≪REV / EXIT / FWD≫

§短編[3]§

ドラゴンの鞘を取り戻せ

作:Group-MIYS 著:龍神裕義 地図:もよ
▽ 「うっ、また、そのパターンか」 ▽ 「カオティックは許さない」 ▽ 「古の道具は、古のままに」

「うっ、また、そのパターンか」──レックス

【GM】 まずは自己紹介してみ。
【プレイヤー1】 僕は魔法使いでぇ〜、セ〜ジのT・レックス。
【プレイヤー2】 ティラノサウルスってことや。恐竜っちゅーこっちゃ。
【GM】 さんざん悩んでつけた名前がそれか。
【レックス】 年齢は14歳。
【GM】 14歳!? 15歳未満は未成年だから、冒険には出れないよ。どうしてもというのなら、能力値にペナルティを受けてもらうけど。
【プレイヤー2】 じゃあ、24歳にしとき。
【レックス】 心は16歳!
【プレイヤー2】 体は24っ! ……俺は18歳ね。
 はじめまして、僕はホーキンスと申します。
【レックス】 ……靴か……。
【ホーキンス】 稼業はシーフをやっております。シルファスのプリースト技能も持っています。でも、ルールを忘れたので、魔法は使えません。よろしくお願いします。
 以上、おわり。
【プレイヤー3】 私のキャラは、ハーフエルフのギルサナスくんです。通称ギルと呼んでください。生まれはエルフの森だけど、育ったのは人間の社会。ファイターね。
【ホーキンス】 よろしく!
【GM】 じゃあ、始めよう。
 キミたちは、すでに友達である。田舎の村の幼なじみ。
【ホーキンス】 勝手な設定や。田舎モンやってよ。
【レックス】 たまらんわ。
【GM】 キミたちは、「都会に行きたいなぁ」って、村を飛び出したわけだ。
 そうして旅すること数日、ある日の夕暮れのこと。キミたちは、故郷と似たようなさびれた村に来た。
【ホーキンス】 しかしレックス、ええ時計しとるやないか。ちょっと見せてくれ。……どこの時計や、これ?
【レックス】 パチモン(=贋物)や。
【ホーキンス】 どこのパチもんや。みんな見たってくれ。ブランド名な、読まれへん。読んでくれ、そのブランド名。
【GM】 『ラフォード』……たしかに、どこのパチモンかわからんな(笑)。ラフォードというキャラ名でもよかったかもな、レックス。
【ホーキンス】 GMのええとこのやで。マヌエッティ・マレリ。
【GM】 『マグネッティ・マレリ』というパチモンやったりして(笑)。
【ギルサナス】 俺の『カンガルー』やで。
【ホーキンス】 カンゴールやろ(笑)。
【GM】 ホーキンスのやつは『TAC・ヒューマン』やんな。
【ホーキンス】 なんでパチもんやねん! TAG・ホイヤーや。ほら、TAG・ホイヤー!
【レックス】 わ〜、スゴイな〜って感じぃ。
【GM】 時計なんか、どーでもいいの(笑)。
 で、キミたちはどうする?
【ギルサナス】 もう、夕暮れなんやんな?
【レックス】 じゃあ、休む場所を探す〜、宿を探す〜。
【ギルサナス】 そうやな。とりあえず、宿屋に行こうじゃないですか。
【ホーキンス】 うん。
【GM】 それでは宿屋に来た。
 宿屋のオヤジが、「いらっしゃい」と出迎える。
【ホーキンス】 おう、おう!
【GM】 そして、キミたちが冒険者だと察したオヤジの表情は、見るみるうれしそうなものになってゆく。
【レックス】 うっ、また、そのパターンか。
【ギルサナス】 とりあえず、一夜の宿をだな──。
【ホーキンス】 ひと晩、タダで泊めてくれ!
【GM】 「仕事してくれるんやったらのォ」
【ホーキンス】 何をしたらええんや。
【GM】 「えっとなぁ──」
【ギルサナス】 ――早いな、展開が(笑)。
【レックス】 仕事というのは?
【GM】 「盗まれた村の秘宝を、取り戻してほしい」
【レックス】 秘宝って何なん?
【GM】 鞘。
【ホーキンス】【ギルサナス】 鞘ァ??
【GM】 もちろん、魔法のアイテムだよ。『ドラゴン・キラーの鞘』と呼ばれる。
【ギルサナス】 そんなん、秘宝でもなんでもないやん。おもいっきり、秘密がバレてしまってるやんか。
【GM】 いや、秘宝というのは「秘蔵の宝」であって、「秘密の宝」じゃないから(笑)。
【ホーキンス】 で、誰に盗まれたんや。聞いたろ。
【レックス】 「おっちゃんに話してみ」って感じやな。
【ギルサナス】 けっきょく、レックスはおっちゃんという設定になったんや(笑)。
【GM】 オヤジの話によると、村の西に広がる森の中に、ひとつの塔があるらしい。
【ホーキンス】 塔?
【GM】 十数年前まで、そこには多くの魔術師や学者が住み込み、何かの研究していたという。
 しかし、ある日。大勢の魔術師たちは、忽然と姿を消してしまった。謎を残したまま……。
 それ以来、塔は無人となり、不気味に思う村人たちも、そこに近づくことはなかった。
 んが、なんか最近、ゴブリンたちが住みついたらしい。
「どうも、そのゴブリンどもに盗まれたようだ、というもっぱらの噂だ」
【ホーキンス】 ゴブリン!? 何頭?
【GM】 「数はわからんが、まあ、3匹以上はいるだろうなぁ」
【ギルサナス】 なるほど、俺らにはピッタリの冒険やな。
【GM】 「そこに行って、鞘を取り戻してきてほしい。行ってくれる?」
【ギルサナス】 どうする?
【ホーキンス】 タダで泊めてくれる?
【GM】 もちろん。
【ギルサナス】 とりあえず、ふだん、秘宝はどこに置いてあったん?
【GM】 村長の家。
【ギルサナス】 で、攻めてきたわけか。ゴブリンが。
【GM】 いや、なんか、こっそり持っていかれたらしい。前夜にはあったけど、翌朝にはなくなっていたらしい。
【ホーキンス】 ゴブリンは夜行性だからさ。
【ギルサナス】 それで、なんでゴブリンが犯人だとわかったん?
【GM】 「だって、最近ゴブリンが近くに住み着いたら、なくなってたもん!」
【ホーキンス】 それは、思いこみかも知れん、ということやな。塔に行っても、秘宝がない場合もあるわけだな。
【ギルサナス】 ゴブリンに、盗みなんて高等なテクニックはないから、もしかしたら、シーフのしわざかも知れん。
【ホーキンス】 何のために、ゴブリンは鞘を盗んだのか。
【ギルサナス】 とりあえず、今夜はここに泊めてもって、明日の朝、村長の家に行って詳しい状況を調べてみよう。
【GM】 では、翌朝になったよ。
【ホーキンス】 じゃあ、村長の家に行く。
【GM】 やって来た。
「やあ、どうも。あなた方が、噂の冒険者ですな」
【レックス】 もう、噂が広がってるのか。さすが、田舎の村(笑)。
【ギルサナス】 まず、ドラゴンの鞘とはどんな物だったのか、聞いてみる。
【GM】 その形状にぴったりの剣を入れて、3日3晩の儀式を行うことによって、剣をドラゴン・キラーにする魔法のアイテム。
 ただ、あと1回ドラゴン・キラーを作ったら、壊れてしまうらしいけど。
【ギルサナス】 それが盗まれたとき、さっぱり気づかなかったん?
【GM】 「気づきませんでしたな、なんかゴソゴソしてるな〜、とは思ったけど」
【レックス】 そのとき、起きろよ!(笑)
【ホーキンス】 じゃあ、足跡とか調べてみようか。まずは家の中で。(ころっ)
【GM】 すると、秘宝を置いていたという部屋の床に、たくさんの足跡を見つけた。
【ホーキンス】 何の足跡?
【GM】 人間のものじゃない、ってことはわかる。
【レックス】 セージ技能で調べてみる。(ころっ)
【GM】 ゴブリンのものだね。
【ギルサナス】 ゴブリンが盗んだんか!? セージならわかるよな、俺は普通のゴブリンじゃないと思う。
【ホーキンス】 足跡から、そんなのがわかるか?
【GM】 まあ、さっきの出目ではムリかな。
【ギルサナス】 普通のゴブリンが、気づかれずに盗み出せるか? その日、村長はいったい何をしとったん?
【GM】 宴会から帰ってきて、ベロベロに酔っぱらって寝てたらしい。
【ギルサナス】 酒が入ってたんか(笑)。
【レックス】 ほんなら、村長が悪いじゃない。嫁さんとかが悪いねん。
【GM】 いや、この村長は独身だよ。
【レックス】 えぇ〜? 普通、結婚しとかなアカンのんちゃうん。
【GM】 そんなこと、誰が決めた。
【ホーキンス】 その足跡を追跡して行けそうなの?
【ギルサナス】 ゴブリンの住処の場所は、わかってるやん。西の森の中の、魔術師の塔やろ。
【ホーキンス】 本当にそこに続いてるかどうか、という問題がある。
【GM】 足跡は、西の森のほうに向かっているようだ。
【レックス】 なら、決定だね。
 で、報酬はいかほどもらえるんでしょうか?
【GM】 成功報酬で550フィス。
【ホーキンス】 おお、それはひとり頭やな? よっしゃ!
【レックス】 仕事を受けるということだね。
【ホーキンス】 で、その塔までは歩いて行けるん?
【GM】 2時間ぐらいで行けるよ。
【ホーキンス】 あ、そんな近いの。

「カオティックは許さない」──ホーキンス

【GM】 かつて、その塔に住んでいた魔術師や学者たちは、この村まで食料の買いだしなどに来てたぐらいだから。
 古道をたどって行けば、迷うことはないよ。
【ギルサナス】 魔術師たちが住んでいたということは、その塔には、文献とかがけっこう残ってるわけやろ?
【GM】 そうかも知れないね。村人は中に入らないので、知らないけど。
【ギルサナス】 そこに住み着いたゴブリンたちは、残された文献とかで知力を得たとか、そういう可能性が考えられるわけだ。
 俺は、普通のゴブリンではないと思う。
【GM】 (人間の文字が読めるゴブリンって、それだけで普通でない気がするが)
【ホーキンス】 ゴブリンたちは、ドラゴンの鞘の価値を知ってたんやろか?
【レックス】 とりあえず、森の中の塔へ行ってみますか。
【GM】 では、村の西の森の中、教えられた古道を2時間ほど進んで行くと、木々が開けたところに問題の塔が見えてきた。
 しかし、無人ではなさそうだ。
 なぜなら、塔の入口の前に、2匹の魔物が見張りに立っているから。
【レックス】 僕らは、気づかれてる?
【GM】 いや、キミたちは茂みの奥にいて、向こうはまだ気づいていない。
【ホーキンス】 魔物が何か、わかる?
【レックス】 セージ技能で調べよう。(ころっ)
【GM】 ゴブリンです。
【ホーキンス】 「ゴブリンだと!?」と、驚いてみる。わかってるねんけどな。
【GM】 じゃ、そろそろ見張りに気づかれる可能性があるので、チェックしてみよう。
【レックス】【ホーキンス】【ギルサナス】 (ころっ)
【GM】 すると、ギルサナスが見つかった。「そこにいるのは誰だッ!?」って言われた。
【ギルサナス】 突撃しかないぞ。
【ホーキンス】 でもなぁ……いや、そやな。気づかれたら、もう、突撃しかない。
【レックス】 僕は[パリィ(防御姿勢)]!
【ギルサナス】 シールドを捨てて、バスタード・ソード両手持ち。うおりゃあッッ!! (ころっ)当たり! ゴブリンAに11点のダメージ……まだ、死なんわな。
【ホーキンス】 ゴブリンAに攻撃ィ。(ころっ)当たり、7点ダメージ。
【GM】 そしたら、ゴブリンたちの攻撃。2匹ともギルサナスへ──1匹当てて、4点のダメージ。

 3ラウンド後、冒険者たちはゴブリンを撃破した。

【ホーキンス】 とどめ刺しとけ。
【レックス】 とどめ、とどめ〜。
【GM】 はいはい、死んだ死んだ。
【ホーキンス】 ブスってやるだけや。
【GM】 「ブス」っていうか、レックスの武器はメイジ・スタッフだから「グワシャ!」(笑)。
【ギルサナス】 塔の上から、誰か見てたりしてへんか? 窓とかから顔を出して。
【GM】 窓はたくさんある。しかし、キミが見上げたとき、誰も顔を出してはいなかった。

 冒険者たちは塔に潜入し、探索をはじめた。
 そして、元食堂(A)の奥にある扉を開けて、元厨房(B)に入ったとき、先頭のギルサナスは、エサをむさぼっていた1匹のゴブリンと目が合ってしまった。

【ホーキンス】 さっそく息の根を止めてやろう。言葉は通じないんやろ?
【ギルサナス】 攻撃や。あっ、俺、塔の外にシールド捨ててきたままや。あとで拾いに行かな。
 (ころっ)当たり。
【GM】 負傷したゴブリンは、あっさり降伏してきた。たどたどしい共通語で、「何でも話すから、命だけは助けてくれ」と言っている。
【ホーキンス】 でも、聞きたいことなんかないやんか。
【ギルサナス】 あるあるある!(笑)
【レックス】 ドラゴンの鞘のことを尋ねる。
【ギルサナス】 「最近、村長の家から、ドラゴンの鞘を盗んだか?」と。
【GM】 「それは、オレじゃねーよォ。オレはそれに参加してねーよォ」
【ホーキンス】 ということは、仲間の誰かが盗んだわけだな。
【ギルサナス】 「それは誰かに頼まれたのか?」
【GM】 「うんうんうん。オレたちの主人の、オネットという人間が命令した」
【ギルサナス】 なるほどな。裏で糸をひいてる奴がいたんだ。
【ホーキンス】 「おまえの主人は、この塔にいるんだな?」
【GM】 「いるよ。この塔の4階に」
【レックス】 じゃあ、このゴブリンに、この塔の構造を全部聞いてしまおう。地図とか描かして。
【ギルサナス】 そりゃ、ムリだろ。
【ホーキンス】 何でもいいから、吐かそう。脅そう。「100フィスあげるから」と言って、知ってることをしゃべらそう。
【GM】 「1階があって、2階があって、3階があって、4階があって、オネット様の部屋には、ノックしないと入れないんだぜ」
【ホーキンス】 「そのオネットというのは、何者なん?」
【GM】 「人間だ」
【ギルサナス】 オネットは何をしようとしてるのか、わかるか?
【ホーキンス】 ドラゴン・キラーを作るんか?
【ギルサナス】 何のためにドラゴン・キラーがいるのか、だな。
【GM】 「う〜ん……わかんな〜い」
【ギルサナス】 「オネット様が魔法を使ったところを見たことがあるか?」
【GM】 「噂に聞いたことがある。もう助けてくれ〜」
【ホーキンス】 殺そう。
【レックス】 ロープで縛って、先導させるって手もあるんですけど。
【ホーキンス】 アカン、アカン。それは自分らで散策ができんようになるから。殺そう。
【ギルサナス】 ちょい待って。4階まで、出入りは楽なん? 楽というか、罠が仕掛けられてたりするのか?
【GM】 「知らな〜い。ただ、あの──」
【ホーキンス】 殺すぞッ!
【レックス】 ちょい待ち。
【GM】 ぶしゅう〜!(笑)
【ホーキンス】 ちゃうちゃう。脅しや、今のは(笑)。
【GM】 なら、ゴブリンは「もう助けくれ〜」と、懇願してくるよ。
【レックス】 この塔に何人ぐらい仲間がいるのか、尋ねてみる。
【GM】 「いっぱい」
【レックス】 わからんのかぃ!
【ギルサナス】 まあ、しゃあない。ゴブリンの頭の中は、「1、2、3、いっぱい、いっぱい、いっぱい」──だから(笑)。
【レックス】 じゃあ、仲間は6人いるんだな。
【ホーキンス】 ……どんな勘定しとんねん、おまえ?
【レックス】 いや、「いっぱい」が3つで──。
【ホーキンス】 『いっぱい=1』かぃ(笑)。
【GM】 「助けてくれよ〜」
【ギルサナス】 まあ、助けてやりたいけど、変に逃がして、仲間に知らせに行かれても困るから。
【GM】 「そんなことしねえから、助けてくれ〜」
【ホーキンス】 信用できん。ゴブリンだから。
【GM】 「オレの目をみてくれッ!」
【ホーキンス】 目を見たらよけいに信用できん、殺す!(笑)
【ギルサナス】 俺はロープで縛って置いとこうと思ってんけど。
【ホーキンス】 レックスはどう思う?
【レックス】 連れていっても、荷物になるだけみたいやし〜、縛るロープもないしィ〜、殺すに賛成(笑)。
【GM】 「げっ、多数決で2対1?!」
【ギルサナス】 じゃあ、俺は部屋から出て、階段のとこまで行っておこう。
「アカン、至高神のプリーストがおった。関わらんほうがいい」(笑)
【GM】 じゃあ、階段のところまで、断末魔の絶叫が聞こえてきた。
「うぎゃあ〜ッ!! いたいぃぃぃ〜ッッ」
【ホーキンス】 「痛い」なんて言ってる場合ちゃう。死んでから「痛い」なんて言われへん(笑)。
【GM】 あ〜あ、死んでもた。
【レックス】 当然やん。野蛮なシルファスがいるんやから(笑)。
【GM】 至高神って、法と秩序と礼節を重んじる神様なんだけどなぁ。
【ホーキンス】 だから、秩序を守ってん。カオティックは許さない。
【レックス】 ローフルって怖いね。
【ギルサナス】 カオティックも怖いぞ。どっちもどっち。ニュートラルがいちばんいい。
【ホーキンス】 それはどっちつかずで最低。
【ギルサナス】 とりあえず、2階へあがりますか。

 冒険者たちは、2階の各部屋を探索しはじめた。
 途中、バルコニーのある部屋(H)では、北東の隅に8本のヤリが刃を天井に向けて立てられているのを発見する。
 そのヤリが、ただのロング・スピア(筋力14)だと知った冒険者たちは、気にもとめずに3階へ行き、部屋(K)に入った。

【GM】 北側の壁がちょっと崩れて、穴が開いてる。ひとが通れるぐらいの大きさの穴だね。
 それ以外に、とくに見当たるものはない。
【ギルサナス】 隣の部屋につながっているかも知れない、ってことやな。
 穴を覗いてみる。
【GM】 穴の向こうも、こちらの部屋と同じ大きさの部屋(J)。
【ギルサナス】 じゃあ廊下に出て、隣の部屋(J)の扉が開くかどうか、調べに行ってみよう。
 たぶん、部屋(J)の扉が開かないから、この穴から出入りしてるんだと思うけど。
【GM】 ギルサナスひとりで行くのか、それは?
【ホーキンス】 オレはギルサナスに続いて行く。

「古の道具は、古のままに」──ギルサナス

【GM】 じゃあ、いちおう隊列教えてくれ。
【ホーキンス】 ギルサナス、レックス、ホーキンス!
【レックス】 普通は、ホーキンス、レックス、ギルサナスやろ(笑)。
【ギルサナス】 ホンマや。シーフが後ろにいてどーすんねん(笑)。
【GM】 では、ギルサナスは落っこちた。廊下の床に、落とし穴があったのだ。
【ギルサナス】 えっ?! [罠感知]させてよ。
【GM】 キミはシーフ技能を持ってないでしょ。
【ギルサナス】 どのくらい落っこちたん?
【GM】 高さは3メートルぐらい。その下に、ヤリが8本ほど、刃を上にして立っている。
【ギルサナス】 なるほどな、さっきの2階の部屋(H)か。回避はできないの?
【GM】 猫じゃあるまいし(笑)。15点のダメージな。鎧で止めてくれ。
【ギルサナス】 8点止めたので、7点くらった。ちくしょう、3階に戻ろう。

 この後、冒険者たちは4階に行き、ガラクタがいっぱいある部屋(M)で魔晶石を5つばかり見つけた。
 そして、部屋(O)の前にやって来た──。

【ホーキンス】 扉に向かって、罠チェック。(ころっ)
【GM】 罠は見つからない。
【ホーキンス】 この達成値で見つからないってことは、罠はないってことやな。
【ギルサナス】 あとはファイターの仕事だな。俺が扉を開ける。
【GM】 開かないよ。
【ホーキンス】 鍵や。鍵開け! (ころっ)
【GM】 う〜ん、手応えはない。
【ギルサナス】 魔法がかかってるんや。レックス、〈センス・マジック〉。
【レックス】 うおっ、命令されてもた(笑)。〈センス・マジック〉。(ころっ)
【GM】 じゃあ、扉に魔法がかけられているのがわかった。
【ホーキンス】 魔法で解除せなアカン、ってことだな。〈アンロック〉! ロックン・ロール、キャプテン・ハーロック。
【レックス】 そんじゃあ、〈アンロック〉。(ころっ)解除できた。後はよろしく。
【ギルサナス】 よし、開けてしまおう。
【GM】 部屋(O)の中には、ゴブリンが2匹、体格のいいゴブリンが1匹いる。
 そいつらは、すでに戦闘態勢をとってるよ。
【ギルサナス】 普通のゴブリンと、たぶん、ゴブリン・シャーマンや。

 さて、部屋の中に控えし魔物たちは、駆け出し冒険者にはちょうどいい相手。あっさり蹴散らすというわけにはいかず、わりと戦闘は長引いた。
 ちなみに、ギルサナスがゴブリン・シャーマンだと読んだ魔物は、ホブゴリンだった。
 なんとか魔物どもを倒したはいいが、肝心のオネットの姿が見あたらない。
「どこかに隠れている」と判断したまではよかったが、冒険者たちは、見当ちがいの場所をただ一箇所のみ捜査して、隠し扉はないと断定。
 そんなこんなでさんざん迷ったが、何とか部屋(P)にて隠し扉を発見できた。
 隠し扉の奥には3階へおりる階段があり、その先の大広間(I)に、ひとりの魔術師ふうの男が待ち構えていた!

【レックス】 「オネットか」と聞いてみる。
【GM】 「いかにも」
【ギルサナス】 いきなりいるのか。しくじったなぁ……。(←ボス戦に備えていろいろ考えがあったらしい)
【GM】 あと、オネットの前には、石人形が3つ立っている。レックスにはすぐにわかるけど、そいつはストーン・サーバンドという奴。
【ギルサナス】 ゴーレムの小型版だな。ってことは、オネットが命令しない限り、襲ってこないわけだ。
【ホーキンス】 ドラゴンの鞘を盗ったんは、こいつやろ。
【GM】 うん。オネットの背後に、意匠を凝らした鞘が立てかけられている。
【ホーキンス】 「さ・さ・鞘ァ、盗ったやろ!?」
【GM】 「盗ったでぇ〜、悪いんかぃ!」
【ホーキンス】 「悪いわ、ひとのモン盗ってからに。返して」
【GM】 「いやっ!」
【ホーキンス】 「返して。頼まれとんねん、こっちは」
【GM】 「だって、オレこれ研究するねんもん。持って帰るの、やめて」
【レックス】 なんで、カタコトなんだ(笑)。
【ギルサナス】 ひとの物を盗るなんて、泥棒のはじまりだぞ(笑)。
【ホーキンス】 「ウチらなあ、手ぶらで帰られへんねん。返して。このおっちゃん(=レックス)に返したって!」
【GM】 「誰や、そいつ」
【レックス】 誰でしょう(笑)。
【ホーキンス】 「このひと(=レックス)、もう、おっちゃんやから」
【GM】 「オレかて、おっちゃんじゃ」
【ホーキンス】 「アカン。このひとのほうが、すごいおっちゃんや」
【GM】 「オレなんか、白髪もあるもん」
【レックス】 俺も白髪あるで、ほら。
【ギルサナス】 自分で言うか(笑)。
【ホーキンス】 「ほんなら、このおっちゃんにケンカ売ってみ」
【レックス】 「来い!」びしっ。
【GM】 「よっしゃ、ケンカ売ったろか?」
【ホーキンス】 「いや、このひと(=レックス)に、やで?」
【GM】 いやいや、爆心地ずらし&範囲縮小の〈ファイアボール〉だから、キミら全員が範囲に入る。全員、レジストしてみ。
【ギルサナス】 じゃあ、ストーン・サーバントも範囲に入ってるよな?
【GM】 だから、爆心地ずらし&範囲縮小なんだって。範囲に入ってるのはキミたちだけ。
【ギルサナス】 ちぇ、いきなり来たわ。俺のセリフ、言う間もなかった。
【GM】 なら、レジストしながら言うてみ。
【ギルサナス】 「古の道具は、古のままにしておいたほうがいい」
 (ころっ)失敗。うそぉ!?
【レックス】 (ころっ)レジスト成功〜。
【ホーキンス】 (ころっ)失敗した。
【GM】 では、ダメージが行くよん。(ころっ)ギルサナスは8点、レックスには13点、ホーキンスは9点。
【レックス】 うお〜ッ、死ぬぅ〜!
 ……おい、僕がいちばん痛いぞ。レジストできたんとちゃうんか!(笑)
【GM】 ダイスの神秘やね。
【ホーキンス】 オレも死にかけや。死ーにーかーけーやぁ〜。
【ギルサナス】 ……俺、生命点ゼロ……。罠とゴブリン戦のダメージを回復させてなかったもんなぁ。
【ホーキンス】 忘れとったわ(笑)。
【レックス】 だってな〜。ボスの部屋の前には、豪華な扉がないといかんのに、いきなり待ち構えてるんやもん。
【GM】 誰が決めてん、そんなこと(笑)。
 じゃあ、ギルサナスは[生死判定]な。
【ギルサナス】 (ころっ)ギリギリ助かった。意識不明の重体。
【ホーキンス】 〈キュアー・ウーンズ〉をかけるぜ〜。
【レックス】 魔晶石使って拡大して、いっきに全員にかけてくれるとありがたい。
【ホーキンス】 そんじゃあ、3倍消費ぃ〜。(ころっ)

 とんでもない出だしとなった、ラスト・バトル。
 殺されかけたギルサナスは雪辱に燃え、何がなんでもオネットを倒すと宣言。レックスとホーキンスがストーン・サーバントたちを押さえて、ギルサナスをサポートする。
 ホーキンスとレックスが3体のストーン・サーバンドを撃破した頃、レックスの〈エンチャント・ウェポン〉を受けたギルサナスが、クリティカル・ヒットでオネットを倒した。

【ホーキンス】 ナ〜イス。
【ギルサナス】 ところで、倒れたあの魔法使いをどうしましょうか?
【ホーキンス】 死、あるのみ。死刑。コロス。
【GM】 クリティカルくらってるんやから、とっくに死んでるっちゅーねん。
【レックス】 ところで、オネットの装飾品を調べてみますが。何かないですか?
【GM】 えーっとね、魔法の発動体になる指輪があったよ。
【レックス】 メイジ・リングね。それは欲しいなァ、奪っておこう。
【GM】 ただし、必要筋力24だったりして(笑)。
【レックス】 どんな指輪やねん!(笑)
【GM】 ウソウソ。やるからもらっとけ、フンだ。
【レックス】 他には?
【GM】 とくにないね。
【レックス】 じゃあ、ドラゴンの鞘を持って帰ろう。
【GM】 村に帰ってきた。
「ありがとー! ほんじゃ、金やるわ」
【レックス】 450フィスだったっけ?
【ホーキンス】 あほう! 550フィスや。
【GM】 覚えてたか(笑)。
【ホーキンス】 あたりまえや、っちゅーねん。

÷÷ おわり ÷÷
©2001 Hiroyoshi Ryujin
Map ©2001 Moyo
▼ もしよろしければ、ご感想をお聞かせください ▼
お名前
ひと言ありましたら
 
≪REV / EXIT / FWD≫