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§狂信者たちの宴:第1話§

司祭の娘を誘拐せよ

著:林田ジュン イラスト:りょこ 地図:もよ
▽ 闇に生きる者たち ▽ 誘拐指令 ▽ 至高神の神殿

闇に生きる者たち

 今から始まるのは、ダークプリーストPCによる悪人シナリオのキャンペーンです。
もちろん、プレイヤーもGMも、そんなシナリオをプレイするのは初めてなので、何だか妙にハイテンション(つーか、暴走気味)だったりして。

【GM】 「みんな、キャラできた? 邪神やったらどれでもいいから、ダークプリースト技能取るのを忘れるなよ。あと、ダークプリースト取るために、経験点は生まれ表プラス1000点あげるから。作成できたら、軽く自己紹介をお願いするぞ」
【プレイヤー1】 「私は暗黒神クートラを信仰するダークエルフのネイビーです。技能は、ダークプリースト1レベルにシーフ2レベル、シャーマン1レベルね。
で、性別は男やねんけど、女になりたくて我慢できずに、100歳(成人)になったその日に集落を飛び出して、女になるための旅に出ました(笑)。
もちろん、常に女装してるから(爆笑)」

 いきなり痛いキャラが来たな、おい(笑)。

【プレイヤー2】 「あたしは人間の女の子で、名前はキロロ。17歳。女子高生です」
【GM】 「は?」
【キロロ】 「ちゃんとミニスカでルーズソックス、ガングロ(当時流行ってた)だよ〜」

 好きにしてくれ、もう。

【キロロ】 「で、技能は、暗黒神クートラのダークプリースト1レベル、ファイター2レベル、セージとバードが1レベルずつ」
【プレイヤー4】 「女子高生のダークプリースト?」
【ネイビー】 「怪しさ満点やな」
【プレイヤー4】 「現代で言うと、オカルト研究部か?」
【プレイヤー3】 「もっとタチ悪そうやけど。しかもコギャル(笑)」
【GM】 「めちゃくちゃやな。しかもお前、知力12のくせにセージ取ったん?!」
【キロロ】 「てへ。ついでに、バードのくせに楽器持ってないよ」
【ネイビー】 「何この子。頭、悪!(笑)」
【キロロ】 「ちなみに、宝物はプラダのバッグ〜」

【プレイヤー3】 「俺は破壊神ザンナールのダークプリースト、ウルクウォート。男で27歳。技能は、ダークプリーストが1に、ファイターとレンジャーが2レベルずつね」
【GM】 「破壊神なんや。いいねぇ。誰か、海の邪神とかやらへんの?」
【プレイヤー4】 「それ、ちょっと悩んだけどやめた(笑)。僕は、暗黒神のダークプリースト3レベルと、ファイター1レベルのハーフエルフです。名前はトウキ。男、15歳。チャイナみたいな服、着てるから(笑)」

【GM】 「じゃあ始めるね。ここはレムリア暦572年のオレンブルクで、みんなはさっき知り合ったばかりって設定にするけど、いい?」
【トウキ】 「知り合ったきっかけは作らないの?」
【GM】 「うん。ていうか、考えてない(死)。まぁ、闇の神を信仰してる者同士、気が合ったということで。
それで、暗黒神や破壊神の聖印をぶら下げて、挙句の果てにダークエルフまでいる君たちは、どう見ても普通の冒険者じゃないから、大通りにある普通の酒場には入れません。だから、裏通りにあるヤバイ酒場にいる」
【キロロ】 「そっか。邪神信じてること忘れてた」

 忘れるの、早すぎ。

【GM】 「で、オレンブルクの繁華街の裏通りにクートラ信者の親父が経営してる酒場があるわけよ。ま、1階は怪しくないように普通の酒場になってるんだけど」
【トウキ】 「合言葉を言うと、更に奥まで入れるとか」
【GM】 「そのとーり。合言葉を言うと地下の酒場に案内されて、そこには君らみたいな表を堂々と歩けないような奴がいっぱいいる、と」
【ウルクウォート(以降ウル)】 「俺、クートラ信者じゃないんだけど、そこにいてもいいの?」
【GM】 「その辺は適当に。邪神同士だからいいんじゃないか?」
【トウキ】 「でも、そんな奴らが4人でパーティー組もうと思うかな」
【ネイビー】 「だけどまだレベルが低いから一人じゃ何もできないし」
【ウル】 「そこは都合よく行かないと。それで、何か仕事ある?」
【GM】 「と、親父に聞くわけね? 『お前らにでもできそうな依頼ねぇ? ああ、ちょうどいいのが一つ来てるぜ』」
【ウル】 「『教えて』」
【GM】 「『なんでも、クートラ神殿の司祭様が冒険者を探しているそうだ。手が空いてるなら行ってみてもいいんじゃねぇか?』」
【トウキ】 「お金もなくなってきたことだし、とか言って」
【ウル】 「じゃあ、クートラ神殿の地図がほしい」
【GM】 「地図なんかなくても、クートラ信者の人は場所知ってていいよ。だから仲間に聞きなさい」
【キロロ】 「そりゃ、知ってるよね」
【ネイビー】 「ああ、あそこか。しばらく行ってないわね」
【キロロ】 「行けよ」
【ネイビー】 「だって面倒くさいじゃない(笑)」
【ウル】 「おいおい、頼むぜオヤジ(←ネイビーのこと)」
【ネイビー】 「何よ。私、男じゃないわよ。(ウルのキャラシートの絵を覗き込んで)あんたこそポニーテールなんかして、実は女になりたいんじゃないの?」
【ウル】 「違うわ!(笑) ……じゃあ早く案内してくれよ」
【ネイビー】 「何よ、うるさいわね。何で私が案内しなくちゃならないのよ。面倒くさいこと、嫌いなのよ」
【ウル】 「性格悪いなぁ、こいつ」
【ネイビー】 「でも仕方ないから、案内してあげるわよって言っておこう」
【GM】 「あ、それと、ネイビーはダークエルフだから、外歩くときはローブでも被っとけよ」
【ネイビー】 「そういうことはあまり気にしないから(笑)」
【トウキ】 「他の人が気にするんだってば(笑)」
【GM】 「被らなくてもいいけど、速攻捕まると思えよ」
【キロロ】 「被らなきゃ駄目だよ」
【ネイビー】 「もう! 何で私のこの美貌を見せられないのかしら。とか文句言いながらローブ被ろう」
【GM】 「やな奴(笑)」
【ネイビー】 「でも、さりげなく耳とか見せてるねん」
【キロロ】 「あかんやん、バレるやんか。隠せよ」
【トウキ】 「じゃあ、ネイビーの耳を隠しながらクートラ神殿に向かおう」
【GM】 「だったら、何事もなく着いたことでいいや。ちなみにこのクートラ神殿は地下神殿になってて、入り口の下り階段のところに目つきの悪い兄ちゃんが座ってる」
【キロロ】 「その人、何? 信者?」
【GM】 「うん。受付みたいなもん。聖印見せると通してくれる。『何か用かね?』」
【ウル】 「受付って(笑)」
【ネイビー】 「『あたしよ、あ、た、し☆ 通してよ☆』」
【GM】 「誰ですか(笑)」
【トウキ】 「態度でかいって言うか、なんて言うか」
【ネイビー】 「『幹部のネイビーよ』……ちょっと自信過剰やねん、私」
【GM】 「どこがちょっとや」
【トウキ】 「幹部って何さ」
【ウル】 「まぁいいや。『入っていいか?』」
【GM】 「じゃあ、受付くんはネイビーのクートラの聖印を見て、『礼拝にでも来たのか?』って聞く」
【ネイビー】 「『まぁ、そんなところかな』」
【GM】 「『じゃあ入りな』」
【ウル】 「あっさり入れたな」
【GM】 「つっても礼拝堂にしか入らせてくれないよ」
【ネイビー】 「そうなん? 司祭に会わないとあかんのに」

誘拐指令

【ウル】 「じゃあ懺悔室に入ろう。司祭いるやん、あそこなら」
【GM】 「暗黒神信じてる奴が懺悔なんかするかよ?」
【ネイビー】 「いい事しちゃいました、とか(笑)」
【ウル】 「お年寄りに席譲っちゃいました(笑)」
【トウキ】 「今思ったんだけど、ザンナールって破壊することが教義なんだよね? じゃあ何も作れないね。料理も駄目なんかな」
【ネイビー】 「じゃあ食べるの専門やな(笑)」
【キロロ】 「いいなぁ」
【ネイビー】 「いいなぁ。信仰、ザンナールに変えようかな(笑)」
【ウル】 「それで司祭はどこにいるんだろう」
【ネイビー】 「司祭の名前、何? さすがに知ってるよね? 自分の神殿だから」
【GM】 「うん、クートラ信仰の三人は知ってる。この神殿の最高司祭、なんとレベル9のウィルヘルム=フォン=クラウス。人間、男。ウィルって呼んでいいよ」
【キロロ】 「最高司祭なんや! いきなりすごい依頼やなぁ」
【ネイビー】 「じゃあ、受付に『ウィルに会わせてよ、ウィルに』って、甘い声で囁く(笑)」
【GM】 「またお前、気色悪いし(笑)。『司祭様は暇じゃねぇんだ』」
【ネイビー】 「『あたし、って言えば会えるわよ☆』」
【ウル】 「まじめにやれよ、おっさん」
【ネイビー】 「っていうか、私以外にもクートラ信者いるやん。何とかしなさいよ(笑)」
【キロロ】 「えー? だってぇ〜……」
【ネイビー】 「この小娘は」
【キロロ】 「何よ、黙ってなさいよ、男女!」
【ウル】 「女男だろ。女みたいな男」
【ネイビー】 「すごい呼ばれ方してるな、私。『ところで司祭にはいつになったら会えるのよ』」
【GM】 「『あんたらみたいな駆け出しが会えるようなお方じゃねぇんだよ、司祭様は』」
【ウル】 「『依頼受けて来たんだけど』」
【GM】 「『なんだ。それを先に言えよ』」
【ネイビー】 「だから、私の名前出せば会えるんだって(笑)」
【GM】 「会えねぇよ」
【ウル】 「つーか、何で俺が話しまとめてんだよ。クートラじゃないのに」
【トウキ】 「ははは(笑)」
【GM】 「で、ウルのおかげで君たちは司祭の部屋に通してもらうことができた。黒いコートを羽織った長身の男で、肩にかかるくらいの銀髪。年齢はまだ20代前半ってとこやね。若いです」
【ウル】 「偉いのに」
【トウキ】 「『それで、何の依頼ですか?』」
【GM】 「『ああ、オレンブルクから一日ほどの所に小さな村があるんだが、そこのシルファス神殿の司祭の娘を生きたまま捕らえてきてほしい。娘の名前はリナだ』」
【トウキ】 「うひゃー。いきなりすごい依頼!」
【ウル】 「『それは何のために?』」
【GM】 「『それは教えられないな』」
【ウル】 「取って喰うだろ?」
【GM】 「喰うか!(まぁ、似てるかも知れんけど) 『報酬は、成功報酬で一人2000だ』」
【ネイビー】 「それはやるやろ(笑)」
【キロロ】 「すごいなぁ。悪い依頼は報酬がすごく高い」
【GM】 「引き受ける? じゃあ、ウィルはポケットから小瓶を出して君たちに渡す。『では、4人分の致死量の毒を渡しておこう。アイオケーンという無味無臭の毒だ。何に使ってくれても構わない』」
【ネイビー】 「うお! すっげー!!」
【ウル】 「飲んだらどうなるの?」
【GM】 「死ぬよ。即死」
【キロロ】 「え? 死んじゃうの? じゃあリナには使えないんや」
【ウル】 「リナは死んだらあかんもんな。だから、これでリナ以外の人間を殺せということじゃないか?」
【GM】 「そういうこと。『それと、もう一つついでに頼まれてほしいんだが』」
【ウル】 「『何?』」
【GM】 「するとウィルはちょっと言いにくそうに、『引き受けてくれるなら追加で1000払ってもいいんだが……』」
【キロロ】 「あ、やる(即答)」
【GM】 「じゃあ話すけど、ウィルは、クートラが国教の国クローヴィス王国出身やねん。で、彼の弟がこのたびオレンブルクにやって来ましてな。すごい世間知らずで、オレンブルクの街中で『俺はクートラ信者だー!』とか言いながら歩くわけよ」

 一同爆笑。

【トウキ】 「アホやー!(笑)」
【GM】 「『と、そんな困った奴だから、一緒に連れて行って教育してくれないかね?』」
【ネイビー】 「変なもん押し付けられた(笑)」
【ウル】 「じゃあ、そいつはNPCってこと?」
【GM】 「うん。操作はこっちがやるけどね。名前はシュバルツ、17歳。技能は、クートラのダークプリーストが1レベルに、バードとシャーマンが1レベルずつ。しばらくしたら、ウィルに連れられてやって来るけどね。
『(チンピラっぽい声で)よ〜ぅ』」
【ネイビー】 「うわぁ、あかんわ(笑)」
【ウル】 「……(絶句)」
【ネイビー】 「それで、こいつも一緒に行くんだよね?」
【GM】 「もちろん。『楽しみだな〜、何してやろうかな〜♪』」
【ウル】 「(脱力)……じゃあ行こうか」
【GM】 「『どこ行くんだよ〜。面白い所か〜?』」
【ネイビー】 「……アイオケーン、早速使うか?」
【トウキ】 「残り3人分あるしな」
【GM】 「それはさすがにウィルが止めるぞ。シュバルツ君は飲んでみたそうに見てるけど。頭悪いから(笑)」
【キロロ】 「ところでこの毒、解毒剤はもらったの?」
【GM】 「そんなのない」
【キロロ】 「くれないの?」
【ウル】 「っていうか即死なんだろ? 間に合わないって」
【ネイビー】 「そうよ。そんなの飲む奴が悪いのよ」
【ウル】 「それ、悪いっつーか……(笑)」
【トウキ】 「だまされる奴が悪い」
【ウル】 「じゃあ行こうか」
【ネイビー】 「うん。あ、とりあえず猿轡でも買っていきますか」
【ウル】 「売ってるもんなのか? それ」
【GM】 「そんなの布でいいじゃんよ」
【ネイビー】 「そっか」
【ウル】 「でも、店に入って猿轡売ってたら嫌だな(笑)」
【キロロ】 「きっといろんな大きさのやつが売ってるんだろうな。嫌だー(笑)」
【GM】 「どんな店やねん」
【ウル】 「じゃあもう何もせずに行く?」
【GM】 「ちなみにシュバルツは、街の中で平気でクートラの聖印出して歩いてるから」
【トウキ】 「バカ! さっさとなおせ!」
【キロロ】 「あんた、バカじゃないの?」
【GM】 「『うるせぇなぁ。かっこいいじゃねーかよ』」
【ウル】 「……誰か何とか言ってやってくれ」
【ネイビー】 「そんなん言われてもなぁ」
【キロロ】 「(シュバルツのキャラシートを見て)うわぁ、こいつあたしと同じ歳なんだ。ムカつく〜」
【ネイビー】 「あら、そうなの? じゃあ、頭が低レベル同士仲良くしなさい」
【キロロ】 「え? うわ、ムカつくー。あたしこんなにバカじゃなーい」
【ネイビー】 「一緒よ、一緒」
【キロロ】 「一緒じゃない〜」

 ちなみに知力はシュバルツのほうが余裕で上です(笑)。

【ウル】 「もう、とっととその村に向かうぞ? つーか、シュバルツの聖印どうしようか。出してるんだよね? いいの?」

至高神の神殿

【ネイビー】 「いや、あかんやろ」
【GM】 「ちなみに今から行く村にはシルファス神殿しかないからな」
【トウキ】 「っていうか、普段でも隠しておかなきゃいけないよな、聖印は。『それ、最近プレミアついてて売ったら高いから、みんなが盗もうとするぞ。ちゃんと服の中に隠しとけよ』って適当なことを言う」
【ネイビー】 「でも何だか説得力あるな(笑)」
【GM】 「なぁ。思わず信じそう(笑)。じゃあ、シュバルツは信じたことにしよう。『ちぇ、しょーがねーなぁ』だってさ」
【ネイビー】 「では、村に向かおう。もう着いたことでいいの?」
【GM】 「いいよ。あ、それと、さっきウィルの部屋で言い忘れてたけど、ウィルの話では君たちの前に1レベルの人間を4人その村に送ってる。でも、予定の日を過ぎても帰ってこなかったらしい。だから、そいつらが任務放棄したんでなければ、むこうにこっちがリナを狙ってることはバレかも知れない。とのことです。相手も無防備じゃないかもよ」
【ウル】 「だったらシュバルツが聖印出してるほうがかえって怪しまれないかもしれない」
【ネイビー】 「聖印出しておかせて、シュバルツを捕らえたって形で私らが村に入って行けばいい」
【ウル】 「それ、いいな」
【GM】 「それはシュバルツが断固拒否します。『そんなかっこ悪い役、やだね』」
【ネイビー】 「いいやん、有効利用(笑)」
【GM】 「『絶対ヤだ!(笑)』」
【ネイビー】 「分かったわよ。違う手を考えるって」
【ウル】 「とりあえず聖印は隠しておけよ」
【GM】 「うん。で、村はそんなに大きくないね。シルファス神殿を中心に民家が50軒ほどの、農業中心の小さな村。畑には麦が植えてある。一応、酒場兼宿屋、みたいなのは1軒あるね」
【ネイビー】 「じゃあちょっと誰か偵察してきてよ」
【ウル】 「シーフ技能持ってるの、誰?」
【ネイビー】 「それは私なんだけど、ダークエルフだからやばいかなって思って」
【ウル】 「絶対やばい。変装したら?」
【ネイビー】 「それとも、日焼け美人ですって言って行こうか?」
【トウキ】 「は?(笑)」
【ネイビー】 「っていうか、私以外のみんなやったら、旅人のフリして村に入ってもおかしくないやろ? 外見は」
【トウキ】 「あ、そっか」
【ウル】 「だったら俺らが普通の信者のフリしてシルファス神殿に入ることもできるんだよな」
【ネイビー】 「多分ね。私は無理だけど」
【ウル】 「じゃあ、そうしよう。ネイビーはどうする?」
【ネイビー】 「村に入るのは危ないよなぁ」
【ウル】 「村の外に隠れとけ」
【GM】 「ちなみに、村のまわりは森になってるから」
【ネイビー】 「じゃあ森に隠れていよう」
【ウル】 「俺たちはシルファス神殿に行く」
【GM】 「了解。神殿は村の真ん中にあるよ。この村の規模からすると、大きめだね」
【ウル】 「中に入ってみる。誰かいる?」
【GM】 「受付みたいなやつが二人いるよ」
【ウル】 「『リナさんいる?』」
【ネイビー】 「単刀直入すぎ! もっと何か考えろ!(爆笑)」
【GM】 「ほんまや(笑)。受付も怪訝な顔をして、『いらっしゃいますけど?』と答える」
【ウル】 「『どんな人?』」
【GM】 「それ聞いたの? 怪しいなぁ。『……何か御用ですか?』」
【ウル】 「『いや、ちょっと聞いただけ』」
【GM】 「めっちゃ不審そうに見るぞ?」
【トウキ】 「そりゃそうだよねぇ。怪しすぎだよ」
【ウル】 「じゃあ取り合えすにっこりしておこう」
【GM】 「ならこっちもにっこりする。しょうがないから」
【ウル】 「さすがシルファス。……で、どうしようか」
【トウキ】 「夜に潜入するか? それか敢えて彼女に聞いてもらいたい懺悔があるとか言って呼び出してもらうか。怪しいかな? でも夜だとかえって警備が厳しくなってそうだし」
【ウル】 「俺たちのレベルじゃ夜でも昼でも勝てないと思う」
【GM】 「ところでシュバルツはシルファス神殿に唾吐きかけてるから」
【ウル】 「おい!」
【ネイビー】 「あっはっは。アホや(笑)」
【キロロ】 「バカー」
【ウル】 「(受付に向かって)『すいません。こいつちょっと気管が悪くて(笑)。なんとかなりませんかねぇ』」
【GM】 「何とかって言われてもなぁ。『シルファスを信仰すれば治ります』」
【ネイビー】 「結構怪しいこと言ってるで、向こうも」
【ウル】 「うん。新興宗教みたい。『でもこいつ、シルファス信者ですよ』とか言ってみよう」
【GM】 「じゃあ、シュバルツもそれに合わせて胸を張る」
【ウル】 「『でも治らないんだ』」
【GM】 「『それは祈りが足りないんですよ』」
【キロロ】 「なんだかなぁ。ますますうさんくさい(笑)」
【ネイビー】 「シルファスってこんな宗派やったっけ?(笑)」

 こんな宗派じゃありません、はい。GMのせいです(死)。

【ウル】 「で、どうしよう?」
【トウキ】 「まずリナを外に呼び出す方法考えたほうがいいと思う」
【ウル】 「じゃあ、ラブレター大作戦で」

 一同爆笑。

【GM】 「どんなんやねん!」
【ウル】 「手紙を書いて靴箱に入れる」
【GM】 「靴箱なんて、ない」
【ネイビー】 「リナに渡しておいて下さい、って言えばいいんじゃないの?」
【キロロ】 「何か恥ずかしいからヤだねぇ(笑)。『君の微笑みが見たい』とか書くの?」
【ウル】 「いや、別にそんなんじゃ……(笑)。中身は何でもいいんじゃないか? リナが読んで、来たくなるような内容だったら」
【トウキ】 「何て書く? あなたに聞いてほしい懺悔が……?」
【ネイビー】 「むかつくから来い、とかでいいじゃん」
【キロロ】 「それは来ないよ」
【ネイビー】 「私もそう思う(笑)。やっぱり、一回夜になるのを待ってみない?」
【ウル】 「夜になると様子変わるかな、何か」
【ネイビー】 「一応寝静まるやん」
【キロロ】 「手紙はやめちゃうのか。で、リナは神殿の中にいるんだよね? 家には帰らないの?」
【GM】 「だってここの司祭の娘なんだよ? 神殿が彼女の家みたいなもんやね」
【キロロ】 「神殿が家なのか〜」
【ウル】 「親、大物だよな。リナって強い?」
【GM】 「それは誰に聞いてんだよ?」
【キロロ】 「受付?」
【ネイビー】 「それは怪しいぞ、あからさまに」
【ウル】 「だよなぁ。村で聞き込みとかしておこうか?」
【キロロ】 「夜まで待つんじゃないの?」
【ウル】 「でも情報収集は昼間にやっておいたほうがよくない? 酒場とか、どこでもいいから」

÷÷ つづく ÷÷
©2005 Jun Hayashida
Illustration ©2005 Ryoko
Map ©2005 Moyo
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