▽ いきなり王城ご招待 | ▽ 謎の熱病 | ▽ 容疑者多数 |
【GM】 では新たなキャンペーンを始めます。舞台はレムリア暦552年のサリア地方。
昔書いた地図がレムリア歴540年のやつやから、国の状況がかなり変わってるけど。
まず、独裁者がいる国サイフォンがついに領土拡大しました。
【ヨッヘン】 自由都市レダがついに取られてしもたんや。
【リーディス】 あらー。
【ヨッヘン】 独裁者が他の人に替わったらしいで。
【GM】 そう。昔の無能独裁者から、頭いい人に代替わりしてん。
【ヨッヘン】 無能独裁者って、周りの国を怖がってて手ぇ出せずに困っとった奴やんな。
【GM】 そう。で、西側にも国ができてん。サリア地方西部の独立都市が合併してサイード連合王国になったから。
それで、サイフォンと連合王国の両方がそれぞれアルファンを狙っているというのが現在の状況ね。アルファンはかなり困ってる。
【ヨッヘン】 挟まれてるもんな。
【リーディス】 そりゃ困る。
【GM】 で、挟まれて困ったアルファンは、上に伸びてみようって思ってん。
【リーディス】 広範囲な(笑)
【GM】 だから、上のミドル地方に伸びる道を作ることにした。ていうか作り始めたとこなんやけどな。
【ヨッヘン】 着工したところか。樽をパーンて割る儀式とかして、テープをハサミで切ったり。
【リーディス】 それ、ちゃうやろ。
【セフィーロ】それは開通祝いやで(笑)
【リーディス】 今から神主さんが来てお払いとかするのが着工式。
【ヨッヘン】 あ〜。
【GM】 で、その着工式を始めたのが、2ヶ月ぐらい前。
【ヨッヘン】 ホンマに、やり始めたとこやな。
【GM】 そんな時代のアルファンで、キミら3人は出会いました。
【ヨッヘン】 そうなんか。もう知り合ってる設定か。
【セフィーロ】 エルフがいる。珍しい。
【ヨッヘン】 ロッコウから下りてきた。
【セフィーロ】 たぶん、地元では見たことなかっ……たんかな?
【GM】 あった気もせんでもないな。
【リーディス】 だって旅人やから、君。
【セフィーロ】 じゃあ知り合いのエルフに似とったから声かけて知り合ったことにしよう。
【GM】 うん。じゃあ、みんなが街をうろついてたら、なんか、すごい頼りなさそうなサラリーマンみたいな人が「すみません、冒険者の人ですか?」って言ってくる。
【リーディス】 「そうみたい」
【ヨッヘン】 「そうです」って言う。普通に。
【GM】 「王様に『冒険者を連れて来い』って言われて、探してるんですけども。お城まで来て、欲しいんですけど…」
【ヨッヘン】 王様ってアルファンの王様?
【GM】 うん、アルファンの王様。
【ヨッヘン】 「いいよ」って答える。
【リーディス】 ふたつ返事や。
【セフィーロ】 うん、暇やし。
【GM】 「見つけて来ないと、僕、クビなんですよぅ」
【リーディス】 それは困るな。
【ヨッヘン】 「じゃあ、行ってあげます」って言う。
【セフィーロ】 人助けやと思って、ついて行ってあげる。
【GM】 そしたら名刺くれる、「はい」って。
【セフィーロ】 「ちょうだいしまーす」
【GM】 名前はスティンク。
【リーディス】 お城から来たんやろ? お城の人やんな。
【GM】 そうだよ。一応王様直属の家来。工事の管理を任されてるらしいけど。
【リーディス】公務員さんや。
【GM】 でも頼りなくて大変。
【ヨッヘン】 『頼りない』と。メモメモ。
【GM】 31歳、妻子持ち。
【リーディス】 大変や、子育ての費用かかるで。
【セフィーロ】 子供、まだ小さいんやろ? 10歳ぐらいやったら嫌やな。
【リーディス】 まあ、それはそれで。
【セフィーロ】 あり得るけど。
【ヨッヘン】 じゃあ、王様のとこに行こうか。
【GM】 ならスティンクがお城に連れて行ってくれるよ。
【ヨッヘン】 どんなお城か見てみる。
【GM】 ん。真っ白で、なんかドイツの城みたいな感じ。
【セフィーロ】 立派なんや。
【ヨッヘン】 おー。
【GM】 外観にだけこだわったなぁ、みたいな。防衛のこととか考えてないなー、みたいな。
【リーディス】 イエー。
【ヨッヘン】 アルファンやからね。ここって観光国家やろ?
【GM】 うん。だから見た感じがきれいやったら、それでよしみたいやで。
【ヨッヘン】 いいか〜?
【リーディス】 撮影場所やな。
【GM】 誰も攻めてこんやろ〜って思てたら、攻めてきそうになって大変やねん。
【セフィーロ】 こんな造り、やめときゃよかった〜って。
【リーディス】 シンデレラ城みたい。
【GM】 でも戦争向きの城にしたら、観光客来なくなるし。見た目だけ立派。
【ヨッヘン】 見た目に立派やから、入ろうと思う。
【GM】 もちろん、入れてくれるけど。
【ヨッヘン】 ふぉ。じゃあ、入った。
【リーディス】 入った〜。お城や〜。
【GM】 中も豪華な感じやで。大理石をふんだんに使用してるし。奥のほうに、王様の部屋があります。
【リーディス】 そんなとこまで行けるの?
【GM】 うん。
【リーディス】 すげー。
【GM】 スティンク、王様直属やからね。こう見えてけっこう偉いねん。頼りないけど。
【リーディス】 『じつは偉い』ってメモしとき。
【ヨッヘン】 で、王様は?
【GM】 王様、いますよ。髭の爺ちゃん。
【ヨッヘン】 「呼ばれたので、来ました」って言う。
【GM】 王様は君らを見てスティンクに「ワシは『強そうな冒険者を連れて来い』って言ったんじゃぞ」って言う。
【リーディス】 私ら、見た感じ弱そうやしな。
【GM】 なんかレベル低そう、って感じで見られてるねえ。
【リーディス】 実際低いし。
【ヨッヘン】 「レベル2ですが?」
【GM】 でもスティンクさんが、「えー? でも、杖とか持ってたら強そうじゃないですか。エルフもいるから強いですよ」とかって、めっちゃ頑張ってる。一人で。
【ヨッヘン】 耳、こうやって動かしてみる。ピクピク。
【GM】 「ほら、強そう!」とか言うて、王様が「ホンマかよ?」みたいな。あ、王様の名前考えるの忘れてた。何でもいいや。名前なんかいらんよね?
【ヨッヘン】 『イランヨネ』にしてしまお。
【GM】 それは嫌。じゃあ――ムスタファ……アル……マジロ? 3世!
【ヨッヘン】 『ムスタファ』が名前で?
【GM】 『アル』がミドルネーム。『マジロ』が名前。3世。
【ヨッヘン】 3世なんや。2人もおったんや、こんな名前の奴。
【リーディス】 なんか、動物みたいな王様になってしまった。
【GM】 転がるのが大好きやから。
【ヨッヘン】 『転がるのが大好き』ね。
【リーディス】 書くなよ!
【GM】 書かんでいいよ! 転がるのは冗談や!
じゃあ王様が喋りだす。「この国が隣の2つの国から狙われてるのは、知っておるじゃろう?」
【セフィーロ】 「知ってる」
【リーディス】 「それは大変やね」
【ヨッヘン】 俺知ってんの? エルフやねんけど。
【GM】 知ってたかったら知っててもいいし。
【ヨッヘン】 じゃあ、知力でちょっと判定したいけども。
【GM】 なら、8が出たら知ってることにしよう。
【ヨッヘン】 何技能で?
【GM】 セージ?
【ヨッヘン】 それがないねんな。
【GM】 じゃあ、何もなしで。
【リーディス】 けっこう厳しいで。
【ヨッヘン】 (ころっ)
【GM】 あ、知らない。
【ヨッヘン】 「そのようなものは初耳だ」と答える。
【リーディス】 「あれ〜、言うてなかったっけ?」
【GM】 「両隣に強い国が2つもできてしまったのじゃ。ワシらの国は観光しか能がないから、そんなのに攻められたら防ぎきれんのじゃよ」
【リーディス】 そうやろな〜。
【GM】 「仕方なく南のノスレア大公国に助けを求めたのじゃが、あそこは学術国家で争いを嫌いよってな。手を貸してくれぬというわけじゃ。それで北のハインベルのほうに道をつなげて何とか援軍をと思って最近工事を始めたのだが、どうやらそれを邪魔する奴がいるようなのじゃ」
【ヨッヘン】 たぶん、サイフォンやと思う。
【GM】 王様もそう思ってる。
【ヨッヘン】 おー、意見が合った。「合いましたなぁ」
【GM】 「合いましたな」
【リーディス】 おまえ、何者や。ロッコウの出身のくせに。
【GM】 何でも、工事の作業員が次々と謎の病気で倒れてるらしい。
【セフィーロ】 おぉ〜。
【ヨッヘン】 それは呪いですか。
【GM】 「その原因を、探して欲しいのじゃ」
【ヨッヘン】 「わかりました」
【GM】 「見つけてくれた暁には、欲しい物をあげようのう」
【ヨッヘン】 「では、髭を」
【GM】 「かまわぬぞ」
【ヨッヘン】 髭エルフになるで、ついに(笑)
【GM】 「では、工事現場の詳しいことは、スティンク君に聞いてくれたまえ」
【セフィーロ】 うん?
【リーディス】 ああ、さっきの頼りないサラリーマン、31歳。
【GM】 スティンクは王様に「この冒険者がダメだったら、おまえはクビじゃぞ」って言われてる。
【リーディス】 連帯責任や。
【GM】 「私のために、なんとかしてくださいよ〜」
【ヨッヘン】 「わかりました〜」
【セフィーロ】 じゃあ、とりあえず根拠のない自信で、引き受けた。
【リーディス】 さすが、アクアマリン。
【セフィーロ】 胸を張って。
【リーディス】 なんで、そんな自信満々に引き受けたん?
【セフィーロ】 うん。これを足掛かりにして名をあげていこうかと。
【ヨッヘン】 さすがアクアマリンの血や。で、どうしましょう? とりあえず、サイフォンが怪しい。
【リーディス】 うん。
【ヨッヘン】 サイードも怪しいかも知れんけど、サイフォンのほうが見た目に怪しい。
【リーディス】 見た目に?
【ヨッヘン】 独裁者やからな。
【セフィーロ】 とりあえず、話を聞きたい。スティンクに。
【GM】 スティンクは、ひょこひょこついて来てるけど。
【セフィーロ】 「詳しい話、聞きましょうか」て。
【リーディス】 洗いざらい(笑)
【GM】 「その言い方、私が悪いことしたみたいじゃないですかー! 何もしてませんよー!」
【ヨッヘン】 じゃあ、ポンポンと肩叩いて、「僕だけは味方だからね。話してごらんよ」
【GM】 「街の北に山をぶち抜くトンネルを掘る作業場があって、30人の作業員が働いてるんですよ」
【ヨッヘン】 ほう。
【GM】 「で、作業員がサイフォンとかの人に狙われたら困るので、閉鎖空間を作ってずっとそこに泊まって作業してもらっています」
【ヨッヘン】 ほうん、現場に泊り込み?
【リーディス】 銀山鉱みたいやな。
【GM】 雇った人ごとに期限があって、それが終わったら他の人が来るとか、そんなふうになってる。みんな、半年契約とかで。
【ヨッヘン】 ほうほう。
【GM】 「でも、1週間ぐらい前から謎の熱病で倒れる人が出てきて困ってるんです。医者に見せても『こんな症状の病気は知らん』って言うんですよ」
【セフィーロ】 そうなんや。
【GM】 うん。「原因がわかんないから、それを突き止めて欲しいんです」
【セフィーロ】 とりあえず、それはみんな同じ症状なん?
【GM】 うん、みんな同じ症状で、発症するのは1人ずつらしいね。
【ヨッヘン】 ほう。
【GM】 「私も、その医者に聞いたから、症状とかはよくわからないですけどね」
【ヨッヘン】 じゃあ、7人倒れたんか、今まで。1週間前からやろ?
【GM】 あ、毎日じゃないねん、別に。
【セフィーロ】 何人倒れたん?
【GM】 えっと、5人。
「だから、今働けるのが25人です。でもこの熱病のせいで士気が低下してるんですよ〜」
【リーディス】 そら、怖いもんな。
【セフィーロ】 新種の病気かも知れんし。
【GM】 「で、今までなら無条件で作業場に入れて面会とかしてたんですけど、熱病が発生してからはそういう人を9人にまで制限しました」
【ヨッヘン】 今?
【GM】 うん、今。
【ヨッヘン】 ほう、9人。
【GM】 その9人もスティンクから許可証をもらってる人だけ。一応審査があったらしい。
【セフィーロ】 じゃあ、今のところはその作業員以外に9人の部外者が出入りできるってことか。外部でその症状が出てる人はいてへんの?
【GM】 今のとこ、鉱山の人だけ。外から来た人は何もなってない。
【セフィーロ】 神殿は何もしてへんの?
【ヨッヘン】 治療に来たりとか。
【GM】 ああ、そういうのは医者がやってるみたい。普通の熱の薬とか、色々飲ましてるらしいよ。
【ヨッヘン】 でも治らない、と。
【リーディス】 悪化したりとかは?
【GM】 悪化したりしてる人もいる。
【ヨッヘン】 最初の人はどうなったん?
【GM】 最初の人は、まだ治る気配なし。
【ヨッヘン】 気の毒に。治った人もおんの?
【GM】 まだいない。
【セフィーロ】 病気の人と話は出来るの?
【GM】 うん。できる、けど――
【ヨッヘン】 どこにおんの。
【GM】 鉱山の中。外には出してないねん。
【ヨッヘン】 神殿に入れたら、アカンの?
【GM】 「いや〜、なんか、余計、狙われそうじゃないですか〜」
【ヨッヘン】 いや、神殿――
【GM】 「それに、謎の病気だったら街に出して広まったら大変じゃないですか〜」
【ヨッヘン】 そうやなぁ。
【GM】 「僕のせいになるんですよ? どうしてくれるんですか」
【リーディス】 逆ギレしてるで、話してる最中に(笑)
【セフィーロ】 たぶん、王様にいびられてんねん。
【ヨッヘン】 中間管理職。
【GM】 そうそうそう。
【リーディス】 大変や。31歳。頑張って。
【ヨッヘン】 とりあえず、熱病出てる人に会いに行ってみる?
【セフィーロ】 うん。行ってみよう。
【GM】 じゃあ、入り口のところに警備員が2人いるけど、スティンクが事情を話して、キミらにも許可証がもらえた。
【セフィーロ】 イエー。
【GM】 というわけで、許可証もらってる人が増えました。君らの3枚で、合わせて12人。それにスティンクも入れるから、13人。
【ヨッヘン】 残り9人、俺らの知らない人がおるわけやな。
【GM】 うん。警備員は、入り口から中に入れないから、許可証持ってない。
【ヨッヘン】 ふーん、警備員はなしね。じゃあ、倒れてる5人に会いにいく。
【GM】 ベッドで寝てるよ。頭に氷とか載せられてる。で、おじいちゃんの医者が1人で薬とか作ってたりしてるけど、「治らんのー」みたいな。
【ヨッヘン】 「治りませんかのぉ」
【GM】 名前はノーチラス先生。
【ヨッヘン】 脳散らす先生。はい。
【セフィーロ】 潜水艇や。
【ヨッヘン】 熱病で“脳散らす”と言われたら、ちょっと嫌やな。
【セフィーロ】 脳みそ散らすんやな。
【ヨッヘン】 そうそうそう。一瞬、それがパっと、潜水艦より先にそっちが浮かんだ。もしかして伏線かと思った。
【リーディス】 怖っ。
【ヨッヘン】 この人がじつは犯人やねん。
【GM】 セージレベル4らしいで。
【セフィーロ】 おお。
【GM】 この人は、夜は帰ってくから。
【ヨッヘン】 ああ、そうなんや。泊まりじゃない。
【GM】 毎日、朝来て――うん。おじいちゃん、泊まんのしんどいし。
【ヨッヘン】 看護婦おれへんの?
【GM】 おじいちゃん1人でやってる。
【セフィーロ】 どこから通いよん?
【GM】 この街の高級住宅地に住んでる。
【ヨッヘン】 医者ね。髭、生えてる?
【GM】 生えて……ない。
【ヨッヘン】 あぁッ。がーん。
【GM】 ちゃんと剃ってる。白髪やけど。なんでも街では有名な名医やったらしい。
【ヨッヘン】 あれ? なんで過去形なん。
【GM】 数年前までは、ね。
【リーディス】 引退したんや。
【GM】 だんだん歳とってきたから、息子に医者を譲ってな。
【ヨッヘン】 なんで息子が来ないんよ。
【GM】 息子は街の医者で忙しいから。おじいちゃんは暇やけど、まあ、昔有名やったから30人ぐらい見れるやろうって思ったら、事件が起きて大変やねん。
【セフィーロ】 なるほどな。
【ヨッヘン】 いちおう、国家プロジェクトの人らやのに。倒れてる人。
【GM】 プロジェクトX。
【セフィーロ】 国の命運がかかっとんねん。
【ヨッヘン】 「5人が、倒れた」って言うで。「熱が、下がらない――」(笑)
【GM】 「医者は、匙を投げた」
【ヨッヘン】 全然、Xじゃないやん!
【セフィーロ】 投げたんかー。
【リーディス】 ただの絶望物語(笑)
【ヨッヘン】 「そこに、3人の若者が現れた」
【セフィーロ】 「立ち上がった」
【GM】 「現れた。だが――」
【リーディス】 「帰っていった」や。
【セフィーロ】 挫折やな。
【ヨッヘン】 ぜんぶGMが否定すんねんけど。Xを。
【セフィーロ】 な、失敗と挫折。
【ヨッヘン】 で? 見た感じはどうかね。患者達の体の精霊力を感じてみた感じは。
【セフィーロ】 働きかけがおかしいとか。
【GM】 普通の風邪とかではなさそうな感じやな〜、って思った。
【ヨッヘン】 お。普通の病気ではなさそう。
【GM】 うん。とりあえず、知ってる症状とかじゃなさそう。
【ヨッヘン】 呪いかな、やっぱり。
【GM】 精霊力を、故意に狂わせられた感じではない。
【ヨッヘン】 でも普通の風邪でもない?
【GM】 うん、普通の風邪でもない。人為的な力は感じるけど、別に精霊力が狂ったわけじゃなさそう。
【ヨッヘン】 「ただの風邪ではなさそうや」とみんなに伝えるよ。
【リーディス】 演技かな。
【GM】 ノーチラス先生は「新しい薬も効かんのじゃ〜」って言ってる。というか、薬品棚の薬を適当に組み合わせて、「これなら治りそー!」ってやってるけど、治らへんねん。
【ヨッヘン】 それは臨床試験やん。
【リーディス】 ホンマや、実験台やで。どんどん強くなっていくで。菌が。
【ヨッヘン】 とりあえず、どうしよう。
【セフィーロ】 その5人に共通する点とかはないわけ?
【GM】 男。
【セフィーロ】 だけ?
【GM】 というか30人、全員、男。
【ヨッヘン】 やんな。
【セフィーロ】 その5人が何かしたとか。一緒に行動してたとか。
【GM】 それはない。ただ、5人とも夜、寝てる間に発症してるくらい。
【ヨッヘン】 なんか、良くない物を食べたとか。
【GM】 さあ?
【ヨッヘン】 わからへん?
【GM】 「でも、みんな、同じ食事が出てるんですよ〜」
【ヨッヘン】 給食か。
【GM】 給食……あ、ご飯作る人が2人いるわけやけどね。
【ヨッヘン】 そのまかないは、どっから来た人なん?
【GM】 この街のレストランの見習いの女の子が2人来る。カリンさんと、カトレアさん。夕食前に来て、その時に朝ご飯のぶんも作って帰る。
【リーディス】 なるほど。
【GM】 ここ、お昼ご飯はないので。
【セフィーロ】 ないんかい!
【GM】 うん、ぶっ続けで働く。
【ヨッヘン】 きついのぉ。
【セフィーロ】 死んでまうで。
【ヨッヘン】 それが原因じゃないのか?
【リーディス】 過労やで。
【GM】 「違いますよぉ〜!」
【リーディス】 奴隷のように働いてるで。
【GM】 「私のせいじゃ、ありません」
【ヨッヘン】 「昼飯はあったほうがいいと思うよ」って。
【GM】 「だって、ご飯、夜に作ったのを昼まで置いてたら腐るんです。最初、やったんですけど、腐ったんですよ〜」
【ヨッヘン】 う〜ん。いや、弁当届けてもらうとかさ、業者に。
【GM】 「ん〜、レストランの仕事、昼、忙しいらしいんですよ。仕込みとかで」
【ヨッヘン】 「それ、おかしいっすよ! マネージングするのが、あなたの仕事でしょ」
【GM】 「ちょっと、うまくいってないんですよ〜!」
【リーディス】 この人、けっこう怖いかも。
【GM】 「しかもね、王様が疑ってね、監査の人をたまに中に入れてくるんですよ。僕のことを信じられないらしいんですよ」
【ヨッヘン】 監査員か? 何人?
【GM】 1人。
【ヨッヘン】 ふぅん。王様の遣いなん?
【GM】 王様の遣いで、けっこう偉い人。
【リーディス】 この、なんとかさん31歳より、偉い?
【セフィーロ】 スティンクさん。
【GM】 うん、偉い。しかもスティンクより若いし。
【セフィーロ】 エリートなんや。
【ヨッヘン】 何歳なん?
【GM】 27。
【ヨッヘン】 男?
【GM】 男。名前はシュウ。髪型はオールバックでメガネかけてるらしい。
【リーディス】 きっちりした感じやね。ちなみにこの31歳は?
【GM】 髪の毛ボサボサ。メガネにゴミとかついてんねん。
【リーディス】 大変や。生活、苦しいんや。
【セフィーロ】 31歳にして、そんなんなんやな。
【ヨッヘン】 で、外部から入る人は、あと9人おるみたいやけど。許可証、スティンクを含めて10人おったんやろ? 俺らも除いて。
【GM】 で、このカリンとカトレアの2人やろ。んで、シュウさん、ノーチラス先生。
【ヨッヘン】 シュウさん。これも許可証、いちおう持っとんや。
【セフィーロ】 残りは?
【GM】 残りは、この穴掘り部隊の隊長の彼女。あと、穴掘り部隊にちょっと身体弱そうな隊員がおんねんけど、その人のじいさんとばあさんが入って来る。
【セフィーロ】 そんなんできんの?
【リーディス】 けっこう、後援会が……。
【GM】 あともう1人、別の隊員の奥さんと子供が入って来る。
【リーディス】 なんか、ギャラリーけっこう多いな。
【GM】 弱そうな隊員のじいさんとばあさんは「その子が見れんかったら、ワシらも死ぬんですじゃ」とかって文句言ったから許可証をあげて、もう一人の隊員の奥さんは、たまにお菓子とか作ってくれてみんなが喜ぶから。
【リーディス】 食い物で釣ったな。
【GM】 じいさんたちももたまに食べ物を持って来てくれるけどね。ちなみに隊長の彼女は何も持って来ない。
【ヨッヘン】 けちやな。
【GM】 それはもう、隊長が彼女を入れたいから個人の特権で入れただけ。ちなみに彼女は毎日来てる。
【ヨッヘン】 今日も来るのか。
【GM】 で、週末は泊まって帰ってく。他の2人の肉親もけっこう毎日来てるけど。
【リーディス】 なんか、普通のマンションみたいな。
【GM】 そう、普通に出入りしとる。
【リーディス】 現場に泊まるんや、大変や。
【GM】 うん。隊長は、部屋持ってるから。
【GM】 あと、じいさんとばあさん……老夫婦は犬を連れて来てる。当然犬は許可証持ってないけど。
【リーディス】 なんかみんな怪しいような気がするんやけど。
【ヨッヘン】 まあ、まだまだ探っていかな、ね。
【リーディス】 うん。
【セフィーロ】 他にその発症した5人の心当たりというか、なんか、普段と変わったことをしたこととか、そういうのはないの?
【GM】 別に、いつも通り朝起きて、ご飯食べて、穴を掘って、晩ご飯食べてみんなで喋ったりくつろいでから寝ただけ。
【リーディス】 労働者や。
【セフィーロ】 で、次の日になったら病気にかかってたんやな?
【GM】 そういうこと。
別に、偉い人がなってるとか、そんなんでもない。
【リーディス】 普通に働いてる人が発症してる、と。
【GM】 うん。
【セフィーロ】 その5人、持ち場はバラバラなん?
【GM】 ううん、みんな同じ所で掘ってる。隊長が「そこ掘れー」とか言ってるだけ。
【リーディス】 ふーん。昼間はみんな一緒にいてるってことやな。
【GM】 うん。
【リーディス】 犬かも。老夫婦が連れてくる犬。
【セフィーロ】 犬が病気持ちやねん。
【リーディス】 でも爺さんと婆さんは平気なんやけどな。
【セフィーロ】 耐性持っとんや。爺さんと婆さんの病気が、犬に入って、おかしくなってんねん。
【GM】 ちなみに犬はマルチーズね。
【ヨッヘン】 あのさ、倒れた人は、倒れる前に誰かに会った? 俺ら以外で許可証持ってる人に。みんな同じ人に会ったあと倒れたとか言う事はないかなって。
【GM】 誰かに? 会ったというか、隊長の彼女と、老夫婦と、隊員の奥さん&子供とかは一緒にいたけどね。この人たちはご飯食べてるときとかも一緒にいたりするし。あと、コック見習のカリンとカトレアもご飯配ってくれるからいたねぇ。で、ノーチラス先生も夜までここにいるから会ってるんじゃないか?
【ヨッヘン】 そやな、うん。
【GM】 シュウさんは、だいたい昼間に来るから夜は会わないな。
【リーディス】 なるほど。
【GM】 で、スティンクはあんまり来ないな。
【リーディス】 スティンク、ここが嫌いなん?
【ヨッヘン】 うーん。最初の一般人のどれかかなぁ。マルチーズがいちばん怪しい。
【リーディス】 やっぱり?
【ヨッヘン】 とりあえず、まかないのカリンとカトレアのところ行ってみる?
【GM】 うん。夕方ぐらいになったら来るけど。
【リーディス】 あ、じゃあ待っといたらええんや。
【ヨッヘン】 じゃ、待っとく? 食堂で。