの封印を解いてきた。
 聖者として覚醒し、その能力をすべて蘇らせた聖者リーナスは、再封印の儀式を始めた。その儀式が間もなく完了する、というその時──!

【GM】 (ころっ)ユーリは気づいた。首と胴が泣き別れになっている獅子頭の魔物の腕が、ピクリと動いたことに。さらに、獅子の口も動く!
【ユーリ】 「まだ生きてるぞ!」って叫んで、ナイフで頭を刺しに走る。攻撃できる?
【GM】 できるよ。ただし、同時行動として処理するからね。獅子頭は呪文を唱えている。どんな魔法かはわからないけどね。その狙いは、彼に背を向け、一心不乱に儀式を進める聖者リーナスだ!
【ユーリ】 攻撃するよ。(ころっ)ダメージ8点!
【GM】 それはとどめになるね。でも、さっきも言ったように、これは同時行動。ユーリのナイフが獅子頭の脳天を貫く瞬間、彼の魔法も発動された。
【ハニィ】 リーナスさんを庇うことはできる?
【GM】 う〜ん……できることにしよう。じゃあ、リーナスの代わりにハニィが魔法を受けた。抵抗してください。
【ハニィ】 (ころっ)あっ、失敗。あたし、どうなるん?
【GM】 えーっとね、精神が破壊されるんです。一生治らないつもりでいたけど、どうしようかな。じゃあ、ハニィ、ダイスを1個振ってください。それで奇数が出たら生涯回復しない、偶数なら回復の可能性もあることにしよう。
【エリオ】 2分の1か。
【ユーリ】 きっついなぁ。奇数出したらアカンで。
【ハニィ】 うう……(ころっ)あっ、3や!
【レクター】 わーッ!!
【GM】 さようなら、ハニィ。リーナスの身代わりに、あなたの精神は粉みじんに破壊されました。焦点の合わない視線で床に頽れ、もう、一生廃人のままです。そして、リーナスは無事に儀式を終えました。「裏混沌の再封印は成功です。再び勇者の力が使われる時まで、この封印がゆるむことはないでしょう」
【ジャニオス】 勇者が現れたら大変や。
【GM】 ま、灰色の世界における光と闇のバランスが崩れなければ、勇者が現れることはないからね。
【レクター】 じゃあ、ハニィさんを連れて帰りましょう。
【ハニィ】 廃人になっちゃったからなぁ。
【GM】 それでは、地下迷宮から抜け出しました。外はもう、夕暮れです。さて、皆さん。これからどうしますの?
【レクター】 ハニィさんをアスリアのシルファス神殿に連れて帰って、神殿でもって一生面倒みましょう。宗派は違うけど、恩人ということで問題ないはず。ひょっとしたら回復するかも知れない、という希望を持って。
【ハニィ】 奇跡を信じよう。……ハニィはもう考えることができないから、プレイヤー的にね(笑)。
【ユーリ】 レイクを探し続けるよ。裏混沌は封じたけど、もともとの目的の仇討ちは終わってないからな。また旅に出る。
【ハニィ】 でも、ホンマにレイクって何を考えてたんやろ。
【GM】 あの人はね、今回の皆さんの成功のおかげで、いちおう自分の目的の第1段階を果たしたのよ。そしてまた、第2段階に向けて再び画策を始めるんやわ。
【ユーリ】 最終的には、あの長髪の男を殺すんが目的なんやな。何のためにかは知らんけど。
【GM】 で、エリオとジャニオスは、やっぱりファノンに帰るのかな?
【エリオ】 うんにゃ。もうセフェリア王国には帰らない。見限った。
【GM】 そりゃ、また、なんで?
【エリオ】 あの国王、リーナスの重要性を見抜けなかったからな。あんな視野の狭い王では、この俺を使いこなすことはできまい(笑)。
【ハニィ】 大きく出たな。
【エリオ】 俺はリーナスと一緒に、ラトリアに行くよ。で、聖者リーナスを掲げて、ラトリアのミフォア大神殿を丸め込んで軍を組織して、レンベーヌ王国から独立する。それを足掛かりに、ゆくゆくはアリステア地方を平定して、アリステア帝国を復活させるねん。
【GM】 なんちゅう野心家や(笑)。
【エリオ】 今のアリステア地方は、クラリオン大戦の後遺症から立ち直ってないのに、小さな国が乱立して小競り合いを繰り返してばかりやからな。このままやと、オレンブルク王国が南下して来たとき、何の抵抗もできん。
【GM】 ほう。
【エリオ】 そこで、アリアステアをひとつにまとめて、オレンブルクに対抗できる強いアリステア帝国を作るわけや。表向きの理由は、アリステア地方に平穏をもたらすため。ジャニオスも来い。宮廷魔術師にしてやるぞ。
【ジャニオス】 おっ、宮廷魔術師か。かなり格上げやな。
【GM】 『エリオの野望』とかいうて、それだけでひとつの物語になりそうやな(笑)。目的はぜんぜん違うけど、ひょっとしたらレイクと手を組むこともあるかもね。
【ユーリ】 そんときは、エリオとも敵同士やからな。
【エリオ】 勝てるかな? 俺のゼーレツェアシュラーゲンに。
【GM】 その凶悪な剣とレベル8の腕前をもってすれば、案外、一代で野望を果してしまうかも知れへんなぁ。
 裏混沌の驚異が去ったかと思えば、エリオの野望によって風雲急を告げるアリステア地方。この先、アリステアとレムリア大陸がどういう運命を辿るのか、そのお話はまたの機会ということで、このへんでお開きにいたしましょう。皆さん、お疲れさまでした。

÷÷ つづく ÷÷
©2001 Hiroyoshi Ryujin
Map ©2001 Moyo
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