≪REV / EXIT / FWD≫

§短編集[5-1]§

廃墟の従事者・後編

著:龍神裕義
▽ 1 ▽ 2 ▽ 3

【GM】 丘の上の砦跡の敷地に立ち入ったキミたちは、そこに巣食うゴブリンの集団に囲まれた。その数は5体。
 草茂る廃墟の地で、手に木の棒や石を持つゴブリンたちと対峙するキミたち。隊列は、前衛にガラードとゼシカ、後列にダンデやったね。
 ゴブリンたちが誰に向かっていくか、ダイスで決めましょう。(ころっ)……ゴブリンA〜Dがガラードに、ゴブリンEがゼシカに襲いかかります。
【ダンデ】 ガラードが人気者に(笑)。
【GM】 ちなみに、ゴブリンたちの敏捷度は13。
【ガラード】 早い!
【GM】 行動順は、ゼシカ、ダンデ、ゴブリンたち、ガラードです。
【ゼシカ】 自分のとこに来た奴を殴り返す。(ころっ)当たり、4点ダメージ。
【GM】 ガイーン。
【ダンデ】 ゼシカに〈キュアー・ウーンズ〉。(ころっ)7点回復。
【ゼシカ】 やった、全快した。
【GM】 ゴブリンたちの反撃。ガラードは4回、ゼシカ1回、それぞれ回避してみて――ガラードに1回当たったね。
 しかしガラードは、ゴブリンの木の棒の一撃を鎧のいちばん硬いところでうまく受け止め、ダメージをくらわなかった。
【ダンデ】 すごいなぁ。
【ガラード】 ゴブリンAに反撃します。(ころっ)はずれた。

 次のラウンド、冒険者たちの攻撃はすべてかわされ、逆にガラードはゴブリンの一撃で2点のダメージをくらった。
 第3ラウンドでも、ガラードは3点のダメージを受けてしまう。
 第5ラウンド目、ようやくガラードの攻撃が敵にヒットし、1匹倒すことができた。

【ガラード】 まだ目の前に3体残ってる……ゴブリンに苦戦し過ぎですねぇ。
【ダンデ】 ホンマや、ボス戦大丈夫かな(笑)。

 第8ラウンド、冒険者たちはここまでにさらに2匹のゴブリンを倒し、仲間を3匹失ったゴブリンたちは逃亡した。

【ダンデ】 ガラードに〈キュアー・ウーンズ〉しときましょうか。(ころっ)8点回復。
【ガラード】 ありがとうございます〜。
【ゼシカ】 ここに残ってる建物って、礼拝堂っぽいものだけ?
【GM】 そう。
【ガラード】 そこに入ってみます?
【ダンデ】 行きましょう〜。
【GM】 中はガラ〜ンとしてるね。かつて礼拝堂だったそこは、壁に穿たれたただの穴となり果てた窓の跡から風に吹かれて入り込んだ砂にまみれ、折れた木の枝などが散乱し、荒れ果てている。
 正面奥、一段高くなったところの床に、地下へおりる階段の入口があるよ。もともとは、祭壇か何かに隠されてたのかも知れないね。
【ガラード】 羊の毛とかは落ちてないですか?
【GM】 ここにはないね。
【ガラード】 とりあえず、その階段、下ってみますか?
【ダンデ】 うん、行こう。
【ゼシカ】 たいまつに火を点けて階段を下りていく。
【ガラード】 前列を歩きます。
【ゼシカ】 何も考えずに、ガラードと並んで前にいる。
【ダンデ】 ガラードの背後10センチのところに。
【GM】 さっきの戦闘と同じように、前にガラードとゼシカ、後ろにダンデという隊列で階段を下りてゆくキミたち。
 階段を下りきった先は、石造りの地下道となっている。通路はまっすぐ暗闇の向こうへと続いております。
【ダンデ】 進みます。
【GM】 進んでゆくと、やがて鉄の扉に突き当たります。扉は固く閉ざされてるね。
【ゼシカ】 鍵はかかってる?
【GM】 かかってる。[鍵開け]するなら、目標値10でその鍵は開くよ。
【ゼシカ】 (ころっ)開いた。
【ガラード】 奥へ行きましょう。
【GM】 キミたちは、その扉を越えてすぐに、前方に白い人影があるのを見る。
【ダンデ】 何でしょう?
【GM】 手に棍棒を持った白骨ですな。それが1体、キミたちの行く手を阻むように、立ちはだかっている。
【ゼシカ】 寝とけばいいのに。
【ガラード】 二足歩行ですか?
【GM】 ふたつの足で立っております。人間の骨みたい。
【ゼシカ】 ペールさん家のお爺ちゃんかな、って思ってよう。
【ガラード】 セージ技能で[怪物判定]いきます。(ころっ)成功。
【GM】 そいつは1レベルのアンデッド・モンスター、スケルトンやね。その敏捷度は14。
【ガラード】 早い! 私の2倍の速度ですね。
【ダンデ】 ゼシカは敏捷度22やから、ガラードの3倍以上の速さか(笑)。
【GM】 ガラードは、「うおおぉー!」って全力疾走しても、のほほんと通常移動するゼシカに引き離されていくんやな(笑)。
【ガラード】 悲しい。
【GM】 さて、スケルトンは襲いかかってくる様子だけど、キミたちはどう反応しますか?
【ゼシカ】 〈ファイア・ボルト〉で燃やす。
【ダンデ】 〈ターン・アンデッド〉したいけど、残り精神力が8点なんだよなぁ。できれば精神力を温存しときたい。わたしは後列で傍観しときます。
【ガラード】 襲いかかってくるなら、迎え撃ちます。
【GM】 戦闘やね。ちなみに刃のついた武器ではクリティカルしないから、気をつけて。
【ゼシカ】 ぴこぴこハンマーやから、クリティカル狙える。

 ゼシカとガラードの攻撃により、スケルトンは、わずか2ラウンドで撃破された。

【ダンデ】 先へ進もう。
【GM】 そうすると、さらに地下へ潜る階段に行き着くよ。
【ゼシカ】 下りていくか。

 地下2階に下りた冒険者たちは、地点Cにやって来た。

【GM】 その床には、灰がいっぱい撒かれている。キミたちがそのそばに近づいたとき、床の灰がぶわっと舞い上がり、人の形を成して立ちはだかった。
【ガラード】 セージ技能で[怪物判定]してみます。(ころっ)
【GM】 ガラードは、それがアッシュと呼ばれるアンデッド・モンスターだとわかった。死体を焼いた灰を材料に、邪悪な魔法で生み出されたモンスターやね。
 ちなみに精神的攻撃、物理攻撃、炎は無効であります。
【ゼシカ】 炎も物理攻撃も無効なら、王様は何もできない。
【ガラード】 同じく。ダンデに頑張ってもらわないと。
【ダンデ】 〈ターン・アンデッド〉するか〜。
【GM】 こちらの敏捷度は9ね。わずかに9しかありません。
【ガラード】 いやっ、それは速いです。
【ダンデ】 〈ターン・アンデッド〉します。(ころっ)かかった、効果は「アンデッドは逃げ去る」。
【GM】 では、アッシュは通路の奥へふわ〜っと逃げていった。
【ダンデ】 追いかけんでもいいよな。奥へ進まずに、先に別の場所を探索しよっか。

 冒険者たちは部屋Bに入った。するとそこには、人間のゾンビが2体いて、戦闘となった。
 ゼシカが3点ほどダメージを受けるなど、意外な苦戦となってしまったが、10ラウンド目には、冒険者たちはなんとかゾンビたちを撃破することができた。

【ダンデ】 〈ターン・アンデッド〉が使えたら、もうちょっと楽やったんやけどねぇ。
【ゼシカ】 残り生命力3点だぜ。
【ダンデ】 〈キュアー・ウーンズ〉しとこっか。これで、わたしの魔法は打ち止めだけどね。
 (ころっ)6点回復ね。
【ゼシカ】 OK〜。
【ガラード】 何気にゼシカも残り精神力ありませんね。
【ゼシカ】 残り精神力3点だぜ。
【GM】 ちなみにその部屋の隅っこには、宝箱がひとつあるよ。
【ゼシカ】 調べてみる。[罠発見]、(ころっ)。
【GM】 どうやら、毒針の仕掛けがあるみたいやね。
【ゼシカ】 じゃあ[罠解除]、(ころっ)成功。蓋を開けてみるけど、中身は何?
【GM】 ピンポン玉ぐらいの大きさの、透明な琥珀色をした石が入ってるよ。中に青白い光を湛えた、なんか不思議な宝石やね。
【ゼシカ】 何、これ?
【ガラード】 [宝物鑑定]してみます。(ころっ)……わからない。
 じゃあ、女の子か王様か、きれいな物好きそうなどちらかが持っていればよいかと。
【ゼシカ】 ふたりで取り合うか。最終決戦が始まる(笑)。
【ダンデ】 ダイスを振って大きい目を出したほうが、その石を持ってよう。(ころっ)
【ゼシカ】 (ころっ)あっ、勝った。王様は、その宝石を耳につける。
【ダンデ】 「きーっ」って思って、王様を睨んどく。で、無言でこの部屋で不貞寝を始める。
【ガラード】 いきなりですか(笑)。
【ダンデ】 もう魔法を使えないから、マジで寝ときたいっす。
【ゼシカ】 王様もやばいけど、こんなとこで寝ていいんかな。ゾンビの死体があるし(笑)。
【ガラード】 それに夜になっちゃったら、村に戻らないといけませんよね。
【ダンデ】 おお、そっか。
【ガラード】 GM、今は何時頃ですか?
【GM】 13時頃かな。
【ガラード】 じゃあ、今から村に戻ると、16時ぐらいになりますね。
【ダンデ】 村に戻って見張りする余裕はあるな。私らが寝てる余裕はあるかな。
【ガラード】 私が起きてられますが。
【ゼシカ】 じゃあ、いったん村に戻ろう。精神力を回復する2人は寝るってことで。

 冒険者たちはいったん砦の地下遺跡の探索を中断し、村に戻った。

【GM】 では、夜になりましたよ。
【ガラード】 教会の外に出て、見張りをしておきます。
【ダンデ】 村長の家でご飯食べて寝とこ。

 その夜もとくに何も起こらず、朝を迎えた。

【ゼシカ】 今から出発せんでもいいよな。ダンデが〈キュアー・ウーンズ〉でみんなを全快させて、もう1回休憩を取ってから出発してええんちゃう。ガラードも休まんとアカンし。
【ダンデ】 そうそう、べつに急ぐことでもないしね。わたしもダメージが残ってることやし、負傷は完全に治しておこう。
【ガラード】 それ、私のダメージの残りですよね……。
【ダンデ】 ホンマや!
【ゼシカ】 で、魔物からはダメージ受けてへんもんな。
【ダンデ】 そう言われると、なんか腹立ってきた(笑)。でも、ガラードからはお金を借りてるから、大きなこと言えへんねん。
【ガラード】 でも、10センチの距離で密着でしょ?
【ダンデ】 態度では示す。
【ゼシカ】 怖いキャラができたな(笑)。
【ガラード】 じゃあ、寝ましょうか。
【GM】 今からもういちど6時間ほど睡眠を取って起きると、そうやな、時刻は正午ぐらいになってるよ。
【ゼシカ】 それなら問題なし。二度寝してから砦跡に行こう。
【ダンデ】 出発する前に、ふたりとも耳栓を作っといて。呪歌を歌いまくりたいから。
【ゼシカ】 OK〜。
【ガラード】 作っときます。
 そうだ、村長さんに、砦跡であったことを報告しといたほうがいいんじゃないですか?
【ゼシカ】 ゴブリンたちのこと? そうやな。
「砦跡にゴブリンがいてたから、行ってくるわ〜」って言うとく。

【ガラード】 「もしかしたら、そいつらが村に侵入してる奴らかも知れないので、行ってきます」と。
【ダンデ】 「そうだ、遺族のひと。お爺ちゃんやお婆ちゃんに会いたかったら、連れて来ますよ。なんか動いてました」と言っとこ。
【ガラード】 いやいや!(笑)

 二度目の睡眠から目覚めた冒険者たちは、再び砦跡に赴き、礼拝堂地下の迷宮に潜った。

【GM】 で、礼拝堂からの下り階段をおりきった先――昨日、スケルトンと戦った地下迷宮への入口やね――その扉は、閉まっております。
【ゼシカ】 閉まってんの? 開ける。
【GM】 鍵がかかっておりますな。
【ゼシカ】 またかけたん? [鍵開け]〜、(ころっ)成功したよ。
【GM】 なら、扉を開けられる。
【ガラード】 扉を閉めて鍵をかけた誰かがいる、ってことですね。
【GM】 で、扉を開けると、向こうに2体のゴブリンが立ってるよ。
 ただ、ちょっと様子が変やね。目は虚ろでどこを見ているのかわからず、体には、斧で断ち切られたような傷跡や、ぴこぴこハンマーで殴られたような跡があり、黒く変色した血がその周りにべっとりと残ってる。
【ゼシカ】 なんだ、これは。
【GM】 ゼシカは、彼らから黄色いオーラの精霊力――負の生命力を感じるよ。
【ダンデ】 遺族の方やな。
【GM】 んー、遺族というより本人じゃないかな(笑)。
 さて、その怪しげなゴブリンたちは、扉が開かれたと同時に、ぎこちない動きでキミたちに襲いかかってくる。
【ガラード】 とりあえず、来るのなら迎え撃ちましょう。

 そして、冒険者たちとアンデッド・ゴブリンの戦闘が始まった。
 冒険者たちはアンデッド・ゴブリンの攻撃を華麗にかわすが、逆に冒険者たちの攻撃も魔物に当たらない……そんなもどかしい展開で進む戦闘も、7ラウンド目には冒険者側の勝利で幕を閉じた。

【ゼシカ】 しっかり5点ダメージを受けたけどな。

 冒険者たちは地下2階へ下り、部屋Aを探索してみた。しかし、そこでは何も発見できなかった。
 そして、前日、アッシュと遭遇した地点Cに近づくと――。

【ゼシカ】 灰はある?
【GM】 あるよ。昨日見たときと同じように、通路の床に灰が撒かれている。
【ゼシカ】 これさ、床に撒かれてる状態のときに「フーっ」ってやったら……。
【GM】 近づいたら動き出すよ。
【ガラード】 どれくらい近づいたら、動き出すんですか?
【GM】 試す?
【ダンデ】 試そっか。
【GM】 じゃあね、魔法が届くかな届かないかな、って距離で動き出した(笑)。
【ダンデ】 腹立つなぁ(笑)。
【GM】 というわけで、通路の床にばら撒かれてた灰が、風に吹かれるように渦を巻いて舞い上がり、人の形を成した。
【ダンデ】 〈ターン・アンデッド〉いっとこ。
【ガラード】 お願いします。
【ゼシカ】 俺らは何もできないから、見とくしかない。
【ダンデ】 (ころっ)おっ、かかった。効果は……「目標は恐慌状態からバーサークする」。
【GM】 アッシュの攻撃点が上がった! それと共に回避点も下がってるけど、そもそも物理攻撃が無効やから意味ないね。
【ダンデ】 困ったねぇ。
【GM】 んじゃ、アッシュはガラードを包み込んでこようとする。対するガラードは、冒険者レベル+敏捷度ボーナスで包み込みの回避を試みれるよ。
【ダンデ】 離れとこっと。10センチ密着、一時解除。
【ガラード】 ひどーい。(ころっ)あ、6ゾロで回避です!
【ダンデ】 「すご〜い」って、離れたところから拍手してる。
【ガラード】 愛されてないわぁ。
【ダンデ】 んじゃ、ガラードとゼシカは何もできないってことで、もう1回〈ターン・アンデッド〉いっときます。(ころっ)かかって、効果は「バーサークする」(笑)。
【ガラード】 またですか!?(笑)
【GM】 ほい、ガラードはまた包み込みを回避してな。
【ガラード】 (ころっ)うん、1ゾロです。
【GM】 なら、ガラードは己を包み込むアッシュの一部を吸い込んでしまった、ということで生命力抵抗してもらいましょう――それも失敗? (ころっ)んじゃ、ダメージが8点ほどいきますんで、冒険者レベルで減点してください。
【ダンデ】 〈ターン・アンデッド〉〜、(ころっ)効きました。今度の効果は、「目標は恐慌に襲われ、行動が妨げられる。攻撃、回避、魔法強度にペナルティ」。
【ゼシカ】 ペナルティばっかりつくね。
【GM】 こいつには関係のない行為にペナルティやしな。
【ガラード】 私が勝手に吸い込んでるだけですからね。
【ダンデ】 こいつから逃れる方法ってないんですか?
【GM】 そうやなぁ、アッシュの敏捷度は9しかないから、走って逃げればなんとか――。
【ガラード】 無理です無理です、私の敏捷度は7ですから!(笑)
【ダンデ】 そっか〜。とりあえず、〈ターン・アンデッド〉。(ころっ)かかって、今度の効果も、「目標は恐慌に襲われ、行動が妨げられる。攻撃、回避、魔法強度にペナルティ」。
【ゼシカ】 あと何回〈ターン・アンデッド〉を使えるの?
【ダンデ】 あと2回。
【GM】 ガラードはアッシュに包み込まれてしまってるので、これから毎ラウンド、生命力抵抗をしてな。
【ガラード】 (ころっ)成功。
【GM】 では、このラウンドはダメージを受けなかった。
【ダンデ】 〈ターン・アンデッド〉! (ころっ)……かかったけど、またバーサークされた! もうあと1回しか使えないよ。
【ゼシカ】 しかも、それで気絶するで。
【ダンデ】 気絶してもええわ。でも、これでまた失敗したら、どうしよな(笑)。
【ガラード】 ダンデ以外しかプリースト技能を持ってないから、誰も〈トランスファー・メンタルパワー〉できませんよ。
【ダンデ】 しばらく起きられへんよなぁ。
【ガラード】 ふたりで私を抱えて逃げてくれるとか。
【ダンデ】 まだそっちのほうが望みある?
【ゼシカ】 ダンデが気絶して、しかも魔法失敗してたら、俺がふたりも抱えて逃げなアカンもんな。筋力4の王様には無理!
【ダンデ】 じゃあ、ガラードを抱えていったん逃げようか。GM、それはできます?
【GM】 ダンデの筋力は15やね。一般人をはるかに凌ぐ筋力を持ってるってことやから、いけるんちゃうかな。
【ゼシカ】 で、どこへ逃げる? 先へ進みつつ逃げるか、来た道を戻るか。部屋Aに戻って寝る、って手もある。
【ガラード】 追っかけてこないかな。
【ダンデ】 扉を閉めちゃおう。そしたら、灰は入ってこれない。

 冒険者はいったんアッシュとの戦闘から逃亡し、部屋Aに戻った。扉を閉めて、しっかりと鍵をかける。

【GM】 ダンデが起きる6時間後まで、ゼシカとガラードは何かしとく?
【ガラード】 6時間後というと何時ぐらいになりますか?
【GM】 19時頃かな。
【ゼシカ】 今日は村に帰るのをあきらめよう。ここのボスを倒したら、たぶん事件は解決やと思う。
【ダンデ】 そやな。
【ゼシカ】 この部屋は捜索しても、何もなかったんやんな。昨日、ゾンビと戦った部屋Bのほうはまだちゃんと調べてなかったから、行ってみたい。
【ガラード】 私はここで見張りをしときます。照明は持って行っていいですよ。私は暗視が利くので。
【ゼシカ】 ほんじゃあ、たいまつを持って部屋Bに行く。中をこそっと覗いてみるけど、何かいる?
【GM】 いや、昨日、破壊したゾンビの残骸が床に転がってるだけやね。
【ゼシカ】 じゃあ、部屋Bに入って[捜索]〜。(ころっ)
【GM】 ゼシカは部屋Bの奥の壁に隠し扉を発見したよ。
【ダンデ】 おおー!
【ゼシカ】 ちょっとだけ、先を見に行っとこうかな。

 ゼシカは、その隠し通路が、アッシュが立ちはだかる通路の奥側に繋がっていることを発見した。

【ゼシカ】 抜け道発見〜。部屋Aに戻ろうっと。

 6時間後、ダンデが目を覚ましたところで、3人は地下迷宮の探索を再開し、迂回路を通って地下3階に下りた。

【GM】 階段を下りきった先は、木材で補強された石造りの通路が、まっすぐ伸びていた。キミたちは照明を掲げ、不気味な通路を慎重に進んでゆく。
 やがて、十字路に出くわしたよ。ここで全員、冒険者レベル+知力ボーナスで目標値8の成功ロールをやってみて。
【ゼシカ】 【ダンデ】 【ガラード】 (ころっ)成功。
【GM】 それなら、その十字路の進行方向右手側――ダンジョンマップの向きで言うと、左側ってことになるね――そこから、「ざくっ、ざくっ」と、ツルハシやシャベルで土を掘ってるような音が聞こえてくるのに気づいた。
【ダンデ】 ガラードの故郷?
【GM】 確かにガラードにとっては郷愁を感じる音かも知れないねぇ(笑)。
【ガラード】 駆け出していったりはしないので、大丈夫です。
【ダンデ】 どうする? ザクザクの音源を確かめに行くか、ほっといて先に別の場所を探索しに行くか。
【ガラード】 ザクザクは絶対に何かいてますからねぇ。
【ゼシカ】 先に他のところを調べてからにしよう。
【ダンデ】 んじゃ、ザクザクは後回しということで。

 冒険者たちは十字路を左に折れて、部屋E、部屋Fを捜索してみたが、羊の毛や大根のへた以外には、とくにめぼしい物は発見できなかった。

【ダンデ】 羊の毛ってなんだろう。
【ゼシカ】 食い散らかしたんかな。大根と一緒に。
【ダンデ】 食料庫やったんか??

 そして部屋Gでも何も発見できず、冒険者たちは、部屋Hの扉の前に立った――。

【GM】 その扉は閉まっておりますな。
【ゼシカ】 [罠発見]〜、(ころっ)。
【GM】 罠はかかってないみたい。ただし、鍵はかかってる。
【ゼシカ】 [鍵開け]〜、(ころっ)開いた、カチャン。扉を開けるよ。
【GM】 開いた瞬間に、向こうから明かりが漏れてくる。照明があるみたいやな。
【ゼシカ】 何かいるで。
【GM】 部屋の奥には質素な机と椅子があり、その上にランプが置かれている。冷え込まないように毛布をかけられた壁際の隅には、木組みの簡素なベッドが設置され、そばの床に荷物がまとめられた大きな袋がある。
【ガラード】 ここ、ボスですか、もしかして。
【GM】 そして、机の前に、杖を持った濃い灰色のローブをまとった男がひとり立っていた。
「貴様らか、盗人(ぬすっと)どもは!」
【ダンデ】 「盗人?」
【ゼシカ】 「何盗まれたん?」
【GM】 「俺の魔晶石、盗ったやろ!」と、ローブの男はゼシカの耳にぶら下がってる宝石を指して、言うとるで。
【ダンデ】 おおー、あれは魔晶石やったんか。

【ゼシカ】 「あー、これ?」
【GM】 「それ!」
【ゼシカ】 「しまっとけよ」って言う。
【ダンデ】 【ガラード】 しまってたやん。
【ゼシカ】 開いたもん。魔力なんぼ残ってるんやろ。
【GM】 24。
【ダンデ】 わー、めっちゃええな。
【ガラード】 そら、盗られたら怒りますね。
【GM】 「おまえたちも、我が下僕にしてやろう」と言って。男は呪文の詠唱を始めるで。ちなみに、こちらの敏捷度は10。
【ガラード】 早っ。
【ダンデ】 その反応違う(笑)。「遅っ」って思ったのに。
【ゼシカ】 向こうは人間?
【GM】 見た感じ、人間。
【ダンデ】 キミら、耳栓してる? 〈ダンス〉で躍らせたら、プリースト以外の魔法を防げるよね。
【ゼシカ】 「俺の下僕に」って言うてるから、暗黒神官なんちゃうん。
【ダンデ】 そっか、まず何の魔法が来るか、様子を見よか。
【ゼシカ】 どうでもいいけど、俺、ダメージ受けてるねんけど。
【ダンデ】 6点減ってる状態? それじゃあこのラウンドは、ゼシカへの〈キュアー・ウーンズ〉にしとくわ。
【ガラード】 戦闘前に治しといてくださいよ(笑)。
【ダンデ】 まさか、ここにボスがいるとは思ってなかったからな(笑)。
【ゼシカ】 ザクザクいってる先に何かいてると思ったのになぁ。
【GM】 部屋に入る前に[聞き耳]すればよかったのに。
【ガラード】 あ、そうか。
【ゼシカ】 シーフ暦浅いからね。
 照明のたいまつから、男に向かって〈ファイア・ボルト〉を飛ばす。(ころっ)抵抗された、ダメージ6点。
【ダンデ】 ゼシカへ〈キュアー・ウーンズ〉。(ころっ)6点治した。
【ガラード】 行動は敵の後だけど、魔法が飛んでくるかも知れないので、抵抗専念してます。
【GM】 では、キミたち3人に、男の杖からエネルギー弾が飛んできたよ。ゼシカには効いて7点、ダンデにも効いて8点、ガラードには効かなくて8点。
【ガラード】 残り生命力8点。
【ゼシカ】 〈ファイア・ボルト〉3倍掛け。ダメージの確実性ね。(ころっ)……いちばんいいダメージは9点。
【ダンデ】 〈キュアー・ウーンズ〉を味方全員に。(ころっ)ゼシカは全快、わたしも全快、ガラードは7点治した。
【GM】 また、全員にエネルギー弾の魔法が行くよ。ゼシカには抵抗されて5点、ダンデには効いて9点、ガラードにも効いて10点。
【ダンデ】 ひゃ〜。
【ガラード】 残り生命力が7点しかないです。
【ゼシカ】 それでもまだ王様より生命力高いで(笑)。
【ガラード】 魔術師を攻撃します。バトル・アックス片手持ちで、(ころっ)当たってダメージは7点です。
【GM】 微々たるダメージ。微々たるものやけど、だいぶ痛そう(笑)。傷口に塩を塗られたような感じになってる。
【ゼシカ】 残り精神力が1点。魔晶石、使っていい?
【ダンデ】 いいよ。
【GM】 「やめとき、使わんとき」と、魔術師は言う。
「それを素直に返したら、命だけは助けてやろうじゃないか」
【ゼシカ】 「あの村、襲ってたん自分やろ?」って言う。
【GM】 「襲ってないよ、ちょっと借り物しただけ」
【ゼシカ】 「それを返せ。おまえが返したら、俺も返す」
【GM】 「じゃあ、返す」
【ゼシカ】 「羊、食ったやろ!」
【GM】 「動けばいいんやろ、動けば」
【ゼシカ】 何、羊ゾンビ?
【ダンデ】 魔晶石は返さない。売ったらなんぼになると思っとん(笑)。
【ゼシカ】 これは魔法でいったほうがいいんか、どついたほうがいいんか。
【ダンデ】 そこはキミの判断に任すわ。
【ゼシカ】 魔術師って、もうだいぶダメージくらってるよね。魔晶石は、売るんなら使わんとこ。ぴこぴこハンマーで殴る。
 (ころっ)当たった、回したわ。ダメージ8点。
【GM】 うわー、ぴったり倒れた。でも、[生死判定]には成功してるんで、かろうじて行きてる。
【ゼシカ】 ぴこぴこハンマー、強い! 「ぴこっ、ぴこっ」って遊んどこ。「きゅっ、きゅっ、きゅっ」って歩いて。
【ガラード】 魔術師はどうします?
【ゼシカ】 縛ろう。俺は縛るもん持ってないけど。
【ダンデ】 わたしも持ってない。
【ガラード】 同じく。じゃあ、マントで縛っちゃいましょう。
【ゼシカ】 ぎゅーっと。
【ダンデ】 ガラードか王様の傷を〈キュアー・ウーンズ〉で治すけど、どっちが欲しい? ちなみに、2倍がけは無理っす。
【ゼシカ】 王様はまだいけそうな気がする。
【ダンデ】 なら、ガラードのほうを治そう。(ころっ)7点回復。
【ガラード】 あ、よかった。
【ゼシカ】 よし。じゃあ、魔法使いは引きずって行こう。ザクザクっていう音の源を探ってみんとな。
【ガラード】 最初にザクザクっていう音を聞いた十字路に戻ります。
【GM】 では、キミたちは、意識不明の魔術師を引きずって、階段下の十字路まで戻ってきたよ。
【ゼシカ】 ザクザクって何か掘ってる音、まだしてる?
【GM】 してる。
【ダンデ】 いったい、何やろな。
【ガラード】 注意しつつ、音がするほうへ進んでみましょう。
【GM】 では、キミたちは未探索の通路の奥へ侵入していった。
 歩を進めるごとに土を掘る音は大きくなる。石造りに床の脇には、土が盛られてるね。
【ゼシカ】 土?
【GM】 そのまま進んでゆくと、やがて、通路を成す石材が崩れている場所に入っていったよ。明らかに土をくり貫いたような通路に変わる。
【ダンデ】 お?
【GM】 土壁をよく見てみると、ところどころにツルハシの跡があるのがわかる。
【ダンデ】 なるほど。崩れた通路を掘り返してるんかな?
【ガラード】 この通路の先、暗視で何とか見えませんか?
【GM】 ここまで来たら、もう見えるかな。
 ガラードは、ゴブリンがツルハシで穴を掘ってる後姿を見ることができたよ。その横には、人間っぽい姿が2つ。片方は、崩された土をシャベルで大きなザルに盛り、もう片方がそれを抱えてキミたちのほうへ近づいてくる。
【ガラード】 見つかった?
【ゼシカ】 こっちの照明は消してないよな。相手の反応は?
【GM】 とくにないね。すさまじい腐臭を放ち、ぎくしゃくと緩慢な動きで近づいてくる彼の虚ろな眼孔は、たぶんガラードたちを捉えていない。
 たいまつの明かりの範囲に入ったとき、ダンデとゼシカにも彼の姿を見ることができる。体の肉が一部崩れ落ちて白い骨を覗かせ、残った皮膚も腐って黒ずんでいる無残な姿を。
【ダンデ】 ゾンビか!
【ゼシカ】 ちなみに[センス・オーラ]してみた結果は?
【GM】 負の生命力をビンビン感じる。
【ゼシカ】 攻撃はしてこない?
【GM】 そんな様子はないね。キミたちのそばを抜けたゾンビは、通路の脇にザルの土を捨てて、またゴブリンがツルハシを振るう奥の暗がりへ戻ってゆく。
【ゼシカ】 どこまで掘ってくんやろ、これ。
【GM】 たぶん、魔法使いが「やめろ」と言うまでちゃうかな。
【ダンデ】 ギネスに挑戦してもらおか。生暖かい目で見て帰ろう。
【GM】 成仏させへんのん? 人間やで、左側。
【ダンデ】 そういえばプリーストやったな、わたしは。
【ガラード】 大丈夫ですか?(笑)
【ダンデ】 どうやったら成仏させられるんですか? 〈ターン・アンデッド〉ですか?
【GM】 〈ターン・アンデッド〉か、倒すか、やな。高レベルなプリーストなら〈セーブ・ソウル〉っていう、アンデッド化した死者の魂を救う魔法が使えるけども、今のダンデでは、その魔法は使えない。
【ダンデ】 そっか〜。〈ターン・アンデッド〉を使うと、精神力切れでわたしは気絶してしまうけど、持って帰れる?
【ガラード】 引きずるぐらいだったら何とか。
【ダンデ】 「引きずるの?」って睨んどく(笑)。
【ガラード】 「いえ、がんばります」(笑)
【ダンデ】 じゃあ、〈ターン・アンデッド〉しとくか。(ころっ)っと。
【ゼシカ】 バーサークしたらどうなるんやろ?
【GM】 ぐわぁーってすごい勢いで掘りだすかも。
 でも、これは戦闘ではないので、自動的にアンデッドが崩れ去る効果が出たことにしましょう。強制的に穴掘りさせられていた3体のゾンビたちは、ぼろぼろと崩れ去りました。
【ダンデ】 これでわたしは精神力が尽きたので、気絶っす。ばったり倒れます。
【ガラード】 ダンデを抱えて帰ります。身長不足で、足だけ地面に引きずる結果になるかも知れないけど(笑)。
【ゼシカ】 王様は魔術師を引きずって帰るか。

 そうして3人の冒険者たちは、村へ凱旋した。

【ゼシカ】 村長に「犯人捕まえた」って、縛った魔術師を引き渡す。
【GM】 「こいつが騒動の犯人ですか。ありがとうございました。さっそく官憲に突き出しましょうぞ」
【ガラード】 そうしてください。
【ゼシカ】 「羊は食われてました」
【GM】 「それは残念です。でも、もうあきらめてましたから」と、村長。
 羊の飼主ベンさんは泣いてるけどね。彼だけは、羊が無事に帰ってくると信じてたから。
【ゼシカ】 遺髪を持ってくればよかった。
【ガラード】 遺髪!?
【ダンデ】 遺毛やな。
【GM】 それでは、事件を無事に解決してくれたので、村長が約束の報酬1002フィスを支払ってくれたよ。
【ダンデ】 ひとり334フィス。そこからガラードに借金の100フィスを返すから。
【ガラード】 どうも。
【ゼシカ】 この魔晶石さ、売りたいねんけど。売ったら、なんぼになるの?
【GM】 そいつは残り魔力が24あるので、2万8800フィスになると思われますな。
【ダンデ】 ひとり9600フィスか。
【GM】 それは売れたらの話やけどね。この村では、買い取りは不可能っぽい。
【ゼシカ】 シュヴァンガウなら大丈夫やろ。王都やねんから。
【GM】 確かにシュヴァンガウなら、魔法の物品を買い取ってくれる店が1軒だけある。
【ゼシカ】 じゃあ、シュヴァンガウに行こう。
【ダンデ】 ひとり9600フィスやもん、目指す価値はあるな。
【ガラード】 その魔晶石、使ったら売値が下がるんですよね?
【GM】 下がるよ。
【ゼシカ】 間違って使わんように、アイテム欄の別のとこにメモしとこっと(笑)。
【GM】 ふふん、シュヴァンガウへ行く途中で、ドラゴンをいっぱい出そっと。
【ガラード】 いきなりレベルが違うくないですか?
【ゼシカ】 そんなん出てきたら、全力ダッシュで逃げるから。
【ガラード】 えっ?! いやいや、私、置いてかれちゃうんですけど。
【ダンデ】 分け前が増える(笑)。
【ガラード】 ひどーい!

÷÷ つづく ÷÷
©2010 Hiroyoshi Ryujin
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