まえがきでも申し上げたとおり、『L'Histoire du Lemuria』の舞台はCrazy
Hevenオリジナルの世界です。
ただし、ソード・ワールドRPGで遊ぶために、世界構造の根本は基本的に同じです。神様がいて、精霊がいて、滅びた古代魔法王国があります。
とくに、リプレイ第1作の『伏魔の街ルニオール』の舞台であるメカリア王国周辺は、実際のプレイの舞台が、フォーセリアのエレミア王国であったため、エレミア周辺を模したものとなっています。
しかし、オリジナル世界を作り始めて時間が経過するとともに、徐々に設定がフォーセリアから離れ始め、説明なしではわかりづらくなってきました。
というわけで、オリジナル世界レムリア大陸を、少しばかり紹介させていただきます。
下の地図が、『L'Histoire du Lemuria』の舞台であるレムリア大陸です。上が北です。
ご覧のとおり、レムリア大陸は5つの地域によって構成されています。
いちばん北の赤色が、“オムスク地方”。
リプレイ『伏魔の街ルニオール』『竜婚の贄姫』『狂信者たちの宴』の舞台であるメカリア王国、リプレイ『落日の虎』のカルファン王国、リプレイ『烙印の天使』『銀月の歌』のオレンブルク王国と邪神の眠る島などがある地域です。
大陸中を巡ったリプレイ『久遠の旅人』のスタート地点も、オムスク地方でした。
その下、黄色が“ミドル地方』。
リプレイ『久遠の旅人』第2話でキャラクターたちが訪れた地域です。
さらに下って、緑色が“アリステア地方”。
リプレイ『輪廻の聖者』の舞台、セフェリア王国がある地域です。また、リプレイ『久遠の旅人』では、第3話でキャラクターたちが訪れてます。
その西、ピンク色が『サリア地方』。
リプレイ『久遠の旅人』第4話でキャラクターたちが訪れました。また、勇者シュカに深く関わりがあると言われています。
また、そのはるか南には、リプレイ『失翼の魔術師』の舞台になった島があります。
そして大陸西の端、青色が“省地方”。
他の4つの地方と、かなり毛色が変わった特殊な地域です。リプレイ『久遠の旅人』第5話の舞台になりました。
5つの地方それぞれに、さまざまな特色を持った王国や地域があります。それは、おいおい紹介していきたいと思います。
ちなみに、世界にはレムリア大陸の他にも、まだ大陸はあると言われています。
レムリア大陸を含むこの世界は、創造神または造物主と称されるユピノスという神様によって、『混沌』と呼ばれる存在から造り出されたといわれています。
創造の主でありながら、このユピノスはかなりマイナーな神様で、信仰の対象となることはまずありません。どうやらユピノス様は、すでにこの世界が存在する次元から離れてしまったようで、いくら祈っても神聖魔法のような奇跡を受けられないからです。
ところで、レムリア大陸のある世界(星)は、元からそのように造られたものではなく、2つの異なる世界(星)から偶然に生まれたとされています。
ユピノスは世界が存在すべき次元(つまり宇宙)から造りはじめ、そこに世界(地となる星)を浮かべ、海を造り、大陸を造り、そこに存在するものを造っていくのだといわれています。
もともとは、この宇宙には2つの星がありました。現在、人間たちが『妖精界』『妖魔界』と呼んでいる世界です。
光の世界『妖精界』には、支配・運営者としていわゆる光の神々を生み、配置しました。さらに、その眷属としてエルフ、ドワーフ、グラスランナーなどを生み出し、与えました。
闇の世界『妖魔界』には、同じく支配・運営者としていわゆる闇の神々を生み、配置しました。そして、その眷属としてダークエルフ、コボルド、ゴブリンなどを生み出し、与えたのです。
ユピノスがなぜこのような世界創造を行なったのかは、誰にもわかりません。一説では、「第7番目の世界の失敗を鑑み、第8の世界はこのように造ったのだ」と、されています。
第7の世界の失敗というのがどういうものか、また、そもそも7番目の世界というものが存在するのかどうか、はっきりとはわかりませんが、とにかく、この『第8の世界』の創世もうまくいったのかどうか怪しいものです(ユピノスの世界創造の意図はわからないのですから、何をもって成功とするのか判断しかねますが)。
第8の宇宙に浮かぶ2つの世界は、永い永い時を経て、やがてぶつかってしまったのです。
『妖精界』『妖魔界』はともに半分ちかく星をえぐられ、3番目の世界、レムリア大陸の存在するいわゆる『人間界』が誕生したのです。
そして己が世界の失った分を取り戻すため、光の神々と闇の神々は、第3の世界(人間界)の争奪戦を始めました。それぞれの眷属たちを兵士として第3世界に送り込み、また、自らも戦いに身を投じたのです。
けっきょく神々の戦いは共倒れに終わり、肉体を失った神たちはエネルギー体となり、虚空に飛散したのです。また、生き残った妖精・妖魔の戦士たちは己が世界に戻る術を失い、この第3世界で生きることとなったのです。その生き残りの末裔たちがもっとも多く住んでいるのが、オムスク地方ダンフリーズ王国ファラリア西に広がる森、『残されし者の森』です。
さて、倒れた神々の血、肉から、新たな種族が生まれ出ました。それが人間です。
人間たちは交わることを好むようで、あっという間に大陸中に繁殖しました。現在、人間がその内に光と闇を併せ持っているのは、光と闇の神々の血を受け継いでいるからだとされています。
ちなみに、レムリア大陸に昼と夜があるのも、光と闇の世界の両方が交じり合ってできたからだといわれています。
ところで、半分の大きさになってしまった『妖精界』『妖魔界』ですが、これらはいまも第3世界と同じ宇宙に存在しています。レムリア暦518年以前は、時空の門を使って往来することも可能でした。
しかし、古代魔法王国を滅ぼす元凶となった、1度目の魔王(妖魔の王)との戦争後、妖魔界と通じる門が閉ざされ、レムリア暦518年の2度目の魔王との戦争『クラリオン大戦』後、妖精界と通じる門が閉ざされました。
レムリア大陸の神様たちは、メジャーなものもマイナーなものも、皆、創造神ユピノスによって混沌から造り出されました。
ちなみに、レムリア大陸の神様は、基本的にソード・ワールドで用意された神様と名前が違うだけです。下に挙げるのは、メジャーな六神です。
マイナーな神には、現段階で以下のものがあります。
その内、何人かの神様は、その後、設定が造られました。
至高神シルファスは、法と秩序を重んじる女神で、他の神々と違ってユピノスの実子だそうです(ユピノスのお相手が何者なのかは、彼女にもわかりません)。また、一般に暗黒神と呼ばれる自由を司るクートラも、ユピノスの実子です。つまり、この二神は姉弟ということになります。
シルファス、クートラをはじめ、上にあげた現在主に信仰されている六神は、すべてかつて妖精界を運営していた、いわゆる『光の神々』です。
そして、妖魔界の『闇の神々』との戦争の最中、クートラは姉や仲間たちを裏切り、妖魔界側につきました。闇の神々の中に、とても美しい女神がいたからです。
メジャーな六神のひとりであるにも関わらず、クートラが『暗黒神』と蔑称されているのは、神話の時代の裏切りのためです。ただ、熱心な信者が数多く存在するのも確かで、中には国教にクートラを選んでいる国すらあります(どうやって国家を運営してるんだろう……)。
しかし、そうは言ってもクートラの信者はやはり、世間一般からは軽蔑の対象になってしまいます。とくにシルファスの信者からは、憎悪の目で見られてしまいます。
この二神以外で設定が決まっているのは、幸運神ノプス。酒と宴をこよなく愛する、赤ら顔の太っちょの陽気な神様です(肉体は失われていますが)。金のゴブレットを常に胸に下げています。