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§失翼の魔術師:第6話§

手掛かりは隣国の村へ

著:林田ジュン イラスト:りょこ 地図:もよ
▽ 1 ▽ 2 ▽ 3

【アンリ】 「もう遅いけど下手なことは言わなかったほうがよかったと思う…」
【ヴェルナー】 「そうだよ。そんなことよりはやく酒場に行ってマスターに報告しなきゃ」
【アンリ】 「それに、下手にストロベリーが生きてるって向こうにバレたら追いかけてくるかも知れない」
【シュトルム】 「じゃあストロベリーは隠した方がいいな」
【GM】 「ところで新入りには店長のこと、言わないの?」
【ヴェルナー】 「言わなくていいんじゃない?」
【ムーン】 「『邪魔したわね』って出て行く。あ、それより彼に『居眠りしてたことを店長にばらされたくなかったら今見たことは黙っておくのよ』って言おう(笑)」

 おい? 居眠りって君らが寝かしたんだろ? 店長ってもう生きてないんだぜ? そりゃあひどくないか?

【アンリ】 「新入り君、小心者っぽいから大丈夫でしょ」
【GM】 「『もうー! 何なんですかぁ? わけが分かりませんよぅ! でも店長に怒られたくないから分かりましたぁーーー!(ヤケ)』」
【シュトルム】 「本当に店長のこと、言わなくていいのか?」
【GM】 「『店長ーーー。早く帰って来て下さいーーー(泣)』」
【ムーン】 「『早く帰ってくるといいね』」

 鬼か、あんたは。

【シュトルム】 「本当に言わないの? 店長の死体、今運んでるんじゃなかったっけ?」
【ムーン】 「あそこに置いて来たの。だってそんなに運べないよ。駆け出しパーティーの5人で精一杯」
【シュトルム】 「そうなのか」
【ムーン】 「それじゃあ酒場に戻るね」
【GM】 「酒場にはアンドリューもいる。で、ストロベリーの方を見て、ハッっていう顔をした」
【アンリ】 「今ハッてしたな(笑)」
【ヴェルナー】 「『お前何か知ってるんだろう』」
【GM】 「『いや、何もない』」
【ヴェルナー】 「こいつ何だよー(笑)」
【ムーン】 「いちいち渋い奴(笑)」
【GM】 「ちなみに聞くけどグレープとゾンビの死体は? 見えてるの?」
【ムーン】 「死体はくるんである」
【GM】 「じゃあ見えるのはストロベリーだけか。『その女の子はどうしたんだ?』」
【ムーン】 「『道で倒れてたの』」
【GM】 「(でもアンディーは知ってるんだよな)『そうか……』ってちょっとつらそうに見えた」
【ムーン】 「こいつ、結横いい奴かも知れない」
【シュトルム】 「分からんなぁ(笑)。取りあえず俺、マスターに報告する。『残念だが…』」
【GM】 「マスターはがっくりしてる」
【アンリ】 「『マスター。あたしたちオレンジ探しに行くからストロベリーちゃん見ててあげて下さい』ところでストロベリーちゃん、もう意識戻った?」
【GM】 「しばらくしたら目を覚ますよ」
【ムーン】 「情報聞き出せそうにないね」
【アンリ】 「オレンジ探しに行くって言ったらついて行きたいとか言われそうだもんね」
【シュトルム】 「でも聞くだけ聞いておかないか? まだ聞いてないことがあるかも知れない」
【ムーン】 「聞いてほしくないと思うよ。もう思う出すのも嫌じゃないかな」
【GM】 「……」
【ヴェルナー】 「ん?」
【GM】 「いや、優しいんだねって思っただけ」
【ムーン】 「優しいんだよ、フン」

 一同爆笑。

【シュトルム】 「嘘っぽいな、ムーンが言うと(笑)」
【ヴェルナー】 「うん。君の場合は(笑)」
【ムーン】 「覚えてろ(笑)」
【アンリ】 「『お願いだからストロベリーちゃんはここにいてね。オレンジ、絶対見つけてくるから』」
【GM】 「『オレンジ、見つけて来てくれるの?』」
【アンリ】 「『だから安心して寝ててね?』」
【ムーン】 「どこでオレンジとはぐれたかくらい聞いてもいいよね? 聞いていい?」
【GM】 「いいよ。『エルフと戦ってる時は一緒だったわ』」
【ムーン】 「いつの間にかいなくなってたのか」
【GM】 「だってストロベリー、気絶しちゃってたから途中からは知らないよ」
【ムーン】 「オレンジ、もしかしてあのエルフとグルだとかいうのかなあ」
【シュトルム】 「わからん」
【ヴェルナー】 「むう。それで死体どうする? 神殿に連れていこうか?」
【アンリ】 「そうだね」
【GM(神官)】 「『わかりました。責任を持って埋葬します。思い残すことはありませんね?』」
【ムーン】 「こいつ本当に神官? 思い残す…って私ら殺されそうやん(爆笑)」
【GM】 「そうじゃなくて復活とかさせなくていいね? ってこと!(笑) リザレクションなら一応国王のコネがあるからできると思うよ」
【シュトルム】 「できるのか?」
【GM】 「お金がいるけどね」
【アンリ】 「高いよね? それ」
【ムーン】 「生き返らせて情報聞き出せばいい(笑)」
【シュトルム】 「リザレクションつていくらだっけ?」
【GM】 「8千フィス」
【ムーン】 「でも、できるなら生き返らせてあげなきゃ悪いような気がする」
【ヴェルナー】 「だけどゾンビになっちゃったのは仕方がないよね?」
【GM】 「それは君たちの判断に任せるけど」
【シュトルム】 「グレープを生き返らせよう。ワリカンして8千出すか? 俺たち金持ちだし」
【ムーン】 「生き返らせるのはこの事件が全部終わってからにしない? じゃないとせっかく生き返らせてもまた殺されちゃうかも。別にリザレクションっていつかけてもいいんでしょ?」
【シュトルム】 「いいけど1日たつごとに達成値がどんどん増えてくぞ」
【アンリ】 「今生き返らせてストロベリーと一緒にしてあげようよ。ついでに話も少し聞かせてもらって」
【シュトルム】 「そうしよう。計算できたぞ。一人1600フィス払ってくれ」
【ムーン】 「そのくらいならいいよ。今回なんかすごくいい人やな、私ら」
【GM】 「(コロコロ)生き返ったよ。数日間は安静です」
【アンリ】 「話くらい聞けるよね?」
【GM】 「うん。ちょっとぼんやりしてるけど、いいよ」
【アンリ】 「『どうしたの? 下水で倒れてたけど』」
【GM】 「グレープもストロベリーと同じことしか知らない」
【アンリ】 「『オレンジのことも知らない?』」
【GM】 「『オレンジがどうしたんだい?』」
【ムーン】 「『行方不明なの』」
【アンリ】 「『ずっと一緒にいた?』」
【GM】 「『最後まで一緒にいたと思うけど…』」
【ムーン】 「なんか嫌な予感。ユリアみたいな感じでエルフに連れて行かれたのかも」
【シュトルム】 「そうかも。『じゃあ君は元気になったらストロベリーのところに行くんだよ。いつもの酒場にいるから』」
【ムーン】 「あとでストロベリーにも言っておこう。グレープが神殿にいるって」
【アンリ】 「『それじゃ、神官さん。ゾンビの埋葬、お願いしますね』」
【GM】 「それでは神殿を出たね? 出たところに見たことがある人が立ってるんだけど」
【ヴェルナー】 「誰?」
【GM】 「アンドリュー君がついて来てたみたいだね」
【アンリ】 「アンディー…」
【シュトルム】 「『どうしたんだ、こんなところで?』」
【GM】 「何も答えない。ただ、無言で8千フィス渡して去っていく」
【ヴェルナー】 「えぇ?」
【アンリ】 「聞いてたのか」
【ムーン】 「キザな奴だぁ(笑)」
【ヴェルナー】 「キザな奴だけど、ますます謎になっていく」
【GM】 「去りぎわに『すまないと伝えておいてくれ』って言うよ」
【シュトルム】 「なんかいい奴やなぁ。ファンになった(笑)」
【ムーン】 「惚れてしまいそう(笑)」
【アンリ】 「あたしも好きかも(笑)」
【ムーン】 「じゃあ君は今からライバルね(爆笑)」
【GM】 「あ、忘れてた。去る前にもう一言。『エルフを追っているならローリンエンのリュンコスと言う都市から1日のところにあるシュロ村に行け。あんたの探している少年も一緒にいるはずだ』で、今度こそ本当に去っていく」
【ムーン】 「あー。やっぱり全部知ってるんじゃないか」
【シュトルム】 「それじゃ、シュロ村に行こうか」
【アンリ】 「服屋はどうする?」
【ムーン】 「そっちは問題ないと思うよ。だってこれ、絶対に偽帽子屋が犯人でしょ」
【アンリ】 「裏でつながったりとかしてないかな」
【ムーン】 「たとえそうだとしてもアンディーの言うことに間違いはないと思うよ」
【ヴェルナー】 「うん。そうだよきっと」
【アンリ】 「あたしだってアンディーを信じてるよ」
【シュトルム】 「黙って8千渡す、だもんなぁ。かっこいいよなぁ」
【ヴェルナー】 「かっこいいよなぁ」
【GM】 「一度やってみたかってん(笑)」

 一同爆笑。

【アンリ】 「どうせそんなことだろうと思ったよ(笑)」
【ムーン】 「私もやってみたい(笑)」
【アンリ】 「確かに(笑)」
【シュトルム】 「じゃあ服屋はもういいな。シュロ村に向かおう」
【GM】 「ちなみにここからリュンコスまで2日。そこからシュロ村まで1日の合計3日かかるよ」

【ムーン】 「一気に残り6日になっちゃった」
【GM】 「帰りにも3日かかることもお忘れなく。で、2日してリュンコスに着くけど、この日は泊まってね。徹夜したらはやくシュロ村に着くけど、疲れてるからだめ」
【ヴェルナー】 「厳しいなぁ。強行軍はできないのか」
【シュトルム】 「疲れてるなら仕方がない。泊まろう」
【GM】 「普通の宿でいい? 豪華なとことかあるけど」
【シュトルム】 「普通でいい」
【GM】 「結構繁盛してるみたいで酒場にも大勢人がいるよ」

【ヴェルナー】 「リュンコスって大きな街?」
【GM】 「大都市だよ」
【ムーン】 「酒場で情報収集する?」
【GM】 「いろんなうわさ話とか聞こえるよ」
【アンリ】 「どんなの?」
【GM】 「だいたいどうでもいいことだけど、ひとつ気になるのがあった。戦争が終わって平和なのはいいけど、宮廷の中には休戦に反対する人もいるらしいって話」
【ヴェルナー】 「宮廷ってローリンエンの?」
【GM】 「そうだよ」
【アンリ】 「交戦派か。…平和が一番だよ」
【ムーン】 「聞けるのはそれだけ?」
【GM】 「うん。他はレストランのラーメンが安くなったとかそういうの(笑)」
【ムーン】 「それは重要やね(笑)。次回への伏線とか(笑)」
【GM】 「どんな伏線やねん(笑)」
【アンリ】 「ラーメンが安くなった原因は? とか(笑)」
【ムーン】 「ゴキブリが入ってるからとか(笑)」
【アンリ】 「で、ゴキブリ退治を依頼される(笑)」

 さらに延々とゴキブリの話題が続くが、気持ち悪いので以下省略(笑)

【ムーン】 「でもそれって絶対休戦に反対してる人がカイルを誘拐したんだよね」
【アンリ】 「あれ? ユリア全然関係なかった?」
【ムーン】 「だけどあのエルフは同一人物なんだから絶対どっかでつながってるはずだよ」
【ヴェルナー】 「アンディーも関わってるんだよねぇ」
【ムーン】 「きっとそのうちわかるよ」
【シュトルム】 「一泊したらシュロ村に行くよ」
【GM】 「何事もなく到着する。山に囲まれた小さな村で民家が50くらい。雑貨屋が1軒、それと小さなシルファス神殿と、酒場がひとつ。でも宿屋はついてない」
【アンリ】 「宿屋ないのー?」
【GM】 「あと、山の中に古い城」
【ムーン】 「怪しすぎる(笑)」
【GM】 「それで君たちが村に入ると子供たちがいっぱい集まってくる。『うわー、冒険者だー』(笑)」
【シュトルム】 「『違うぞ』って言おう(笑)」
【ムーン】 「違うのか(笑)」
【GM】 「『うわー、耳長いー』とか『羽根生えてるー』とか言われる。ところで1日歩いて来たから今、夜だよ」
【ヴェルナー】 「村の子供、夜に外にいるの?(笑)」
【GM】 「……夕方ってことで(笑)」
【ヴェルナー】 「あー、はいはい(笑)」
【シュトルム】 「(サウスを指さして)『こいつ、弱肉強食って言えるんだぜ(笑)』」
【GM】 「『えー、すごい! 僕言えないよう(爆笑)』」
【ヴェルナー(サウス)】 「えっへん(笑)」
【アンリ】 「こんな小さな村だったら知らない人がうろついてたらすぐに分かりそうだよね」
【ムーン】 「そうだね。何か聞いてみようか。『あの城は何なの?』」
【GM】 「『あのお城? 僕のおじいちゃんが昔貴族が住んでたって言ってたけど、今は誰も使ってないんだって! 危ないから行っちゃだめだって村長に言われてるの』」
【シュトルム】 「うーん」
【GM】 「『ねぇ! それより今夜泊まって行くの? いろんな話、聞かせてよ! この村、宿屋ないけど村長さん優しいからきっと泊めてくれるよ!』」
【ムーン】 「村長か…あの組織の息がかかってないかな」
【ヴェルナー】 「ありえるね」
【ムーン】 「子供は知ってるかな?」
【GM】 「子供がそんなこと知らないよ」
【ムーン】 「やっぱり」
【ヴェルナー】 「子供はいいなぁ。かわいいなぁ」
【シュトルム】 「『みみー…。耳が長いお兄ちゃん、こいつ(サウス)の他に見なかった?』」
【GM】 「『耳が長いの? いないよ、いないよー』」
【アンリ】 「『知らない男の子も、見てない?』」
【GM】 「『ううん? 知らないよー、見てないよー』」
【ムーン】 「普通は村の中通らないよ。きっと直接城にテレポートしたんじゃないの?」
【ヴェルナー】 「そうだよなー。耳が長いの、見てないんだもんなー」
【ムーン】 「村長に話だけ聞いてみよう」
【シュトルム】 「村長の家に行くか。『こんばんはー』」
【GM】 「『冒険者の方ですか? こんな何もない村でよければ一晩くらいの宿はお貸しできますが』」
【ムーン】 「『その前に話を聞かせて。あの城について』」
【GM】 「子供が言ったこととだいたい同じことしか言わない」
【ムーン】 「『あの城、怪しいの?』」
【GM】 「『怪しいかどうかは…まぁ、蝙蝠くらい住み着いてるかも知れませんがのぅ』」
【アンリ】 「『お城って誰か管理してる人がいるの? それともほったらかし?』」
【GM】 「『管理? してないはずじゃがのぅ』」
【ムーン】 「ほってあるのか。ねぇ、時間もないし、このまま城に向かおう? どうせまだ夕方でしょ?」
【ヴェルナー】 「そうだよね、タイムリミットあるもんなぁ」
【GM】 「『(少し焦って)お…お城に行くんですか? ま、まぁ、疲れていなさるでしょうし、今晩は泊まって行って下さいよ』」
【ヴェルナー】 「疲れてるだろうなー。仕方ないか」
【アンリ】 「帰りも3日かかるから泊まるのはやめた方がいいと思う。急がなきゃ」
【シュトルム】 「この村でやたら宿を勧められるのが気になるなぁ。何かありそうだ」
【ヴェルナー】 「でも子供は無邪気だから言うんだよ?」
【GM(子供)】 「うん。『いろんな話聞かせてー!』」
【ムーン】 「『あとで』」
【GM】 「『いまー!』」
【ムーン】 「チッ」
【アンリ】 「『(ドスをきかせて)それなら一緒に来るかい?』」
【GM】 「『うん! どこに行くの? 行く、行くぅ!』」
【シュトルム】 「やばい、やばいぞ(笑)」
【ムーン】 「一緒に来るなら血を吸ってやろう(笑)」
【シュトルム】 「それがやばいって言ってんだよ(笑)」
【GM】 「『一緒に行くー! 連れてってくれるのー? どこ行くのー?』」
【アンリ】 「『おばけがいるところー…。怖いよ〜?』」
【GM】 「『わぁ、見たい見たいーおばけってどんなの? 僕、見たことないの!』」
【シュトルム】 「ないよ、俺も(笑)」
【GM】 「で、そんなことを言ってるうちに村長の家で夕飯ができる。それで村長が『何もないですけど食べて行って下さい』」
【ヴェルナー】 「ごはんだごはんだ(嬉)」
【ムーン】 「でも毒が入ってるかも知れない」
【シュトルム】 「じゃあいただきまーす。はい、ムーン、あ〜ん(爆笑)」
【ムーン】 「嫌や(笑)」
【GM】 「じゃがいものスープ。おいしいよ(笑)」
【ムーン】 「まだ食べてないよ(笑)」
【シュトルム】 「せっかく食べさせてあげたのに(笑)」
【ムーン】 「私、血が飲みたい。ごはんいらない(笑)」
【シュトルム】 「また言ってる(笑)。俺はごはん食べよう」
【ヴェルナー】 「僕も食べる」
【アンリ】 「あたしも。あ、その前に毒が入ってるかわからない?」
【GM】 「食べてみたらわかる(笑)」
【アンリ】 「食べる前に!(笑)」
【GM】 「気になるなら調べてみたら? たぶんセージでできたと思うけど」
【ヴェルナー】 「それなら僕がやるよ! (コロコロ)むむぅ、9…(笑)」
【ムーン】 「食べないけど私もやろう(コロコロ)12」
【GM】 「毒は入ってない」
【ヴェルナー】 「安心して食べよう」
【GM】 「子供たちも中に入ってきて話を聞かせろってわめいてる」
【ムーン】 「子供に囲まれてごはん食べてるのか(笑)」
【ヴェルナー】 「うるさいだろうなぁ(笑)」
【ムーン】 「村長、近所の子供入れてるのか(笑)」
【GM】 「小さな村だからそれくらいやってそうだと思うなぁ」
【シュトルム】 「もう何でもありだ、この村は(笑)」
【GM(村長)】 「『ご飯を食べたらゆっくり休んでいって下さいね』」
【ムーン】 「でも1日たっちゃう」
【シュトルム】 「そうだよなぁ。城に行くか?」
【ムーン】 「様子を見に行くだけでも行っておこうよ」
【GM】 「城に行くの? そしたら村長が『こんな遅くにどこに行かれるおつもりで? 夜は危険ですよ』」
【アンリ】 「『どうして?』」
【GM】 「『夜は出ない方がいいですよ。何かあったら村の責任ですし』」
【ヴェルナー】 「『別にあなたに責任感じてもらわなくても大丈夫だよ』」
【GM】 「『しかし…。取りあえず今夜は休んで行って下さいよ』」
【アンリ】 「『何かあるの? おばけが出るとか』」
【GM】 「『そ、そういうのはありませんが』」
【ムーン】 「怪しいなぁ」
【GM】 「『で、でも、もしものこととかありますし』」
【ヴェルナー】 「『大丈夫だよ。僕たち冒険者だもん』」
【GM】 「『しかしあの城に近付くのはやめた方が…』」
【ヴェルナー】 「あ、やっぱり何かあるんじゃないか」
【アンリ】 「『どーしてかなー?(脅)』」
【GM】 「『それは…ちょっと…』」
【アンリ】 「『どーしてかなー(脅迫)』」
【GM】 「村長は子供たちの方を気にしてるみたい」
【ムーン】 「何? 子供がいるとできない話なの? あ、もしかしてあの城はラブホテルか?(爆笑)」
【アンリ】 「どうしてそうなるの(笑)」
【シュトルム】 「だから夜に行くのか(笑)」
【ヴェルナー】 「やだなぁ(笑)」

 あんたらの思考回緒のほうがやだなぁ(笑)

【シュトルム】 「『村長。頼むから何があるのか教えてくれ』」
【ムーン】 「『誰にも言わないから』」
【アンリ】 「『子供たちはもう帰るの!』追い出す。べし、パン!」(←叩いたらしい。ひどい)
【GM(子供)】 「『えー? まだここにいるー。もっとお話し聞きたいーっ!』」
【アンリ】 「『子供は寝る時間!』」

【シュトルム】 「じゃあ俺が外に連れて行って話をしてやろう」
【ヴェルナー】 「おお、シュトルムすごい。保父さんや(笑)」
【シュトルム】 「がーん(笑)」
【ヴェルナー】 「なんか似合わねーなぁ、シュトルム (笑)」
【シュトルム】 「何か言ったか? 言ったよなぁ、ヴェルナーちゃんよぉ(怒)」
【ヴェルナー】 「何でもありません、ごめんなさい(笑)」
【ムーン】 「じゃあ子供は出て行ったんだよね。村長、話してくれるかな」
【アンリ】 「チャームかけちゃおう」
【ヴェルナー】 「え? そこまでするの?」
【シュトルム】 「村長さん別に悪い人じゃなさそうだからもう一押ししてみようよ。チャームはやりすぎじゃないか?」
【ムーン】 「『で、何があるの?』」
【GM(村長)】 「『な、何もないですよ』」
【ムーン】 「『それなら別に止める理由ないじゃん』」
【GM】 「『…困るんですよ…』」
【アンリ】 「『誰が?』」
【GM】 「『あんたらにあの城に行かれると、困るんですよ!』」
【アンリ】 「『どうして? もう話してよ、迷惑かけないし』」
【GM】 「『…あの城のはわしが子供のころ、貴族が住んでました。いつの間にかどこかへ行ってしまったのですが、数年前からまた人が帰ってきたみたいだったのです。初めはあの貴族が帰ってきたのだと思ってました。でも何か様子が変なのです。おかしく思ったシルファス神殿の一人娘のキャシィが、一年前、様子を見に行ったのですが未だに帰ってこないのです』」
【ムーン】 「それならなおさら行って調べなきゃいけないじゃない」
【アンリ】 「『キャシィって何歳?』」
【GM】 「『キャシィは二十歳くらいでした。彼女はその頃村に住み看いた冒険者との結婚が決まっていまして。相手の冒険者もその後彼女をさがしに城に行ったまま戻らないのです』」
【シュトルム】 「冒険者…ねぇ」
【GM】 「『キャシィは一時期冒険に出てたことがありましてそこで知り合ったみたいなんです。わしは城の連中が怪しいと思いまして』」
【ムーン】 「どう考えてもそうでしょ(笑)」
【GM】 「『それでわしは非公式に彼らを食事に誘い、それとなく聞いてみました。キャシィや冒険者についての回答はありませんでしたが、我々にかかわるなと脅され、黙認すれば以後この村に危害は加えないと…だからあんたらにあの城に近付かれては困るのじゃ』」
【アンリ】 「村と無関係を装えばいいんだよね。簡単だよ」
【シュトルム】 「『城にいるのはどんな人? エルフ?』」
【GM】 「『エルフもいましたよ』」
【ムーン】 「『茶色い髪の?』」
【GM】 「『はい』」
【アンリ】 「『城にいるのはそのエルフ一人だけ?』」
【GM】 「『いや、もう少しいましたが』」
【ムーン】 「エルフたちの本拠地かな」
【GM】 「(ちがうよ)『本当は黙認などしたくないのですが、二人の犠牲で村人が安全なら…』」
【シュトルム】 「それじゃあこの村を通らなかったふりをして迂回して近づこうか?」
【ムーン】 「そうだね。でもやっつけちゃえば問題ないよ」
【シュトルム】 「城に行く前にシルファス神殿に寄って行きたいけど、いい?」
【GM】 「どうぞ。中に入ったら初老の司祭が出てきて『こんな遅くに何の御用で? おや、旅の方ですか』」
【ムーン】 「見ての通り」
【シュトルム】 「キャシィさんのことについて聞く」
【GM】 「聞く? 『娘を知っておるのか? あの子は今どこに?』」
【ムーン】 「お父さんか」
【シュトルム】 「『これから娘さんのことを調べに城に行くんですよ』」
【GM】 「『もう一年も前のことじゃから…わしもあきらめておるんじゃよ…』」
【シュトルム】 「あきらめちゃダメだ! パンパァン!」

 一同爆笑。

【アンリ】 「叩くな叩くな(笑)」
【GM】 「叩いたな。センス・イービルー『汝は邪悪なり、ビシィ!(笑)』」
【シュトルム】 「そんなぁ。何でやねん(笑)」
【ムーン】 「なんちゅう神官や。さすがシルファス(笑)」
【シュトルム】 「ほんまや。嫌われた(笑)」
【GM】 「冗談だよ(笑)『もし娘の手がかりをつかんだなら教えて頂けるとありがたい』」
【シュトルム】 「『キャシィの特徴、教えてほしい』」
【GM】 「『金髪で、少し長めのショートカット。瞳はグリーンじゃ』」
【シュトルム】 「でも一年たってるから分からないか」
【ヴェルナー】 「金髪なんてうようよいるもんなぁ」
【アンリ】 「『冒険者の方は?』」
【GM】 「『彼も無事だといいのですが…』って言うと奥の部屋に引っ込んで、しばらくしたらウェディングドレスみたいなものを持って戻ってくる。『これを娘が着るはずだったんですよ…』」
【ムーン】 「かわいそう。私が代わりに着てあげる(笑)」
【ヴェルナー】 「何の解決にもなってないよ(笑)」
【アンリ】 「『ところでその冒険者って一人でこの村に来て住みついちゃったの?』」
【GM】 「『娘と二人で帰って来て、そうですね』」
【ヴェルナー】 「そっか。一緒に冒険してたのか。それで二人で故郷に戻って来たんだ」
【GM】 「冒険者の方はここの人じゃないらしいけどね」
【ムーン】 「でもキャシィは一人であの城に行ったの? どうして冒険者と一緒に行かなかったの?」
【GM】 「(何でだろ)…きっとシルファス神官だから正義感が強くて一人でつっ走っちゃったんじゃないの?」
【ムーン】 「じゃあそういうことにしておいてあげるよ(笑)」
【アンリ】 「冒険者のほう、何か気になるなぁ」
【ムーン】 「冒険者…。まぁいいや。疑い出すとキリがない」
【シュトルム】 「いずれ分かることだ」
【ムーン】 「ところで今思ったんだけど、その冒険者ってアンディーちゃうん?(笑)」
【ヴェルナー】 「うそぉ。そんなことあるか?(笑)」
【アンリ】 「……かも知れないね」
【ヴェルナー】 「かっこいいなぁ! それだったら(笑)」
【ムーン】 「渋いなぁ(笑)」
【シュトルム】 「ほんまや(笑)」

 一同沈黙。そのあとなぜか爆笑。

【シュトルム】 「かっこいーーー!アンディー(笑)」
【ムーン】 「『その人、隻眼じゃなかった?(笑)』」
【GM】 「『その時は両目ともありましたよ』」
【シュトルム】 「何? それじゃ違うのか」
【ムーン】 「でもあとからなくなったのかも知れない」
【アンリ】 「その時はあったと(笑)」
【ムーン】 「『ちなみに名前は?』」
【GM】 「『確かアンドリューとか…』」

 一同爆笑。

【ムーン】 「やっぱりな(笑)」
【シュトルム】 「…アンディー…(笑)」
【ムーン】 「暗い過去が(笑)」
【アンリ】 「でも何か変だよ? アンディーがキャシィの婚約者ならどうしてあの組織に入ってるのよ? 何で? 何か複雑に絡み合ってる?」
【シュトルム】 「そうか。まぁいいや、そのうち分かるさ(笑)」
【ヴェルナー】 「じゃあお城行く?」
【シュトルム】 「そうだな」
【GM】 「うん。しばらく山の中を行くと、城が見えてくる。木に囲まれた古い城。城門の横に見張り塔が見える。もちろん明かり持って行ってるよね?」
【ヴェルナー】 「持ってないと暗くてコケるかなぁ。コケるだろうなぁ」
【ムーン】 「普通は持って行くよね。でも明かりがあったら向こうからも丸見えだよ」
【ヴェルナー】 「バレるかな。一応ランタンのシャッター閉めておくね。あ、でも迂回して近付いてるから村の方は大丈夫だよね?」
【GM】 「たぶん大丈夫」
【シュトルム】 「(突然)アンディー…かっこえー(爆笑)」
【ムーン】 「今は忘れろ(笑)」
【GM】 「見張りは…(コロコロ)(げ、3が出た)君たちには気付いてないみたい」
【ムーン】 「何人いるかここから見える?」
【シュトルム】 「俺、インフラビジョンできるよ」
【GM】 「じゃあ君に一人いるのが分かる。あ、でも見張り塔の方にも明かりついてるよなぁ。みんな分かるかも」
【ムーン】 「他に侵入できるとこ、ないの?」
【GM】 「あとは高い塀に囲まれてる。登りたいならどうぞ」
【ヴェルナー】 「落ちたら痛いから嫌だ(笑)正面切って入るしかないか。見張り、やっつけよう」
【ムーン】 「まだ距離はある?」
【GM】 「30メートルくらいあるよ」
【ムーン】 「じゃあ弓矢で狙撃しよう」
【ヴェルナー】 「でも失敗したらバレるんじゃないの?」
【シュトルム】 「誰か弓矢貸してくれるならシュートアローで命中させるよ?」
【アンリ】 「(ルールブックを読んで)シュートアロー。距能30メートル。絶対命中。打撃力20。強いね」
【ムーン】 「仕方がないから弓矢貸してやるよ(えらそう)」
【シュトルム】 「ムッ。やっぱりこの女嫌いだ(笑)。必ず当たるんだったらいきなりダメージ出していい?」
【GM】 「いいよ。あ、ファンブルしなかったかどうか一応振ってみてよ」
【シュトルム】 「(コロコロ)(爆笑)」(←1ゾロ)
【アンリ】 「おもしろいなぁ(笑)」

÷÷ つづく ÷÷
©2004 Jun Hayashida
Illustration ©2004 Ryoko
Map ©2004 Moyo
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ひと言ありましたら
 
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