≪REV / EXIT / FWD≫

§狂信者たちの宴:第11話§

混沌の息吹き

著:林田ジュン イラスト:りょこ
▽ 白昼の強盗 ▽ 飛来する狂気 ▽ 北で待つ少女

白昼の強盗

【ネイビー】 「じゃあ次の日にしちゃってよ。私、イレゴールの店行くから。レイとルカには宿に待機しててもらって、エリア守らせておくね。『こうなったのも前回あんた(レイ)が余計なことしたせいよ。ちゃんと見張ってなさいよ』」
【キロロ】 「そうだゾ、レイのせいだ」
【GM】 「レイは特に気にしてないみたい」
【キロロ】 「こいつは〜」
【ネイビー】 「むかつく〜」
【キロロ】 「で、今日は店開いてるんだよね?」
【GM】 「開いてるよ。各地の民芸品を集めて売ってる店なんだけど、店の奥の一角にマジックアイテムのコーナーがある。店番をしてるのは隻眼の兄ちゃん。この人がイレゴールね」
【ネイビー】 「あれ売ってない? ムーンライトドローン」
【トウキ】 「違うよ、グレムリンズグリンじゃん」
【ネイビー】 「私的に聞きたい。女になりたい」
【GM】 「ムーンライトドローンは売ってるよ」
【トウキ】 「グレムリンズグリンはあるの?」
【GM】 「『あるけど、あれは手に入れるのに苦労したから手放したくないんだ。売り物じゃないよ』」
【ネイビー】 「そこを何とか売って欲しいねんけど」
【GM】 「『金には替えたくないな。ま、グレムリンズグリン以上のマジックアイテムを持って来てくれたら交換してやってもいいがね』」
【ネイビー】 「ちなみにどんな?」
【GM】 「デーモンジャーとか持ってくれば確実でしょうな」
【キロロ】 「何それ? 悪魔閉じ込めるの?」
【GM】 「じゃなくて悪魔召喚するの」
【トウキ】 「ジャーって言うくらいだから炊飯器かと思った」
【ネイビー】 「開けたら悪魔炊けてるねん(笑)」
【キロロ】 「でもどうしよう? そんなすごいマジックアイテムって簡単に手に入らないよね」
【ネイビー】 「ナイトゴーグル売らなかったらよかったな」
【ウル】 「でもあれは探知魔法かかってたからしょうがないよ」
【トウキ】 「どっかの宝物庫とかに盗みに行く?」
【ウル】 「そんなことするくらいなら今ここにレイつれて来てイレゴールにスリープかけてもらえばいいじゃん」
【ネイビー】 「お前な。強硬手段すぎないか? ……でもおもしろいからやっちゃう?」
【ウル】 「やろうぜ。せっかくダークシナリオやねんから」
【ネイビー】 「じゃあレイつれて来てスリープ! 16」
【GM】 「イレゴールは一般人やから抵抗できませぬ」
【キロロ】 「ダークって何でも出来ていいね♪」
【ウル】 「じゃあさっさと薬取って逃げようぜ」
【トウキ】 「イレゴールはどうするの?」
【ネイビー】 「誰か気付いた人がディスペルかけてくれるやろ。放っとこう」
【ウル】 「他に何か使えそうなアイテムあったら盗んでいこうか」
【GM】 「ならシーフで振ってみ」
【ネイビー】 「13」
【GM】 「スケープドール2個と、20点分の魔力がこもってるユニコーンの角があった。20点分の生命の魔法が使えるよ。あと、普通にムーンライトドローンが置いてあるけどどうするかね?」
【ネイビー】 「全部もらっていくよ。あ、ムーンライトドローンは今飲みます!」
【GM】 「マジで? じゃあ女になりました。ヨカッタネ」
【ネイビー】 「女になれたーーー! 胸パッド外そ☆」
【キロロ】 「そんなもん入れてたの?」
【ネイビー】 「入れてたの☆ さて、薬ゲットしたところで次はどっちに渡すかが問題だよな」
【トウキ】 「エリアはこっちにいるんだから、薬飲ませてから考えればいいんじゃないの?」
【ウル】 「待てって。エリアに飲ませてウィルの怒りが解ける保証ないし、それにサーラ側だってサーラの独断ならリディアの怒りも解けないぞ」
【キロロ】 「じゃあやっはりターゲットはウィル? でもどうやって飲ませよう?」
【ウル】 「それが問題やねん」
【キロロ】 「どっちにしろ戦わなきゃいけなくない?」
【ウル】 「それを避けるためにエリアが利用できないかなって思って。エリア使ってウィルに隙を作って、飲ませられないかな」
【ネイビー】 「無理やろ。エリア気が動転してんねんで」
【ウル】 「今スリープやしな」
【ネイビー】 「ウィルにムーンライトドローン飲ませても面白かったかも」
【ウル】 「女になるだけやん」
【トウキ】 「でもショックで戦意喪失するかもよ」
【ネイビー】 「精神的に殺す(笑)」
【ウル】 「ま、誰に使うかは臨機応変に行こうよ。ていうか俺らもうすることなくなった?」
【GM】 「じゃあ次の日にするよ。二日目です」
【ウル】 「ところでさ、ウィルはエリアがどこにいると思ってるんだろ。村のシルファス神殿にいると思ってんのかな」
【GM】 「さあ?」
【トウキ】 「サーラとリディアが来てる事も知らないのかな」
【GM】 「二日前のシュバルツは知らなかったけどね」
【ウル】 「知ってたら何らかの行動起こしてそうだよね。エリアいると思って。ところで、サーラの手紙が偽物ってことはないかな」
【ネイビー】 「あ、あるかも!」
【トウキ】 「何の目的で?」
【ウル】 「分かんないけど、クートラが俺ら誘い出すための罠とか」
【キロロ】 「あたしらはサーラ見てないもんね。黒髪の女としか聞いてない」
【トウキ】 「明日になったらシュバルツ連れてサーラに会ってみる?」
【ウル】 「でもクートラの罠なら時間をシュバルツよりも先に設定しない?」
【キロロ】 「シュバルツの行動知らないんじゃない?」
【ウル】 「それはないんじゃないか? 何かつかんでそう」
【トウキ】 「シュバルツに騙されてる可能性もあるわけやし……。ところでサーラの手紙にあった『リディアに言うな』ってのはどういうことやろ」
【ウル】 「きっと、もう復讐をやめるってのにリディアが同意しないからだよ」
【トウキ】 「それかリディアに言えない理由があるのかも。サーラを探したい。今、メカリアで。そして手紙も本人が出したか確認したい」
【ネイビー】 「薬をシュバルツに渡したらどうなるんやろ」
【ウル】 「たぶんダメだと思うな」
【トウキ】 「うん。何の解決にもならないと思うよ」
【ウル】 「ま、どっちにも渡すつもりはないけどね。エリアがこっちにいる限りは」
【キロロ】 「シュバルツはグレムリンズグリン入手してからエリア探そうと思ってんのかな」
【GM】 「うん。そしてサーラは入手した瞬間に飲ませようと思ってたけど、エリアが手元から離れてしまった、と」
【ネイビー】 「選択権は我に有り、やな。まだ二日目やし、サーラ探そっか。とりあえずシーフギルド行ってサーラの情報聞くね。あと、私今日からもっと露出高い服着るから。女になった事が嬉しくて仕方ない♪」
【GM】 「何でも着てくれい。で、ギルドには何て聞くの?」
【ネイビー】 「黒髪でヘアバンドの女の子探してるんやけど」
【GM】 「そんな子いっぱいいるって。メカリアは大都市ですぜ」
【ネイビー】 「がーん、そうか。じゃあみんなで街中の宿屋探してみる?」
【ウル】 「みんなでやるの? 全員で動くとウィルとエンカウントする可能性も上がらない?」
【ネイビー】 「そっか。じゃあ一人で探すよ。ていうか190軒もあるんやんな、宿」
【GM】 「うん。適当に決めたらそうなった」
【ネイビー】 「19軒ならよかったのに。一日でどれくらい回れるかな」
【GM】 「う−ん。190軒が横に並んでるわけじゃなくてメカリアの広い街中に散らばってるわけやしなぁ。30軒くらいで」
【ネイビー】 「どうやって判定すんの?」
【GM】 「(サーラが宿にいるのは確かやしなぁ……)じゃあ2D振って10以上なら見つけていいや」
【ネイビー】 「7。無理かー」

飛来する狂気

【ウル】 「ついでにウィルも探しといてよ。どっかに泊まってるかも」
【ネイビー】 「じゃあ今の30軒でウィルも探していい?」
【GM】 「ウィルなんか見つかってたまるかい。いません」
【キロロ】 「ウィルは宿なんかに泊まってなさそうだよね」
【ウル】 「クートラ神殿にいるのかな」
【トウキ】 「のほうが確率高そう」
【ウル】 「結局、サーラ見つからなかったんやんな。じゃあもう待ち合わせ場所行ってサーラが本人か確認すればいいやん」
【トウキ】 「シュバルツは無視しちゃう?」
【ネイビー】 「会うだけ会ってごめんねって言っておこうよ」
【ウル】 「そんな必要ないんじゃないの?」
【ネイビー】 「私は行きたい。3時間差があるから行けるやん? 話だけでも聞いておこうよ。じゃあ……いよいよ3日目にしちゃう?」
【トウキ】 「しちゃう? 約束は夜だから、朝も何か出来るよね」
【GM】 「できるよ。では3日目の朝何かする人?」
【ネイビー】 「いいや、もう。シュバルツの時間にしちゃえ」
【ウル】 「え? するの?」
【ネイビー】 「する。えい! なった。7時です」
【ウル】 「ちょっと待てよ!」
【ネイビー】 「ええい、あがくな! 見苦しいわ!」
【ウル】 「何なんだよ!(笑)」
【GM】 「じゃあ聞きます。シュバルツの場所に行く人は誰ですか?」
【キロロ】 「みんなで行くんだよ」
【GM】 「レイとルカと坂死状態エリアは?」
【トウキ】 「あ、忘れてた」
【ネイビー】 「連れて行くと何するか分からんからなぁ。とくにレイが」
【キロロ】 「前回やられたもんね。でも別行動して向こうに何かが起こったら困るよ。エリアいるし」
【トウキ】 「昨日南と北の待ち合わせ場所にレイと下見した事にして、いざという時テレポートして来てもらうとか」
【GM】 「したことにするのはやめて下さい。歴史変えんといて」
【トウキ】 「じゃあ今からでも行こうよ」
【GM】 「残念ですがもう7時なので無理です」
【ネイビー】 「私がさっき7時にしちゃった」
【ウル】 「ばかーーっ! だから待てって言ったのに」
【ネイビー】 「しらなーい♪ じゃあ行こうか」
【キロロ】 「ねぇ、行くの、やっぱ人数多い方がよくない? 何が起こるか分かんないし、レイたちも……」
【ウル】 「ウィルと戦闘になったら人数なんて関係ないよ。何人いても死ぬから(笑)」
【トウキ】 「そりゃそうだ」
【ウル】 「特にレイとエリアをセットで連れて行くのはダメ。だってレイが前みたいに考え変えてシュバルツかサーラにエリア渡しちゃうかもしれないじゃん」
【GM】 「信用してないね、レイ」
【ウル】 「レイの人柄がいいからね。ダークじゃなくて普通のリプレイなら信じまくってるところやで」
【ネイビー】 「じゃあ7時に南の場所に行って様子伺ってみる」
【GM】 「ほい。南に廃墟があるって言ったけど、待ち合わせはその中やねんよ。だから、廃墟の外側は見えるけど、中に人がいるかどうかは分からない」
【ネイビー】 「どんな感じの廃墟?」
【GM】 「昔は貴族の屋敷だったかもねって感じで結構広め」
【トウキ】 「ブラウニーに中に人がいるか聞いてみたら?」
【ネイビー】 「分かるかな? 一応聞いてみよう。中に人はいる?」
【GM】 「それくらいなら分かるんちゃうかな。いるってさ」
【ウル】 「それってシュバルツ?」
【GM】 「そこまでは分からないね」
【ウル】 「シュバルツの行動がバレてて誰かが先回りしてるかもしんないよね」
【ネイビー】 「私が見に行ってみようか? 一番敏捷高いし、スケープドール持って」
【キロロ】 「行ってくれるの?」
【ネイビー】 「うん。みんなは隠れてて」
【ウル】 「どっか隠れるところある?」
【GM】 「入口の手前に茂みがあるけど?」
【ウル】 「じゃあそこにいよう」
【GM】 「ネイビー一人で入ったの? 中にはシュバルツが一人で待ってます」
【ネイビー】 「そうか。じゃあ嘘つこう。『ごめん、グレムリンズグリン入手できなかった』」
【GM】 「『えーっ、マジで? 俺の考え台無しじゃん。どーすんだよ、兄貴そろそろ動くぜ?』」
【ネイビー】 「『もし薬見つけたとしてさ、ウィルに飲ませるのってどう思う?』」
【GM】 「『それって兄貴が頭バカになるってこと? ちょっとやだなー』」
【トウキ】 「今でも充分バカだと思うけどね」
【GM】 「つーか記憶なくなるんだけどね。……と、ここで中にいるネイビー。シュバルツとの位置を教えてください。ちなみにシュバルツは広い部屋の奥にいますが」
【ネイビー】 「えええ? 何、その質問は。何かあんの? まあ……それなりに距離はおいてるよな? 部屋の入口にいてもいい?」
【GM】 「じゃあ、シュバルツを標的にフォースエクスプロージョンが飛んでくるねんけど、君は範囲外なので関係ないね」
【ウル】 「エクスプロージョン? シュバルツ死ぬんちゃうの?」
【GM】 「うん、死んだ。生死判定も失敗」
【一同】 「ええーっ」
【ネイビー】 「ちょ……ちょっと待ってよ! 何?」
【GM】 「割れた窓の向こうにはウィルが立っています。ちなみにキロロたちが隠れてるところからは死角になってて見えません。『やはり俺を裏切っていたな、バカ弟め。前からコソコソしてて怪しいと思っていたんだ。ネイビーと話しているところを見たからには決定的だ。許さん』」
【ネイビー】 「な……! ショックや、キレそう、私。殺すか? 普通」
【GM】 「クートラやし」
【ネイビー】 「弟やで?」
【GM】 「クートラですから。で、ウィルの横にもう一つの人影が。リディアです」
【ウル】 「何で? 何でリディアがウィルといるの?」
【キロロ】 「サーラはこのこと知ってんの? エリアのことはどうすんの?」
【GM】 「リディアの目的は君らを殺す事やで。彼女にはエリアがどうなろうと関係ない」
【ネイビー】 「アホや! この女アホや!」
【ウル】 「ていうかリディアの仲間の冒険者殺した毒はウィルがくれた毒やで?」
【キロロ】 「殺したのはあたしらやけど、後ろにいたのはウィルやんかー!」
【GM】 「リディアはそれを知りません。そしてウィルはその事を言わなかった。メカリアでサーラよりも強い相棒を探していたリディアは偶然ウィルに出会いました。ウィルは、俺ならあいつらを殺せると彼女に囁いた。それだけのことです」
【トウキ】 「リディアを騙したの? 真実を教えてあげたらいいじゃん、リディアに」
【キロロ】 「いまさら信じないんじゃない?」
【ウル】 「第一、仇の俺たちの言葉なんか聞かねーって。てか、俺ら隠れてるから何が起こったか分からないんだよな」
【GM】 「うん。さっぱり」
【ネイビー】 「立ったら私が大声で叫ぶ。『逃げてー!』」
【トウキ】 「そんなん聞いたら駆けつけるよ」
【ネイビー】 「ダメ、来ないで」
【ウル】 「その前にウィルに、エリアがこっちにいるって言うんだ」
【ネイビー】 「逃げろって言ってからでも遅くはないよ」
【キロロ】 「でもあたしら、逃げるかなぁ」
【トウキ】 「逃げないよ。何かあったと思って駆けつけるでしょ」
【キロロ】 「だよねぇ、絶対」
【ウル】 「クートラの人はこういう時どういう判断するんだろう」
【キロロ】 「だって仲間じゃないか〜」
【トウキ】 「今、クートラとか関係ないよ。ネイビーを助けようと思うもん、行くでしょ、これは」
【ネイビー】 「でも来られた方がやばい。『私一人なら逃げ切れるから! だから逃げて!』スケープドールあるし、精神抵抗+4だし」
【ウル】 「駆けつけるのはやめようよ。でも、逃げもしないけど」

北で待つ少女

【キロロ】 「待機ってこと? でも……」
【ネイビー】 「下手に来てここで全滅したらどうすんのさ。『逃げて、もう一つの場所に行って!』私的にはとっととサーラのほうに行って欲しい」
【ウル】 「こういう時どうするか決めてなかったね」
【キロロ】 「予想してなかったもんね」
【ウル】 「ダイスで決めるか?」
【ネイビー】 「ええっ? 最悪やな、やめて(笑)」
【ウル】 「サーラはリディアの行動つかんでたのかなぁ」
【トウキ】 「つかんでないと思うけど、何かヘンだとは思ってたんじゃない? だから手紙に、内緒にしろって書いてあったんじゃないかな」
【ウル】 「にしてもこんな状況になっちゃったらみんなで来た意味ないよな」
【ネイビー】 「とりあえずウィルが行動に出た事は分かったじゃん。だから逃げてよ! 『ウィルとリディアが来た! あっちに行って!』あっちって、サーラの所のことね」
【トウキ】 「分かった、ここは逃げるよ。ネイビー、ちゃんとエリアがこっちにいるって言うんだぞ」
【ネイビー】 「言わないよ、やっぱり。話すと長くなりそうやし、いるってばれたらレイとルカが狙われるかも知れへん。そしたらレイがエリア渡しちゃうかも知れないし。私は今から逃走に専念するよ」
【ウル】 「俺ら逃げたあと、すぐにレイに事情話した方がいいよな」
【トウキ】 「その上で念のため宿屋も変えておいて、僕らだけでサーラの所に行こう。じゃあ逃げるよ」
【GM】 「オッケー、逃げれたよ。ではネイビー」
【ネイビー】 「逃げる努力をします。みんな、私が戻るの待たんとってな。私抜きで行動しちゃって」
【トウキ】 「分かった。ちゃんと逃げろよー」
【ネイビー】 「私、みんながいたのとは逆方向に逃げるから」
【GM】 「なら、このラウンド生き残れたら逃げ切れた事にしてあげよう。2回精神抵抗して」
【ネイビー】 「あ、3とか出たし。でももう一回は17!」
【GM】 「じゃあ抵抗失敗のウィルのフォースエクスプロージョンが16点ダメージと、抵抗成功したリディアのライトニングが……あ、1ゾロ」
【ウル】 「16点! 死んだんちゃうん」
【ネイビー】 「スケープドールあるからぎりぎり生きてた」
【キロロ】 「よかった〜」
【ウル】 「それで逃げたネイビーはどうするの?」
【ネイビー】 「万一尾行されてたときの事を考えて君らに合流する気はないから。サーラとの待ち合わせ場所にもさっきまでいた宿にも戻らずに適当に時間つぶしてるから」
【トウキ】 「僕らはシュバルツが殺された事知ってるんだよな?」
【GM】 「知らないよ」
【ウル】 「俺ら現場見てないもん。ネイビーが逃げろって言ったから逃げただけ」
【ネイビー】 「ウィルとリデイアが来たってことは言ったよ」
【トウキ】 「じゃあシュバルツ死んだ事は聞いてないんや」
【GM】 「そゆこと」
【キロロ】 「ウィルとリディアが来たって事開いてあたしらどう思うんやろ? シュバルツがウィル呼んだとか思うんかなぁ。まさかシュバルツ死んだとは思わないよなぁ」
【トウキ】 「どうだろう? シュバルツとネイビーに何かあったって思うんちゃうの?」
【GM】 「でもそれは実際にシュバルツが殺されるところをプレイヤーとして見てたからじゃないかい?」
【キロロ】 「だよね。ほんとに声しか聞いてなかったらそこまで考えないよね、きっと。ネイビーに何かあったとしか」
【トウキ】 「や、でもさ」
【ウル】 「そう思うよ。シュバルツの叫び声でも聞こえてたら別やけど」
【GM】 「声なんか上げてるヒマなかったよ。即死」
【キロロ】 「だもん。だからあたしは最後にネイビーが言ったサーラの待ち合わせ場所に行こうと思うハズ。行ったらネイビー待ってるかも、と思って」
【トウキ】 「リデイアもいたって事はサーラもグルかもよ。行って確かめよう」
【ウル】 「行くけど待って。サーラがグルってことはないんじゃない? だってサーラとリディアは別行動やったんやろ?」
【ネイビー】 「サーラのことを信じたい気持ちは分かるよ。愛だねぇ」
【ウル】 「一方通行やけどね」
【GM】 「じゃあ3人でサーラの所に行くんだね?」
【トウキ】 「うん。行きます」
【GM】 「サーラが一人で待ってるよ。本人みたいだ」
【ウル】 「だったらこっちも近づくよ」
【GM】 「君らを見たサーラは、グレムリンズグリンを渡せって言うけど?」
【ウル】 「渡してもいいけど……『エリアはどこにいるんだ? そっちにはいないんじゃないのか?』」
【GM】 「それを聞いた彼女はちょっと顔をしかめるけど、それについては何も答えない。『薬、あるんでしょ? 渡して』」
【ウル】 「気丈やな。気の強い女をめちゃくちゃに壊してやりたい衝動(笑)」
【ネイビー】 「何言ってんの、この人ー! アブナイ〜」
【ウル】 「ザンナールやもん」
【ネイビー】 「それ関係ないし!」
【ウル】 「さっきウィルとリディアが一緒にいたんだけど、あの2人知り合い? って聞いてみる」
【GM】 「ウィルって誰? って返事が返ってくるけど?」
【ウル】 「え? サーラ、ウィルの事知らなかったっけ?」
【GM】 「知らない。前にサーラがクートラ神殿に入ってきたときウィルの顔は見てるけど、名前までは知らない」
【ウル】 「そうなんかー。知ってると思ってた。サーラ、グレムリンズグリンのことは自分で考えたの?」
【GM】 「うん。というか、村のシルファス神殿の司祭(エリアの父親)が、エリアの現状に悩んで『記憶を消す薬があれば……』と言ったのをたまたま聞いただけやけどね」
【ウル】 「じゃあシュバルツとエリアの親父の思考が似てるって事か。親父アホ?」
【トウキ】 「サーラって強いんだっけ?」
【GM】 「ライトニングは撃てます」
【トウキ】 「なら、エリアを人質にしてサーラを仲間に引き込んでウィルとの決戦に使おうよ。戦力になるよ」
【ウル】 「ウィルと戦うの? 勝てないよ、絶対」
【トウキ】 「でも一人でも多い方がいいじゃん」
【ウル】 「エリアがこっちにいる事言っちゃう?」
【キロロ】 「信じるかな」
【ウル】 「本人見せたら信じると思うけど」
【GM】 「そりゃ見たら信じるけど」
【ウル】 「見せなかったら信じない?」
【GM】 「言い方にもよるかも知れんけど、まず信じないわな。親友(リナ)殺した奴のセリフなんて」
【ウル】 「でもサーラとエリアを引き合わせるのはいろいろ危険な気がする」
【トウキ】 「『協力しないなら薬は渡さないぞ』」
【ウル】 「じゃあいらない、って言いそう」
【トウキ】 「だってこっちは薬探すの協力してやったのに」
【GM】 「薬との交換条件は、復讐をやめることですぜ。クートラの高司祭と戦うなんて条件つけられたら、彼女は手を引くね」
【ウル】 「そんな強硬手投じゃダメだって、トウキ。二人を会わせて信じさせるしかないんだよ。見せたら信じてくれるんでしょ? 『じゃあ宿までついて来て。エリア見せるから』」
【GM】 「ついて来ると思うかね?」
【ウル】 「普通は罠だと思うよなぁ。『でも信じてよ。サーラ殺すつもりなら宿に連れて行ったりせずにここで殺してるから』」
【GM】 「でも行かないよ、今の時点じゃ。エリアがいる保証も殺されない保証もないのに。両方が保証されたら行くかも知れないけど」
【ウル】 「愛ならあるのになぁ、歪んだ愛が(笑)」
【トウキ】 「『ついて来ないなら別にいいよ。交渉決裂だね、バイバイ』」
【GM】 「べつにいいよ、それでも」
【ウル】 「よくないー! トウキ、早まるなよ! ここでサーラまで敵に回すのはやばいって」

÷÷ つづく ÷÷
©2005 Jun Hayashida
Illustration ©2005 Ryoko
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ひと言ありましたら
 
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