≪REV / EXIT / FWD≫

§Aphelion〜深遠の使者〜§

エンディングフェイズ

著:真柴悠

−偽名の男、爆風に散る−

【GM】 では、エンディングフェイズになります。ティガー以外ですね。爆破直後。
 爆風がおさまり、徐々に視界がひらけてきます。
 おびただしいニザフィヨルの破片と、抜けるような青空が対照的。
 で、キミたちは気付く。
【チャンドラ】 「あれ? オヤジがいない」(笑)
【レイク】 「ティガーさんは、どこに行ったんでしょう?」
【GM】 チャンドラは、ギリギリ間に合った自分の後ろに、ティガーがいたような気がした。
【チャンドラ】 「まさか!?」(笑)
【ティガー】 眼帯だけ落としとこか。
【チャンドラ】 じゃあ、寂しそうに拾い上げる。
【GM】 遺品になってる(笑)
【チャンドラ】 「これだけ残ってた」って、みんなに見せる。
【レイク】 「どこか静かな所に埋葬しますか」
【チャンドラ】 「訳の分からんオッサンやったけど、楽しかったなぁ」(笑)
【ティアナ】 「あの人のことです。きっと、どこかで生きていますよ」

――共に過ごした時間は、夢や幻ではなかった。彼の存在は、ここにいる仲間達が証明してくれる。

−虎王の帰還−

【GM】 次はティガーですけども。
【ティガー】 帰ってきたんかな?
【GM】 どうしよう。マスターシーンから入ります。
 王宮の、広い一室。
「宮廷魔術師クン、これでいいのかい?」ばさぁー!(笑)
【ティガー】 ノリノリやな。
【GM】 王様スタイルに着飾って得意げに長い前髪を跳ね上げている奴と、その隣で考え事をしている青いローブの男。
 そこに、赤毛のおばちゃんが入ってくる。
 青いローブの男――シルヴィアが、おばちゃんことメイユールに問いかける。
「王妃のご様子は?」
「すっかり憔悴しちゃってるわ。あんなのでも一応ダンナだもんね〜。それでね、それでね、捜索願いを出そうとしたんだけど、息子に“恥ずかしいからやめてくれ”って止められたらしいわよ〜あははは!」
【ティガー】 “一同爆笑”やろ(笑)
【GM】 メイユールはシルヴィアの青いローブを叩きながら脳天気に笑って、テーブルに置かれたクッキーを勝手につまみ始める。
「いいじゃない、パチモーン。なかなか似合ってるわよぉ」
「そうかい?」ばさぁー。
 そこで、シルヴィアがメイユールに向かって、すかさず「陛下とお呼びしろ」とツッコミを入れる。
【ティガー】 厳しいねぇ。
【カジュール】 「今日から僕の父さんですね」(笑)
【ティガー】 シナイ姫も「お父様」言うとるで(笑)
【GM】 完璧や。では、そういう状況に帰ってきてもらおう。
【カジュール】 気まずいな(笑)
【GM】 メイユールが「え?」と顔を上げた途端、部屋の中央に扉の大きさの光るものが現れ、中からよく知った姿が出てきました。
【ティガー】 帰ってきたで。
【GM】 その場にいた全員がフリーズしてる。
【ティガー】 江戸の服を翻しながら、玉座に向かって。
【GM】 パチモーンが座ってる。
【ティガー】 げしっと蹴り落として、座る。「ただいま」
【GM】 いち早く平常心を取り戻したシルヴィアが、「こんな事だろうと思っていたよ」
【カジュール】 「今のはウソです、父さん」(笑)
【ティガー】 「カジュール、話は聞いたぞ。シナイもな」
【カジュール】 逃げる(笑)
【ティガー】 「二人とも、あとで私のところへ来なさい」
【シルヴィア】 その前に、ファンリーの所へ行ったれよ。
【カジュール】 ほんまや。
【ティガー】 ここにおらへんから、「ファンリーどこ?」って聞くわ。
【メイユール】 「寝室にこもったままよ」
【ティガー】 じゃあ、寝室に行く。
【シルヴィア】 ファンリーが回復してから、説教するから(笑)
【GM】 国王帰還という知らせはただちに城中に伝わり、それから三日三晩、『国王陛下おかえりなさい』の宴が続いた。
 王様は宴の最後までシルヴィアに叱られていた。
【ティガー】 また劇になる。『虎王の帰還』とかいうタイトルで。ついに完結編や。
【シルヴィア】 “第○回・おかえりなさい”の宴やで。
【GM】 しょっちゅう放浪してやがるもんな。
【カジュール】 もう3ケタ行ってるやろ。
【ティガー】 平和や。

――世界は広く、強い奴も其処彼処にいる。
 錆を知らぬ虎王の冒険は、まだまだ続きそうである。

−夜明けの月−

【GM】 次のエンディングはチャンドラです。皆と別れた直後でしょうか。
【チャンドラ】 カーバッシュを埋葬するよ。
【GM】 埋められた。
【チャンドラ】 「昔、ちょっと想いを寄せてた心を封印します」
【GM】 ふむ。
【チャンドラ】 で、幼馴染みの家に行って、そいつの服を着て、男装する。それで過去を捨てたことにする。
【一同】 おおー!
【チャンドラ】 家族に「旅に出る」って言う。
【GM】 自警団に誘うつもりやったのに。
【ティアナ】 リーダーやろ(笑)
【ティガー】 おかんが残念がるで。「もう組織図も作ってあるんだけどねぇ」
【GM】 母親なんや(笑)
【チャンドラ】 一番上の弟に「あんたがやり」って言う。
【GM】 「え、僕、帝国兵になりたいんだけど」
【ティガー】 姉貴にもらった拳銃で、目覚めたんや(笑)
【チャンドラ】 「それは駄目! ここにいて、村を守って」
【GM】 「分かったよ」
【ティガー】 一人ずつ握手して。
【GM】 母親が荷物を渡しながら「時々は帰ってくるんだよ」
【チャンドラ】 「うん、分かった。みんなも元気でね」
 ここで初めて男になって、出て行きます。

――相入れぬ存在であることは分かっていた。
 それだけの理由で消せぬ感情があることも。
 望んだ決別でさえ、傷を伴う。
 心の底に封じた傷は、再び甦ることはなく、しかし永遠に忘れることもないだろう。

−我が剣にして我が盾よ−

【GM】 次は、レイクやね。
【レイク】 来た(笑)
【GM】 ウェストリ王国に戻ってきました。
【レイク】 女王陛下の所に行きます。
【GM】 謁見の間ですね。女王様が、玉座に姿を現します。
【レイク】 「陛下、ただいま戻りました」
【GM】 「ご苦労様でした、レイク」
【レイク】 「まず、こちらをお渡し致します」と言って、木彫りの人形を。
【GM】 受け取った。背中を触ったら「にょー」って泣いた。
【レイク】 ……喜ぶんかなぁ?
【女王様】 ……(ころころ)
【レイク】 振るんか!(笑)
【女王様】 ちょっと喜んだ。
【レイク】 次に、紅茶セットを渡す。
【女王様】 そっちは、女の子やし喜ぶんちゃうかな。
【GM】 「ありがとう。大切に使います」と。
【レイク】 で、事の顛末を話して、「ステラは私が始末しました」
【GM】 「ご苦労様でした」
【レイク】 一応クエスト達成したということで。
【GM】 「今しばらくは、戦いの日々が続くでしょう。しかし、屈してはなりません。これからも、共に戦ってくれますね?」
【レイク】 「陛下の御心のままに」

――真実は、彼女だけのもの。全てを知る必要はないのです。我々は、我々にできることをしましょう。
 主君は、散っていった者の冥福を祈るように瞳を伏せた。

−己の道が正しい道−

【GM】 最後はティアナですね。
 あなたは、己に課せられた全てを知り、そして使命を果たした。しかし、あなたはシャードと共に心を得た。
 このまま再び永き眠りにつくか、これまでと同じように人間と共存するか。それはあなた次第だ。
【ティアナ】 ウォンとジェスターに世話になっとるから、しばらくは彼らに付き合おうかなと。
【GM】 では、ウォン部長が出迎えます。
「おかえり〜。悪かったねえ、厄介な配送押し付けちゃって」
【ティアナ】 「いえいえ」
【GM】 「キミなら、やってくれると思ったよ。で、次の仕事なんだけどさ」(笑)
【ティアナ】 「……何でしょうか?」
【GM】 「この女の子をウェストリ王国まで運んでくれるかなぁ?」
ウォンの背後には、いつの間にか少女が立ってます。
【ティアナ】 誰?
【GM】 ティシュリの村で助けた少女です。
【ティアナ】 「どうしたんですか?」
【GM】 「あの騎士様……絶対、私の運命の人なんです」(笑)
【レイク】 待って、待って(笑)……でも、慕ってくれる女の子なら嬉しいな。え、幾つですか?
【ティガー】 それが重要や(笑)
【チャンドラ】 犯罪か、犯罪じゃないか(笑)
【GM】 一応、10代で……
【ティアナ】 18歳までやな。
【GM】 じゃあ、8面体が決める。(ころころ)……14歳やって。女王様と同い年や。
【チャンドラ】 ちょっと犯罪?
【ティアナ】 同意があれば大丈夫や、きっと。
【GM】 「会社の信用にかかわる事だし、やれるだけの事をやってほしいんだ」
【ティアナ】 「全速力でお届けします」(笑)

――それでいい。おまえの力は、おまえのものだ。
 風に乗って、そんな声が届いたような気がした

÷÷ おわり ÷÷
©2005 Haruka Mashiba
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