≪REV / EXIT / FWD≫

§Circumpolar star〜荒野の群雄〜§

ミドルフェイズ・2

著:真柴悠

―運命の車輪―

【GM】 えっと、次のシーンはヤマグチさん。
【ヤマグチ】 俺か。
【GM】 辺境の村の前を通りかかったところで、ベスパのタイヤががパンクする。ボコン!
【ヤマグチ】 ほんなら、後ろからスペアタイヤを出して……
【GM】 ない(笑)
【ヤマグチ】 ないんか(笑) じゃあ、しゃあないから押しながら村に行って、バイク屋を探すしかないな。
【GM】 その横を通りかかったペルゼンさんも、同じ目に遭う。いきなりタイヤが破裂して、転がり落ちる。
【ペルゼン】 ウソっ!? ええー!「カエルめ!!」
【GM】 カエル男のせいじゃないやん(笑)
【ペルゼン】 修理してもらわなあかん。遅れたら怒られる。もう遅れてるねんけどな(笑)
【ヤマグチ】 ここまで遅れたら一緒や。
【GM】 ついでに、カエル男を助けとけばよかったのに。
【ヤマグチ】 でも、言い訳が出来たからいいやん。「カエルがね!」
【GM】 遅刻とかいう以前に、アル中と認定されるで。
【ペルゼン】 朝すでに遅れてたしな。村の中に入っていくで。
【GM】 じゃあ、ヤマグチさんがベスパ押してる。
【ヤマグチ】 「あっ」
【アルカミル】 仲間がおった。
【ペルゼン】 「お前もカエル?」
【ヤマグチ】 「いや、俺はイヌ」
【ペルゼン】 分からへん(笑)
【ヤマグチ】 イヌがシートに乗っとるねん。
【ペルゼン】 「お前、犬飼ってたっけ?」
【ヤマグチ】 「……まあね」
【ペルゼン】 ペルゼンは、サクラの事知らんもんな。
【GM】 うん。
【ペルゼン】 変な奴やから、犬でも飼ったんかなぁって思いながら、バイク屋に向かう。
【GM】 見た感じ、バイク屋なんか無さそう。
【ペルゼン】 ……タイヤ落ちてへん?(笑)
【GM】 無さげ。
【ヤマグチ】 「キミの後輪くれない?」
【ペルゼン】 なんで? 前輪にするん?
【アルカミル】 ベスパとパンツァーやったら、全然サイズちゃうやん(笑)
【GM】 大昔の自転車みたいになるで。
【ヤマグチ】 しゃあないな、村長の所に行って、タイヤの在り処を聞くか。
【GM】 村長。 「修理屋はないが、ヨーゼフ爺さんなら治せるかもしれん」元帝国軍勤務とか何とからしい。
【ヤマグチ】 場所を紹介してもらわな。
【GM】 教えてもらった。
【ヤマグチ】 行ってみる。
【GM】 ガラクタが散らばってる民家を発見する。
【ペルゼン】 お爺さんを探そう。
【GM】 庭先で作業してます。「何か用か?」
【ヤマグチ】 「実は、ベスパの前輪がね」
【ペルゼン】 「パンツァーの前輪がね」
【GM】 「はぁ、それは揃いも揃って間抜けな事で」
【ヤマグチ】 「で、修理してほしいが為に、村長から紹介してもらったんだが」
【GM】 「見せてくれ」
【ヤマグチ】 座席からモップを降ろして。
【GM】 「ほうほう、これなら治せるぞ。専用の工具がないから、1時間ほどかかるだろう」
【ペルゼン】 「あぁ、全然構いませんよ」
【GM】 「暇つぶしに裏の祠でも見てくるといい」
【ヤマグチ】 ほう(笑) じゃあ、行こうかな。
【ペルゼン】 これ、追い付けんのかな〜って思いながら(笑)
【GM】 如何する?
【ヤマグチ】 俺は行くで。
【ペルゼン】 一時間、やる事ないからな。ちょっと見に行く。
【GM】 では、そこを通りかかったおじさんがキミらを見て、「ハヤテとかいうニンジャが、そこらへんでマキビシを投げる訓練をしてなぁ」
【ヤマグチ】 「あいつか!」

ハヤテ
 目的の為なら仲間にも平気でウソをつき、罪をなすりつける天然暴走ニンジャ。そもそも仲間意識があったのかどうか微妙。
 前回クエストに失敗し、失意を背負って放浪の旅に出た矢先の事である。

【ペルゼン】 「あの野郎!」
【GM】 「ヤケっぽかったし、1個ぐらい拾い忘れてても仕方ねぇな」
【ペルゼン】 2個や(笑)
【ヤマグチ】 後で請求書送ったろ。
【ペルゼン】 全部アイツのせいにしたろ。
【GM】 とくにペルゼンさんは一番の被害者やったもんな。

―誘拐犯を追え―

【GM】 次はアルカミルです。
【アルカミル】 ん。
【GM】 遺跡のある村に到着しました。
【アルカミル】 「着いたー!」
【GM】 普通の平和な感じの村やね。ヘレンも怪訝そう。「こんな所に、本当に奈落のドラゴンなんているのかしら……」
【アルカミル】 「いやいや、意外とこういう所にこそ……いる、かも」
【GM】 「何言ってんの?」(笑)
【アルカミル】 「まあ、聞いてみようや」ここは、村長さんやろ。
【GM】 村に入ると、庭先で見慣れたベスパと帝国軍のパンツァーを修理してるお爺さんを発見する。
【アルカミル】 ほう。
【GM】 でも、見慣れたベスパの荷台が変なことになってる。
【アルカミル】 「えっ!?」
【GM】 全てのキーワードが当てはまる。
【アルカミル】 「これか!! これなのかー!?」(笑)
【GM】 「ど、どうしたの?」
【アルカミル】 「モップを連れ去った犯人が乗ってたっていうバイクが、これに似とるねん」
【GM】 「えっ、そうなの!? 乗ってた人を捜さなきゃ!」モップはどこ?
【ヤマグチ】 一緒に連れてったよ。
【アルカミル】 お爺さんは修理をしよるんやな。
【GM】 うん。
【アルカミル】 お爺さんに聞くわ。「このベスパの持ち主は、どこへ行きましたか?」
【GM】 「ああ、祠を見に行っとるんじゃないかな」
【アルカミル】 「祠? なんの祠?」
【GM】 「言い伝えでは、神様を祀ってあるとか。ワシも、ひいじいさんから聞かされたぞ」
【アルカミル】 「その人が行ったの、どれくらい前ですか?」
【GM】 5分。
【アルカミル】 おお、そんなに直前なんや(笑)
【ペルゼン】 その辺にいそうや。
【アルカミル】 「じゃあ、その修理は後回しにしてください!」
【GM】 「何故だ?」
【アルカミル】 「犬の誘拐犯を捜しているんで」
【GM】 「犬ぅ? そういや、長い犬を連れてたな」
【アルカミル】 「そうなんスよ。俺の知り合いの飼い犬なんですけど」
【ペルゼン】 でも、盗んだ奴も知り合いや(笑)
【ヤマグチ】 ごっつい見慣れたベスパやで。
【アルカミル】 イヤ〜な予感はしてんねんけど(笑)
【GM】 「じゃあ、修理ほっといていいんだね?」
【アルカミル】 「いいっすよ」(笑)
【ペルゼン】 パンツァーは直してや。
【アルカミル】 「そっちのパンツァーを先に直したらどうですか?」パンツァー乗りとしては、黙って見過ごす訳にはいかんやろ。
【ヤマグチ】 なるほどな。
【GM】 「分かったよ」
【アルカミル】 じゃあ、ヘレンに「犯人は遺跡に行ってるらしいから、俺たちも行こう」
【GM】 「そうね。急ぎましょう」

―灰色の集束地―

【GM】 次のシーンです。祠の入り口なんやけど、遺跡というか、見た感じ洞窟みたいになってる。
【ヤマグチ】 入り口やな。
【GM】 岩盤に巨大な穴が開いてるような感じ。
【ヤマグチ】 ペンライトをつける。
【ペルゼン】 付いて来たで。
【GM】 ヤマグチさんとペルゼンさんがいる所に、アルカミルが来る。
【アルカミル】 追いついた。
【ヤマグチ】 モップは俺に付いて来よるで〜。懐いたから。
【アルカミル】 「見つけたー! やっぱり!!」
【ヤマグチ】 「やあ」
【ペルゼン】 「うわ、アルカミルや!」幸せそうな奴が来た(笑)
【GM】 青い芝生や。
【アルカミル】 「“やあ”じゃないっすよ! モップを返して下さい」
【ペルゼン】 「あれ、お前の犬じゃなかったのか? “飼った”って言ってたじゃないか」(笑)
【ヤマグチ】 「俺に懐いたんだよ。だから俺のペットと言っても過言ではあるまい」
【アルカミル】 「いやいやいや!」……モップは?
【GM】 おとなしいで。べつに首振ったりとかはしてない。
【ヤマグチ】 振ってんのは、尻尾やで。
【アルカミル】 誰にでも付いて行きやがって。
【GM】 飼い主のサクラがいたら、モップがいかに口が悪いか分かるんやけど、終始普通の犬やから。
【アルカミル】 「姐さん(サクラ)のとこに返さなくちゃいけないんで」
【ヤマグチ】 「そうか、残念だ」
【アルカミル】 「返して下さい」
【ヤマグチ】 「キミはそれでいいのかい?」
【GM】 「わん」
【ヤマグチ】 「“わん”らしいから、返すわ」
【アルカミル】 返してもらった。
【GM】 「くーん」って懐く。
【サクラ】 誰にでも懐くんや(笑)
【ヤマグチ】 じゃあ、傷ついとく。
【ペルゼン】 ちょっと笑う(笑)
【アルカミル】 まだ、こっちの方が付き合い長いからな。
【ヤマグチ】 じゃあ、こっそりドッグフードを手に握りしめて。
【GM】 「ふん」
【ヤマグチ】 なんでや!
【アルカミル】 もっとええモンじゃないとあかんのや。
【GM】 そうそう。
【アルカミル】 携帯か何かで、サクラと連絡つかへんの? 張り紙に連絡先書いてなかった?
【GM】 携帯の番号が書いてありましたよ。
【アルカミル】 そこへ、かけてみる。
【GM】 繋がった。「もしもし〜?」
【アルカミル】 「姐さんっスか?」
【GM】 「あぁ、アルカミル? 久しぶりー! どうしたの?」
【アルカミル】 「モップ見つけました」
【GM】 「えっ、マジ!? あんたが?」
【アルカミル】 「捕獲しました」(笑)
【GM】 「ありがと〜。助かったよ」
【アルカミル】 「どうでもいいっスけどね、ちゃんと捕まえといて下さいよ」
【GM】 「えー? モップに言ってよ」ごっつい投げやり。「ついでにあと一週間ほど預かっといてくれない?」
【アルカミル】 「はぁ!?」
【GM】 「今、コールドベリーにいるから」ラスベガスみたいな所ね。遊びか仕事か分からんけど。
【アルカミル】 「借金増やさないようにして下さいね」
【GM】 「大丈夫! もう失うものは無いから。モップも抵当に入ってるし」
【サクラ】 やっべー!(笑)
【ヤマグチ】 それで逃げたんか(笑)
【アルカミル】 「それでかぁー!!」モップと通じ合った目をするわ(笑)
「お前も大変やなぁ」
【GM】 「くぅ〜ん」
【ペルゼン】 ウルウルしてるんや。
【GM】 ご利用は計画的に。
【アルカミル】 ヘレンに、「モップ見つかったから、あとはドラゴンだけや! よかったよかった」
【GM】 「すごいわね」ちょっと尊敬してる。
【アルカミル】 ある意味ヤマグチさんのお陰でもあり、ある意味ヤマグチさんのせいでもある。
【ヤマグチ】 なんでや。
【GM】 自分のモンにしようとしたくせに。
【アルカミル】 差し引きゼロということで。
【GM】 「お友達なんでしょう?」
【アルカミル】 「………うん」
【ペルゼン】 間があったで(笑)
【GM】 溜息混じりやし。
【アルカミル】 「腐れ縁ってやつかな。キミと一緒さ☆」言うたらシバかれるから、やめとく(笑)
「キミと……ううん、何でもない」
【GM】 「今日、変よ?」
【アルカミル】 「陽気のせいかな」(笑)
【ヤマグチ】 春やからな。
【アルカミル】 「で、ヤマグチさんとペルゼンさんは、こんな所で何してるんスか? 足がパンクして動けないのは分かりましたけど」
【ペルゼン】 「……俺、大変やねん」(笑)
【アルカミル】 「ペルゼンさん、ヒマなんスか?」
【ペルゼン】 「ヒマじゃねえよ! 置いてかれてさぁ」
【GM】 お寝坊さん。
【ペルゼン】 「俺、明日生きてると思う?」
【アルカミル】 「明日になれば分かりますよ」
【ペルゼン】 「……軍、辞めようかな」
【アルカミル】ウチ(ノルン)に来ますか? けっこうキツいっすよ」
【GM】 ステキな支部長が法律やからな。軍の方が優しいで。
【ペルゼン】 「やめとくわ」(笑)
【アルカミル】 「そうっスか?」
【ペルゼン】 ペルゼンから見たら、キツそうに見えへんのやけどな。「今日も女連れで来やがって」
【アルカミル】 「たんなる幼馴染みっすから」
【ペルゼン】 「そんなのも、いねぇよ!」
【GM】 いちいち勘に障るよな(笑)
【ペルゼン】 「早くバイク直んねぇかな」
【アルカミル】 「大丈夫、パンツァーを先に直すように言っときましたから」
【ヤマグチ】 「困るよ、アルカミル」
【アルカミル】 「で、こんな所で何してんの?」
【ヤマグチ】 「遺跡の見学にね。このペンライトを見て分からないかい?」
【アルカミル】 「いや、全然」
【ヤマグチ】 「キミも付いて来るかい?」こんなキャラやったっけー?
【ペルゼン】 明らかに違う(笑)
【GM】 あんた、そんな事ばっかり言うてるな。ロッコウブレンドや。
【ヤマグチ】 春やからね〜。
【アルカミル】 「ウチらは、ドラゴンの調査をしに来た訳ですけども」
【ヤマグチ】 「ドラゴンがいるのかね」
【アルカミル】 「知らん。一応この辺で、ドラゴンの伝承があったりなかったり、ということを聞いたんで、ここに来てみたんやけどね」
【ヤマグチ】 「ほう」
【アルカミル】 「そしたら、あなた達に出会った、と」
【ペルゼン】 「俺はバイクが直るまで、する事ないし。落ち着かへんし、遺跡に行こっかな〜と」
【アルカミル】 「やっぱ、ヒマなんスね」
【ペルゼン】 「ヒマじゃねえ! こんなに慌ててるのに!」
きっと、一生で一番慌ててるで(笑)
【ヤマグチ】 「じゃあ、そのドラゴン探しとやらに付き合ってやろうじゃないか。ヒマだし。(ペルゼンを見て)なあ?」
【ペルゼン】 「ヒマじゃねえ!!」
【アルカミル】 「ヤマグチさんもヒマなんスね」
【ペルゼン】 「ヒマヒマ言うな!!」(笑)
【アルカミル】 「で、やっぱヒマなん?」
【ヤマグチ】 「今はヒマだよ。なあ、ペルゼンくん?」
【ペルゼン】 「うがぁー!!」そこらへんの棒きれ拾って暴れだす(笑)
【アルカミル】 キャラ的には、二人とも用事があるのは知らんからな。「ヒマじゃなかったら、なんでこんな辺境に」
【ペルゼン】 「こっちが聞きたい!」
【ヤマグチ】 「ベスパが直らんことには仕事にならへんからな。ヒマだし」
【ペルゼン】 「ヒマじゃねえー!!!!」
【アルカミル】 「お二人さん、仲良しっすね」
【ペルゼン】 「良くねえよ! この野郎!!」
【アルカミル】 反感受けてるぅ、と思う。
【ペルゼン】 いつかドツく! と思う。
【ヤマグチ】 「じゃあ行こか」信頼しきっとるから。
【ペルゼン】 それ、間違ってる(笑)
【アルカミル】 「なんか、神様が祀ってあるらしいっスけど」
【ヤマグチ】 「じゃあ、お参りに行こうじゃないか」
【アルカミル】 「ちょっとぐらいは、ドラゴンに関わるかもしれへんし、行ってみるか」ヘレンに。
【GM】 さっきから、ずっと待ってるんやけどな。「ヒマな軍人なんて構ってないで、早く行きましょう」
【ペルゼン】 きいっ!(笑)
【アルカミル】 「じゃあ、行こう」

÷÷ つづく ÷÷
©2005 Haruka Mashiba
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