≪REV / EXIT / FWD≫

§Circumpolar star〜荒野の群雄〜§

ミドルフェイズ・3

著:真柴悠 地図:真柴悠

―静かなる番人―

【GM】 入ってすぐの所が、少し広い空間になっています。
正面の壁に扉のような縁がありますが、岩でぴったり封じられているような感じ。
【ヤマグチ】 閉じられてんのや。
【GM】 で、その手前に村びとが勝手に置いたと思われる賽銭箱がある。
【ヤマグチ】 小銭入れとこ。
【GM】 ちゃりーん。
【アルカミル】 入ってすぐ行き止まりなんやな。「早っ!」(笑)
【ペルゼン】 もう、何もない。
【ヤマグチ】 扉を塞いでる岩を押してみる。
【GM】 開かない。
【ヤマグチ】 引いてみる。
【GM】 引けない。
【ヤマグチ】 横にガラガラガラ……
【GM】 開かない。
【アルカミル】 なんか、その周辺に文字とか書いてあったりせえへんの?
【GM】 ルーン文字のようなものが小さく彫ってありますが。
【ヤマグチ】 解読不能か。どないしよ。
【アルカミル】 「とりあえず、お参りしましょか」
【ヤマグチ】 「そやな」
【アルカミル】 「無事に済みますように」
【ペルゼン】 「無事に生き残れますように」
【ヤマグチ】 無心やで〜。
【GM】 ヘレンも岩を押してみるけど、もちろん動かない。「アルカミル、壊してよ」
【アルカミル】 「は?」(笑) 壊れそうな感じ?
【GM】 頑張り次第。扉になってる所の内側から、巨大な岩が塞いでる感じ。
【アルカミル】 なるほど。
【GM】 まあ、屈強なのが3人もいるし大丈夫じゃないですか?
【ペルゼン】 ……今の思いのたけを全部込めて、ドツこか?(笑)
【アルカミル】 じゃあ、ペルゼンさんどうぞ。
【ヤマグチ】 スッキリしてこい。
【ペルゼン】 スッキリしてみる。力の限り殴るで。泣きながら(笑)
【GM】 黒服の常軌を逸した咆哮が、岩扉の砕ける音にかき消される(笑)
【ヤマグチ】 粉砕した。
【アルカミル】 「お見事!」
【ペルゼン】 「誉めるな!!」
【GM】 ヤツの頬に、キラリと光るものが見えた。
【アルカミル】 労働の汗やな、思っとる。
【ペルゼン】 絶対違う(笑)
【GM】 「汗が目にしみたのさ」
【ヤマグチ】 まずはAの部屋やな。
【GM】 左右に扉があるだけです。だいぶ古い感じがするけど、普通の扉。暗いね。
【ヤマグチ】 ペンライト点けてるよ。
【GM】 あ、ヘレンが〔ムーンライト〕を使える。使おう。
【アルカミル】 「やるじゃん」
【GM】 「えへへー」照れ笑い。
【ヤマグチ】 ペンライトを消す(笑)
【アルカミル】 この部屋は、何か書いてあったりする?
【GM】 扉があるだけやね。
【ヤマグチ】 左右のどっちかに行くしかない。
【ペルゼン】 じゃあ右。
【GM】 扉は普通に開きます。ずーっと進むとT字路になってます。で、両方に扉。
【アルカミル】 どっち行く?
【ペルゼン】 右。
【GM】 Bの部屋ですね。部屋の中央に台座のようなものがあって、そこに剣が刺さってる。
【アルカミル】 おぉ?
【ヤマグチ】 それだけ?
【GM】 うん。なかなか立派な剣ですね。
【アルカミル】 なんかプレートが付いとったりせえへん? 抜いたら王様になれるとか。
【ペルゼン】 呪われるとか。
【GM】 じゃあ、アルカミルは[理知]で振ってみて。
【アルカミル】 ボーナス低いで。(ころっ)6やで。
【GM】 じゃあ分からなかった。
【アルカミル】 「分からん!」
【ヤマグチ】 「威張るな!」
【GM】 仕方ないから、ヘレンが振ってみよう。理知ボーナス5やん。しかも出目が9。
 獲物の名前はクロスバスタード。〈奈落〉クリーチャーに対して、ダメージ+5。
「……なんだけど、どうする?」
【アルカミル】 欲しい。
【ヤマグチ】 欲しければ、抜くしかない。
【アルカミル】 試みる。
【GM】 スッと抜けた。
【アルカミル】 「俺の!」
【ペルゼン】 「いいよ」(笑)
【アルカミル】 装備の欄を書き換えてしまおう。
【GM】 前の剣、捨てるの?
【アルカミル】 台座に刺しといたろ。
【GM】 最悪や。
【ヤマグチ】 じゃあ、Eの部屋に行こう。
【アルカミル】 ごっつい嬉しそうな顔してるで。
【ヤマグチ】 時々剣を振り回しよるからな。
【GM】 アルカミルが「回り道はするもんっスよねえ、ペルゼンさん?」
【ペルゼン】 「するなぁー! まっすぐ行け!!」(笑)
【GM】 Eの部屋ね。黒い巨大なヘビが、部屋の中央でとぐろを巻いてます。行動するならアルカミルが一番ね。
【アルカミル】 もうエンゲージしとるん?
【GM】 した。
【アルカミル】 試し切りや。切れ味を試すで。16。
【GM】 パシュッ。斬られたヘビは光の玉が弾けるように消え、それと同時に遺跡が振動を始める。
【ペルゼン】 おっ?
【アルカミル】 「なに? なに? なんかヤバい?」
【ペルゼン】 蛇が遺跡を守ってたんかもしれん。
【アルカミル】 それは分からん。手応え無かったんやろ?
【GM】 うん。
【ヤマグチ】 Fの部屋に行ってみよう。

―解かれた封印―

【GM】 広間やね。Bと同じように台座に突き刺さった剣が、バシィと音をたてて割れる。それと同時に台座が壊れて、下から漆黒の太い柱のようなものが飛び出して、遺跡の天井を破って外に出ていった。
【ヤマグチ】 おぉ?
【アルカミル】 何やろ。
【ペルゼン】 大変な事になってるで。
【GM】 黒いのが出て行った後は、瓦礫の山のようになってしまった。
【ヤマグチ】 あーあ。
【アルカミル】 それで振動は収まったん?
【GM】 収まりかけてる。
【アルカミル】 柱は?
【GM】 もう抜けていってしまったで。
【アルカミル】 飛んで行ってしまったんや。
【ヤマグチ】 抜けた後はどうなっとん?
【GM】 浅い穴が開いてるだけ。
【アルカミル】 「何やったんスかね?」
【ヤマグチ】 Cの部屋に行こうや。
【GM】 触手に覆われた異形の化け物が1体、うごめいてる。まだキミらには気付いてない。
【ヤマグチ】 どうする?
【アルカミル】 さっきの事もあるし、あの、みんなで同時に(笑)
【ヤマグチ】 〔クリーチャー知識〕で。
【アルカミル】 アルが持っとる。いきますか。
【GM】 オチュー。7レベル。
【ペルゼン】 けっこう高い。
【アルカミル】 特殊攻撃とかは?
【GM】 麻痺。トゲトゲのついた触手で対象を絡め取って、肉食獣のような口でバリバリ召し上がるそうです。
【ヤマグチ】 「倒して先に進むか、尻尾を巻いて逃げるか。どうするかね、アルカミル?」
【アルカミル】 「でも、入り口の扉を壊してしまったって事は、これが村に出てくる可能性がかなりあるって事じゃないかなと思うんですが、どうしますか、扉を壊したペルゼンさん?」
【ペルゼン】 「えっ、俺のせい!?」(笑) でも、今ムシャクシャしてるから倒したいねん。
【GM】 うるさいので、オチューがキミらに気付く。行動はアルカミルから。
【アルカミル】 20や。
【GM】 当たる。
【アルカミル】 〈斬〉の17。
【GM】 おお、だいぶダメージ入った。
【アルカミル】 だって、ファイターしか伸ばしてないもん(笑)
【ヤマグチ】 携帯キャノンで14。
【GM】 当たった。
【ヤマグチ】 〈刺〉の14。
【GM】 痛い痛い。もうヘロヘロ。ペルゼンさんの攻撃です。
【ヤマグチ】 「とどめ刺していいよ」
【アルカミル】 「お膳立ては出来ましたよ」
【GM】 狂気的に笑いながら。
【ペルゼン】 顔が歪んでるで。あ、でもヘボい。15。
【GM】 当たる。鈍いのぉ。
【ペルゼン】 〈斬〉の19。
【GM】 おお。べちゃっと崩れた。千切れた触手と、紫色の体液と内臓が、周辺に飛び散る。
【ペルゼン】 ニヤ〜っと笑う。
【GM】 トレジャーがございます。MPポーション2個と200ゴルト。
【ヤマグチ】 4で割ろう。
【GM】 ヘレンは、3で割った余りでいい。
【ヤマグチ】 MPポーションは誰が持つ?
【ペルゼン】 使わへんからな。
【アルカミル】 ヤマグチさんが使うやろ。
【ヤマグチ】 じゃあ、俺が持っとこ。
【アルカミル】 じゃあ、Dの部屋に行こう。
【GM】 見た感じ、何もない。
【ヤマグチ】 何かがあった痕跡もなし?
【GM】 ない。
【ヤマグチ】 一応入るか。
【ペルゼン】 見ときたいし。
【ヤマグチ】 入る順番が問題やけどな。
【GM】 全員入ったところで、[幸運]判定。
【ペルゼン】 ぬ。
【アルカミル】 15。
【ヤマグチ】 9や。
【ペルゼン】 8!? うわ、今日は不幸っぽい(笑)
【GM】 扉に鍵がかかるような音がして、天井が徐々に下がってきます。
【ペルゼン】 ええー!? 「何とかしろぉ!」(笑)
【ヤマグチ】 「キミのせいだよ、ペルゼンくん」
【ペルゼン】 誰が幸運判定に引っかかったなんて分からへんやん。
【ヤマグチ】 さあ、どうしよ。
【アルカミル】 扉、壊せそう?
【GM】 まあ、入り口よりは簡単そう。
【ヤマグチ】 一斉攻撃や。
【GM】 ダメージだけ振って。
【ペルゼン】 〈斬〉の21。
【ヤマグチ】 〈刺〉の16。
【アルカミル】 〈斬〉15。
【GM】 じゃあ壊れた。
【ヤマグチ】 転がり出るしかないよな。
【アルカミル】 脱出。
【GM】 ちっ、行動が早かったな。壁とか触りだしたら潰す予定やったのに。
【アルカミル】 一番下まで落ちた?
【GM】 うん。
【ヤマグチ】 遺跡は制覇した。外に出て、様子を見てみよか。
【GM】 では、そこでシーンを切りましょう。

―挑戦者の後始末―

【GM】 遺跡から出たところですね。
【アルカミル】 「シャバの空気はうまいぜ!」(笑)
【ペルゼン】 ヤバい事になってるんちゃう?
【アルカミル】 黒いのが突き抜けていった所は、どうなっとる?
【GM】 穴が開いてて、中にさっき見た瓦礫の山が見えますが。
【ヤマグチ】 空を見た方がええか。
【GM】 そうやね。巨大な禍々しい翼を広げたドラゴンが、悠々と南の空へと飛んでいくのが見える。
【アルカミル】 なにぃ(笑)
【ヤマグチ】 おやぁ?
【GM】 ヘレンは真っ青。
【アルカミル】 「ドラゴンやで」
【GM】 「どうしよう、アルカミル」
【アルカミル】 「あれを調査しないと……ダメなんかな?」
【ペルゼン】 「封印を解いたん、誰かな?」(笑)
【GM】 南の方向といえば、ちょうどヤマグチさんのGPSの指す方向ですね。
【ヤマグチ】 おっ。「ソバを渡す第36師団の――」
【ペルゼン】 ビクッとする(笑)
【ヤマグチ】 「少佐がいる所だな」
【ペルゼン】 「やっべぇ……」ちょっと現実に帰って、汗がダラダラダラ(笑)
【アルカミル】 「ヤマグチさんも、あっちに用事が?」
【ヤマグチ】 「そうそう。ソバを届けに行くんやけどね」
【GM】 進軍中にソバの出前を取るような人は、あなたの知る限り、一人しかいません。
【ペルゼン】 「うっそーん!」パンツァーの所に走る。
【アルカミル】 「もう直ってるっスかね?」
【GM】 「おおう、直しておいたぞ」
【ヤマグチ】 「ベスパも?」
【GM】 「もちろんだ」
【ヤマグチ】 「俺は、ソバを届けに行かなあかんし」
【アルカミル】 「俺たちも、あっちに用事があるんで。じゃあペルゼンさんとは、ここでお別れっスかね」(笑)
【ペルゼン】 「俺は、お前らの前を行きたい」(笑)
【アルカミル】 「は? はぁ、どうでもいいっスけど」
【ヤマグチ】 「軍に戻らなくていいのかね?」
【アルカミル】 「帰らなくていいんスか?」
【ペルゼン】 「黙れ! 乱射するぞ!!」(笑)
【GM】 一触即発や。
【アルカミル】 「じゃあ、俺らは向こうに用事がありますんで」
【ペルゼン】 「俺もあるんだよ!!」
【アルカミル】 「そうなんスか? じゃあ行きましょか」
【ヤマグチ】 走るぜ。
【アルカミル】 ヨーゼフ爺さんに、お礼せな。
【ヤマグチ】 おお、そやな。
【ペルゼン】 お金欲しい?(笑)
【GM】 ああん?「そのパンツァー欲しい」
【ペルゼン】 パンツァーだけは、やれん!
【GM】 「む〜」って口尖らせて、むくれてるで。
【ペルゼン】 かわいい(笑)
【アルカミル】 村長さんに、「なんの神様を祀ってたんですか?」
【GM】 「詳しい事は分からんのう。ひいじいさんから聞かされただけなんじゃ」賽銭箱も、ひいじいさんが置いた年代物。
【アルカミル】 「あの、何か飛んで行きましたけど」
【GM】 見てなかったようです。「は? 虫か?」
【アルカミル】 「気にしなくていいです」(笑)
【GM】 「さっきの地震と関係あるのかのう?」
【アルカミル】 「あの遺跡はちょっと危ないんで、気をつけて下さい」
【GM】 「おお?」
【アルカミル】 「ちょっと奥まで入っちゃいました。ハハハ。じゃあ!」(笑)
【GM】 急な話なので、理解できてないみたい。「ああ、ご苦労さん」
【アルカミル】 「お世話になりました!」で、そそくさと立ち去ろうかな。
【ペルゼン】 逃げるように。
【GM】 じゃあ、クエストね。全員ですね。『奈落ドラゴンを倒す』
【ヤマグチ】 あぁ、来た。
【アルカミル】 封じ込めとったんかな。
【ヤマグチ】 そうやろな。誰かが封印を解いてしまったんやな。
【GM】 いとも簡単に。

―空の向こうで―

【GM】 次はマスターシーンです。

 荒野に展開する真帝国軍の前線部隊。

【ペルゼン】 おお?

 人型戦車やら動力甲冑が、真っ黒な霧の塊で出来たような巨大なドラゴンに必死に砲火を浴びせていますが、到底ドラゴンにダメージを与えるようなものではありません。ドラゴンの吐き出す闇のブレスによって、幾つもの集団が闇の霧になって飛散していきます。

【ペルゼン】 これ、全員消えたら怒られずに済む(笑)
【アルカミル】 なんて邪悪な(笑)

 そんな報告を受けた、師団の幕僚本部。師団長が忌々しげに机を叩く。
「どうしてこんな所にアビスドラゴンなんかがいるんだ!」
 それに応えるのは、参謀らしき銀髪の仕官。
「知りませんよ。我々のような優秀な駒を捨てるほど、軍も馬鹿ではない。おそらく偶然でしょう。兵士への被害が拡大しないうちに、撤退させます」

【アルカミル】 状況把握は出来とるで。
【ペルゼン】 くそぅ(笑)

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