≪REV / EXIT / FWD≫

§狂信者たちの宴:第3話§

血塗られた道へ

著:林田ジュン イラスト:りょこ 地図:もよ
▽ 偽信者誕生 ▽ 侵入 ▽ 一人目の被害者

偽信者誕生

【GM】 「では、朝です。神殿に行ったら、受付がカウンターの後ろの扉を開けて中に入れてくれるよ。入ったら廊下があって、一番手前の応接室に通される。そこには司祭が待ってるね」
【キロロ】 「あたしらも入れるの?」
【GM】 「外で待たせておくのもかわいそうやから、来ていいよ。」
【ウル】 「司祭って強そう?」
【GM】 「まぁ、それなりに強そう。君らよりは確実に強いね」
【ウル】 「俺、何も聞かれたりしない?」
【GM】 「名前とかくらいで何も。……あ、『破壊神信者ですか?(笑)』」
【ウル】 「『いいえ、とんでもない(爆笑)』」
【トウキ】 「それでその司祭はどんな話するの?」
【GM】 「シルファスの教えを守るようにきつく言い聞かせてくれる」
【ウル】 「じゃあここで、『ああっ! 急に腹痛が!!』って言う」
【GM】 「? 『大丈夫かね?』」
【ウル】 「『ああ、もう死ぬかも……!』」
【GM】 「(何がしたいんだ?)『じゃあ、最期に何か……』」
【ウル】 「違う――!」
【ネイビー】 「『思い残すことはありませんね?(爆笑)』」
【ウル】 「そうじゃなくてッ!」
【GM】 「『これでシルファスの御許へ行けますね』」
【ウル】 「違いますッ! 助けやがれ(笑)」
【GM】 「助けろ言われても……。君のために必死で祈りを上げてくれてる(笑)」
【ウル】 「そんなんいらん〜!」
【キロロ】 「しかも必死なんや(笑)」
【ウル】 「何か奥の部屋に連れて行って寝かせてくれるとかしないのかよ」
【GM】 「しないよ。『何か悪いものでも食べたんですか? キュアーポイズンいります?』」
【ウル】 「『別に』 くそぅ、作戦失敗やわ。治りましたって言っておこう」
【GM】 「それで結局入信すんの?」
【ウル】 「する」
【GM】 「じゃあシルファスの聖印くれたよ」
【ネイビー】 「いいなぁ」
【キロロ】 「あたしも入信したほうがいいかな」
【ネイビー】 「できればしてほしいな」
【キロロ】 「『あたしも入りたいんだけど〜』」
【GM】 「いいよ。司祭は嬉しそうだね」
【ウル】 「シルファスの聖印ってこんなに簡単に手に入っていいんやろか?」
【ネイビー】 「大丈夫やって。私らみたいに不純な動機で入る奴なんか他にいないから(笑)」
【トウキ】 「俺、ちょっと外に出ていい? で、外を一周してトイレまで行って見る。それで、その途中で窓から中を覗いてみたい。そうしたら、大体の部屋の感じが分かるよね? 部屋がいくつくらいあるか、とか」
【GM】 「そういうことなら、部屋は応接室を含めて4つくらいかな、と思った」
【トウキ】 「残りの3つは寝室っぽい?」
【GM】 「2つはそんな感じだね」
【ウル】 「仮眠室みたいなもんか? 誰か使ってる?」
【GM】 「ちょっと覗いただけやろ? そこまでは分からない」
【トウキ】 「じゃあ、残り1つは台所?」
【GM】 「いや、台所じゃないな。何て言うんか知らんけど、司祭の私室みたいな感じで、本がたくさん置いてある」
【トウキ】 「書斎?」
【GM】 「ああ、それそれ(笑)」
【ウル】 「でも、地下への入り口はどこにあるんだろ」
【トウキ】 「そこまでは分からないだろ。ちらっと覗いただけだもん。それに第一、地下があるかどうか」
【ウル】 「でも一階にキッチンがないってことは絶対地下があるって。飯食えないもん」
【トウキ】 「GMがキッチン作り忘れただけかも知れないよ(笑)」
【キロロ】 「でさ、手続きが終わったらあたしら追い出されちゃうの?」
【GM】 「うん。大聖堂にならいつでも入れるけどね」
【ネイビー】 「さて、どうしようかな。窓から侵入しちゃうか?」
【ウル】 「今? 夜のほうがいいんじゃないか?」
【トウキ】 「ねぇ。今思ったんだけど、冒険者とかリナとか受付の信者がここに住んでるんだったら、絶対料理作る人がいると思うんだ」
【ウル】 「例えいたとしても、そいつは戦力じゃないから無視してもいいだろ」
【トウキ】 「じゃなくて、そいつが買い物にいくと思うから、それを捕まえて入れ替わっちゃうとかさ」
【ウル】 「入れ替わるって言っても、出来るのは一人だろ? 一人じゃ勝ち目ないって」
【トウキ】 「でも料理に毒を入れるくらいは出来ないか?」
【ウル】 「それを誰が食べるか分からないのに? リナが食べるかもしれないんだよ?」
【トウキ】 「だったら自分で持って行けばいいじゃん。それか、別の人が食事取りに来るんだったら、これがリナさんのでこっちが冒険者のです、って言えばさ」
【ネイビー】 「じゃあその作戦で行く?」
【ウル】 「うん。でもその前にシェフか誰かを捕まえなきゃならないんだけど」
【トウキ】 「それに、そういう人がいるかどうかも分からないけど」
【ウル】 「飯作ってるのって誰?」
【GM】 「それは誰に聞いたん? 受付?」
【ウル】 「いや、GMに。常識で考えて、誰かなって」
【ネイビー】 「そりゃコックやろ。少なくとも受付ではない(笑)」
【キロロ】 「お母さんが作ってるのかもしれない」
【トウキ】 「考えてみれば、別にコックじゃなくても中にいる信者なら誰を捕まえてもいいんじゃないか?」
【ネイビー】 「何で?」
【トウキ】 「だから、別に料理しなくても、自分が料理を運んでいきます、って言えば」
【キロロ】 「でも、それやるにしても、変装するのってシーフ(ネイビー)でしょ? 耳が長いのに人間に変装できるの?」
【トウキ】 「シルファス神殿にエルフがいたらおかしいよな。だからってローブで耳隠してるのも怪しいし」
【ウル】 「俺の耳と交換する?(←できるか!)」
【ネイビー】 「そんなの折り曲げて行けば大丈夫やろ?」
【キロロ】 「折り曲げるの?」
【ウル】 「ひー(笑)」
【ネイビー】 「でもシーフの変装ってそのくらいするって」
【キロロ】 「だよねぇ」
【ネイビー】 「だけどなぁ、変装って失敗する可能性もあるしなぁ。中にいるのは一般人じゃなくて冒険者やからなー……。だから、特定の人物になりきるっていうのはちょっと自信ない」
【GM】 「どうする?」
【ネイビー】 「正直言うと、やりたくない」
【ウル】 「いざとなれば逃げればいい」
【ネイビー】 「簡単に言ってくれるな、畜生(笑)。じゃあまず誰か一人捕まえなきゃ」
【トウキ】 「買い物に出てきた信者」
【GM】 「じゃあ誰かが出てくるまで待つわけね。だったら次の日の昼ごろ、一人出てくるよ」
【ウル】 「買い物に行く人?」
【ネイビー】 「尾行しよう」
【ウル】 「さりげなくシルファスの聖印ぶら下げて、『どこに行くんですか?』って聞く」
【GM】 「『買い物ですよ』」
【ウル】 「『料理、得意なんですか?』」
【GM】 「『まぁ……そうですね』」
【ネイビー】 「何でお見合いムードに入ってんねん(笑)」
【ウル】 「ひどい。まじめにやってるのに(笑)」
【トウキ】 「よく考えたら村の中でこの人殺すわけには行かないんだよな」
【キロロ】 「そりゃあねぇ」
【トウキ】 「となるとこの人をどうやって村の外まで連れ出すかが問題」
【ネイビー】 「新しい食材を取り入れたらどうですか? こっちで見つけたんですけど……とかは?」
【キロロ】 「おいしいキノコ見つけたとかそういうの?」
【ウル】 「そんなのに引っかかるか?」
【ネイビー】 「ってゆーか、死ね!!(笑)」
【キロロ】 「それは今はヤバイよ〜」
【ネイビー】 「村の中やもんなぁ。ややこしいな」
【トウキ】 「その人に毒を入れてもらうってのは?」
【ウル】 「どうやって?」
【トウキ】 「冒険者の一人が好きなんですけど、これ、惚れ薬なんで入れてもらえませんか? とかさ」
【ウル】 「それは怪しすぎるぞ。じゃあ、俺がこの信者口説いてみようか? 女やろ? まじめそう?」
【GM】 「うん、女だよ。ついでに、かなりまじめそう」
【ウル】 「じゃあ無理だ」
【トウキ】 「それなら、新しい調味料手に入れました、は?」
【ウル】 「それもヤバイって。つーか、それで毒を渡すんやろ? まず、こいつが味見すると思うんだけど(笑)」
【キロロ】 「味が分からないと料理できないもんね」
【トウキ】 「それは……。あ、特殊な味なんで、味見しないほうがいいですよ(笑)」

侵入

【ウル】 「そんなもん使うかよ(笑)」
【トウキ】 「駄目か」
【GM】 「(ウルに)別に、口説きたいなら口説いてもいいよ?」
【ウル】 「じゃあ口説く。ラブレター渡す」
【GM】 「何て書いてあんの?」
【ウル】 「……きゃっ、恥ずかしい(笑)」
【GM】 「って書いてあんの?」
【ウル】 「まさか(笑)。そんなことまで考えんの?」
【GM】 「だって白紙のラブレターなんかいらんぞ」
【ウル】 「むぅ。でも普通自分でラブレターなんか渡さないよな。じゃあトウキのってことにしよう。『こいつ、こう見えても……(トウキを見て)そうでもないか』」

 一同爆笑。『いい奴なんだよ』と続けたかったらしい(笑)。

【GM】 「ひどいこと言うな(笑)」
【トウキ】 「確かにおすすめとは言い難いけどさ(笑)」
【GM】 「お姉さんは困った顔で『考えておくわ』って去って行きます」
【ウル】 「好感度は? 嫌そう?」
【GM】 「嬉しそうではなかったね」
【トウキ】 「俺に変なことさせんなよ(笑)」
【ネイビー】 「もうさ、正攻法で人が少なくなった夜に忍び込むほうがよくない? こんなことやってるとどこかで尻尾つかまれそう」
【ウル】 「忍び込む? ま、失敗すれば逃げればいいだけだし」
【ネイビー】 「失敗したら死ぬと思うんだけどね、マジ(笑)」
【ウル】 「特にキミは防御薄いしな」
【トウキ】 「外のトイレで待ってたらリナ来ないかな?」
【ウル】 「トイレくらい神殿の中にもあるやろ」
【トウキ】 「でもさっき窓から見た限りではなかったよ」
【ウル】 「地下じゃないか? じゃないと、トイレで張っててリナが来たらミッション達成じゃないか(笑)」
【キロロ】 「そんな終わり方嫌だな(笑)」
【トウキ】 「じゃあ外のトイレは何さ」
【GM】 「だから、信者用だってば(笑)」
【ウル】 「そりゃそうだって。リナたちのは中だよ」
【キロロ】 「外のトイレから中のトイレには行けない? 排水溝が繋がってたりするかも」
【トウキ】 「でもそれは何か入りたくない(笑)」
【ウル】 「窓から行くしかないって」
【キロロ】 「毒は4人分しかないんだよね」
【ウル】 「うん。じゃあネイビー、忍び込んで来てよ」
【ネイビー】 「……わかりました(苦笑)」
【トウキ】 「うまく行ったらそのままリナ連れて来れるだろ。あ、毒はネイビーに渡しておくから」
【ネイビー】 「簡単に言ってくれるなぁ(笑)」
【キロロ】 「どの部屋から入るの?」
【トウキ】 「今、夜だよね? だったら寝室の様子見てから、書斎か応接室に入るのが普通だろ」
【ウル】 「ねぇ、外で大騒ぎしたら何人か出てこない? その隙に入っちゃえよ」
【キロロ】 「受付が出て来るだけだったりして」
【トウキ】 「でもその後どうすんだよ。確かにネイビーには有利になるかもしれないけど、大騒ぎする俺たちは捕まるんじゃないの?」
【ネイビー】 「シュバルツがウインドボイス使えるから、遠くで大きな音を立ててそれを神殿の近くで聞こえるようにしてもらえば、君らも安全だよ」
【GM】 「シュバルツがやるの? 『しょーがねぇなぁ』」
【トウキ】 「じゃあシュバルツは少し離れた所にいてね」
【キロロ】 「シュバルツ一人にしておいて大丈夫かな」
【ウル】 「大丈夫だろ。あいつだって死にたくないだろうし」
【GM】 「じゃあ、シュバルツがウインドボイスします。何かすさまじい音がして、神殿の中から冒険者が二人出てくるよ」
【トウキ】 「その二人、どの辺まで出てきた?」
【GM】 「シュバルツにはどの辺に音を出させるように言ったの?」
【トウキ】 「神殿の庭を出たあたり」
【GM】 「だったらその辺まで行った」
【ウル】 「俺たちは隠れてそれを見ていよう。相手の顔覚えられるかな。どんな奴?」
【GM】 「剣を持った男が一人と、エルフが一人。エルフの性別は、夜だし遠いからちょっと分からない」
【ウル】 「強そう?」
【GM】 「君らよりはね。で、『何もないじゃないか』とか言ってる」
【ネイビー】 「じゃあ私は中に入るよ。Cの部屋には人いる?」
【GM】 「そこには誰もいないよ。ついでに、Bには二人いたんだけど、さっきの音で飛び出して行ったから今は誰もいない」
【ネイビー】 「Aは?」
【GM】 「そこはちょっと分からないね。カーテンが閉まってるんやわ」
【ネイビー】 「それならBの部屋から入ろう。あ、一応今は人間に変装してるからね。窓に罠がないか……(コロコロ)9」
【GM】 「なさそうだね」
【ネイビー】 「じゃあ警戒しながら入るよ。隠し扉とかない? 探索で(コロコロ)12」
【GM】 「ないよ」
【トウキ】 「ドア開けて廊下に出てみなよ」
【ネイビー】 「うん。窓は閉めておいて……扉は普通に開くよな?」
【GM】 「って言うか、さっきの二人が飛び出して行ったから、開いたままになってるけど」
【トウキ】 「廊下の突き当りまで行ってみてよ。階段があるかもしれない」
【ネイビー】 「じゃあそうする」
【GM】 「階段? あるよ。地下に続いてるね」
【ネイビー】 「……気がつかなかったということで(笑)」
【ウル】 「おい、おっさん! 下行けよ!(笑)」
【ネイビー】 「地下、怖いな」
【ウル】 「何のために来たんだよ(笑)」
【ネイビー】 「わかったよ。警戒しながら下に降りてみるけど?」
【GM】 「(地図を書きながら)君の見える範囲ではこんな感じだね」
【トウキ】 「T字路になってて、その先は見えないわけね」
【ネイビー】 「まずEのドアに聞き耳してみる。(コロコロ)12」
【GM】 「人の気配がするよ」
【トウキ】 「性別は?」
【GM】 「それは分からないぞ。喋ってるわけじゃないから」
【ネイビー】 「でも誰かいる、と。Fはどうだろ。(コロコロ)11」
【GM】 「何も聞こえないね」
【トウキ】 「T字路の向こうがどうなってるかは分からない?」
【ネイビー】 「怖いよなぁ、T字路。私、行くべき? それとも帰ってこれまでのこと皆に報告すべき?」
【ウル】 「今帰ってきたら何も分かってないのと同じだぞ」
【トウキ】 「ちらっと覗いてみて、大体の地図把握するだけでもいいからさ」
【ネイビー】 「でもなー、これ絶対向こうに誰かいると思うねんけどなー。どう思う? ここでわざわざ覗いて見つかって、戦闘でも起こしたらすべて終わりやと思うねんよ」
【ウル】 「見つかっても捕まらないように逃げればいいじゃん。逃げるのって敏捷度だろ? 自信ある?」
【ネイビー】 「自信はあるけど。別に、みんなが見つかっていいって言うなら覗くよ?」
【キロロ】 「向こうに人は絶対いるんだよね?」
【ネイビー】 「絶対に。これは私の勘やけど。……つーか、T字路来たときにGMが何かキャラシート出したから(笑)」
【GM】 「あのなぁ(笑)」
【キロロ】 「でもここは絶対いるって。あたしもそう思うもん」
【ウル】 「どうするかは自分で決めろ。俺らはそこにいないし」
【ネイビー】 「いいの? だったら怖いから引き返すよ?」
【ウル】 「駄目(即答)」

 決めろっつたの、あんたじゃん。

【ネイビー】 「ちょっと待てや――――!!(笑)」
【キロロ】 「一人じゃ無理だよ」
【ウル】 「だけどここで戻ってきたら忍び込んだ意味ないよ。見つかってもいいから見ちゃえって」
【ネイビー】 「しょうがないなぁ。じゃあ見る。そーっと(コロコロ)10」
【GM】 「10? 目が合っちゃったね。『何だにゅ?(笑)』」
【ネイビー】 「その口調はグラスランナーか?(笑)」
【GM】 「そうだにゅ(笑)」
【ネイビー】 「じゃあ色気で迫ろう(爆笑)」
【ウル】 「おっさん〜」
【トウキ】 「グラスランナーってお菓子で釣れそうだよね」
【GM】 「釣れるかもな(笑)。とりあえず、『誰だにゅ?』って聞いてるけど」
【ネイビー】 「どうしようかなー、何か適当な言い訳ないかな〜?」
【ウル】 「調理係だとでも言っておけ」
【ネイビー】 「『新しく雇われた調理係です』」
【トウキ】 「調理室どっちか聞いちゃえ」
【ネイビー】 「『今、トイレ探してるの』」
【ウル】 「トイレ好きだなぁ(笑)」
【ネイビー】 「好きなわけじゃないけど、こっちのほうが普通やろ。調理係が調理室知らないって言うのは問題じゃないか?」

一人目の被害者

【GM】 「だったら教えてくれた。トイレはこの突き当りのHの部屋ね」
【ネイビー】 「そうか。ならトイレに行って、水だけ流してから出て行こう。『帰り道、どうだっけ?』」
【GM】 「『来たのと逆に帰ればいいんだにゅ』」
【ネイビー】 「『……どっから来たっけ? 忘れちゃったの。もし間違えて入った部屋がオバケ屋敷だったらどうしよう(爆笑)』」
【GM】 「それも一興(笑)。まぁいいや、教えてあげるよ。Eの部屋が調理室だってさ」
【トウキ】 「ついでに奥の部屋(G)が何かも聞いてみたら?」
【ネイビー】 「うん。『この部屋何なの?』」
【GM】 「『秘密だにゅ』」
【ウル】 「リナがいるって言ってるようなもんだな」
【キロロ】 「うん」
【GM】 「とか喋ってたら、Gの部屋の中から『おーい、誰かいるのか?』って声がするぞ」
【ネイビー】 「『調理係ですー』って言っておく」
【GM】 「『そうか。喋ってないでちゃんと見張ってろよ、ビル!』」
【ネイビー】 「ビル?」
【トウキ】 「グラスランナーの名前じゃないの?」
【ネイビー】 「ビルって言うのか」
【GM】 「うん。で、ビルは『わかってるよ〜』って答えてる」
【ネイビー】 「中からの声って、男の声?」
【GM】 「うん」
【ネイビー】 「じゃあビルに聞いてみる。『今の男の人、かっこいい?』」
【GM】 「『オレの好みじゃないにゅ』」
【ウル】 「誰もお前の好みなんか聞いてねーって(笑)」
【キロロ】 「その人がリーダーかなぁ」
【ネイビー】 「『その人、どんな人? 私ここにいい男探しに来たんだ。誰かいないの?(笑)』」

 シルファス神殿で言う台詞か? それ(笑)。

【GM】 「『じゃあ残念だにゅ。誰もいないにゅ』」
【ネイビー】 「……ちっ(笑)」
【キロロ】 「あんまりしつこく聞くと怪しまれると思うから、もうやめといたら?」
【ネイビー】 「そうやな。しょうがない、もう帰るか」
【キロロ】 「でも結構分かったよね」
【トウキ】 「帰る前にさ、せっかく来たんだから、調理室に入ってみれば? あ、中に人がいるのか」
【ネイビー】 「うん、誰かいるな。じゃあ、入って、その人殺してから冒険者に毒入りのお茶でも持っていくか?」
【ウル】 「殺せるか?」
【ネイビー】 「それが問題やねん(笑)。はっきり言って自信はない」
【トウキ】 「だったら、村の食材屋さんに頼まれて持ってきたんですけど、って言ってみれば?」
【ウル】 「食材ったって、何も持ってないだろ」
【ネイビー】 「毒は持ってるよ」
【トウキ】 「それを調味料だって言うんだよ」
【ウル】 「十分怪しいと思うけど」
【ネイビー】 「だよな。それで、調理室の人間には私が内部の人間じゃないってばれる訳やし」
【ウル】 「それに、毒を渡すにしても、向こうにセージ技能が高い奴がいたらどうすんだよ」
【ネイビー】 「あ、それアイオケーンだね。僕も持ってるよ。とか言われたらどうしよう(爆笑)」
【GM】 「言うか――ッ!!(笑)」
【ウル】 「でもまぁ、せっかくだから入ってみたら?」
【ネイビー】 「そうするか? 『すいませーん』って言って入る」
【GM】 「入ったら昼間買い物に出てたお姉さんがいるけど、君のことは覚えてないみたい。君、昼間と違う変装してるんやろ?」
【ネイビー】 「うん。昼間はエルフで、今は人間。『すいません、私、明日からこのバイトに雇われた者なんですけど』」
【ウル】 「ばれるぞ」
【GM】 「『そんな話、聞いてませんが?』」
【ネイビー】 「『この神殿の連絡系統、どうなってるのよ』って言う。その人、何してる?」
【GM】 「皿洗ってるよ」
【ネイビー】 「『手伝いましょうか?』」
【GM】 「『結構です。一人で出来ますんで』」
【ウル】 「お姉さん一人なんやろ? 後ろから鈍器で殴れ」
【ネイビー】 「失敗したら困るじゃないか。『お茶もらってもいいですか?』って聞く」
【GM】 「『いいですけど、あなた本当に誰なんですか?』」
【ネイビー】 「『だからバイトだって言ってるでしょ! てめぇの耳は飾りもんか!』逆ギレ(笑)」
【ウル】 「おい(笑)」
【GM】 「『そんなこと言われても、こっちはそんな話聞いてませんから!』」
【キロロ】 「……さっきはあんなに簡単だったのに、今度は何でこんなに信用ないんだろう。あ、さっきのはグラスランナーだからか」
【GM】 「そうだよ」
【ネイビー】 「『とりあえずコップにお水だけでも下さいよ』」
【GM】 「仕方ないなぁ。水でよかったら」
【ネイビー】 「さて、この水をどうしよう」
【GM】 「もちろん一人分だからね」
【ウル】 「とりあえずグラスランナーに飲ませとけ」
【トウキ】 「お姉さん殺して4人分のお茶入れたら?」
【ネイビー】 「やってみようか?」
【トウキ】 「もし失敗して『キャー!』って言われて他の人が来ても、ドア開けずに『お皿割っちゃったんです』って言えばいいよ」
【ウル】 「普通一撃で死なないか? 火曜サスペンス劇場でも一撃で死ぬやん」
【キロロ】 「(爆笑)」
【ネイビー】 「火曜サスペンス劇場調でいいんですか? 先生(笑)」
【GM】 「よくないです(笑)」
【ウル】 「ねぇ、この水に毒を入れてグラスランナー殺してこっそり逃げたら、調理場の女が疑われるんじゃないか?」
【ネイビー】 「……。いいこと言うな」
【キロロ】 「そんなにうまく行く?」
【ウル】 「だって、この女とグラスランナー以外、ネイビーが入り込んでることを知らないんだからさ。やるだけやってみたら?」
【ネイビー】 「なら、一応、水のお礼を言ってその部屋を出て、アイオケーンを入れる。それでグラスランナーの所に行って……飲んでくれるかなぁ」
【GM】 「『また来たの? またトイレ?』」
【ネイビー】 「『喉、渇いてるかと思って。さっき道を教えてくれたお礼』って言って水を渡す。あー、ドキドキするなぁ」
【GM】 「『いいの? わーい』って言って飲む」
【ネイビー】 「アホや―――!!! 何で悩まへんねん!!(爆笑)」
【ウル】 「いいから逃げろ!!」
【ネイビー】 「逃げる!」
【GM】 「しばらくしたら、カシャーンってコップの割れる音が」

 一同爆笑。

【ネイビー】 「今までの心配は何やってん(笑)」
【ウル】 「頭悪い奴やな」
【キロロ】 「さすがグラスランナー」
【ネイビー】 「でもSNEのリプレイで見たグラスランナーはちゃんと考えてたぞ。つーか、姑息やった(笑)」(←パラサのことらしい)
【トウキ】 「それでもう逃げたの?」
【ネイビー】 「うん。外に出れる?」
【GM】 「大丈夫、出れたよ」
【ネイビー】 「や……殺っちまったよ、母さん!(爆笑)」
【GM】 「んで、少ししたら神殿内が騒がしくなって、今度は調理場の女の悲鳴が聞こえた」
【ウル】 「殺されたか?」
【ネイビー】 「あはははははは(爆笑)」
【キロロ】 「かわいそー……」
【ネイビー】 「くはは。高笑いしてよう(笑)」
【ウル】 「これで君も晴れて悪人の道に(笑)」
【ネイビー】 「で、どうなったんやろね、彼女。面白いなぁ、朝になったら君らシルファス神殿に行って、調理場の女がどうなったか聞いてみてよ」
【キロロ】 「めっちゃ悪人やなー」
【ネイビー】 「わくわくするなぁ(笑)」

÷÷ つづく ÷÷
©2005 Jun Hayashida
Illustration ©2005 Ryoko
Map ©2005 Moyo
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ひと言ありましたら
 
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