≪REV / EXIT / FWD≫

§失翼の魔術師:第3話§

怪奇! ハーフエルフ(サウス)

著:林田ジュン イラスト:りょこ 地図:もよ
▽ 1 ▽ 2 ▽ 3

【シュトルム(サウス)】 「GM。牢屋(部屋r)の中に入るよ」
【GM】 「入ったら鉄格子で仕切られた個室がいくつかあって10人くらい放り込まれている」
【シュトルム(サウス)】 「ジャックみたいな奴はいる?」
【アンリ】 「名前口に出したらだめだよ。バレちゃうかも知れない」
【GM】 「よく似た人ならいるよ。でもここの人に乱暴に扱われているみたいでかなり衰弱してる」
【シュトルム(サウス)】 「女の人は? ユリアみたいな人はいる?」
【GM】 「ユリアみたいな人はいない」
【アンリ】 「ジャックだけか」
【シュトルム(サウス)】 「俺は一人で牢屋の中には入れないんだよな?」
【GM】 「今は無理だよ。中にもう一人いるから。そいつは君にいろいろ見張りの仕方とか教えてくれる」
【シュトルム(サウス)】 「教えていらない(笑)…ジャックって言ってみる。名前呼んでみる」
【GM】 「サウスが? 呼ぶの?(そんなことしたら一気にバレちゃうぜ?)」
【シュトルム(サウス)】 「『ジャック!』」
【ヴェルナー】 「ジャック(らしき人)は反応した?」
【GM】 「何だ?って感じで振り返ろうとするけど、見張りの人の方がもっと驚いた感じで警戒する。『なんだ貴様!』剣を抜きかけてるけど?」
【シュトルム(サウス)】 「『ジャック…肉強食! 弱肉強食! の、世界ですね、ここは』」

 一同爆笑。

【GM】 「なんなんだよ、お前!(笑)」
【アンリ】 「怪しすぎる(笑)」
【GM】 「見張りは『まぁ、そうだけど。お前馬鹿か?』とか言って剣を抜くのはやめた。で、こんな変な奴はほっといてアンリとムーンの方に戻すけど」
【シュトルム(サウス)】 「ひどい。変な奴って言われた(笑)」
【GM】 「皿洗いは終わったことにしていいよ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「何時間かかった?」
【GM】 「一時間くらい。結構量があったから」
【ヴェルナー(ムーン)】 「わぁい。5フィス」
【GM】 「欲しいの? いいよ。あとでね」
【ヴェルナー(ムーン)】 「やったー」
【GM】 「嬉しいか? 2万フィス持ってるくせに」
【アンリ】 「ねぇ。仕事が終わったって上の4人に報告に行く途中で道に迷ったフリしてその辺のぞいてみない?」
【GM】 「いいよ。どうぞ」
【アンリ】 「こっちに行ったら何があるの?」
【GM】 「オートマッピング作動。扉があるけど(部屋k)」
【アンリ】 「こんなところに罠なんてつけないと思う。鍵は?」
【GM】 「かかってない。普通に開くよ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「中はどうなってる?」
【GM】 「寝室みたい。汚いベッドがいくつもあるよ。で、兄ちゃんが一人いて『君たち、見かけない顔だね』」
【アンリ】 「『バイトなんです。今日から』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『お皿洗ってたの』」
【GM】 「『そうなんだ。あ、もし眠るんならここ使ってもいいと思うよ。男と一緒でよかったなら(笑)』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「いやぁーーー!(爆笑)」
【GM】 「やっぱり?」
【アンリ】 「当たり前よぅ。無茶言わないで(笑)」
【ヴェルナー(ムーン)】 「それでその兄ちゃんは何してるの?」
【GM】 「その兄ちゃんもバイトらしいよ。なんかほうきで掃除してる。『昼間サボったからなぁ。終わらないと帰してくれないんだ』」
【アンリ】 「『こんな広いところの掃除、大変ですねー』」
【GM】 「『そうなんだよ』」
【アンリ】 「『じゃあ頑張って下さい』って言ってここを出よう。誰かに見つかったら素直に道に迷ったって言おうね」
【ヴェルナー(ムーン)】 「ここは?(部屋j)」
【アンリ】 「鍵は?」
【GM】 「かかってるよ」
【アンリ】 「よーし。鍵開け(コロコロ)15」
【GM】 「それなら開いた。武器庫みたいだよ」
【アンリ】 「やったー(嬉)。何かある?」
【GM】 「全部普通の武器みたいだよ。ショートソードとか」
【ヴェルナー(ムーン)】 「なんだぁ。何もないのか」
【シュトルム】 「ねぇ、GM。俺のほう終わった?」
【GM】 「あ、ごめん。もう終わったことにしていいよ」
【シュトルム】 「あー、疲れた。7フィス」
【GM】 「はいよ。あ、でももうちょっとたってるから10フィスくらいあげるよ」
【シュトルム】 「やった! ごめんGM、ちょっと地図見せて」
【GM】 「君がいるの、ここね(部屋e)」
【シュトルム】 「わかった。ここ(部屋g)開けられる?」
【GM】 「開くよ」
【シュトルム】 「開ける」
【GM】 「あのね、便所だよ(笑)」
【シュトルム】 「ちょっとトイレに寄ってすっきりさせてから行こうかな(笑)」
【アンリ】 「あたしたちが武器庫の外に出てたら、シュトルムがトイレから出て来たら会うと思うな」
【シュトルム】 「合流しよう」
【GM】 「いいよ。で、ヴェルナーとサウスのほうだけど(笑)」
【シュトルム(サウス)】 「『弱肉強食、弱肉強食!(笑)』」
【ヴェルナー】 「サウスおかしい。アホやろ、お前(爆笑)」
【アンリ】 「こんな大声で言ってたら声が外に洩れてるよね。ヴェルナー、わざとらしいとか思いながら聞いてるんだろうな(笑)」
【GM】 「そしたらヴェルナーの隣にいる奴が『お前と一緒に来た奴、おかしな奴だな(笑)』」
【シュトルム(サウス)】 「失礼な(笑)」
【ヴェルナー】 「『いつもなんです。気にしないで下さい(笑)』」
【GM】 「おもいっきり気になるぞ(笑)『好きなのかなぁ、弱肉強食』」
【アンリ】 「それを言うなら焼肉定食(笑)」
【GM】 「それでヴェルナー君は何もしないね?」
【ヴェルナー】 「できないよ。他の人がいるんだもん」
【アンリ】 「じゃあこっちに戻していい?」
【GM】 「(サウスには何も聞かず)いいよ」
【アンリ】 「ここ(部屋f)開けたいな」
【GM】 「開けてみたら休憩室になってて3人、コーヒー飲んでる」
【ヴェルナー(ムーン)】 「あ、コーヒーいいな。ちょうだい」
【GM】 「うん。いいけど。『はじめて見る顔だな』って言われる」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『今日からアルバイトなの』」
【シュトルム】 「『マイクでーす。仕事終わりましたー』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『アベルでーす』あ、間違えた。アベルはヴェルナーだ。『ローズでーっす』」
【GM】 「『アルバイト? 一日早くないか?」」
【アンリ】 「『一日早く来たの。はやくお金欲しくて』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『そうそう。お金ないの』」
【シュトルム】 「嘘だけど(笑)」
【アンリ】 「『でもちゃんとお皿洗いもしたよ』」
【GM】 「『それなら終わったって言ってきな。上にいる4人でいいから』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『どう行けばいいの? 迷っちゃって』」
【GM】 「『そこの角を曲がったら階段があるぜ』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『なんだ。そこかぁ。ありがとう』」
【アンリ】 「『ありがとう。お疲れさまー』」
【GM】 「『おう。気を付けろよ』」
【シュトルム】 「気を付けるって何にだ?(笑)」
【GM】 「階段落ちないように(笑)」
【アンリ】 「じゃあ『おじゃましましたー』って出てきてそしてここ(部屋d)開けてみる」
【GM】 「そこは開かない」
【アンリ】 「鍵かかってるか調べる。あ、罠が先か」
【GM】 「(罠があるなら開けようとした時点で発動してるんだよ)シーフじゃ開かない」
【アンリ】 「アンロック?」
【GM】 「そうじゃなくて特珠な鍵がいるみたいだよ。ここ」
【アンリ】 「じゃあ仕方ないね。てこてこ歩いていってここ(部屋c)開けてみよう。ガチャ」
【GM】 「そこは開くよ。食料庫」
【シュトルム】 「やったーぁ(嬉)。ごはん!(笑)」
【ヴェルナー(ムーン)】 「あんたまたなの?(笑)」
【アンリ】 「ちょっと持ってよ。何で食堂と食料庫がこんなに離れてるのよ? 普通食料庫って食堂の隣にあるのに」
【GM】 「いいやん、別に(笑)」
【ヴェルナー(ムーン)】 「酒場も離れてるね、そう言えば」
【アンリ】 「食料庫と酒場の壁ってつながってるんじゃないの?」
【GM】 「さあ。調べてみれば? って調べるまでもないな。予想どおり扉があるよ」
【アンリ】 「やっぱり。開けると酒場につながってるよね?」
【GM】 「つながってるけど酒ダルが積み上げてあって邪魔で通れない(笑)」
【アンリ】 「通れないんじゃ意味がないよ(笑)」
【シュトルム】 「この部屋、他に何かない?」
【GM】 「他? それなら見たらわかるけどここの人だと思われる奴が隅のほうで食べ物をネコババしようとしてる。『ここのメシ、俺には足りねぇんだ』」
【シュトルム】 「飢えてるなぁ(笑)」
【GM】 「『俺がこんなことしてるって誰にも言うなよ』ちなみに君たちがバイトだってことには気付いてなさそうだ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『わかったわよ。仕方ないわね』ここはもういいや。次、こっちの部屋(b)行ってみる?」
【GM】 「そこ? そこも開けるの? すぐそばに人がいるんだけど(部屋bの見張り。ちなみにbは魔法の品が置いてある部屋)」
【アンリ】 「本当だ。人がいる」
【ヴェルナー(ムーン)】 「それだったらさっきの食料庫も開けたらまずかったかな。この人から見えてたよね」
【GM】 「(忘れてた)ま、人の家で勝手に冷蔵庫開けたたようなもんだしねぇ。それくらいいいんちゃう?」(←いいのか?)
【シュトルム】 「よかった。一応その人に挨拶しておこう。『やぁ。こんにちは(笑)』あ、夜だからこんばんわ、か」
【GM】 「『ああ。ところでお前ら、バイトの奴等か?』」
【アンリ】 「『うん。仕事終わったの』」
【GM】 「『それなら上の部屋の人達に言ってきな。それと、あまりうろちょろするんじゃねぇぞ』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『はーい』」

【シュトルム】 「じゃあ上に行って(部屋a)『仕事終わったから10フィスください(笑)』」
【GM】 「払ってやるよ。で、『今日はもう遅いがどうする? 家に帰るなら街道まで送らせるが』」
【アンリ】 「『泊まって行っていいかな』」
【GM】 「泊まるの?『それなら下に寝室がある』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「知ってるよ(笑)」
【GM】 「『男と一緒でよければ使ってもらってかまわないが』」
【アンリ】 「『男と一緒は嫌よぅー分けてー』」
【GM】 「『仕方ねぇな。それなら空き部屋(部屋h)があるからそこを使え。ふとんはないが、我慢してくれよ』だとさ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「そんなぁ。女の子なのに、ひどい(笑)」
【アンリ】 「ねぇ。レディーファーストだよ。ぷぅ」
【GM】 「(無視して)で、ヴェルナーはどうする? まだ動かない?」
【ヴェルナー】 「うん。動けない。『休憩、まだですかぁ?』」
【GM】 「『お前より俺の休憩の方が先に来るぜ。まだまだ』」
【ヴェルナー】 「あーん、ひどい。疲れたぁ(笑)」
【アンリ】 「でも明日になると本物来ちゃうよ」
【ヴェルナー】 「そうだよね。本物っていつごろ来るかな?」
【GM】 「普通の人なら昼頃来ると思うけど?」
【アンリ】 「あと12時間くらいか」
【GM】 「(またサウスは無視して)アンリたちはどうする? hの部屋までは堂々と行けるよ。許可もらったから」
【アンリ】 「けど、下には行けないね。階段のところに見張りがいる」
【ヴェルナー(ムーン)】 「掃除するフリして行けないかな」
【アンリ】 「あ、いいね、それ。掃除道具とかない?」
【GM】 「それくらいならあるよ」
【アンリ】 「じゃあそれ持って掃除するフリして下に行こう。『掃除を頼まれたんです。いいですかー?』」
【GM】 「『おう。そうか。それなら頼んだぞ。でもあんまりうろちょろするなよ』」
【アンリ】 「作戦成功。さぁ、うろうろしよう。ここ開けていい?(部屋m)」
【GM】 「そこ? 開かないよ」
【アンリ】 「じゃあ鍵開け。(コロコロ)14」
【GM】 「開いたよ。なんか小規模な研究室みたい。魔法陣を走り書きした羊皮紙とか変な薬品とか何かをつなぐための鎖とか。で。こういうメモが置いてあるんだけど、見る?」

 と言ってプレイヤーにメモを見せる。

研究所にあったメモ
No 性別 結果 No 性別 結果
1 死亡 15 発狂
2 死亡 16 未処置
3 死亡 17 処理中
4 発狂 18 自我崩壊
5 死亡 19 死亡
6 死亡 20 処理中
7 精神異常 21 成功(欠陥有)
8 逃走→射殺 22 処理中
9 死亡 23 処理中
10 死亡 24 処理中
11 処理中 25 未処置
12 処理中 26 処理中
13 死亡 27 未処置
14 死亡      

【GM】 「何だろうねぇ」
【アンリ】 「逃走→射殺ってあたりが人間だと思うの」
【シュトルム】 「性別とかあるしな」
【ヴェルナー(ムーン)】 「ん? 自我崩壊…? ヤバそうだよ?」
【アンリ】 「うーん。何かの実験かな。…人体実験だよねぇ、これ」
【シュトルム】 「うわ。むっちゃこわ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「GM、ところでこのメモ、どこにあったんだっけ?」
【GM】 「誰にでも分かるように入ったところの壁にピンで止めてある。ちなみに日付は一ヵ月前」
【ヴェルナー(ムーン)】 「処理中っていうのがいくつかあるけどこれってここでやってるの?」
【GM】 「ここはただ、人を捕らえておくための場所だから。だから研究室もそんなに本格的なものじゃないよ。本拠地は別の場所にある」
【シュトルム】 「この、成功、欠陥あり、女っていうのがなぁ…どうもユリアじゃないかと思うんだ。この部屋出るときこのメモ持っていっていいかな?」
【GM】 「いいけど、なくなってたらバレるかもよ」
【アンリ】 「そうか。じゃあメモしておく。で、ここ(部屋n)開く?」
【GM】 「そこ? 開くよ。中は汚い部屋で、人が二人入れられてる」
【ヴェルナー(ムーン)】 「二人?」
【GM】 「二人。でも様子が変だよ。目の焦点もあってないしわけの分からないことをぶつぶつ言ってたり奇声を発したり。二人とも鎖につながれて、ナンバープレートがついている」
【アンリ】 「精神異常のナンバー7でしょ? 実験に失敗した人をここに送り込んで来たって考えていいのかな」(←大正解)
【シュトルム】 「もう一人はナンバー18自我崩壊だろうな。二人とも男だろ?」
【GM】 「そうだよ。ナンバー7とナンバー18。で、ヴェルナーのほうに戻すけど、サウスまだ弱肉強食って言ってるの?」
【シュトルム(サウス)】 「まだ言ってることにしよう(笑)」
【GM】 「『お前そろそろ黙れよ』って一緒にいる見張りが文句を言う(笑)」
【アンリ】 「ここ(部屋qの前)二人もいるねぇ。ま、いいや。掃除するふりをしたままほうき持って堂々と行こう」
【GM】 「(まだヴェルナーのほう終わってないのに)そしたら二人が見つけて、『ああ、そっち(部屋o)トイレになってるんだ。掃除しておいてくれ』」
【アンリ】 「『はーい』これはまた広いトイレよねぇ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「掃除が大変」
【アンリ】 「ちょっと時間つぶしてから行かないとすぐに出て来たら怪しまれるよね。掃除、してあげよっか」
【GM】 「で、その項ヴェルナーの隣の奴が休憩で交代する。もちろん代わりの奴が来るからね。『何だ? 中に誰がいるんだよ、うるさいなぁ』」
【シュトルム(サウス)】 「『弱肉強食、弱肉強食(笑)』」
【GM】 「『なんなんだよ、一体』」
【ヴェルナー】 「『気にしないで下さい。いつもなんです(笑)』」
【GM】 「『あー、大変だな、あんたも』」
【ヴェルナー】 「『大変なんですよー』」
【シュトルム(サウス)】 「自我崩壊ってサウスのことだったりして」

 一同爆笑。

【アンリ】 「じゃああたしたちは20分くらいしてから出てきて『お掃除終わりましたー』」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『ここの部屋も(部屋p)やりましょうか?』」
【GM】 「『そこか? そこは何も使ってないからしなくていいぜ』って。別に開けてみてもいいよ」
【シュトルム】 「開けてみる」
【GM】 「ここの人があまった時間に体を動かしたりしている部屋みたい。バレーボールとかが転がってるよ」
【アンリ】 「『この部屋(部屋q)はどうしますか?』」
【GM】 「『ここは一般人は入れないようにしているんだ。やらなくていいよ』」
【アンリ】 「そっか」
【GM】 「その頃ヴェルナーの隣の奴が『トイレ』とか言ってどっかに行く」
【アンリ】 「トイレ、きれいになってるよー」
【GM】 「で、アンリたちとすれ違ってトイレに行った」
【シュトルム】 「牢屋に入るなら今のうちだな」
【アンリ】 「じゃあ、『廊下掃除しますね』って二人に言って牢屋の方に行こうか」
【GM】 「『いいけど、つき当たりの部屋には入るなよ』それで牢屋の前でヴェルナーに会うよ」
【ヴェルナー】 「わーい。合流!」
【アンリ】 「GM。牢屋の中に入っていい?」
【GM】 「そういうことはここの見張り(ヴェルナー)に聞いて欲しいんだけど(笑)」
【アンリ】 「『入っていい?』」
【ヴェルナー】 「どうしよう。重大だ。うーん、『いいよ』」
【GM】 「中に入ると、弱肉強食弱肉強食言ってる奴ともう一人(笑)『お前、いいかげんに黙れよ!』」
【シュトルム(サウス)】 「『やだ(笑)』」
【GM】 「(こいつは牢屋の外に二人見張りがいると思ってるからバイトが不法侵入したとは思わないよな)『何だ? ほうきなんか持って、掃除を頼まれたのか? ついでにこのゴミ(サウス)もどっかにやってくれ(笑)』」
【シュトルム(サウス)】 「ひどいーーー!(爆笑)」
【アンリ】 「ねぇ。サウスがこれだけ大声で弱肉強食って言ってるんだからちょっとくらいジャックと話してもバレないよね」
【ヴェルナー】 「掃除してるフリして話そうか」
【シュトルム(サウス)】 「じゃあ、ご要望にお応えして『弱肉強食弱肉強食(笑)』」
【GM】 「『うるせぇんだよ、お前(笑)』」
【シュトルム】 「今回からはまじめにサウスをやるつもりだったのになぁ(笑)」
【ヴェルナー】 「異常すぎだよ(笑)」
【アンリ】 「ジャックってここにいたよね?確か」
【シュトルム(サウス)】 「いたぞ。俺が見た」
【GM】 「うん、いるよ。かなり衰弱してるみたいだけどね」
【ヴェルナー】 「しゃべれないくらい?」
【GM】 「どうにかしゃべれそうだよ」
【アンリ】 「何か食べさせようか? でも食料庫で何もとって来てないよねぇ」
【シュトルム】 「ワインだったらジャックのお母さんの家でとって来たのがあるけど無駄だろうな。っていうかキュアー・ウーンズかければいいんじゃないか?」
【GM】 「でも弱ってる原因は怪我じゃないよ。殴られた跡とかはあるけど」
【アンリ】 「『ジャックさんですか?』あ、お母さんの名前、聞いて来たほうがよかったかな」
【GM】 「ジャックは振り返る」
【シュトルム】 「くまのぬいぐるみを見せよう」
【GM】 「『それは…』ってかすれた声で言う。『それを返せ!』」
【シュトルム】 「『あげない(笑)』」
【GM】 「『お前ら、それをどうする気だ! それはお前らには関係ないだろう!』」
【アンリ】 「ここは本当のことを言うよ。お母さんに頼まれたって」
【GM】 「(友達連れてきてたらすぐに信じんだけど…ま、いいか)ユリアを捜してるって言うんだね?」
【アンリ】 「うん。全部言う」
【GM】 「じゃあジャックは言うよ。『俺の代わりにユリアを捜してほしい。この組織が関係しているのは確かだ。でももしユリアに会ってもあいつが正気じゃなかったら、そのくまのぬいぐるみを渡してやってくれ。それはあいつが赤ん坊の時から大切にしていたものなんだ。だから、もしかしたら…』」
【アンリ】 「正気に戻るかもって言うわけね。『他に伝えることがあったら聞いとくよ?』」
【GM】 「それなら首からペンダントを外して、中に写真が入ってるんだけど、『これがユリアだ』って。君たちはもう知ってるけどね。で、お母さん死んだことも言った? 霊体だって」
【ヴェルナー】 「言った?」
【アンリ】 「うん」
【GM】 「『母さんには、俺は元気だと言っておいてくれないか』」
【シュトルム】 「『わかった』」

【GM】 「ところで皆さん忘れてるようだけど、見張りがいたよねぇ。そいつが『お前ら何してるんだ!』そりゃ、気づくよな。これだけ堂々としゃべってたら。で、壁にある警報ブザーを押す」
【アンリ】 「あーあ。バレちゃったね」
【シュトルム】 「仕方がない。殺っちゃうか」
【GM】 「ちなみに今なら彼、背中向けてるから−4の修正がついてるよ。でも次のラウンドには警報を聞いたqの部屋の前の二人が来ると思っててね」
【アンリ】 「1ラウンドで終わらせる! アンリ、行きまーす」
【GM】 「げー。嫌な奴が来る」
【アンリ】 「(コロコロ)うひゃ。1ゾロ。ごめんちゃい」
【シュトルム】 「スピリットウォール…なんか立てたら自分が出られなくなってしまう(笑)。ヴァルキリージャベリン行くぞ(コロコロ)16」
【GM】 「抵抗失敗」
【シュトルム】 「おお、回った。23ポイント」
【GM】 「はぁ? そんなもんどうしようもないやん(コロコロ)生死判定は成功」
【ヴェルナー】 「やったぁ」
【アンリ】 「じゃあこいつ、牢屋のすみに放っといて鎖につないでおこうかな(笑)」
【シュトルム】 「ナンバー28って書いといてやろう。マジックで(笑)」
【GM】 「ジャックはもう一度君たちに『ユリアのことは頼んだ。あと、母さんによろしく』って」
【アンリ】 「ジャックは元気だって言うんだよね。思いっきり元気じゃなさそうだよぉ」
【ヴェルナー】 「そっか。ジャックは連れて行けないのか」
【GM】 「無理だと思うよ。(第一牢屋の鍵、開けてないしねぇ)
それでジャックは『ありがとう。縁があったらまた会おう』」
【シュトルム】 「よし! ジャックにクリエイト・ゾンビだ!(笑)」

 お前はその魔法使えないぞ。分かってんのか。

【アンリ】 「こらぁ!」
【GM】 「勝手に殺すな。まだ生きてるわ(笑)」
【シュトルム】 「残念(笑)」(←何でだよ)
【アンリ】 「じゃあはやくここから出よう」
【GM】 「扉を開けたところで駆けつけた二人と出会うね。まずサウスとヴェルナーに『何があったんだ』そしてアンリとムーン、シュトルムには『何でお前たちが中に入っているんだ』」
【アンリ】 「『ごめんなさい。ブザーが鳴ったからついのぞいちゃったの』」
【GM】 「『いいか。中で見たものは他言無用だぞ。守らなければ命の保証はしないぞ』」
【シュトルム】 「こわー。こういう組織なのか」
【GM】 「『で、何があったんだ』」
【ヴェルナー】 「『ちょっと当たっちゃいました』」
【GM】 「『アホか!』って怒鳴られる」
【シュトルム】 「じゃあサウスが呼吸困難になって倒れたことにしよう。弱肉強食の言い過ぎで(爆笑)。それで倒れた時に警報ブザーに当たった(笑)」
【ヴェルナー】 「『この人を肋けて下さい!』」
【GM】 「サウス君、そんなキャラクターじゃないのに(笑)。『そうか、倒れたのか。なら、そいつは俺たちに任せろ』って連れて行こうとするよ?」
【ヴェルナー】 「あー、サウスが行ってしまう」
【シュトルム】 「どうぞ(笑)」
【GM】 「え? マジで引き取るよ? いいの?」
【アンリ】 「さすがにそれはやばいと思う。『あたしたちで休憩室まで運びます』」
【GM】 「『そうか。助かる。ところで二人ばかりうちの見張りが足りないようだがどうしたんだ?』」
【ヴェルナー】 「『一人はトイレですよ』」
【アンリ】 「『もう一人もトイレじゃないですか?(笑)』」
【GM】 「『そういえば一人はそうだったな。だが、もう一人は見てないぞ?」」
【アンリ】 「『よそ見してたんじゃないですか?(笑)』」
【GM】 「牢屋をのぞいて『あいつに以てるんだがなぁ』」
【シュトルム】 「『生き別れの兄弟ですよ(笑)』」
【ヴェルナー】 「『ナンバー28ですよ、あの人(笑)』」
【GM】 「かなり嘘臭いけどナンバー28って書いてあるんだよなぁ。『28なんていたか?』『一ヵ月前のデータしかないからいるのかも知れない』ああ、だまされてるよ(笑)」
【アンリ】 「取りあえずバレないうちに上に行こう。『じゃあこの人連れて行ってきますね』」
【シュトルム】 「連れて行ったふりをしてここから撤退だ」
【GM】 「じゃあ一階まで戻って来たことにしていい?『何だ。やっぱり帰ることにしたのか? アベルとカインも仕事終わったのか?』」
【ヴェルナー】 「あ、そうか。僕、ここではアベルなんだ。『仕事終わりましたー』…終わってないような気もするけど(笑)」
【アンリ】 「『うん。やっぱり帰るの。ママが、心配するから』」
【GM】 「『おう。気をつけて帰れよー』…明日本物が来たらびっくりするんだろうなぁ、こいつら」

 一同爆笑。

【ヴェルナー】 「でも僕たちよく働いてあげたいい人なのに(笑)」
【シュトルム】 「トイレも洗ったし(笑)」
【アンリ】 「それではお母さんのところに戻ろうか」
【GM】 「じゃあ戻った。『ユリアとジャックは…? 何か分かりましたか?』」
【アンリ】 「お母さん、会いたがってたよねぇ」
【GM】 「うん。どちらか一人でもいいからって」
【ヴェルナー】 「でも無理だよ」
【シュトルム】 「あ! そうだ! シェイプチェンジ!」
【ヴェルナー】 「おお!」
【ヴェルナー(ムーン)】 「じゃ、ジャックになるよ(コロコロ)成功。『母さん!』」
【GM】 「『ジャック! 会いたかったわ、無事だったのね!』」
【アンリ】 「本物に会わせてあげたかったね」
【シュトルム】 「ユリアはどうする?」
【ヴェルナー(ムーン)】 「あ、困った」
【アンリ】 「捜してる途中だって言いなよ」
【ヴェルナー(ムーン)】 「『今、捜してる途中なんだよ』」
【GM】 「『そうなの…』でもお母さんはジャックに会えただけで一応満足したみたいですぅっと消えていく。君たちに『ありがとう』と言って」
【GM】 「というわけで経験点を1000点あげよう」
【シュトルム】 「1000〜?もっとくれーーーっ」
【GM】 「だって今回絶対に倒さなきゃいけない敵っていなかったし」
【アンリ】 「でもほとんど戦うことなくうまく立ち回ったのにー」
【GM】 「認めん(笑)。成功報酬の1000だけ」
【ヴェルナー】 「結局これって成功したの? ユリアは?」
【GM】 「だって今回の依頼内容は幽霊を昇天させることだよ? これ、キャンペーンシナリオなんだけど…」
【ヴェルナー】 「あ、そっか。じゃあユリアは次かな」
【シュトルム】 「キャンペーンだったらもうちょっと経験点くれ(笑)」
【GM】 「いや。あとね、酒場に戻ったらマスターが報酬の1000フィスをくれるよ。で、次の昼になるとほかの冒険者たちも酒場にやって来るから聞きたいことがあったらどうぞ。エルフとロード君はいないけど。ロードは大学に行ってる。エルフは知らない」
【アンリ】 「アリスとかマリアの本物はいる?」
【GM】 「それらしいのはいない」
【シュトルム】 「アンディーはいるんだよな? それだったら近くに行ってわざとらしく『こんにちは』」
【GM】 「アンドリューは『何があったか知らんがあまり深く首を突っ込まない方がいいぜ』」
【アンリ】 「でももうジャックと約束しちゃった。ユリア見つけるって」
【シュトルム】 「じゃあ『ラヴァーズさぁん(笑)』」
【GM】 「『あら、また会ったわね?』」
【シュトルム】 「『ご飯おごります』って言って世間話のついでに何の仕事してるのか聞いてみよう」
【GM】 「『それがねぇ、まだ見つかってないのよ。女の子さがせって言われたんだけど』」
【シュトルム】 「『女の子? 何て名前ですか?』」

 どうでもいいけど好きな女と話す時は敬語になるんだな、お前。

【GM】 「『名前は聞いてないけど写真ならもらったわ』って見せてくれる。ユリアだね」
【シュトルム】 「うおぉ」
【アンリ】 「やっぱりー」
【ヴェルナー】 「でもなんでエルフがユリアを捜させてるんだ?」
【GM】 「『あなたたちももし見かけたら教えてよ。1000フィスくらい出すわよ?』」
【シュトルム】 「『わかりましたぁ』」
【ヴェルナー】 「ねぇ。騒け出したちはどうしてる?」
【GM】 「奴等は下水のねずみ退治して50フィスもらったーってはしゃいでるよ」
【シュトルム】 「なんだかなー(笑)」
【GM】 「『次はもっと深いとこまで行ってみよう。もっとたくさんねずみがいるかも知れない(笑)』」
【シュトルム】 「またねずみかよ(笑)」
【アンリ】 「進歩がないよー(笑)」
【シュトルム】 「じゃあジャックのお母さんのところで拾ったねずみの死体あけよう(爆笑)」
【GM】 「いらんわ(笑)」
【アンリ】 「ねぇ。アンディーに頼まれてたパーティは?」
【GM】 「なんか成功したらしくて1000フィスもらってる」
【アンリ】 「ジャックの小屋のあら探しかな」
【シュトルム】 「わからん。聞いてみよう。『何をやってたんだ?』」
【GM】 「『よく分からないけど、いろんな草を取ってこいって言われたんだ』」
【ヴェルナー】 「草?薬草かな」
【アンリ】 「『どんな草だった? 知ってる名前?』」
【GM】 「(そんなもん考えてねぇよ)『さぁ。俺たち名前聞いても分からなかったから絵を書いてもらってそっくりなのを取ってきただけ』」
【アンリ】 「『その絵、見せて?』」
【GM】 「『(アンドリューに)紙、返しちゃった』」
【アンリ】 「『じゃあどんな感じだったか教えて?』」
【ヴェルナー】 「『毒、ありそう?』」
【GM】 「『普通だったよ。毒はないと思うよ。食べちゃだめだとか言われなかったし(笑)いくつかあったけど、混ぜたら何かできるのかな』」
【アンリ】 「食べてみりゃいいのに(笑)」
【GM】 「普通、草なんて食べない(笑)『ちゃんと弁当持っていったし(笑)』」
【GM】 「というわけで今回はここまで。ユリア捜しは次回に続くってことで」
【シュトルム】 「ほーい。あ、待ってGM。ってことはこの中の誰かがいつかは敵に回るってこと?」
【GM】 「敢えてノーコメント」
【シュトルム】 「ラヴァーズさんはいやだ。やめて」
【アンリ】 「駆け出しは大丈夫と思う。弱いし」
【GM】 「(さあ、どうだろうね)けっけっけ」
【ヴェルナー】 「何や、GM。気味悪いなぁ(笑)」

÷÷ つづく ÷÷
©2004 Jun Hayashida
Illustration ©2004 Ryoko
Map ©2004 Moyo
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