≪REV / EXIT / FWD≫

§失翼の魔術師:第2話§

潜入、地下組織。

著:林田ジュン イラスト:りょこ 地図:もよ
▽ 1 ▽ 2 ▽ 3

【シュトルム】 「じゃあ聞くよ。『あなたはどなたですか?』(爆笑)」
【ヴェルナー】 「なんだか紳士っぽいぞ(笑)」
【シュトルム】 「俺はちょっとエリートなんだ(笑)(←よく言うぜ)『私はシュトルムという者です』(爆笑)」
【GM】 「チャームかかってるからべらべらしゃべるんだよなぁ。(なぜかシュトルムに対抗して)『私は、とある人に雇われたけちなシーフです』(笑)」
【シュトルム】 「ぬぅ、やるな。『ではあなたを雇ってこのようなことを依頼した人物とはどなたですか』(笑)」
【アンリ】 「変な尋問(笑)」
【GM】 「相手の名前は知らないとさ」
【アンリ】 「『じゃあ何であたしたちを尾行したの?』」
【GM】 「(チャームかかってるしなぁ)『しゃべったら殺すって言われたけど君にだったら話してあげるよ(笑)。あの小屋からなんでもいいから取ってこいって言われたんだ。でも君たちがいたから遠くに隠れてたんだけど、何かみつけたみたいだから後をつけて取り返そうと思ったんだよ。手ぶらで帰ったら報酬が半額になってしまうんだ』」
【アンリ】 「『ある人って、誰?』」
【GM】 「『名前は知らないけど、この後ある場所で落ち合うことになっているからそこに行けばきっと会えるよ』」
【アンリ】 「じゃあ、連れて行ってもらおう」
【GM】 「そしたらシーフ君はにこやかに『そんなことしたら俺が喋ったってバレちゃうよ。殺されるのは嫌だよ』だって」
【ヴェルナー】 「そうだよなぁ。バレちゃうよな」
【アンリ】 「『別に、バレないようにその近くまで連れて行ってくれたらいいよ。あなたの名前、出さないから』」
【GM】 「『わかったよ。信じるからね』そしてスラム街まで行ってせまい空き地が見えるところまで来たら遠くから指差す。『あそこだよ』」
【アンリ】 「『ありがとう。もう帰っていいよ』そこに誰かいる?」
【GM】 「うん。男が一人。木にもたれて腕組みして、誰かを持ってる。君たちには気付いていない。さあ、知力ロールして」
【アンリ】 「16!」
【GM】 「じゃあ覚えてるけど、この人だねぇ(と言ってアンドリューのキャラクターシートを見せる)」
【シュトルム】 「……あッ(絶句)」
【ヴェルナー】 「そんなぁ」
【シュトルム】 「その人、俺たちのことも知ってたりする?」
【GM】 「大丈夫だと思うよ。君たちが勝手に『かっこいい』とか言ってただけで話をしたわけじゃないんだし」
【アンリ】 「どうする? あ、そうだ。さっきのシーフに変装しよう。二人いたよね? 一人は死んでるからチャームのほう」
【シュトルム】 「(ムーンに)シェイプチェンジもあるぞ」
【GM】 「二人で同じシーフ君になるわけ? バレるぞ」
【ヴェルナー】 「そんな馬鹿なことしない(笑)」
【アンリ】 「じゃあまずあたしが変装するから、それで無理だったらムーンお願い。精神点の節約」
【ヴェルナー(ムーン)】 「了解」
【アンリ】 「じゃあ変装……っと(コロコロ)大丈夫! 6ゾロ!」
【ヴェルナー】 「え、うそ?すごい!」
【GM】 「それならバッチリだよ。どこから見てもさっきのシーフ君だよ」
【シュトルム】 「うん。無茶苦茶似てるよ。そっくりだ」
【アンリ】 「あたし、女の子なのに(笑)」
【ヴェルナー】 「ねぇ。そういえばアンリ、羽根はどうしたの?」
【アンリ】 「あ。そうだった。羽根、しまえないよう(笑)」
【シュトルム】 「俺が切ってやろうか?(笑)」
【アンリ】 「嫌」
【シュトルム】 「ちょっと無理があったか。やっぱりシェイプチェンジにしておこうか」
【ヴェルナー(ムーン)】 「あ、そうする?(ころころ)14。成功」

 とはいってもアンリの出目は6ゾロ。絶対成功です。羽根くらい何とかなったことにしてあげるべきだったでしょう。しかしここはシェイプチェンジで行こうということになってしまいました。ごめんね、アンリ。次からは考えるよ。

【GM】 「(ルールブックを見ながら)シェイプチェンジって服は変わらないんだ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「どうしよう、バレる。私スカートだ(笑)」
【GM】 「誰かマントくらい持ってるだろうからそれ借りたらいいんじゃないの?」
【ヴェルナー(ムーン)】 「それでいいよね」
【シュトルム】 「ヴェルナーのズボン借りていくとか(笑)」
【GM】 「うわぁ。ヴェルナー下半身裸(笑)」
【ヴェルナー】 「ムーンのスカート借りるもん(爆笑)」
【アンリ】 「嫌だぁ。見たくない(笑)」
【ヴェルナー(ムーン)】 「じゃあこのままもう行っちゃっていい? くまはどうする? 持って行こうか?」
【シュトルム】 「二通りあるよな」
【アンリ】 「くまを見つけましたって行くか、くまは先に見つけられてて取り返そうとしてけど無理だったって言うかだよね」
【ヴェルナー】 「本当にさっきのシーフの立場になって行くってこと?」
【アンリ】 「あたしはそっちの方がいいと思う。もしくまを持って行かれちゃったらやばいかも知れない」
【ヴェルナー(ムーン)】 「じゃあ、そうするね」
【GM】 「来るならムーン一人で来てね」
【ヴェルナー(ムーン)】 「そっか。そうだよね。一人で行くよ」
【GM】 「そうしたら彼(アンドリュー)は君の方をちらっと見て、『何か見つかったか?』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『くまのぬいぐるみがあったけど他の人に取られちゃった。取り返そうとしたんだけと無理だった。何か大事なものだった?』」
【GM】 「なら、そいつは首をかしけて『ぬいぐるみのくまだろう? なんだろうなぁ』とか言ってる」
【シュトルム】 「いいかげんなおっさんだなぁ(笑)」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『別に大事じゃないの? 取り返そうとして一人死んだのに(笑)』」
【GM】 「『くまねぇ。別にうちとは関係なさそうだよなぁ』って小声で呟いているけど」
【アンリ】 「何だろう」
【GM】 「で、披はムーンに言う。『依頼は失敗とみなすけど、お前の相棒には悪いことをした。少し多めにやるから花でも添えてやりな』だってさ。500フィスくれたよ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『ありがとう』何か思わぬところで収入があったね(嬉)」
【シュトルム】 「ちまちま稼いでるな(笑)」
【GM】 「それで彼はそのまま帰って行こうとするけど?」
【シュトルム】 「尾行しよう」
【アンリ】 「ようし。それしゃ、尾行してやる。空飛んで尾行したらバレないよね?」
【ヴェルナー】 「羽根の音ばさばさとか聞こえないの?」
【GM】 「上空だったら大丈夫だろうけと」
【シュトルム】 「上空だったら下が見えないと思う。夜だし」
【GM】 「低空だったら聞こえるかも知れない。昼なら良かったのに」
【アンリ】 「そうだよねぇ。やっぱり歩いて行こう。てい。(コロコロ)ありゃ、だめかな。11」
【GM】 「(こいつもシーフ技能持ってるからな)…(コロコロ)…(出目は13)」
【ヴェルナー】 「気付かれた?」
【GM】 「さぁね。しばらく歩いたところで彼は立ち止まるけどね。『誰だ?』」
【アンリ】 「ふみゅーん。…逃げる(笑)」
【シュトルム】 「おわー! 逃げるな(笑)」
【アンリ】 「だって怖いんだもん」(←よく言うぜ、怪力女が)
【GM】 「彼は別に追いかけては来ないよ」
【アンリ】 「よかったー」

 あーあ。ここでアンドリューの口からジャックの居場所を話させようと思ってたのに。困ったなぁ。
 ちなみに彼が毎日組織とは無関係な盗賊を日替わりで雇っていた理由は、もし捕まったりした時に関係者だったら何もかも話してしまう可能性があるから。そして一度っきりしか雇わなかった方がいろいろと(雇った盗賊に)感づかれることもないだろうと思ったからです。ああ、ややこしい。

【アンリ】 「ねぇ。お母さん幽霊にぬいぐるみのこと聞きに行かない?」
【GM】 「別にいいよ」
【アンリ】 「じゃあ行く。『このぬいぐるみ、知らない?』」
【GM】 「それは…ユリアのものです。あの子が大切にしてたんです』」
【シュトルム】 「んー? ジャックは何をしたかったんだ?」
【アンリ】 「やっぱりこれ、分解してみようよ(コロコロ)」
【GM】 「別にサイコロ振らなくても分解くらい誰にでもできるよ」
【アンリ】 「そうじゃなくて元通りに直せなきゃいけないから」
【GM】 「ああ、そういうことなら。いくら?」
【アンリ】 「14」
【GM】 「うん。それなら分解して、ちゃんと元に戻せた」
【ヴェルナー】 「何もないの?」
【GM】 「うん。何もない」
【シュトルム】 「何なんだろう、いったい」
【ヴェルナー】 「うーん」
【シュトルム】 「(突然)じゃあ、とりあえずこの夜は寝るぞ」
【GM】 「別にいいけど?」

【シュトルム】 「やったぁ。精神点全回復!」
【アンリ】 「次の日になったらもう一回あの小屋に行ってみようよ」
【ヴェルナー】 「川のところの? 何かあるかな」(←はじめに来た時に調べておけよ)
【GM】 「じゃあもう次の日。着いたことにしていいよ」
【アンリ】 「どうかな(コロコロ)16。何かあるかな」
【GM】 「そしたらね、隅のほうに瓦礫に埋まって紙切れが見える」
【アンリ】 「引っ張り出してみる。何?」
【GM】 「何かジャックの調べたことが書いてあった紙みたい。引っ張った時に破れたらしくて半分くらいしか残ってないけど、たぶんユリアをさらって行った組織の幹部の似顔絵のようだ。何人分かあるけどその中に二人、見たことがある顔がある」
【シュトルム】 「一人はあいつだろう」
【ヴェルナー】 「もう一人は誰?」
【GM】 「知力で振ってみて」

 ここでテープが一瞬切れていてわかりませんが、誰かが成功したようです(苦笑)

【GM】 「じゃあ、あいつだね。酒場でラヴァーズさんのパーティに依頼をしていたエルフ」
【シュトルム】 「がーん!」
【ヴェルナー】 「そうだったのかー!」
【シュトルム】 「それじゃあラヴァーズさんは敵じゃないかぁ(泣)」
【GM】 「でもどんな依頼もらってたかはわからないよ。聞いておけばよかったのに」
【ヴェルナー】 「だってそんなに関わってくるとは思わなかったんだもん」
【GM】 「はっはっは(わけもなくNPC出さねぇよ。俺)」

 しかしこのままではシナリオが進みません。GMは不自然を承知でアンドリューを出すことにします。

【GM】 「でね、君たちがそうやってると向こうの方から見たことのある男がやって来る」
【シュトルム】 「あ、わかった。昨日のあいつだ」
【GM】 「うん。やっぱりくまが気になるみたいで来てみたみたい。でも君たちがいるのを見てどうしようかなって感じだけど」
【シュトルム】 「そのまま去って行こうとするわけだね?」
【GM】 「うん」
【シュトルム】 「(急に高い声で親しみ深くまるで恋人にでも呼びかけるように)『アンディー♥』」

 一同爆笑。

【GM】 「キャラクターは名前知らんやろ(笑)」
【ヴェルナー】 「そうだった。会ったけど聞いてなかったー」
【GM】 「というわけで名前は知らないぞ(笑)」
【シュトルム】 「うぬ。じゃあ、『もし、そこのお若いの』(笑)」
【GM】 「お若いってこいつ26なのに。あ、君、ヴァンパイアか。それならお若いわ(笑)」
【シュトルム】 「うん。お若い(笑)」
【GM】 「振り返るよ」
【アンリ】 「あ、自分のこと若いと思ってるんだ(笑)」
【シュトルム】 「『ラヴァーズさんをどうする気だ!』」
【GM】 「は? こいつ、ラヴァーズさんのことなんて知らないよ」
【シュトルム】 「え? 違ったっけ」
【ヴェルナー】 「エルフのほうだよねぇ」
【GM】 「そうだよ(笑)」
【アンリ】 「ところであたしもここにいるんだよねぇ。昨日尾行してたんだよ? バレバレじゃない?」
【GM】 「本当だ。『ああ、君は昨日のシーフ!』」

 はい。ここはGMのミスですね。確かにアンリの尾行はバレましたがそれはアンドリューが彼女の気配を感じただけ。アンリはその後すぐ逃げましたから、顔は見ていないはすなんです。

【アンリ】 「あー、しまったぁ」
【GM】 「『こんなところで何をしているんだ?』」
【ヴェルナー】 「『友達の家に遊びに来てたんだ』すごく嘘っぽい(笑)」
【アンリ】 「違う。ごまかさないで本当のこと言う。『行方不明になった友達を探しているの! ここの人!』」
【GM】 「(いきなりそう来たか)『ほほう。ここの家主が行方不明になったのか。それは大変だな』」
【シュトルム】 「『何か知っているのか? いや、知っているはすだ!』」
【GM】 「(昨日すべて見られてるしなぁ。それにこいつは…)『…知らないこともないが、それがどうかしたのか』」
【シュトルム】 「うわぁ。そうやって開き直られると困るな」
【GM】 「何か聞く?」
【ヴェルナー】 「じゃあ、スリーサイズでも(爆笑)」
【GM】 「(何でだよ)当ててみろよ(笑)」
【ヴェルナー】 「上から83、56、85(笑)。女じゃないか(笑)」
【シュトルム】 「じゃなくて上から頭、首、肩のサイズ(爆笑)」
【GM】 「話、元に戻すぞ(笑)」
【アンリ】 「『あんたこそここで何をしているのよ』」
【GM】 「(嘘くさく)『彼女と待ち合わせ』」(←もう少しマシな答え思いつけよ、GM)
【シュトルム】 「絶対嘘だ」
【アンリ】 「(意地悪く)『彼女の顔、見たいな』」
【ヴェルナー】 「一緒に待ってる」
【GM】 「待ってても誰も来ない」
【ヴェルナー】 「やっぱり嘘だ。『おじさーん。ふられたんじゃないですかぁ?』(笑)」
【GM】 「うるさい(笑)『お前らいつまでここにいるんだ』」
【シュトルム】 「『ジャックの何を知っている?』」
【ヴェルナー】 「おお。いきなり核心に行こうとしている」
【アンリ】 「『ここにはよく来るんですか?』」
【GM】 「一度に聞かないでよ。どっちに答えたらいいんだ(笑)」
【アンリ】 「両方答えて」
【GM】 「ならアンリの方。『何度かないこともないが、それがどうした?』」
【シュトルム】 「あー、無視したぁ! 俺の質問に答えろーーー!」
【ヴェルナー】 「逆ギレ(爆笑)」
【GM】 「ごめん。ジャックの何を知ってるか、だよね。『お前たちには関係ないことだ』」
【シュトルム】 「『じゃあ取り引きをしよう。そっちがジャックの居場所を教えてくれたらこっちはこのくまに隠されたお前の知らない情報を教えてやってもいいぞ』
ああ、こんなにまともなこと言ってるのに、俺今蝙蝠なんだよな(笑)」
【GM】 「何かあるのか、このくまに。って感じだな。(少し考えて)じゃあ教えてくれる。『本拠を教えるわけにはいかないが、もうひとつ別に人を捕らえておくための場所がある。ジャックとやらが捕らわれているとしたらたぶんそこだろう』」
【ヴェルナー】 「なんだ、いい奴じゃん。『その場所、どこ?』」
【GM】 「『町を出て街道を少し離れた森の中に小さな家がある』」
【アンリ】 「『ありがとう』」
【GM】 「で、もうひとつ。『今なら楽に侵入できる方法があるにはあるが』」
【アンリ】 「うにゅ〜」
【GM】 「『中にいる男に「ある人に頼まれた」と言えばいい。あと、合言葉があるんだが(しまった、考えてないや。と、辺りを見回す。アンリのプレイヤーが長野五輪のスノーレッツのぬいぐるみを持っている。色は緑とオレンジ。オレンジか)…みかん』(笑)」
【ヴェルナー】 「みかん?(笑)」
【GM】 「いいじゃん、別に(苦笑)」
【シュトルム】 「じゃあ最後に言おう。『このぬいぐるみ、かなり思わせ振りだが実は何もないぞ。しかも一度分解したぞ!以上!』」
【アンリ】 「ひどい。怒ったよね?」
【GM】 「ううん。『気にしてないよ』だとさ」
【ヴェルナー】 「やっばりいいひとだよ」
【GM】 「さあ、どうでしょう」
【ヴェルナー】 「なんか謎が深まった気がする。で、『みかん』っていうのはその組織共通の合言葉のみたいなやつ?忍者の『山、川』みたいな」
【GM】 「ああ、そんな感じだと思ってていいよ」
【アンリ】 「じゃあその小屋に行ってみようよ」
【GM】 「そしたら街道からはずれた森の中に小さな小屋がある。普通に街道を歩いている人に絶対わからないような場所だ」
【アンリ】 「見に行こう」
【GM】 「いいけど、今(昼)行くの? それとも夜に行く? ムーンとシュトルムの姿がそれによって変わってくるんだけど」
【シュトルム】 「夜! 昼なんて俺、使い物にならない(笑)」
【GM】 「じゃあ夜?」
【アンリ】 「夜。あ、でも昼だったらシュトルムが窓から覗いても蝙蝠だから怪しまれないよね。GM、姿が変わるのって日没だったっけ?」
【GM】 「そうだよ。太陽の有無にかかわらず日の出と日没」
【ヴェルナー】 「夕方に蝙蝠のまま窓覗いて、日が沈んでからもう一度行くってのは?」
【シュトルム】 「あ、それいいな。そうしよう。じゃ、ちょっと偵察に行ってみよう。ムーンも来て」
【ヴェルナー(ムーン)】 「はーい。いってきまーす」
【アンリ】 「頑張ってねー」

【GM】 「小屋に近付くと、中に男が4人いるのが見える。どうやら見張りのような感じ」
【シュトルム】 「気付かれた?」
【GM】 「気付いてないよ。見張りって言ってもずっと外見てるわけじゃないし。結構ルーズだよ」
【アンリ】 「っていうか普通蝙蝠が窓の外にいても気にしないよ」
【ヴェルナー】 「それにこんな森の中に人なんて来ないと思って油断してるのかも」
【シュトルム】 「何か聞こえる? 中から」
【GM】 「何か喋ってるよ。でもかなり大きな声だから聞き耳しなくても壁に耳当てたら聞こえる」
【ヴェルナー(ムーン)】 「どんな話してるの?」
【GM】 「どうでもいいこと話してる。『飲みに行きたいな』とか」
【シュトルム】 「本当にどうでもいい話だな。でも一緒に行きたい(笑)。そうだGM、中に扉とかある?」
【GM】 「扉? 見えないよ。人が4人と、木でできた机がひとつ」
【シュトルム】 「小さな小屋だって言ってたな、そういえば」
【アンリ】 「本当に小さいね」
【ヴェルナー(ムーン)】 「部屋はひとつ? 見張りは喋ってるだけ?」
【GM】 「うん。部屋はひとつで見張りは机囲んで喋ってるだけ」
【アンリ】 「いつか見張り交代するよね」
【GM】 「そりゃ、いつかするだろうけどすぐにまた次の4人が来るよ」
【アンリ】 「交代するまで待ったほうがいいかな。でも…」

 アンリ、君、アンドリューの話聞いてなかっただろ。

【シュトルム】 「だけど合言葉があるから大丈夫じゃないか?」
【ヴェルナー】 「そうだよ。みかんだったっけ」
【シュトルム】 「取りあえずみんなのところに帰ろう。『大丈夫だと思う』って言う」
【アンリ】 「だよね、アンディーさんを信じましょう」
【シュトルム】 「さあ、行こう」
【GM】 「行く?」
【ヴェルナー】 「うん。えっと、何だっけ。『奴に頼まれた』でよかったんだったっけ」
【GM】 「『ある人に頼まれた』が正しいけど好きなようにどうぞ。あいつでも奴でも」
【シュトルム】 「あの野郎」
【アンリ】 「あの御方」
【GM】 「ご自由に。じゃ、行くね?」
【ヴェルナー】 「レッツゴー。扉を開けた!」
【GM】 「開けるんだね? そしたら中の4人が振り向いて、『誰だ』」
【シュトルム】 「奴に頼まれたって言っていいか?」
【アンリ】 「でも、もしその『ある人』がさっきのアンディーさんだとして、すごくえらい人だったら『奴』なんて言ったらだめだと思う」
【シュトルム】 「あ、そうか。それならちゃんと言う。『ある人に頼まれたんだ』」
【GM】 「『そうか』って言って手元の資料みたいなのをぺらぺらめくってから『お前たち、予定では明日来ることになっているんだが』」
【ヴェルナー】 「えー? 頼まれたっていったい何を頼まれたんだ?」
【GM】 「ところでジャックの友達は来てるの?」
【アンリ】 「来てないよ。今日は置いて来たの」
【GM】 「そう。じゃあ5人だね。『それに予定では8人ということになっているが、5人もそろって日にちを間違えるとは思えない』とか言ってるけど」
【ヴェルナー】 「どうしよう? (アンドリューに)だまされた?」
【アンリ】 「『あたしたちだけ先に来たの。だめだった?』」
【GM】 「『だめじゃないが怪しいやつらだ。悪いが本物かどうか調べさせてもらうぞ。合言葉は聞いているな?』」
【シュトルム】 「『オレンジ(笑)』」
【GM】 「お前、偽者(笑)」
【シュトルム】 「言ってみただけなのに(笑)」
【アンリ】 「まったくもう。『みかん』」
【GM】 「彼らはそれを聞いて、『合ってるよ。本人たちみたいだ。疑って悪かったな』だって」
【ヴェルナー】 「なんだぁ。よかったー」
【GM】 「次にこいつらはアンリとムーンの方を向いて名前を教えろと言ってくる」
【ヴェルナー(ムーン)】 「そんなの和らないよ!」
【GM】 「ちなみに、机の上に広けられた資料をよく見ると8人の名前が書いてあるのが見える(笑)。女の名前はマリア、ローズ、アリスの3つ」
【アンリ】 「(かわいらしく)『アリス♥』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『ローズ』」

 ちなみにここでどの名前を選ぶかでこの後がほんの少しだけ変わってくるのですが(特に男性陣)

【GM】 「じゃあ次は男の方。カインとアベルと」
【シュトルム】 「うわぁ。聖書ー(笑)」
【GM】 「(いいだろ、別に)マイクとケンとデイヴィス」
【ヴェルナー】 「今度は中学の英語の教科書に出てきそうだ(笑)」
【GM】 「(無視して)『名前は?』」
【シュトルム】 「『マイク』」
【ヴェルナー】 「『じゃあ僕はアベル』」
【シュトルム(サウス)】 「こいつ(サウスのこと)カインって顔してるからカイン」(←どんな顔だよ)
【GM】 「わかった。そしたら4人のうちの一人がアンリとムーンに『おまえらはこっちだ』と言って連れて行こうとするけど抵抗とかする?」
【アンリ】 「しないよ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「うん。ついて行く」
【アンリ】 「ちょっと待ってGM。連れて行くってどこ? こんな狭い小屋の中で?」
【GM】 「あ、ごめん。言うの忘れてた。机の下の床を開けたら地下に続く階段がある」
【シュトルム】 「秘密基地みたい」
【GM】 「それで、『マイク。お前はこっちだ』って別の一人に連れて行かれる。そして『カインとアベルはこっちに来い』」
【アンリ】 「女の子二人は一緒なのね? どこに行くの?」
【GM】 「食堂みたいな部屋に連れて来られる(iの部屋)それで、そこの流しに汚い皿がどっさりたまってるんだわ。ちなみにさっき、早めの夕食が終わったとこらしくて壮絶。下の方はいつから洗ってないのか不明(笑)」
【ヴェルナー(ムーン)】 「だいたいわかった。何をさせられるか」
【GM】 「『ここの皿を洗ってくれ、バイトくん(笑)』」
【アンリ】 「バイトだったのか(笑)」
【ヴェルナー(ムーン)】 「やっぱり。『もー、何でこんなにためちゃってるんですかぁ(笑)』」
【シュトルム】 「ためすぎ」
【GM】 「『だからバイト雇ったんだよ。明日来るって聞いてたから安心してためてたのに(笑)』」
【シュトルム】 「はっはっは。油断したな!(笑)」
【GM】 「『今日来るって分かってたらもう少しきちんとしておいたのに』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「そうよ。初めからそうしなさいよ。わざわざお金払ってバイト雇うことないのに」
【アンリ】 「別にお皿たまってたっていいのにねぇ」
【GM】 「だって皿たまってたらヤバイじゃん。飯のときどうするんだよ。それに皿も腐って臭いんだぞ」
【シュトルム】 「皿が腐るか!(笑)」
【GM】 「『うち、男ばっかりでみんな面倒がって皿洗いなんかめったにやらないんだわ』」
【アンリ】 「これが終わったら洗濯とかそういうこと言わないよね」
【GM】 「大丈夫だよ(マリアだったらそれだったのに)」
【ヴェルナー(ムーン)】 「さすがに男物を洗っのは嫌だからね」
【シュトルム】 「押し入れの中にためてたりするんだろうなぁ(笑)」
【GM】 「それじゃ、お二人さんよろしくね。ちなみに自給は5フィスらしいよ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「時給(笑)」
【シュトルム】 「今回ボーナスが多いな」
【GM】 「それで、次はマイクね。君は酒蔵(eの部屋)に連れて行かれて『壁が傷んでいるから板でも打ちつけて直してくれ。あと、時間があったら酒の在庫も調べてほしい』だってさ」
【シュトルム】 「やった!酒だ!飲んでやろう(笑)」
【GM】 「好きにして。ちなみに時給7フィス。で、あとの二人は地下二階までいって、えっと、アベル?」
【ヴェルナー】 「僕だよ」
【GM】 「君たち二人はこの部屋(r)の前にいるんだけど、そこにもう一人ここの人がいるんだわ。で、『こいつとここで見張りをやっててくれ。ま、何もないと思うけど』ちなみに中は牢屋になっているみたいだ」
【ヴェルナー】 「見張るの? 牢屋の中には誰かいるの?」
【GM】 「さぁね。扉が閉まってて中は見えないからわからない。次はカイン君…えっと、サウス。『君は牢屋の中を見張っていてほしい。中の奴等がおかしなことをしないように。今日は初めてでわからないだろうから中にいるうちの奴に教えてもらうように。慣れたら一人でするんだぞ』と言って連れて来た人は去っていく」

 ちなみに男性5人のうち、カインとアベルはバイトではなくて正式採用(?)された人です。だから牢屋の見張り番なんてやらせてもらえるんですね。余談ですが、ケンは廊下掃除でデイヴィスはコック(笑)でした。

【アンリ】 「あ。今思い出したけど、明日になるまでにここを逃げ出さないと本物のアリスたち8人が来てしまうんだ!」
【GM】 「うん。来るよ。そしたら偽者だってバレる」
【ヴェルナー】 「今日中に逃げなきゃいけないのか」

÷÷ つづく ÷÷
©2004 Jun Hayashida
Illustration ©2004 Ryoko
Map ©2004 Moyo
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