▽ 竜婚を遂げる者 | ▽ 悲しみ砕く竜の牙 |
---|
【GM】 セッションを再開するよ。いよいよ今回が、このキャンペーンの最終回だ。
【牙皇子】 7年というのは長かったな。
【フィナーレ】 ホントに。はじめの頃はプレイヤーより年上だったフィナーレも、いまじゃ年下になってるもんねぇ。……って、あたしはなごんでいられる状況じゃないんだけど(笑)。
【GM】 そうだった、そうだった。フィナーレは操られた母親に、ロスは同じく操られたレイディアスに捕らえられてるんだったね。闇侈孫は勝ち誇ったように、キバちゃんに言う。
「さあ、兄さん。兄さんが僕から盗った竜杯を返してもらおうか。でないと、このふたりは死ぬよ」すると、スケルトン・ウォリアーみたいな奴が、キバちゃんの方に近寄ってくるよ。「そいつに渡してください」
【牙皇子】 よかろう、渡してやる。
【フィナーレ】 「キ、キバちゃん……」と、握り拳を口もとにあてて感動するんだろ〜なぁ、どーせ。騙され続けの我が人生。
【ロス】 騙されるのはいいけど、別に握り拳を口もとにあてる必要はないかと。
【牙皇子】 まあ、竜杯を渡したところで、生贄のフィナーレは殺されるんだろうけどな。
【フィナーレ】 げっ!
【GM】 そう、母ちゃんはフィナーレにナイフを突きつけたまま、連れて行くんだ。闇侈孫のもとへッ!!
【フィナーレ】 あう〜……。
【GM】 「ようこそ。我が竜婚の贄姫、フィナーレ」
【フィナーレ】 あうあう!
【GM】 闇侈孫は竜剣を抜いて、フィナーレの胸をグサっと刺した。そして、噴き出た血を竜杯に受け取り、それを飲み干す。すると「うう……身体が……」──。
【牙皇子】 ──「崩れる! バ、バカなッ」(笑)
【GM】 そんな都合のいいことは起きないよ。
【ロス】 自分は予定調和のご都合主義なのに。
【GM】 闇侈孫は「身体が熱い! これが力かッ! みなぎるパワーだッ!!」と、歓喜の声をあげる。
【フィナーレ】 GM、あたしは死んだの?
【GM】 いや、虫の息だけど、なんとか生きてる。そして、走馬灯のように脳裏に浮かぶ、これまでの人生を振り返っているんだね。
【牙皇子】 「や〜い、フィナーレの落ちこぼれ〜」と苛められた子供の頃、危ないところを助けられて「大丈夫か、娘」と声をかけられた牙皇子との雪山での出会い、「目が3つあるからって、化け物呼ばわりするなッ!」と叫ぶレイディアスのこと、「そういうわけでヨロシク〜」とパーティに加わってきたロスのこと──。
【GM】 そうそう、そんな感じ。そして最後に、歌の師匠ミゲル・インデュランに教わった詩のことを、ふと思い出した。教わったときはまったくわからなかったけど、いまにして思えば、その詩は竜婚の儀式について謳ったもの。
【ロス】 相変わらずの後付けご都合だな、おい(笑)。
【GM】 その詩によるとね、竜婚は本来、生贄を必要とするような儀式じゃないようだ。確かに、竜剣で傷をつけて流した血を、竜杯に注いで飲み干すことはする。
ただ、そのやり方は、まず成竜となる者が竜剣で血を出し竜杯に注ぎ、竜婚の相手に飲ませる。その後、相手が同じように竜剣で血を出し竜杯に注ぎ、成竜となる者に飲ませるというものなんだ。
【レイディアス】 つまり、闇侈孫のやり方は間違ってたんだな。と、レイディアスは思えない。操られてるから(笑)。
【フィナーレ】 じゃあ、闇侈孫は……?
【GM】 ボコボコボコっと肉ダンゴみたいにでかくなっていく。しかも、完全な竜になりきってない気色悪い化け物に。「な、なんだこれはッ?! どういうことだッ!」
【ロス】 こういうご都合はOKだ。
【GM】 ここで支配が解けたのか、母ちゃんとレイディアスはその場にバタバタっと倒れる。
【フィナーレ】 お母ちゃんの腕輪をはずしてあげよう……って、あたしも倒れてんのか。
【ロス】 では、俺がはずそう。俺に剣を突きつけたレイディアスには、1発ゲシっと蹴りを入れてからな(笑)。
【牙皇子】 私は醜い化け物に成り果てた弟を見て言う。「愚か者め。知らなかったようだな。何ゆえ成竜の儀式が『竜婚』と呼ばれるのかを」
【GM】 えっ、キバちゃん、フィナーレの秘密どころか、全てを知ってたというつもりか?
【牙皇子】 もちろんだとも(笑)。だからこそ、フィナーレを大切に飼っていたのだよ。
【フィナーレ】 『大切に』……ね。「どこがじゃ!」と、プレイヤーは声を大にして言いたい(笑)。言えないけど。
【レイディアス】 なら、声を犬にして言ってみよう。
【フィナーレ】 わお〜ん。
【ロス】 わけわからん。
【GM】 声を大にして吠えるのは、闇侈孫のほうだね。「なんてことだ! こうなったら、兄さん、あなたも道連れだッ」
巨大な怪物となった闇侈孫は襲いかかってくるよ。強大なパワーをもって!
【牙皇子】 巨大な怪物、ってここは城の中だろ。
【フィナーレ】 動けないんじゃないの?
【GM】 そんなに大きくはない。高さ3メートルぐらいで、幅6メートル程のでかさ。
【牙皇子】 どっちにしても、こちらとしてもここでは戦いにくいな。
【GM】 外に出ようってか?
【牙皇子】 そのとおり。ついでに、ここまでの行動を示しておこう。
まず、支配の腕輪を外す際にロスに蹴られたレイディアスは、その場で目を覚ました。そしてロスは、フィナーレ・ママの腕輪も外して起こし、レイディアスは虫の息のフィナーレに〈キュアー・ウーンズ〉をかけた。しかる後、全員で外に逃げ出したのだ。
【GM】 しかし、闇侈孫は壁をブチ破って追いかけてくるよ。
【牙皇子】 手近な窓から外へ飛び出す。ガラスを身体で割ってな。
【GM】 おっ、かっこいいね〜。そういうの好きだよ。じゃあ、キミたちは外へ飛び出た。そこは城門の反対側、アイアン・ゴーレムのいないほうの開けた草原です。しかし、それで逃げおおせたわけじゃない。闇侈孫も城壁を破って飛び出してきた! 砕けた石材が、あたりに飛散する。
【フィナーレ】 しつこいな〜。
【牙皇子】 いいさ。もとより、開けたところで戦うつもりだったからな。
【ロス】 では、いよいよやりますか、キバさま。
【レイディアス】 最終決戦だ! 腕が鳴るぜ!
【GM】 キミたちの敵は、闇侈孫ただひとり。ただし、さっきよりちょっとでかくなってる気がする。
【フィナーレ】 〈ルーン・ロープ〉(ころっ)失敗。
【牙皇子】 〈サモン・ワイバーン〉(ころっ)即座に出現。
【GM】 フィナーレの母ディアーヌは、フィナーレに話しかけてくるよ。「フィナーレ。エルフになれず、人間にもなれぬ哀れで醜い愛しい我が娘よ。過酷な運命を背負ってしまったあなたに、せめてわたしの力を与えましょう」
【ロス】 さりげな〜く、何かのセリフをパクってたな。
【GM】 ディアーヌは、その昔、遺跡で見つけた古代のペンダントの魔力で、フィナーレに秘術をかけた。これでお母ちゃんの冒険者レベルは1になって、フィナーレのソーサラー技能レベルが10になる。
【レイディアス】 すげーな。
【ロス】 ご都合主義、ここに極められたり。
【フィナーレ】 レベル10ってことは、〈メテオ・ストライク〉を唱えろ、ってことだね。
【GM】 別にそうは言わない。
【フィナーレ】 お母ちゃんはレベル1になったんだね。じゃあ、後ろにさがっててもらおう。
【レイディアス】 オレはバスタード・ソードで特攻するぜ。UUURRRYYY! (ころっ)はじかれた。
【ロス】 特攻は俺の専売特許だ! (ころっ)ガイ〜ン。
【GM】 闇侈孫は前方のふたりに腕らしきものを振るう。レイディアスには回避されたけど、ロスには命中。
【ロス】 (ころっ)うわッ、防御で1ゾロ!
【GM】 そいつは痛恨の一撃! ロスには21点のダメージが減点なしに行くよ。
【ロス】 やられてしまった。(ころっ)[生死判定]には成功。虫の息。
【GM】 そこへもう一撃行けば、ロスは死んでしまうよな(笑)。次のラウンド。
【フィナーレ】 〈メテオ・ストライク〉ったって、目標の近くにふたりも味方がいるから唱えられないな〜。
【牙皇子】 ならば闇侈孫に〈スロー〉をかけろ、フィナーレ。
【GM】 敏捷度を半分にされてしまうわけだな。闇侈孫の敏捷度は22だから──ってちょっと待て、闇侈孫がいちばん早いやんけ。先にこっちから攻撃させてくれ。目標はレイディアス。
【レイディアス】 来てみろ。オレを倒してみろ! (ころっ)回避。
【GM】 くそ〜、レイディアスも殺しておきたかったんだけどなぁ。ひとりひとりひねり潰していったるねん、こうなったら。
【フィナーレ】 〈スロー〉4倍消費で達成値を拡大。(ころっ)効いた。敏捷度が半分になったよ。ついでに回避点にもペナルティだからね。
【牙皇子】 召喚したワイバーンに攻撃させて、私は[パリィ]。
【ロス】 レイディアス、〈キュアー・ウーンズ〉をかけてくれ〜。
【レイディアス】 じゃあ、魔晶石を使って2倍消費でかけよう。(ころっ)23点回復。
【ロス】 OK! さっき生命力をマイナスにされたぶんを差し引いても全快さ。
【GM】 闇侈孫には〈スロー〉がかかってるから、第3ラウンドはフィナーレから行動してくれ。
【フィナーレ】 〈ライトニング〉(ころっ)19点のダメージ。
【牙皇子】 [パリィ]。ワイバーンに任す。
【レイディアス】 行くぜー! UUURRRYYY……(ころっ)スカった。
【ロス】 攻撃、(ころっ)クリティカルヒット2連発で21点。
【GM】 あ、そ。痛くないよ〜ん(笑)。じゃあ、またロスとレイディアスに攻撃。
【レイディアス】 やれるもんなら、やってみろ。(ころっ)うおっ、当てられた! しかし、11点のダメージならかすり傷だぜ!
【ロス】 (ころっ)当てられて13点くらった。生命力が0点になったけど、[生死判定]でなんとか生きてる。
【牙皇子】 風前の灯だな。フィナーレに命令、レイディアスに〈フル・ポテンシャル〉をかけろ。
【フィナーレ】 レイディアスに〈フル・ポテンシャル〉。(ころっ)かかった。
【牙皇子】 ワイバーンよ、いけぃ! そして私は[パリィ]。
【レイディアス】 「このバカ、またのびてやがる」と言って、ロスに〈キュアー・ウーンズ〉をかけてやろう。ついでにオレ自身にも。(ころっ)ロスは10点治った。オレは12点回復。
【ロス】 ロスは起きあがろうとしている……。
【GM】 じゃあ、闇侈孫。レイディアスに攻撃。しかし、こいつら、やっつけてもやっつけても起きあがってくる(笑)。
【レイディアス】 うおりゃ〜! (ころっ)回避した。
【GM】 なんちゅうやっちゃ。次のラウンド。
【レイディアス】 〈フル・ポテンシャル〉のおかげで、オレがいちばん早いぜ! そりゃ、(ころっ)ヒット、ダメージへっぽこ13点。
【GM】 フィナーレの番になった時、フィナーレはまた、師匠のミゲル先生の言葉を思い出すよ。
【フィナーレ】 こんどは何を思い出したのかな〜。
【GM】 「歌は、必ずおまえの守りになる。古の歌の内容を正しく把握し、それを駆使せよ」
【フィナーレ】 古の歌ってどんなのだったっけ?
【GM】 さっきから言ってるでしょ。
【フィナーレ】 要するに、竜杯に血を入れてキバちゃんに飲ませろ、ってこと?
【GM】 フィナーレは、ふたりで協力しないと闇侈孫は倒せないような気がするわけよ。
【牙皇子】 つまり、フラグを立てないと、この闇侈孫は無敵のままなわけだ(笑)。
【GM】 そういうわけじゃないけど、キバちゃんひとりでも闇侈孫は倒せないと思う。
【フィナーレ】 わかった、わかった。じゃあ、フラグを立てよう。竜杯と竜剣はどこにあるのかな?
【牙皇子】 「ここだ!」と、懐から取り出す。
【GM】 はあ、どさくさにまぎれて回収してたんや。さすがはシーフ技能の持ち主。ご都合主義GMの名にかけて、それを承認しよう(笑)。
【フィナーレ】 それじゃ、キバちゃんのところに行く。まず、キバちゃんの血を飲まなきゃいけないんだよね。
【牙皇子】 では、竜剣でリストカットして、竜杯に血を注ぐ。それ飲め、やれ飲め。
【フィナーレ】 ゴクゴク……ぷは〜!
【ロス】 その間に闇侈孫を攻撃する。
【レイディアス】 「ロス、命にかえても牙皇子さまをお守りするぞ!」……このへんでポイント上げとかな、影の薄い俺らは人気投票で名前すら出てこないからな(笑)。
【ロス】 「この命、牙皇子さまのために!」(ころっ)当たり、8点。「お、俺の力ではこいつを倒せないのか〜」
【GM】 まあ、ロスたちはキバちゃんにしてみれば、楯になってくれてるわけだから。ふたりが戦ってくれてるおかげで、闇侈孫はキバちゃんの竜婚を邪魔ができんわけだし。
闇侈孫は前衛のふたりに炎を噴き出す。レイディアスに19点、ロスに19点のダメージ。
【ロス】 うわ〜ッ、レベルで止めても生命力がマイナス2点。[生死判定](ころっ)よっしゃ、虫の息で耐えてる。OK〜(笑)。
【GM】 こいつめ……何回、崖っぷちから生き返ってくるねん。「俺はもうダメなのか、いや、小宇宙を燃やせ! 牙皇子さまのために!!」って感じか(笑)。
【フィナーレ】 そろそろセブンセンシズに目覚めてもよさそう。
【GM】 次のラウンド、レイディアスから。
【レイディアス】 〈キュアー・ウーンズ〉2倍消費。(ころっ)ロスは14点、オレも14点治った。
【フィナーレ】 竜剣と竜杯を受け取ったので、自分の手首を切って血を竜杯に注ぐ。
【GM】 そのときフィナーレは、儀式に魔力を付加させるために呪歌を歌わねばならない。それは、バンパイアの城で助けた吟遊詩人に教えてもらった、あの古代の歌だ。
【フィナーレ】 なるほど、あの謎の歌にはそんな秘密があったんだ。
【GM】 そのとおり。呪歌の歌詞は、普通は上位古代語で謳われてあるそうだ。けど、バンパイアの城で覚えた呪歌は、上位古代語の詩じゃなかったんだね。だから、あの魔法使いの婆さんがいくら調べても、この詩の内容を知ることはできなかった。
【フィナーレ】 じゃあ、あたしも詩の内容を把握してるわけじゃないのね。
【GM】 さっきまでは、まったくわからなかった。けど、キバちゃんの竜の血を飲んだとき、すべてわかった。あの詩は、古代のドラッヘの言葉、いうなれば古代ドラッヘ語の詩だったんだよ。
【牙皇子】 ドラッヘというのは、この島に住んでる竜人だったな。
【GM】 そう。その竜人は、まさしくかつてこの地に住んでいた古代種の人間と、古代の竜の間にできた亜人の子孫だ、ということもフィナーレにはわかった。キバちゃんの血に刻まれていた、神話の時代からの竜の記憶がフィナーレの中に入ってきた、という感じかな。
まあ、ここでその記憶のすべてを解説することはしないけど、とにかく、フィナーレは『歌の内容を正しく把握し、駆使する』ことができるようになったのだ!
【フィナーレ】 じゃあ、理解したとおり呪歌を歌い、伝説のやりかたで儀式をしました。あたしの血を入れた竜杯をキバちゃんに渡す。
【牙皇子】 渡された。鼻をつまんで、一気に飲み干す。フィナーレの血って、青汁みたいな味〜(笑)。
【フィナーレ】 なんでやねん!
【ロス】 俺は三たび起きあがる。
【GM】 闇侈孫はワイバーンを攻撃。ワイバーンはヘロヘロになりました。
【フィナーレ】 ラ〜イトニング、ラ〜イトニング、やっほーやほ〜♪ 〈ライトニング〉(ころっ)21点。
【GM】 さて、キバちゃんの身体に変化が起こる。それは闇侈孫を襲った変化とは、まったく別のもの。神々しい黒き光を放ちながら、キバちゃんは黒き鱗のドラゴンになりました。正体を取り戻したわけだね。しかも成竜になったから、もうあと1000年ぐらいすれば、脱皮してドレイクになれるよ(笑)。
【牙皇子】 で、具体的な強さは?
【GM】 え〜、エルダー・ドラゴンの数値に全部プラス4ってことで。
【フィナーレ】 すごい強い!
【GM】 いや、闇侈孫だって強いよ。しかも、いまも何か成長してるような感じだしね。このまま放置しておくと、ひょっとしたらとんでもない怪物になてしまうかも知れない。
【牙皇子】 では、このラウンドはレイディアスとロスに後退するように命令。
【レイディアス】 「御意ッ!」と後ろ向きに走る。いま明かされる衝撃の事実だが、じつはオレにはもうひとつ、後頭部にも目があったのさ。
【フィナーレ】 4つ目か!(笑)
【GM】 だから後ろ向きに走れるんやな。
【ロス】 俺も下がる。ごく普通に回れ右して。
【GM】 じゃあ、闇侈孫はドラゴンになったキバちゃんを見て、「な、なにぃ!? バ、バカな! なぜ僕にはなれなくて、兄さんにはなれるんだ!?」と叫ぶ。次のラウンド。
【フィナーレ】 闇侈孫のそばに誰もいなくなったということで、範囲縮小で〈メテオ・ストライク〉!! (ころっ)26点……なんだ、〈ライトニング〉と大差ないなぁ。
【牙皇子】 〈ファイアブレス〉(ころっ)21点。
【レイディアス】 〈フォース〉(ころっ)少ない、15点。
【ロス】 「いま、キミのような怪物は危険すぎる。わたしはキミを殺す!」〈バルキリー・ジャベリン〉(ころっ)ダメージ16点、弱いな〜。
【レイディアス】 あ、あかん。ワイら完璧にわき役やがな!
【GM】 闇侈孫はキバちゃんに炎を噴く。[精神力抵抗]しなさい。
【牙皇子】 阿呆め、ドラゴンは『炎は無効』なのだよ! そっちはなり損ないだから、効いたようだがな。
【GM】 なにぃ〜?! あっ、ホンマや!
【フィナーレ】 〈ライトニング〉〜(ころっ)18点。
【牙皇子】 フッ、貴様に本物の炎というものを見せてやろう。〈ファイアブレス〉(ころっ)21点。
【レイディアス】 ワイバーンに〈キュアー・ウーンズ〉。(ころっ)12点。
【GM】 ヤなやっちゃな(笑)。
【フィナーレ】 ロス、魔晶石ちょ〜だい。
【ロス】 しょうがないな、あげよう。「こ、これで奴を……!」
【GM】 なんで急に死にそうになってるねん。闇侈孫はキバちゃんに攻撃。……かわされた。
【レイディアス】 〈フォース〉(ころっ)18点。
【フィナーレ】 もう1発〈ライトニング〉。(ころっ)18点。
【牙皇子】 牙皇子だけに牙で攻撃。(ころっ)噛みついた。クリティカル・ヒットで24点。
【ロス】 血を吐きながら〈バルキリー・ジャベリン〉!! (ころっ)クリティカル・ヒット27点! これでちょうど精神力0点になったから、バタっと倒れる。
【GM】 これで闇侈孫はグラっときたけど、まだ死んではいないよ。闇侈孫はキバちゃんに噛み返す。
【フィナーレ】 「兄さ〜ん!」と叫びながら?(笑)
【牙皇子】 フッ。「我が弟よ、ぶつけてくるがよい。貴様の悲しみ、すべてこの私が受け止めてやろう!」
【レイディアス】 おおー、かっこいい!
【フィナーレ】 かっこいい〜。
【ロス】 かっこよすぎるぜ、アニキ!
【牙皇子】 (ころっ)回避。
【レイディアス】 よけたぞ、おい。
【フィナーレ】 やっぱりギャグ漫画だ(笑)。レイディアスは[パリィ]しているので、あたしの番ね。「闇侈孫、おまえは竜族であることに執着しすぎて、世間を知らな過ぎたのよ」と言いつつ、〈ライトニング〉。(ころっ)ダメージはへっぽこなんだよな〜、19点。
【牙皇子】 「闇の中でも目を閉じず、耳を塞がずいられたなら、たとえかすかでも光明を見逃さずにすんだものを……」と、またかっこいいことを言いつつ牙で攻撃。(ころっ)ヒット、17点のダメージ。
【GM】 闇侈孫は倒れたよ。「に、兄さん……これでよかったのでしょうか」
【牙皇子】 ──「これでいーのダ」
【レイディアス】 うわッ、やっちゃった!(笑)
【GM】 最低!!(笑) 「でも、楽しかったよ。最後に大暴れできて……」
【ロス】 こっちは大迷惑じゃい!
【フィナーレ】 せっかくかっこよさげなこと言ったのに、このままじゃギャグ漫画で終わってしまう。キバちゃん、びしっと決めてよ。
【牙皇子】 じゃあ、「哀れな弟よ。再び生まれ変わり、もういちど最初から試みるがよい。そして、今度こそきっと、竜になれ」と言ってやろう。
【GM】 よし、そこでしめよう。これ以上続けてたら、またギャグされるからな(笑)。闇侈孫は涙を流しながら、穏やかな表情で死んでゆくよ。
【レイディアス】 ここで1発目立たないとな。戦神オーシュのプリーストであるオレが、闇侈孫を弔ってやろう。
【GM】 いいね〜。
【フィナーレ】 あたしも〈レクイエム〉を歌ってあげよう。……好感度アップ(笑)。
【GM】 相変わらず、ありもしない人気投票を気にしてるみたいだけど、かっこいいよ。
【ロス】 俺はすることがないから、シャーマン・ダンスを披露しよう。
【GM】 (ロスなんか無視したる!)そこに2頭のドラゴンが現れるよ。
【フィナーレ】 キバちゃんのお父さんとお母さんだね。挨拶しなくちゃ。
【GM】 その2頭はドレイクだ。フィナーレの言うとおり、キバちゃんと闇侈孫のご両親だよ。ただし、幻影。
【牙皇子】 フィナーレ、〈ディスペル・マジック〉だ(笑)。
【GM】 「うわっ、解除されてしまった!」って? やめてくれよ(笑)。
【フィナーレ】 とりあえず、観戦モードに入ることにした。
【レイディアス】 オレも観戦モード。
【ロス】 俺も。GM得意のひとり上手を拝聴しよう。
【GM】 幻影のドレイクたちは言う。
「牙皇子よ、よくぞ成竜となった。闇侈孫のことは残念だったが……。
おまえの言ったとおり、弱き闇侈孫は、闇に取り込まれてしまったのだ。我々、東の竜族はすべて闇から生まれてきた者、闇の血を引き、闇を操る者だというのに、強きおまえを妬み羨むあまりに、あらぬ妄想まで抱いてしまったようだ」
【フィナーレ】 キバちゃんも闇から生まれてきたのね。
【ロス】 なんか、ホッとする(笑)。
【GM】 「おめでとう、牙皇子。おまえは立派にエルダー・ドラゴンとなったのだ。しかし、これからは、エンシェント・ドラゴンになるべくさらに厳しい修行の旅に出ねばならない。これまでよりも、もっと苛酷な旅となるだろう。だが、心強き仲間がいれば、それを乗り越えることができると、私たちは信じている」
【牙皇子】 フッ、いよいよドレイクになるときが近づいたわけだな。ついてこい、ロス、レイディアス!
【レイディアス】 御意ッ!
【ロス】 修行の旅って、とりあえずどこへ?
【牙皇子】 そうだな。レムリア大陸の北にあるという大陸がおもしろそうだな。魔法帝国が〈ザンナール〉を発動させるまでは陸続きであったという北の大陸が、どのようなものか見てみたい。
【ロス】 目指すは北ですな。
【フィナーレ】 じゃあ、背中に乗してもらわなくちゃ。
【GM】 ドレイクは「竜婚の花嫁フィナーレよ。我が息子を成竜にしてくれて、どうもありがとう」と言う。
【フィナーレ】 うん、うん。何がもらえるのかな?
【GM】 「ありがとう。本当にありがとう。とってもありがとう」以上。
【フィナーレ】 ……それだけかぃ!
【GM】 「われわれ竜族は、いつもあなたたちを見守っています」と言って、幻影は消えてしまった。
【フィナーレ】 見守るだけ?(笑)
【GM】 いや、フィナーレはキバちゃんの血──闇の竜の血を飲んだから、不老不死の身となったんだよ。
【フィナーレ】 不老不死!?
【GM】 そう。病に冒されえることもなければ、飢え死にすることもない。ただし、怪我にだけは気をつけてね。
【フィナーレ】 う〜ん……不老不死ねぇ。
【GM】 おや、あまり嬉しくなさそうだね。
【フィナーレ】 だってね〜、飢え死にしない、ってことはお腹がすかない、ってことでしょ? それって、あんまり嬉しくないよーな。それに無駄に長生きってのも、ちょっと……。解除する方法はないの?
【GM】 意外な言葉だなぁ。解除の方法は、キバちゃんなら知ってるかも知れない(笑)。
【牙皇子】 でも、教えてやらん(笑)。では、ドレイクになるために旅に出よう。ロスとレイディアスを背に乗せてな。「ゆくぞ、ロス、レイディアス!」
【ロス】【レイディアス】 ははッ!!
【フィナーレ】 ちょっと待って、あたしは?
【牙皇子】 北の大陸には、どんな危険が待っているかわからん。そんなところに貴様を連れてゆくわけにはいかんな。これは竜婚を遂げた貴様への、最初で最後の思いやりと心得よ(笑)。
【フィナーレ】 げっ、そんな意地悪な笑顔で「思いやり」って言われても(笑)。せめて不老不死の解除だけでも〜!
【牙皇子】 わははは、さらばじゃ!
【GM】 そうしてキバちゃんは、ロスとレイディアスを伴って、北へ……北の大陸を目指して飛び去ってゆくんだね。取り残されしまったフィナーレとお母ちゃんはどうするんだい?
【フィナーレ】 そうだね、とりあえず、お母ちゃんを故郷に送ってあげなきゃ。この島に上陸した浜辺へ行ってみるよ。船の修理が終わってるかも知れない。
【GM】 では、フィナーレとディアーヌは浜辺へ来た。修理は終わってて、キミとキバちゃんの帰還を待ってるとこだった。
【フィナーレ】 じゃあ、船でルーベンスへ戻る。
【GM】 スチュワート号は、西を目指して帰路についた。あれほど荒れていた海は、いまは嘘のように穏やかになっている。優しい風はスチュワート号の帆をいっぱいに膨らませ、海面をぐいぐい進ませてくれる。ベテランの船乗りでさえ経験したことがないほど順調な航海で、フィナーレはルーベンスに戻ってきた。
桟橋に降り立つやいなや、「お姉ちゃ〜ん!」と聞き慣れた声。アランが手を振って駆け寄って来る。「海が急に静かになったんだ。お姉ちゃんのおかげでしょう?」
【フィナーレ】 あの海の荒れが、闇侈孫のせいだったとしたらね。とりあえず、ここで2、3日休んだら、故郷の村に帰るよ。
【GM】 その後はどうするの?
【フィナーレ】 あたしも北の大陸を目指す。キバちゃんを捕まえて、このやっかいな不老不死を解いてもらう(笑)。
【GM】 なるほど、わかった。ここにひとつの旅が終わり、ふたつの旅がはじまったわけだね。フィナーレがキバちゃんと再会できたのかどうか、それはまた、別のお話だ。お名残惜しくはあるけれど、これにて、7年の永きに渡ってやってきたキャンペーンは、めでたく完結!
どうもお疲れさまでした。