≪REV / EXIT / FWD≫

§落日の虎:第3話§

遺跡デビュー

著:龍神裕義 イラスト:林田ジュン 地図:もよ
▽ 遺跡探索へ出発 ▽ 禍つ神の目 ▽ もたらされた凶報

遺跡探索へ出発

【アイザック】 で、私たちにやってほしい仕事というのは?
【GM】 じつは、昨日の夜──キミたちがぐっすり眠ってるうちに、アルカーラ山脈を東に越えたところにあるファラリア王国という小さな国から、おつかいに行っていたメンバーのひとり、ステファノ・ペルジーニというひとが帰ってきた。
【アイザック】 ステファノというと、俺と同室のレンジャーやな。
【GM】 そう。きっと今頃、泥のように眠ってるはずやね。で、ステファノは山を越えて戻ってくるときに、古代王国の遺跡らしき街の廃墟を見つけてきたらしい。
【リザローク】 ほう。
【GM】 おつかいの帰りだったからというのもあって、あまり詳しくは探索していない。そこで、キミたちに詳しい調査を行って欲しいとのこと。もちろん、学問のための調査なんかじゃないけどな。
【アイザック】 遺失魔法や魔法の武器なんかを探してこい、ってことやな。
【GM】 そういうこと。もちろん、望みの品があるとは限らないけど、ちょっとでも戦力になりそうな物を手に入れときたいんやね。
【リザローク】 その遺跡について、詳しい情報はないのかな?
【GM】 詳しい情報がないから調べてこい、って言ってるんやけど……。ま、ステファノはレンジャー技能を持ってるから、地図を制作してくれている。だから、遺跡に行くまでの道に迷うことはないはず。あと、大きな屋敷の中で、紙片を見つけてきたとのこと。
【アイザック】 紙片?
【GM】 そう。それには、下位古代語の文字で何か書かれてある。
【リザローク】 アイザック、読んでみてくれ。
【GM】 『禍つ神の像の目を、美酒注ぐ少年の背に向けるべからず』と書かれてあるようだ。あとは、字が霞んでたりして読めない。
【リザローク】 暗号か何かかな。
【アイザック】 とりあえず、俺はその仕事を引き受けるよ。リザロークはどうすんの?
【GM】 どうするも何も、「命令拒否は、7000フィスの罰金だよ」とラザラスさんは言うよ。
【リザローク】 罰金なん??
【GM】 「キミたちの貯金は、1フィスもなかったはずだが」
【アイザック】 そこで「だ、誰か7000フィス貸してくれよ!」って、言うんやけど──。
【GM】 ──仲間から「断る。死んでこい!」と、言われるんや(笑)。
【アイザック】 ここは外人部隊かッ!?
【リザローク】 そんなことになってるんやったら、行くしかないやん。
【GM】 では、ステファノの描いた地図を受け取りました。
【アイザック】 あと、廃墟で見つけたという紙片も持って行きたい。
【GM】 んじゃ、紙片も受け取った。
【アイザック】 それから、俺の目的は遺失の魔法を探すことなんやけど、それを見つけたらもらってもいいのかな?
【GM】 「魔法使いはキミを含めてふたりしかいないし、それは構わないだろう。ただし、いちおう発見の報告は入れてくれよ」とのこと。それ以外の遺跡で見つけたトレジャーは、すべて組織に提出するように、と言われた。
【リザローク】 悪どいな。
【GM】 その代わりに報酬はひとり2500フィスもらえるし、食糧だって支給してもらえるんやから。
【リザローク】 報酬というか、給料が出んのか。で、その遺跡にはどのくらいで着くの?
【GM】 半日。ちなみに、モゴチャ村でそういう遺跡があるという噂が立ったことはない。灯台もと暗しやね。
【アイザック】 なるほどな。ということは、遺跡荒らしにあってない可能性が高いってことか。いいよ、俺はいつでも出発できる。
【リザローク】 今は朝やったな。じゃあ、出発しよう。
【GM】 わかった。順調にいけば、遺跡には今晩着くことになります。

 というわけで、ふたりは旅立つことになった。
 アジトの出口はたくさんあるらしく、ふたりが女戦士ラベタさんに案内されたのは、滝の裏の洞窟の出口に続く坑道跡を利用した抜け道だった。
 外に出たふたりは、廃墟の街を目指して出発した。そして途中、昼食を食べて休憩をしているとき──。


【GM】 崖の上から声がします。「待てぇ〜い!」
【アイザック】 なんだ?
【リザローク】 それ、聞いたことある声?
【GM】 うん、聞き覚えがある声。見上げると、そこには、色とりどりのソフトレザーを纏ったゴブリンが5匹います。「アカ!」「アオ!」「キ!」「ミド!」「モモ!」「5人そろって、ゴブレンジャー!」
【アイザック】 そのままやんけ!
【GM】 「とお!」と、5人で崖から飛び立って、「うわあああ〜!?」「た、隊長ぉ〜!!」ぐしゃっ。「お、おのれ……ぐふっ」。きっと、思てたよりも崖が高かったんやろね。
【リザローク】 終わりかぃ! いいのか、それで?!(笑)
【GM】 そういうこともありつつ、テクテク歩いたキミたちは、廃墟の街に着きました。すっかり夜で、キミたちも相当疲れています。冬の満月の青みがかった銀の光の底に佇む街は、おそらく、魔法を極めた古代の帝国時代の終わりに、魔物などの襲撃を受けたんやろね。荒らされて壊されて棄てられて、怨霊でも潜んでいそうなもの悲しい様子。
【アイザック】 街の真ン中に、でかい城とかあったりすんの?
【GM】 そういうのはないね。キミたちは壊れた街門の側にいるんやけど、そこからまっすぐ北に大通りが伸びてます。街の真ン中とおぼしき所は、円形の広場がある。そして、広場を抜けてさらに北へ、大通りは伸びています。その先には、大きな館が見えるよ。
【アイザック】 ステファノが紙片を見つけたのは、館やって言うてたな。よし、その館へ行ってみよう。
【GM】 では、キミたちは疲れた身体にムチ打って、大通りを歩いています。物音ひとつしない冷えきった遺跡に、引きずるようなキミたちの足音だけがやたら大きく響きわたり、かえって、廃墟の静寂を際立たせる。
【リザローク】 なるほど。
【GM】 近づいてみたら分かったんだけど、円形広場では、東西南北に伸びる大通りが十字に交差していた。昔はきっと賑やかだったんやろね。
【リザローク】 広場というからには、噴水でもあるんやろな。
【GM】 あるよ。正確に言うと噴水の跡だけど。噴水跡の中央には、傅く少年が大きな瓶を肩で傾ける像がある。門から入ってきたキミたちは、ちょうど正面から見ることになる。たぶん、少年のかつぐ瓶から水が流れてたんやろね。
【リザローク】 少年の像? 小便小僧じゃないんか。
【アイザック】 なんや、噴水って言うから、ライオンの口から水が出てるんかと思ってた。
【GM】 で、その噴水跡の像の後ろから、黄色く光る不気味な人影が3体現れます。
【アイザック】 [怪物判定](ころっ)。
【GM】 アイザックには、そいつがワイトだということが分かりました。
【アイザック】 ワイトか。アンデッド系やな。距離は?
【GM】 通常移動で届く距離。
【リザローク】 とりあえず、〈ターン・アンデッド〉だろう。(ころっ)ワイトBにだけ効いて、効果は『アンデッドは逃げ去る。それが不可能なときはマイナス2で行動』。
【GM】 なら、ワイトBは逃げました。残りはAとCです。

 この2匹のワイトたちに、冒険者たちは想像以上に苦戦させられた。
 まず、アイザックがリザロークのアックスに〈エンチャント・ウェポン〉をかけたのだが、ワイトにはは通常の武器は無効なので、〈エンチャント・ウェポン〉の分の打撃力でしか、ダメージが与えられない。
 アイザックは、〈エンチャント・ウェポン〉をかけてリザロークに白兵戦をさせ、なるだけ精神力を温存しておこうと考えていたようだが、ロクな打撃力を持たない武器ではなかなかダメージを与えることができず、戦闘は長引くばかり。
 そのうえ……。

【リザローク】 攻撃! (ころっ)はずした。

 リザロークの攻撃が、なかなか当たらない。その間にワイトたちは、その爪で確実にふたりの生命力を削っていた。
 ここで、傍観を決め込んでいたアイザックが、ようやく〈エネルギーボルト〉を放ちはじめた。だが、既に彼らの行動はすべてが後手。
 負傷を治すためにリザロークは〈キュアー・ウーンズ〉を唱え、その端からワイトにダメージを与えられる。精神力ばかりが減っていく、ジリ貧の戦いとなってしまった。

禍つ神の目

【アイザック】 残り精神力6点か……。こうなったら、村長のペンダントを握りしめて「どーしたらいいんだぁ!」と叫ぶ(笑)。
【リザローク】 「村長、教えてくれぇ」
【GM】 さあ、その願いが届くかどうか。

 祈りが届いたのかどうかは知らないが、9ラウンド目にして、ようやくワイトたちを消滅させることができた。

【GM】 戦いが終わり、廃墟は、以前のような静寂に包まれた。
【リザローク】 ぜーぜー。生命力が減ってるので、自分に〈キュアー・ウーンズ〉。(ころっ)くそっ、完全回復にはならんかったか。
【アイザック】 じゃあ、館へ行こう。
【GM】 休まずに行くのね。では、円形広場から北へまっすぐ延びる大通りを進み、館の門の前までやって来た。大通りの終点が、そのまま門に繋がってる。
【リザローク】 あのさ〜、そろそろキャンプ張って休まへん?
【アイザック】 それはいい考えやな。精神力回復させたいし。ただ、ちょっと廃墟から離れたところにキャンプ張らんと、やばいかも知れんよ。ワイトBが逃げたままやし。
【リザローク】 言わんかったら、GM、忘れてたかも知れんのに。
【GM】 忘れるかぃ。
【アイザック】 でも、ワイトって、壁を通り抜けて部屋とかに入ってくることはないよな。じゃあ、屋敷の中で休もうか。
【リザローク】 なら、門をくぐって館へ向かう。
【GM】 門を入って雑草だらけの庭園をまーっすぐ北に行くと、とうの昔に扉を失った屋敷の玄関にたどり着く。つまり、広場からここまで一直線なわけやね。月明かりに浮かび上がる大きな屋敷の壁には、地面から伸びた蔦がしがみつく。ガラスをなくし、壁に穿っただけの穴となり果てた窓は、数多の髑髏の眼窩のように──。
【リザローク】 わかった、わかった。要するに不気味や、ってことやろ。
【GM】 うん。夜やし、ことさら気味が悪い。
【リザローク】 また、アンデッドとか出えへんやろなぁ。
【アイザック】 玄関から中を覗いてみよう。屋敷の中はどんな感じ?
【GM】 館の中は真っ暗で、さすがに照明なしでは何にも見えない。
【アイザック】 じゃあ、ランタンに灯をつけよう。
【GM】 すると、ほのかな明かりに照らされて、館の内部が見えるようになります。どうやら、荒れ果てたホールのようだ。そしてそこには、玄関に背を向けて台座に座る、背中に蝙蝠のような翼を生やした人間大の悪魔の石像があります。
【アイザック】 [怪物判定]! (ころっ)。
【GM】 その石像は、ザルバードによく似た姿をしています。そして、600年前の彫刻家、ロイド・ホフマンの手法に酷似した特徴を持っていることがわかった。
【アイザック】 なんやねん、それ(笑)。たぶん、ガーゴイルやろ。やばいな、もう精神力あらへんよ。魔法なんか使われへん。
【リザローク】 オレの精神力半分やし、負傷してるし……。本当にガーゴイルかどうか、石を投げて確かめてみよう。
【アイザック】 で、その彫刻って、じつはめちゃめちゃ高価なんやろ。「うわあーッ、500万フィスがーッ!!」って(笑)。
【リザローク】 じゃあ、彫刻自体は狙わないよ。台座の近くに投げてみる。
【GM】 ゴン! ごろごろ……。し〜ん。
【リザローク】 反応なしか。
【アイザック】 中に入ってみよう。
【GM】 床には天井の破片だの何だのが瓦礫となって散乱しているので、足場は相当悪い。で、中に入ってみてわかったんだけど、その悪魔像の視線の先には、大きな肖像画が掛けられています。
【リザローク】 ほう、肖像画。どんな絵なん?
【GM】 髭を蓄えた、威厳溢れる初老の紳士が描かれています。それはかなり大きな絵で、縦にも横にもキミらの身長の2倍はあるね。
【アイザック】 でかいな〜。じゃあ、ここで、ステファノが持って帰ってきたという、紙片を読み返してみよう。
【GM】 『禍つ神の像の目を、美酒注ぐ少年の背に向けるべからず』
【アイザック】 少年の背?
【リザローク】 肖像画はおっさんなんやろ? その絵と謎の石像が、向かい合ってるんやろ。
【GM】 うん。
【アイザック】 え〜、待ってよ、待ってよ、待ってよ。『美酒注ぐ少年』……ひょっとして、俺のことやろか。俺が石像に背中を見せるとか(笑)。
【リザローク】 やってみろよ。後ろから矢が飛んでくるかも知れんぞ(笑)。だいたい、おまえ、オレと同じ26歳のはずやろ。少年とはいえんな。
【アイザック】 じゃあ、肖像画を裏返してみるとか……あっ、でかいんやったな。
【リザローク】 とりあえずさ〜、今夜は休んで精神力を回復させて、明日、明るくなってから詳しく探索したほうがいいと思うんですけど〜。
【アイザック】 う〜ん……。この館って、ここしか部屋ないの?
【GM】 2個ばかり戸口があったけど、その先はいずれも瓦礫の埋もれてしまってます。
【リザローク】 休めそうな場所はなさそうか。
【アイザック】 おまえ、さっきから休むことしか考えてへんやろ。ちょっとは謎解きに協力してくれよ。
【リザローク】 でも、現時点での材料では、謎は解けんと思うぞ。
【アイザック】 いや、考えればわかるはずや! ……『禍つ神の像』……悪い神の像ってことやな。たぶん、それはこの悪魔の石像のことやと思うんやけど、問題は『美酒注ぐ少年』やねんな。
【リザローク】 肖像画はおっさんの絵やしな。
【アイザック】 ──あっ、そういうことか。はいはいはい、それでかぁ!
【リザローク】 何なん?
【アイザック】 だから、『美酒注ぐ少年』やん。おったやろ、円形広場に。
【リザローク】 ああ、あの噴水の像のことか。そういえば、広場からこのホールまでまっすぐに繋がってる、って言いよったな。
【アイザック】 悪魔の石像を180度回せばいいんだ。その石像って動くの?
【GM】 試すんやね。台座ごと動きそうやけど、いまは動かない。どうやら、台座と床の隙間に埃や何やらが挟まってしまって、キミひとりの力ではどうしようもなさそう。
【リザローク】 じゃあ、ふたりがかりで押してみよう。友情のパワー!
【アイザック】 首だけポキッて折れてまうんやろ(笑)。そうならないように、台座と床の隙間に油を流しこんでおこう。
【GM】 では、悪魔像はみごとに回りました。そして、その視線が中央広場の少年像に向いたとき、肖像画が左へスライドして隠し扉が口を開けました。どうやら、その先は地下へ下りる階段があるようだね。
【アイザック】 行ってみよう。
【GM】 階段を下りきると、前方へ通路が延びています。その先には扉があるよ。
【リザローク】 中に入ってみよう。
【GM】 扉に鍵はかかってなかったので、簡単に中へ入れる。中は部屋で、奥に向かって左右の壁にひとつずつ扉がある。ついでに、部屋にはホールで見たのと同じ石像が2体、向かい合って置かれてあるよ。その像の背には蝙蝠のような翼が生えていて、それがパタパタと動く。そう、石像が動きはじめたのだ!
【アイザック】 ……逃げよう。奴らがこの部屋を守るための魔物やったら、部屋から出て来ることはないと思う。
【GM】 逃げるんやね。じゃあ、キミたちは玄関口のところまで逃げて来た。その後を、悪魔像たちが追いかけて来ている。2体の悪魔像は、肖像画の前まで迫ってきてるよ。
【リザローク】 倒すしかない。〈ファイア・ウェポン〉かけてくれ。
【アイザック】 無理。精神力が残ってへん。
【リザローク】 じゃあ、逃げるッ!
【GM】 大通りに出ました。悪魔像はまだ追いかけてきます。ちょっとずつ離れてきたけど。次のラウンド。
【リザローク】 ふた手に分かれて逃げるってのは?
【アイザック】 いや、相手も2匹やねんから、無駄でしょう。

 冒険者たちはひたすら逃げる。逃走するっ! 敗走するッ!! ふたりの敏捷度が高いおかげもあって、街から出た頃には、悪魔像たちはあきらめて悔しそうに館の方へと引き上げて行った。

【アイザック】 あいつらは何だったんだろう。[怪物判定](ころっ)。
【GM】 アイザックは名前すら知らない。
【リザローク】 「村長、教えてくれ」と、ペンダントに祈る。
【GM】 すると、「あいつはな〜、ニョムファンバという怪物ぢゃ」と声がする(笑)。
【アイザック】 「そうか、なるほど〜。メモっとこう」……最悪や(笑)。
【リザローク】 この辺で、テントでも張って休まれへんか?
【アイザック】 俺はテントなんか持ってないぞ。……おまえも持ってへんやんけ!
【GM】 じゃあ、野ざらしで寝るしかないな。と言いたいが、キミたち、毛布も持ってないわけ? マントだけしか持ってないの? いま、冬やで。
【リザローク】 死ぬかも知れんってか?
【アイザック】 とりあえず、手近な廃屋に行こう。霜や風がしのげればええわ。あと、見張りについてるほうが、焚き火の番をしとけばええんやしな。
【GM】 では、近くの家に入りました。とうぜん、中は瓦礫やら何やらでゴチャゴチャしてるけど、なんとか休めそうだね。
【アイザック】 え〜っと、精神力を回復させるには、8時間以上眠らなアカンのか。じゃあ、リザロークが先に8時間寝ろ。その後に俺が8時間寝る。
【リザローク】 わかった。〈キュアー・ウーンズ〉で傷を治してから、気絶するようしてに眠る。
【GM】 では、合計で16時間の休憩ということやね。(ころっ)凍死することもなく、魔物に襲われることもなく、無事に16時間が経過した。いまは翌日の昼2時ごろです。
【アイザック】 じゃあ、昨日の館に再挑戦しよう。

もたらされた凶報

 昨夜遭遇した悪魔像たちは、あの地下室(Aの部屋)に戻っていた。

 そして、ふたりのリベンジが始まる。
 アイザックに〈ファイア・ウェポン〉と〈プロテクション〉の魔法をかけてもらったリザロークが、2匹の悪魔像と戦う。今日は、アイザックも最初から〈エネルギーボルト〉を飛ばして、しっかり援護する。
 魔法で悪魔像Aをしとめたアイザックに対して、リザロークのアックスはなかなか敵に当たらない(当たってもダメージが悪い)。
 そうして手傷を負いながら苦労すること11ラウンド、なんとか悪魔像たちを粉砕した。

【アイザック】 とりあえず、その像の破片、踏んどけ。「こいつめ、こいつめ!」(笑)
【リザローク】 んじゃあ、右の扉から出て行く。

 その先は通路になっており、T字路に繋がっていた。それを右に折れた冒険者たちは、たどり着いた部屋(E)で、ひとつの宝箱を見つける。リザロークが喜び勇んで宝箱を開けると、仕掛けられていた眠りのガスが噴き出した。

【リザローク】 (ころっ)[精神力抵抗]成功! で、宝箱には何か入ってる?
【GM】 何にも入ってないね。
【アイザック】 無駄足だったか。

 先ほどのT字路を挟んで対面にある部屋(D)では、チェスト・イミテーターに襲われ、ふたりは、命からがら悪魔像の部屋(A)まで逃げてきた(リザロークはお尻を噛まれた)。

【アイザック】 扉を閉める。
【GM】 すると、チェスト・イミテーターはしばらく扉に体当たりしてたけど、そのうち諦めてしまいました。手がないから扉開けられなかったんだね。
【リザローク】 じゃあ、今度は、悪魔像の部屋(A)の左の扉から出て行こう。

 その先もT字路になっていた。どうやら、このダンジョンは悪魔像の部屋(A)を挟んで、左右対称に造られているらしい。部屋と宝箱の配置まで同じだった。ふたりは部屋(C)に来た。

【GM】 やはり、部屋の中央に宝箱がひとつ置かれてあります。
【アイザック】 さっきのこともあるからなぁ……とりあえず、小石を宝箱に投げて、様子を見てみよう。
【GM】 小石は宝箱に当たったけど、とくに反応はありません。
【リザローク】 じゃあ、さっきの魔物とちゃうねんな。部屋に入って宝箱を開ける。
【GM】 すると、宝箱からガスが噴き出します。[精神力抵抗]してください。
【リザローク】 またか……(ころっ)失敗。
【GM】 なら、リザロークは眠ってしまいました。
【アイザック】 しゃあないな、メイジ・スタッフで叩いて起こそう。
【GM】 リザロークは飛び起きました。「ごめんよ、リム〜!!」(笑)
【リザローク】 ああ、条件反射だ〜。

 そして、T字路を挟んで対面にある部屋(B)には、やはりチェスト・イミテーターがいた。今度は、事前に小石を投げて確かめておいたので、魔物が動きだした瞬間に部屋の扉を閉めて、難を逃れた。

【アイザック】 う〜む、いちおう行けるところは全部行ったか……。あとは隠し扉やな。とりあえず、悪魔像がいた部屋(A)で隠し扉を探してみよう。
【GM】 キミたちは、悪魔像と戦った部屋(A)に戻って来ました。そこで隠し扉を探すんやね?
【アイザック】 扉がない壁は一面しかないから、そこを重点的に探す。
【GM】 なら、すぐに隠し扉は見つかりました。くるりと回転して、奥に続く通路が口を開けます。
【リザローク】 おお! よっしゃ、行ってみよう。
【GM】 通路の向こうは、部屋(F)のようだね。その中央には悪魔像が1体、キミたちの方を向いて台座に座ってる。台座の前には、宝箱がひとつあるのが見える。
【リザローク】 悪魔像か……アイザックは精神力どないなん?
【アイザック】 いや〜、もうあと2点しか残ってないよ。
【リザローク】 そんなら〈トランスファー・メンタルパワー〉で5点渡す。(ころっ)成功。悪魔像が動いたら、すぐに魔法で攻撃してな。
【アイザック】 わかった。部屋の前で、いつでも魔法をかけれるようにしとく。
【リザローク】 オレは部屋に入って、とりあえず、宝箱をアックスの先で小突いてみる。
【GM】 とくに反応はないね。
【リザローク】 ほんじゃ宝箱を開ける。
【GM】 しかし、蓋が開きません。鍵がかかっているようだけど、鍵穴らしきものが見当たりません。
【アイザック】 その部屋を詳しく調べてみよう。
【GM】 それら以外に見当たるものはないよ。
【アイザック】 う〜ん……その像を回してみるとか。触っても大丈夫?
【GM】 触ってみても、さっきの魔物のように襲いかかってくることはないよ。しかし、ホールの悪魔像のように回転させられるような感じでもないね。
【アイザック】 ……さっきの攻撃してきた悪魔像は向かい合ってたんやんな。
【GM】 そう。
【リザローク】 この悪魔像と対になるやつを探してくるとか。
【アイザック】 てゆーか、ホールの悪魔像はいま、外を向いてるやろ。あれを元通りに肖像画の方に向けるねん。そうしたら、この悪魔像を見合う形になるやん。
【リザローク】 なるほど。じゃあ、オレがここに残っとくから、アイザックが悪魔像を動かしてきてくれ。
【GM】 では、アイザックはホールに戻って来ました。一度、油を注ぎ込んで動かしてるんで、何とかひとりでも動かせそうだね。動かせたかどうか、ダイスで判定してみよう。
【アイザック】 (ころっ)成功!
【GM】 すると、ホールの悪魔像は、元通りに地下道の方を向いた。それと同時に、肖像画が右へスライドして地下道への入口を塞ぐ。リザロークの目の前の宝箱からは、カチリという何かがはずれるような音がしたよ。
【リザローク】 よし、宝箱を開けてみる。
【GM】 宝箱の中には、片手で持てるぐらいの大きさの水晶の彫刻が3つ入ってます。水晶球を頭と羽と尻尾で支えるドラゴンが、台座に座る彫像です。
【リザローク】 3つとも持って帰ろう。肖像画の裏まで行って、アイザックに「開けてくれ」と合図する。
【アイザック】 開けよう。開くかな?
【GM】 もう、2回も動かしてるから、最初よりかは動きやすくなってる。悪魔像は回転して、肖像画は左へスライドしたよ。
【アイザック】 じゃあ、とりあえず水晶の彫像を見せてくれ。セージ技能で[宝物鑑定]してみる。(ころっ)。
【GM】 残念だけど、それが水晶の彫像であること以外は、何もわからなかった。
【リザローク】 とりあえず、ガーヴェン本部へ戻ろう。外へ出てる。
【GM】 しばらくぶりに外に出ると、もう夕方でした。西の山に夕日が沈みかけてるね。ちなみにその方向に、レジスタンスの本部はあります。
【アイザック】 なるほどな、俺らは太陽に向かって走らなアカンわけか。
【リザローク】 「夕日が目に染みるぜッ! うおおおお〜」と、走って帰ろう(笑)。
【GM】 帰って来るのは非常に早い。あっという間に本部に着きました。ラザラスさんが「ご苦労さん」と。迎えてくれます。
【リザローク】 「これが今回のトレジャーです」と、水晶の彫刻を3つとも渡そう。「それが何か、後で教えてね」
【GM】 「わかればね」。そして、報酬としてひとり2500フィスをもらいました。
【リザローク】 オレ、鎧を買い換えたいんやけど……ハードレザーじゃ辛い。
【GM】 残念だけどね、武器屋がないのよ。レジスタンスにもモゴチャ村にも。「メカリアで契約を結んだ武器職人が、まだやって来ないんだ。いま、迎えを出してるから、近いうちに好きな防具が買えるようになるよ」とは、ラザラスさんの言葉。
【リザローク】 キャフタに行くことはできへんの? レジスタンスやということを隠して。
【GM】 そうやな、顔が割れてるキミたちには無理だろうけど、他のメンバーなら可能でしょうな。
【リザローク】 ほんじゃ、仲間におつかいを頼めばええんや。
【GM】 ヒマがあれば、やってくれるかも知れないね。そのとき、メンバーのひとり、グラスランナーのハックが、本部会議室に駆け込んで来ました。「た、大変だ〜」
【アイザック】 何が大変なん?
【GM】 「カリーニョ村が滅ぼされたァ!!」
【アイザック】 は? 無理無理(笑)。カリーニョ村は絶対、滅ぼされへんって。だって、リムがおるねんで?
【リザローク】 うんうん。
【GM】 ふたりともそういう反応をするんやね。でも、ハックの様子は、ただ事でなさそうだよ。
【リザローク】 ひょっとして、ホンマなん?
【GM】 その真相は次回ということで。

÷÷ つづく ÷÷
©2001 Hiroyoshi Ryujin
Illustration ©2001 Jun Hayashida
Map ©2001 Moyo
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